平成二十四年  三月十七日
た か ね 定 例 句 会
於 アイセル静岡

 

参加者(順不同)永田のぶ男、長澤アキラ
増田信一、勝又恭子、松田夕介、山田浩則
稲森ユタカ、望月弘、森田安心、市川重雄
中野三根子、加藤鰹、川村洋未、山本智子
八木益代、杉山光代、尾崎好子、高瀬輝男
曽根田しげる、佐野由利子、薮﨑千恵子、
渥美さと子、南天子、大塚徳子、岡村廣司
内山敏子、成島静枝、真田義子、奥宮恒代
池田茂瑠、薗田獏沓、林二三子、酒井可福
鈴木まつ子、中矢長仁、石田竹水、井口薫
西垣博司、毛利由美、濱山哲也、滝田玲子
鹿野太郎、安田豊子、川口亘、鈴木まつ子
深澤ひろむ、小林ふく子、斉尾くにこ、中
司、鈴木千代見、谷口さとみ、山本野次馬
川口のぶ子、荒牧やむ茶、森だがやん、那
須野正、恩田たかし、畔柳晴康、川島五貫

 

▽雨降りだったので出席者が少なめかな?と思っていましたが相変わらずの満員御礼。旦那さんを送って喪に服していた尾崎好子さんも久々に元気な姿を見せてくれました。

 

 

席 題 「家  族」 尾崎 好子 選
小半日家族のように居る句会    さと子
家族断つ言語道断放射能      のぶ男
家族欄犬の名前も書いてある    恭 子
分度器でケーキを分ける大家族    鰹
旅に出て家族も忘れ羽根のばす   三根子
震災に家族の絆見直され      千恵子
家族愛口に出さぬが子の絆     のぶ男
さんざんに逆らった子が親の世話  由利子
家族にも言えぬ処にイボができ    鰹
初孫へ丸い座卓がより丸い     さと子
三世代同居が起こす泣き笑い    千恵子
見苦しい夫婦喧嘩で子が迷う    のぶ男
味噌汁が丸い家族の芯にある     弘
原発が後押しをする核家族      弘
介護する母に家族の輪が温い    由利子
家族割使うときだけ大家族     恭 子
壁に貼る家族で決めた合言葉    洋 未
忙しいくせに不思議と子沢山     鰹
子の宿題家族全員お手伝い     浩 則
誕生日家族揃ったサプライズ    益 代
母だから言えぬ真実だってある   アキラ
複雑な家族でもめる遺産分け    輝 男
何にでも父の威厳が効いた頃    さと子
困ったら家族の顔がすぐ浮かぶ   三根子
 五 客
慶弔の時だけ寄ってくる家族    信 一
大家族無一文でも出直せる     しげる
家族っていいな心があったまる   由利子
父さんを見ているだけで辛くなる  アキラ
行き詰まるたびに家族に励まされ  千恵子
人 位
旅プランバスは家族で貸し切った  洋 未
地 位
卓袱台が無くて家族の輪にならぬ   弘
天 位
じいちゃんの席初孫が鎮座する   洋 未
軸 吟
干渉はしない家族になりきれず   好 子

 

 

