平成二十四年  五月十九日
た か ね 定 例 句 会
於 アイセル静岡

 

参加者(順不同)曽根田しげる、尾崎好子

山田浩則、望月弘、荒牧やむ茶、増田信一

長澤アキラ、市川重雄、中田尚、望月満月

中野三根子、川村洋未、山本智子、加藤鰹

八木益代、杉山光代、高瀬輝男、勝又恭子

佐野由利子、薮﨑千恵子、永田のぶ男、松

田夕介、渥美さと子、林二三子、森田安心

小林ふく子、畔柳晴康、深澤弘、岡村廣司

大塚徳子、内山敏子、南天子、鈴木千代見

奥宮恒代、薗田獏沓、酒井可福、成島静枝

西垣博司、中矢長仁、毛利由美、池田茂瑠

石田竹水、濱山哲也、井口薫、鈴木まつ子

安田豊子、鹿野太郎、川島五貫、石上俊枝

斉尾くにこ、谷口さとみ、山本野次馬、中

司、川口のぶ子、森だがやん、恩田たかし

森下居久美、宮浦勝登志、萩原まさ子、川

口亘、安藤千鶴子、野中とし子、野中雅生

川村美智代、提坂まさえ、真田義子

 

席 題 「赤  い」 永田のぶ男 選

思いきり自己主張する赤い爪   由利子

赤い靴履いてステップ若く見せ  光 代

ジャンプする夢を明日に茜空    さと子

すみっこに赤いパンツが干してある 洋 未

我が家は目立つ真っ赤な屋根の色  浩 則

赤い血を流して守る平和論     信 一

色人種違っていても血は赤い    信 一

赤い点取って家路が遠くなり    光 代

目立つのが好きで真っ赤な自家用車 輝 男

ダイエット トマトが棚から消えました

さと子

ふるさとの秋深くする赤とんぼ   輝 男

眠たくて赤信号を突っ走る     由利子

赤飯でお祝いをする子の巣立ち   千恵子

チャンチャンコ還暦祝いよく似合い 千恵子

逢える日を赤丸つけて待っている  恭 子

健診で赤信号の数値出る      益 代

赤い目はウサギ あなたは不摂生    鰹

ふざけるな朝の九時から赤い顔    尚

売れっ子の赤いリボンが流行りだす 輝 男

家計簿は赤い表紙にしてならぬ    弘

赤信号渡り得した気分です     アキラ

今日からは赤の他人になっている  三根子

美しい夕焼け見てる老い二人    アキラ

赤い靴バックも赤く若作り     三根子

白鳳に赤い腹掛けさせたいね    しげる

赤い服お似合いですよ白い髪    三根子

死んだって着ないぞ赤いチャンチャンコ 鰹

今日もまた昼から飲んで赤い顔   二三子

赤提灯呑助を呼ぶ誘蛾灯      重 雄

アイラブユー真っ赤なバラがキューピット さと子

金目鯛あとはお酒があればいい   信 一

月末の家計簿赤い字が並ぶ     恭 子

真っ赤にはまだ程遠く嘘を吐く    弘

赤い目はあの人思い泣いたから   洋 未

赤いベベ来た金魚追い大ヤケド    鰹

赤いシャツ着たら勇気が湧いてきた 二三子

献血して貧血起こし輸血した    やむ茶

日の丸は貧しき頃の梅の味     やむ茶

赤紙を知らぬ世代が過半数     信 一

五 客

赤丸を貰うと孫が飛んでくる    しげる

母の日のカーネーションは色褪せぬ  弘

赤ネオン目指し若鮎遡上する    重 雄

共産党なぜか最近元気無い     信 一

赤い血の流れる間生きてみる     弘

人 位

後から赤信号をすり抜ける     三根子

地 位

待ち合わせ赤い帽子で手を上げる  三根子

天 位

赤が好きこっそり下着揃えてる   三根子

軸 吟

私には赤いドレスがよく似合う   のぶ男

 

 

