平成二十四年 九月十五日
た か ね 定 例 句 会
於 アイセル静岡
参加者(順不同)曽根田しげる、杉山光代
三島紀久子、山田浩則、望月弘、増田信一
山本智子、勝又恭子、川村洋未、八木益代
高瀬輝男、稲森ユタカ、中田尚、市川重雄
尾崎好子、林二三子、佐野由利子、加藤鰹
永田のぶ男、薮﨑千恵子、中野三根子、中
川司、薮﨑千恵子、小林ふく子、池田茂瑠
荒牧やむ茶、川口亘、畔柳晴康、石田竹水
岡村廣司、大塚徳子、薗田獏沓、毛利由美
奥宮恒代、中矢長仁、鈴木千代見、井口薫
鈴木まつ子、南天子、成島静枝、酒井可福
西垣博司、栃尾奏子、濱山哲也、安田豊子
鹿野太郎、滝田玲子、松田夕介、森田安心
斉尾くにこ、渥美さと子、谷口さとみ、川
村広、真理猫子、川口のぶ子、山本野次馬
真田義子、森だがやん、森下居久美
☆転職して間もないユタカ君。エグザイルばりの不精髭もすっかり落として元気に句会に来てくれた。三十一才。若いっていいなあ。
席 題 「映 画」 川村 洋未 選
映画館出てから困る涙跡 千恵子
なつかしい三本立に雨が降る 三根子
二時間は自由に心遊ばせる 尚
せんべいの音が邪魔するキスシーン 弘
この映画食べる事だけ見せるのね しげる
チャンバラ映画助っ人来れば拍手する由利子
場末にも映画が有って五本立 好 子
ハンカチを取り出す暇もない映画 信 一
映画見て暇をつぶしている老後 信 一
夏休み野外映画で涼をとり 輝 男
先生に連れられて行く映画館 由利子
映画対テレビ名作競い合い 輝 男
名優のこんな齢かと若く見え 重 雄
高イビキ隣の妻が肘つつく 由利子
銀幕と現実の差が出るスター 信 一
アニメーション孫にかずけて見に出かけ 二三子
映画館方向音痴で吐き出され 弘
立ちんぼで三本立てを見る映画 のぶ男
猛暑避け観に行くつまらない映画 恭 子
海猿は時々息を止めて見る 恭 子
ホラー見る君の度胸に一目惚れ やむ茶
スクリーンに合せ彼女をキスをする 弘
孫と見る映画のお供ポプコーン 益 代
3Dスプラッターで目を回し 鰹
煎餅の音で興醒めラブシーン 由利子
デートなら恋愛映画よりホラー 鰹
黙っててもシルバー切符渡される 弘
笑っても泣いても平気他人です 尚
寅さんがまだ生きているスクリーン 鰹
なつかしい映画テレビにかぶりつき 益 代
五 客
銀幕のスターを消したテレビ局 信 一
洋画にはポップコーンがよく似合う 信 一
邦画にはハッピーエンド似合わない 信 一
人気出て映画になったマンガ本 千恵子
極道の世界を知ったスクリーン 二三子
人 位
銀幕と言われ今では3D 好 子
地 位
女優でも年代ものは古くなる のぶ男
天 位
キスを見た俺も出来るか考える のぶ男
宿 題 「変だなあ」 永田のぶ男 選
仏壇に上げたダンゴが一個ない 二三子
消費税仲良く上げたあと喧嘩 信 一
変人と言われる人とうまが合い 廣 司
こそこそと動き言い訳多くなる 千恵子
変だなあ大事にされぬ婿養子 だがやん
竹島も尖閣だって日本でしょ 可 福
尖閣も竹島だって日本だぞ やむ茶
けったいな世の中島に請求書 まつ子
変だなあハイブランドを着て下品 由 美
英知から漏れ出している放射能 弘
