週一、二度市内の図書館や書店などよく出掛ける。ふと気になる一冊を引き出してはパラパラとページをめくったり、目次や巻末の筆者紹介を走り読みするうち好きな本との出会いがある。

最近では有名な俳優さん芸人さんの本が次々と出て好評を得て、私達が知らない話も出て手にするたびにワクワクドキドキ。例外なく直接本を手に取り、それだけでその内容をうかがうことも出来、思いがけぬ本と巡り会うチャンスが多い。

書店でも図書館にしても十分活用して各コーナーに分類されたクセをいい意味で知ることも必要だと思う。店頭では宣伝の行きわたった大手出版社の本が幅を利かせている。例えば関心外であっても聞き慣れない出版社の本を手にとって見るのも面白い。文章をじっくり味わおうという文学作品ならともかく実用的な本なら最初から最後まで几帳面に読む必要もない。斜め読み、あるいは飛ばし読み、ひろい読みといってそのアウトラインを頭に入れて主にポイントをチェックすれば理解できると思う。

新刊書が次々と出される世の中、話題になる本全部読んでいたのではお金も時間ももたない。書評のウケウリとか本の内容を聞き出すのも手である。いずれにしても忙しい世の中、読む必要のないものは読まずに済ますのも大事な読書術かも知れない。時々は月刊誌、季刊誌など、どんな特集を組んでいるのかのぞいて見るも楽しい。

もっとも書店での長時間の閲覧は「立ち読み」と称して嫌われる。長くても五、六分で切り上げるべき。そして子供達にとっても本のすばらしさ、おもしろさを教え、また宝の持ち腐れにならないよう本の良さを習慣づけて、強制させず親が読みたい意欲を起こさせることも大事な教えだと思う。良書は確かに心の栄養源となる。私は本との出会いによって友をまた一人得たような喜びにかられる思いがする。

 

2012年3月号