宿 題  「踊  る」 中野三根子 選

木洩日が踊って初夏のドレミファソ 千代見

お粥から力がついて胃が踊る    のぶ男

たこ焼の舞台で踊るかつお節    恭 子

一生の長さを知らぬ蝶の舞い    輝 男

由紀さおり世界舞台に踊り出る   とし子

通販へダイヤルの指踊らされ     薫

民宿の漁師が仕切る踊り食い    好 子

踊り果て帰りましょうか妻の掌に  まさえ

カメラさえ興奮させるカーニバル  竹 水

旅先で踊る阿呆になる私      さとみ

合格の足は駅から踊りだす     由利子

下心しのばせ入る踊りの輪     千恵子

孫からだ踊る心でメール見る    長 仁

陽の光当ると踊り出すホコリ    由利子

バアちゃんは元気施設へフラダンス 竹 水

出来立ての湯気でオカカも踊り出す さとみ

どれほどの人が踊るか消費税    徳 子

合格の絵文字踊ってメールくる   益 代

ゼンマイで人形踊るオルゴール   浩 則

氷上に踊る選手の美技に酔う    のぶ子

長靴がタップを踊る虹の影     やむ茶

母さんに小踊りも出るいい知らせ  二三子

嫁姑踊る踊らせ知恵くらべ     重 雄

おだっくいお世辞一つですぐ踊る  さと子

まれに見る金環蝕に胸踊る     たかし

てのひらで踊る可愛い旦那様     鰹

心地いいルンバ左右に揺れる腰   まつ子

足腰を鍛えるためにフラダンス   千代見

文楽の踊る糸にも絆込め      獏 沓

古傷も笑い話にされ踊る      ふく子

五 客

まだまだと婆ちゃん踊るフラダンス 千恵子

腰痛がマイムマイムの後に出る    尚

踊らされ一杯食った泣きっ面    のぶ男

ほめられた靴は陽気に踊り出す    弘

雨音がこころ踊らす田植え時    野次馬

 人 位

生きるとはすなわち仮面舞踏会   哲 也

 地 位

おばちゃんが踊るとウケるエグザイル

                 由 美

 天 位

踊る字に思い溢れている手紙    恭 子

 

 

宿 題 「  針  」 林 二三子 選

針千本飲んだ割には長く生き    好 子

千本の針では足りぬ嘘の数     智 子

絹針を木綿の針に変えた夫     アキラ

消費税素足で歩く針の上      天 子

方針といつも悩ます棒グラフ     亘

針千本飲む気などないマニフェスト 長 仁

何気ない言葉がちくり胸に針    廣 司

いやだなあチクリチクリの嫌がらせ  弘

ちくちくと言葉の針が胃をつつく だがやん

ひとり酒僕の時計に針がない    豊 子

時計の針もいでしまってからひとり 千代見

秒針を視界に入れた厚化粧     太 郎

秒針の音が気になる試験中     浩 則

秒針が揺れるあなたがまだ来ない  五 貫

針と糸持てば刺し傷二三箇所    好 子

針箱を開ければ母の匂いして     鰹

針仕事不得手な妻でよく捨てる   博 司

針箱を持たず嫁入りする平和    のぶ男

待ち針の役目のような母ごころ   ふく子

針と糸持てば逸品母米寿      重 雄

着る人の夢みて弾む毛糸針     敏 子

リハビリを兼ねて手先の針仕事   まつ子

待ち針であなたの愛を留めておく  千恵子

針穴とじゃれた眼鏡が負けました  しげる

針の数たしかめ仕舞う針仕事    千恵子

メルヘンの世界へ招く刺繍針    由利子

エコ暮らし成果待たれる検針日   智 子

剣山に座る日本の原子力      野次馬

午前様針の筵を敷いておく     やむ茶

点滴の針にゆだねる明日の夢    さと子

秒針の音が生命線刻む       くにこ

痛くない注射針でも目が逃げる   信 一

五 客

針穴の先の笑顔を紡ぐ母      夕 介

針仕事四人の子供育てあげ     益 代

好きなこと夢中に時計容赦ない   さと子

針千本飲む気で言った嘘もある   晴 康

端切れからブラウス母の手は魔法  居久美

人 位

左遷地の夜に男の針仕事      可 福

 地 位

針穴の向こうの夢に届かない    恭 子

 天 位

まち針を打てば布まではしゃぎ出す 三根子

 

