私もいきいきクラブに入会して二十年になる。その間に各種学級でいろいろ学んできた。本年に入ってからは小学生の四、五、六年生の皆さんと一緒に勉強したり、戦争の事について話したり、新聞記事の事件のこととか、様々な話の中で子供が成長してゆく過程の子育ての話になり、その様変りの様子が話題になった。
私達の子供の頃には縦のつながり、つまり大きい子供と小さい子供と一緒に遊ぶ、一年生から高等科二年の子まで一緒になって遊んでいた。今の様にテレビも無ければゲームもない。外で遊ぶしかなかった。大きい子たちは上手にそれぞれの役割を当て、小さい子は素直にそれに従い調和が取れた。
女の子はどうだったか、お婆さんから昔話を聞く事が出来た。昔はどこの家にも子供が大勢いた。赤ちゃんをおんぶして、小さい子を一人から三人くらいまで連れて遊んでいた。女の子が十二、三才になる「子守り奉公」と言って大きなお屋敷の子守りに出され、過酷な奉公生活を送った。

子供が大きくなると「お行儀見習」を教えてくれた。お行儀も何もせず突っ返される時もあった。それが大多数だったろう。子供は子守りされ乍ら、お姉さんからいろいろな事を教わった。子守りのお姉さんから変な事を教わると、奥様から叱られるから気をつかったらしい。
昔は子供の服装を見れば、貧富の差ははっきり見えた。何不自由なく育った子よりも貧しい環境で育った子の方がへこたれず我慢強い。それともう一つ、人を助ける、世話をする、この思いやりの心が貧しく育った子のほうが秀でている。
今、お年寄りが孤独死するニュースが後を断たない。私の住んでいる田舎ではグランドゴルフを一日休めば「あの人どうした」とすぐ話題に上る。要するに、人間らしく子育てをする、子育てには自分の子も他人の子も関係なく、健全な子供を育てたいものである。
子育ては難しくもあり、又楽しいものだ。