平成二十四年  六月十六日
た か ね 定 例 句 会
於 アイセル静岡

参加者(順不同)山田浩則、曽根田しげる
望月弘、増田信一、市川重雄、中野三根子
川村洋未、山本智子、八木益代、杉山光代
高瀬輝男、勝又恭子、林二三子、尾崎好子
長澤アキラ、加藤鰹、中田尚、稲森ユタカ
薮﨑千恵子、渥美さと子、南天子、井口薫
畔柳晴康、奥宮恒代、大塚徳子、池田茂瑠
岡村廣司、成島静枝、薗田獏沓、中矢長仁
酒井可福、内山敏子、石田竹水、鹿野太郎
西垣博司、鈴木まつ子、川口亘、安田豊子
毛利由美、滝田玲子、松田夕介、森田安心
山口兄六、小林ふく子、鈴木千代見、中川
司、斉尾くにこ、山本野次馬、永田のぶ男
川口のぶ子、谷口さとみ、荒牧やむ茶、那
須野正明、森下居久美

席 題 「  休  」 稲森ユタカ 選

休み取れまずは彼女にラブメール  洋 未

ずる休みしてデパートでご対面   三根子

外回り行く振りをしてコンコルド   鰹

休憩所だけは混んでる新東名    浩 則

休校になって喜ぶ児童たち     千恵子

俺の脳連続休暇して困る       弘

食べて寝てテレビで休むトド一家  智 子

待ちわびた休日主婦になると嫌   恭 子

休日は朝から使い走りする     アキラ

休みの日予定狂わす義母がみえ   千恵子

休日はエプロン締めている社長    鰹

休みたくないと肝臓駄々をこね    弘

おしゃべりを休むと救急車が呼ばれ 輝 男

口だけは動かし手足休ませる    三根子

手もつかずぶらぶらしてる休肝日  千恵子

のんびりとしたい休みに呼び出され 千恵子

妻の留守朝っぱらから昼寝する   由利子

十連休どこへ行くのか今日も留守  二三子

五 客

休息をしながら登る古稀の坂    由利子

夕食がアッという間の休肝日    恭 子

休戦日朝っぱらから飲むビール    鰹

一日をパジャマで過ごす日曜日   由利子

休暇終え戻れば僕の席がない    洋 未

 人 位

休憩のはずがギックリ腰になり    鰹

地 位

休みだと思うとパッと目が覚める  恭 子

天 位

休肝日取りやめにした生ジラス    鰹

 

 

宿 題 「こ、ま、せ」折り句  佐野由利子 選

古稀を過ぎまだ道楽に精を出す   光 代

小雨降る街に二人の世界観     可 福

此もだめまた其れもだめ世話がやけ 好 子

こりもせずまた金貸せとせがまれる 玲 子

婚活でまめに探せと急かされる   二三子

心まで貧しくはない生活苦     アキラ

子の病負けては駄目よ千羽鶴    重 雄

こっそりと回り道して先手打つ   千代見

この人に任せた僕の世話係     輝 男

此の時代負けてはならん背伸びする 光 代

子も笑うママの笑顔は世界一    やむ茶

こんなにも迷う気持ちが青春だ   洋 未

壊し屋にまんまと乗っている政治  恒 代

こそこそと饅頭食べるせこい奴   三根子

こんな事まかせられてもセンスない しげる

古希過ぎてまだこれからと背伸びする益 代

この国にまだ必要な千羽鶴     夕 介

こっそりとママに知らせる世界地図 敏 子

この辺で先ず一服と背を伸ばす   千恵子

 

こんな日もまめに働く洗濯機    居久美

恋患い待てど暮らせど急く心    まつ子

胡蝶蘭また今年咲く狭い鉢     獏 沓

今度こそ負けるもんかと精を出す  二三子

コピー化の街で個性が背を丸め   アキラ

こちらから待ってましたと先手打つ 洋 未

こんなミスまず無い事と責められる さと子

この人を守るが僕の責務です    竹 水

子ども達まとわりついてせわしない 長 仁

この夏も回り続ける扇風機     恭 子

転んでもまた起きてきた戦中派    薫

五 客

恋しくて窓を開ければ千の風    益 代

このままじゃまずいと思うセキュリティー

                  弘

懲りもせずまた大法螺の千三つ   好 子

これっぽち満期の利子がせちがらい 智 子

転んでも負けても人のせいにする  信 一

 人 位

献立はまたスーパーのセール品   やむ茶

 地 位

こぜり合い丸く治めた世話上手   千恵子

 天 位

交差点曲がらず今日は攻めてみる  恭 子

 

 