 

宿 題 「ビックリ」 望月  弘 選

フィットネス妻の意外な変わりよう 恒 代

花束が妻から届く誕生日      恒 代

そのまさかあって小石が飛んで来た ふく子

食欲が無いとみんなに驚かれ    静 枝

好きだからビックリ箱をプレゼント 徳 子

呼び出され声裏返る社長室     千恵子

家の娘にバレンタインのチョコの数 獏 沓

センサーが突然声をかけに来る   ふく子

合コンの相手を見たら母がいた  だがやん

萬札をくずすと足の速いこと    智 子

ビックリでギックリ腰になった父  浩 則

目覚しを止めてしまって飛び起きる 恭 子

驚くとムンクみたいな顔になる   やむ茶

春つれて来たと思えばニューハーフ 太 郎

竜巻が電柱ひょいと持ち上げる    尚

この頃は予想通りになる不思議   三根子

警官が現行犯の飲酒事故      竹 水

草取りに蛇と目が合い声も出ず   光 代

背後から社長がそっと肩叩く   だがやん

プレゼントダイヤにルビーついてくる三根子

すり抜ける子の自転車へ命がけ    薫

昔ほど夢がないよと十才児     博 司

用心をしても出来たと妻が言う   ひろむ

整形をなぜか夫は知っていた    博 司

後ろからぎゅっと握った手は他人  くにこ

メタボでも人間ドックオールA   信 一

五 客

褒められるつもりで来たら叱られる 五 貫

ムンクの絵よくも其処まで競り上り 好 子

ジーパンの穴から読める肌の色   茂 瑠

コンプガチャ親の財布が青くなる  夕 介

百才のジョギング僕を抜いて行く  アキラ

人 位

無防備な手に突然の静電気     由利子

 地 位

入歯だけギョッとするほど美しい  由 美

 天 位

垢抜けてミスになってた隣の娘   千恵子

 

 

宿 題 「自 由 吟」 互 選

⑪反論の隙間を少し空けておく   信 一

⑦窓全開迷いを消してくれた風   義 子

⑥気の抜けたコーラみたいな午後一時夕 介

⑥たまに逢う嫁で話題に困らない  益 代

⑥まん丸い月よお世辞が上手だね  輝 男

⑤怖いから妻の料理は褒めておく  長 仁

⑤本心をちらりと見せた言葉尻   アキラ

④加減なく食べてしまった父母の愛 竹 水

④冗談で誘った美人ついてきた  だがやん

④ロンドンの夢へ滴る汗を積む   まつ子

④安売りのビラに潜んだ甘い罠   敏 子

③行き違う言葉のように舞う桜   五 貫

③稼ぐのは嫌いだけれど金は好き  哲 也

③スカイツリーに金環食のプロポーズやむ茶

③晴れのち雨妻の天気はよく変わる 由利子

③三面鏡他人の顔になって閉じ   博 司

③不安定妻の天気に無い予報    静 枝

③少年の本気がゆるい変化球    可 福

②大関になるところころ土が付く   尚

②最後尾前は見えてる安堵感    のぶ男

②泣きごとは決して言わぬ母の日に しげる

②反省するつもりで寝たら眠りこけ 獏 沓

②ベッド抜け春は彗星まで散歩   くにこ

②揺れる藤春の絵の具を溶くように 千代見

②ほろ酔いで隣のドアをまた叩き  廣 司

②早寝して夢に追われて早く起き  晴 康

②あすなろの桧になれと巨匠逝く  重 雄

②ため息をつくたび白髪増えてくる 安 心

②追伸が甘く私を蝶にする     茂 瑠

②暇つぶしして貧乏と肩を組み   太 郎

②ペン先が未だ乾かぬ着地点    野次馬

②成長の証親より友がいい     二三子

②竹の串しぞ~かおでんだと名乗る  弘

②波長合う人と会話は胸踊る    天 子

②ほとほとと愛想の尽きる聞かぬ耳 千恵子

②割り切って金は道具とよく遣う  洋 未

②どうしても書けない文字が一つあるさとみ

②へっこんだ心に沁みるイ短調   恭 子