宿 題 「味  噌」 曽根田しげる 選
みそっかずでのけ者だった子が介護 二三子
聞き飽きて干乾びている手前味噌   鰹
さあ起きよう今日も味噌汁具沢山  豊 子
みそっ歯の笑顔が並ぶ古いネガ   のぶ子
味噌汁の香りが癒す旅疲れ     智 子
味噌漬けの松坂牛でもう最高    三根子
脳味噌が熟んだらしくて作動せず  廣 司
仙台味噌のキリリと辛い母の味   徳 子
朴葉味噌食べサルボボと行く飛騨路  鰹
味噌汁もすっかり嫁の味に馴れ   晴 康
フレンチのシェフまで味噌の隠し味 静 枝
糠味噌の染みた女にご用心     千代見
日本人で良かったあさげやらゆうげ 好 子
得意気に息子自慢の手前味噌    益 代
生味噌のおかげ毎日元気です    輝 男
手なずけた愛しあの娘に味噌をつけ のぶ男
味噌汁の椀にも細く紅残す     茂 瑠
筆自慢手前味噌とも気付かない   廣 司
味噌カツを初めて食べた会議の日  たかし
手前味噌低い鼻まで高く見せ    晴 康
脳味噌がカニ味噌程と嗤われる   重 雄
味噌汁に昭和の味を残してる    天 子
愛されて味噌は丸みをおびていく  くにこ
脳味噌が今日もフリーズしたまんま 恭 子
薄味の味噌汁に愛確かめる     千代見
脳味噌が夜中に起きて昼寝する   信 一
みそ汁にうつつをぬかす果報者    亘
こだわりの味噌は宣伝などしない  博 司
みそっ歯で笑った写真宝もの    三根子
味噌おでん仙台味噌が味噌である  徳 子
味噌汁の歌が得意な千昌夫     ひろむ
新婚の味噌汁の味忘れない     安 心
味噌汁で今日のエンジン始動させ   薫
五 客
一杯の味噌汁脳も目を覚ます    恭 子
手前味噌なあんちゃってと照れ隠し 好 子
一汁一菜糧に僧侶が積む修業    さと子
味噌汁の寡黙喧嘩の跡がある    アキラ
脳味噌が減って思考がおぼつかぬ  千恵子
人 位
手前味噌ですが小百合と瓜二つ   やむ茶
地 位
脳味噌の味の出て来る老の知恵   重 雄
天 位
脳味噌が足りない割に大出世    安 心
軸 吟
脳味噌が黴ないように漫画読む   しげる

 

 

宿 題 「ふらふら」 増田 信一 選
自己主張ないので今日も右左    恭 子
妻の留守一人でワイン空にする   三根子
ふらふらが相手に的を絞らせぬ   アキラ
気がつけばまた座ってる縄のれん  さとみ
職場から賞味期限と追い出され   野次馬
酒三日断って思考がまとまらぬ   五 貫
性懲りもなくふらふらと恋をする  哲 也
温泉が混浴だった出られない    三根子
おばあさんの自転車おそろしく遅い 由 美
ふらふらと儲け話に乗せられた   廣 司
優柔不断また縁談を棒に振る    ひろむ
特売日ついふらふらと買いあさり  まつ子
公務員ふらふらしたらもう帰る   のぶ男
意気込んだ程には行かぬ持久走   さと子
ふらふらと昭和の杭が抜けはじめ  ふく子
夜ざくらに手まで繋いでふらふらと 晴 康
ふらふらに酔った男にある孤独   敏 子
日月火水木金土 日に五回     さとみ
脱け殻がうなだれている終電車   太 郎
ふらふらと弁当だけは持って出る  洋 未
ふらふらの酔った婿殿本音吐く   重 雄
父の独楽回り疲れている様だ    由利子
将来を考え過ぎて目まいする    竹 水
ふらふらの夢遊病者の妻を飼う   ひろむ
手が触れて法に触れてる酔っ払い  徳 子
大臣にふらふらこける椅子がある  恒 代
五線譜を落ちぬ音痴のちどりあし  くにこ
老犬がふらふら猟に置いてかれ   獏 沓
ふらふらと入った店でぼったくり  可 福
百円差行ったり来たりセール籠   智 子
只酒へなんとみっともない輩    好 子
五 客
定年譜ふらふらはもう風になる   アキラ
履歴書が歩きつかれる寒い街     弘
肩の荷が降りて真っ直ぐ歩けない  五 貫
霧の中わたしの色が決まらない   恭 子
ほとぼりが覚めて噂も元の鞘    智 子
人 位
日本を迷走させる消費税      やむ茶
地 位
そよ風に行く先決めず散歩する   晴 康
天 位
妻と母どっち着かずのヤジロベー   鰹
軸 吟
取りたての免許で走る知らぬ道   信 一

 

 