宿 題 「ぼんやり」 勝又 恭子 選

ぼんやりの鏡私に味方する     さと子

ぼんやりと頭休めるティータイム  恒 代

街灯がぼんやり揺れる朝帰り    千代見

ぼんやりを時々見せて味が有り    亘

春の雨知恵も手足もひと休み    晴 康

ぼんやりの振りし鋭い鼻効かす   恒 代

日時計に今日の私を預けます    野次馬

ぼんやりのお陰だ美女と鉢合せ    弘

ぼんやりとするのも時に胃のくすり  亘

ぼんやりとグラスの中に見る明日  夕 介

ぼんやりとしてはいられぬ先がない のぶ子

決断がつかずぼんやり雲を追い   獏 沓

霧の中ぼんやり見えた青写真    やむ茶

三代目思った通りぼんやりで    洋 未

ぼんやりと自慢話を聞いている   智 子

終電にぼんやり揺られ乗り越した  浩 則

頬杖をついてぼんやり彼の事    由利子

ぼんやりと思い出せない人ばかり  三根子

ぼんやりと雨音を聞く日曜日    益 代

一日をぼんやり過ごす無精髭    由利子

ぼんやりと寝惚け眼の夢結ぶ    重 雄

気が付けば柱時計が十二回     居久美

ぼんやりと雲のすき間の月あかり  浩 則

満月を肴にグラス傾ける      居久美

美人だと思えば美人らしく見え   竹 水

夜更しのツケでぼんやりしてばかり 好 子

一円を出してお釣りを待っている  さとみ

ぼんやりとして事足りるリフレッシュ 好 子

霧かかる向こうにそっと君がいる  ユタカ

平成の明日の顔がよく見えぬ    アキラ

目の奥にぼんやり遠い日の記憶   二三子

仕合せの涙にかすむ披露宴     竹 水

五 客

霞む文字それは涙か老眼か      鰹

ぼんやりと見えたゴールがまだ遠い やむ茶

家事さぼりぼんやり過ごす至福の日 さと子

ちょうどいい加減裸眼で見る鏡   由 美

ぼんやりの至福の船を漕ぎ始め   重 雄

人 位

目的地ぼんやりとした日本丸    夕 介

 地 位

湯上りをぼんやり透かすスリガラス 智 子

 天 位

イエスノー有耶無耶にする昼の月  アキラ

 

 

宿 題 「  出  」表現自由  加藤  鰹 選

目玉まで出るパチンコに嵌りこみ   弘

お出掛けは財布の返事聞いてから  しげる

出す物を出せば世間も丸くなる   輝 男

入るときより加速して出る諭吉   恭 子

出たがりの諭吉を待てと引き止める アキラ

出る支え当り前とは思わない    天 子

愛を出しすぎて萎れた赤いバラ   ふく子

素晴らしい出合い悪女の殻を脱ぐ  茂 瑠

出しすぎてないかお前のクールビズ 博 司

困るなあうちの出目金よくしゃべる 夕 介

出る杭はみな手強いと思い知る   廣 司

一泊が消えて出張味気ない     太 郎

出まかせが本当だった白昼夢    豊 子

老いからの脱け出し謀る厚化粧   重 雄

出る釘が無いお役所で波立たず   長 仁

出る腹は打たれ強くて引っ込まぬ  恒 代

買ってやる出まかせ言って買う羽目に光 代

地下出口おのぼりさんが迷い込む  玲 子

先輩がコケたいよいよ出番です   可 福

来客へ出前の寿司が来ぬあせり   静 枝

出会いから印象悪い変な人     三根子

会釈だけ返して名前出てこない   益 代

出来過ぎた嫁に不満を言えぬボク  由利子

愛の日を思い出してる赤ワイン   アキラ

外国へちょっと出張してきます   千恵子

出不精でもスカイツリーは見に出かけ二三子

ガス三度鍵は二度見てする遠出   さと子

露出狂じっと見ちゃった私です   由 美

本心を言えず出べそが仰ぐ空    やむ茶

出世欲捨ててから良いパパとなり  千代見

出発の時間一人がまだ見えず    獏 沓

太陽が出た出た金の輪が見えた   由 美

出るとこへ出てややこしいスキャンダル 由利子

教科書の英語に出番ありません    尚

出涸らしの茶で追い返す嫌な人   千恵子

五 客

尿検査コップ当てると出てこない   尚

ドライブの出鼻をくじく厚化粧   さとみ

逆上がり出来て夕日のでかいこと   薫

出がらしになってああこう言われても 薫

出っぱっていると触ってみたくなる 恭 子

人 位

散歩だよ家出じゃないとメモを書く 徳 子

 地 位

子供らが出世払いをよく使う    安 心

 天 位

家を出る手にはあなたの予約券   くにこ

 軸 吟

表出ろ 表へ出たら猛ダッシュ     鰹

 

 

宿 題 「自 由 吟」 互 選

⑧あの日々は幻だったのか蛍    夕 介

⑧チャレンジの一歩あの日の逆上り やむ茶

⑥余ったり足りなかったりほめ言葉 洋 未

⑥本流へ旗のなびかぬ風を読む   さと子

⑥好きなだけ言わせ反論組み立てる 獏 沓

⑥日食が過ぎれば下を向く日本   信 一

⑤千鳥足帰れなかった僕のクツ   夕 介

④見え透いたお世辞は胸に響かない 廣 司

④ライバルも物忘れなどあると聞く ふく子

④原発へ世論が鈴をつけたがる    弘

③箱口令敷かれた口がむず痒い   由利子

③言い返す事も覚えた反抗期    二三子

③寝転んだままでも届く里の味   野次馬

③噂話風が本人招き入れ      光 代

③もう一人居るから揉める事になる 博 司

③長すぎる十七年のかくれんぼ    尚

③平凡な暮らし狂わすおつきあい  輝 男

③連れてってと言わせぬ旅父は出た さとみ

②雑草の緑は庭を追い出され    竹 水

②損と知り損取る人に惹かれてく  くにこ

②しっとりと心潤す花の露     千代見

②高くても売れる一万円サプリ   まつ子

②期待してみたが器が小さすぎ   千恵子

②打つ手なく仏の扉押している   アキラ

②負け組に名前連ねて苦い酒    晴 康

②私の花も過保護で芽吹けない   茂 瑠

②断水の騒ぎ備蓄度テストされ   静 枝

②美しい自然歩けば歌になる    敏 子

②こんな時亡父なら何と言ったかな のぶ男

②失敗はボケと言っては老いの逃げ 重 雄

②腰痛を気遣う程の恋をする    豊 子

②往年のゴジラスカイツリー見上げ 由 美

②フライパンで旨い話を煮詰まらせ 玲 子

②デフレの世蹴飛ばすように藤が咲く太 郎

②トマトにもやっぱり踊るメタボです徳 子

②世の中と足並ついてむりですね  天 子