宿 題「 平 」表現自由 望月 弘 選
川柳の偉大な恩師平四朗      安 心
平均点すれすれで泣く受験生    玲 子
尻尾振る才覚も無く平の儘     廣 司
贅沢な日本平で富士を見る     長 仁
玄関を出れば関白ヒラとなる    博 司
決断へ偏平足を切り捨てる     さと子
平成のシンボルスカイツリー伸び  たかし
水団を知らない子らで平和だね   しげる
平坦な道で迷って出口無い     五 貫
平坦な道あちこちに落とし穴    恭 子
ミニの娘に平常心を試される    可 福
平凡は汗と涙でできている     哲 也
平凡で良かったなあという暮らし  千恵子
賞罰も無くて平に暮らす日々    ふく子
東北が太平洋の舌に乗る      やむ茶
軸足を気軽に変える平社員      薫
美人ママ平気で騙す喉仏      ひろむ
魂の目覚しだった平手打ち     哲 也
平社員だけで支えている会社    信 一
平坦な道も躓く生きる道      千代見
平穏な証拠か妻の二重顎      由利子
平気です少々の傷堪えて見せ     亘
平和論カラスも蟻も身構える    恒 代
平仮名も覚えぬうちに英語塾    益 代
平凡であじさい日記など付けず   くにこ
平気よと言うハイヒール泣いている 夕 介
マニフェストなんて平時の絵空事  由 美
まずくても顔には出さず平らげる だがやん
のほほんと生きて平均寿命越え   千恵子
孫一人いれば平和な風が吹く    安 心
病癒えいつもの場所にいる平和   二三子
五 客
偏差値に個性平たく押えられ    洋 未
セシウムを削った平地まだ住めぬ  竹 水
ダイエットしたら胸までまっ平   三根子
かえるから畦で習った平泳ぎ    恭 子
夕焼けが水平線に呑み込まれ    やむ茶
人 位
地平線神を信じる気にさせる    静 枝
地 位
平熱になって健康身にしみる    益 代
天 位
どこまでもヒコーキ雲を追う平和  夕 介

 

 

宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑧待ちぼうけでも幸せな白い息   夕 介
⑦今日もまた踏み留まっている斜面 義 子
⑥絵手紙が少し花粉も連れて来る  よし子
⑤頑張ると平気で言った悪いくせ  天 子
⑤ふきのとう春の扉をノックする  益 代
⑤弔電の多くは子等の七光り    由利子
④不整脈主治医に惚れて治らない  博 司
④助手席で寝るゴメンネと言いながらさとみ
④お花見で花より多いゴミの山   浩 則
④生きるのは死ぬためだよと言われた日 洋 未
③今日も雨心の奥の隠し部屋    アキラ
③外見で決めると鷹が爪を出す   千恵子
③受験番号あったあったの肩車   敏 子
③飛び火した噂話に尾鰭付け    輝 男
③洗脳をされて練炭喋らない    さと子
③さり気なく心に残る一行詩    可 福
②黄信号ひとの痛みが響かない   五 貫
②過疎の町思いめぐらす昭和っ子  玲 子
②心中の虫を退治にワンカップ   野次馬
②産みたての卵のようにそっと抱く 千代見
②春目覚め塾のはざまで子が喘ぐ  まつ子
②ヒロインに作りあげてた物語   くにこ
②カタカナと想定外が降りやまぬ   弘
②赤い糸手繰り寄せれば蜘蛛の糸  信 一
①ふるさとの破片を拾うあの日以後 輝 男
①高台へ豆撒きの福つれて行く   のぶ男
①晩学の野望を抱いて血がたぎる  徳 子
①皆で声かけ合い開けた春のドア  ふく子
①誤診とは言わず手遅れ事が済み  廣 司
①君が代の口パクチェック悲しいね  鰹
①春の風悪戯好きな裾捲り     光 代
①春風に気持ちもそっと持ってかれ 三根子
①窓越しの目と目が合図ホーホケキョ智 子
①やわらかな陽ざしにコート脱ぎすてる 二三子
①収穫の日です三月十四日     由 美
①こってりをあっさりに変えダイエット  だがやん
①老態を互いにさらす日向ぼこ   豊 子
①贅沢を言えば出来ない安楽死   竹 水
①さあ春だ桜だ羽を満開に      薫