何時までも秋が来ないぞおかしいぞ 奏 子
昼ご飯何を食べたかわからない やむ茶
物忘れだんだんひどくなる主人 竹 水
変だなあ妙に優しくなった親 のぶ子
振り返り男か女確かめる 紀久子
熱帯夜日本の四季はどこへやら 紀久子
風邪薬お酒の方が効くらしい 恒 代
変だなあヘソクリ置いたとこにない 玲 子
変だなあ朝から吠える山の神 重 雄
変だなあ本音で聞ける嘘ばなし 亘
毎日が想定外の事件事故 弘
進化したサルが互いに殺し合う 鰹
世辞話なんで背中がむず痒い さと子
鏡には三本多く写るシワ 猫 子
見るだけと言った筈だが買っている ふく子
ダイエットしても体重変らない 由利子
まだあったはずの諭吉が雲隠れ さと子
日本の領土勝手な名前つけ 由利子
あの二人いつも途中で居なくなる 二三子
余ってる薬確かに飲んだはず 千代見
方言の変な言い方面白い しげる
オレオレと言うのに妻は電話切る 恒 代
五 客
安倍川のアユ一匹で竿おさめ 安 心
寝惚けてねタイムスリップした私 好 子
変だなあ今年は鮎が見当たらぬ 博 司
さがし物またかと夫目が笑う 光 代
釣り銭がたして引いても合わないわ 洋 未
人 位
変だなあ月曜みんなまだ寝てる 重 雄
地 位
盃は持てる右手が箸落とす 茂 瑠
天 位
怪しいな急に化粧が派手になる 千恵子
軸 吟
基地周辺建築許可がおり危険 のぶ男
宿 題 「ツルツル」 林 二三子 選
つるつると伸びた朝顔絵日記に 浩 則
暑い夏頭ツルツル丸坊主 浩 則
温泉でますます私タマゴ肌 三根子
コラーゲンこのごろ効いてきたお肌 好 子
スッポンを食べて明日がお楽しみ 洋 未
里芋のぬめりツルツル手がすべる 玲 子
にきび面ヤスリかけたいツルツルに 洋 未
のど越しのよい蕎麦ツルリ胃に滑る 千代見
冷えた麺ツルリ吸い込む夏夕餉 晴 康
朝パスタ昼はラーメン夜お蕎麦 哲 也
わんこそばみたいに飲んでいる酒豪 夕 介
ソーメンの在庫整理で終わる夏 鰹
美味いなあソーメンすすり暑気払い 長 仁
連日の猛暑すすった冷し麺 竹 水
すべすべの肌はエステで磨きあげ 千恵子
清流に苔が磨かれ鮎が棲む のぶ男
猛暑日へ蕎麦が私のエネルギー 恭 子
ジャネットリンよりも見事な親父ギャグ 鰹
ツルツルと滑るリンクに真央が舞い のぶ子
親父ギャグイナバウアーを越えている夕 介
拭きたての廊下感じる足の裏 奏 子
泡洗顔ツルツル試すあれやこれ 恒 代
ツルツルのお肌になれる秘湯浴び 亘
まだ女捨ててませんわ泥パック やむ茶
滑り止め幾つか受けて皆落ちる 獏 沓
麺類で過ごした胃にも秋が来る 静 枝
行きたいね肌ツルツルと書いてある 光 代
遺伝子がズバリ親子で禿げている 博 司
老人の杖が気にする大理石 弘
とろろソバ悔いも一緒に飲み込もう 茂 瑠
五 客
すっぴんの肌ですべったドジな蝿 弘
鍋底をツルツル研く妻の鬱 徳 子
つるつるがめくれぬ脂抜けた指 さとみ
聞いた事留まらないですり抜ける 長 仁
つるつるに磨いて怒り吹っ切った 智 子
人 位
ツルツルの頭戦時を詰めてある 重 雄
地 位
LPを拭いて昭和へ落とす針 太 郎
天 位
江戸っ子で蕎麦喰う音も粋に立て 可 福
宿 題 「 中 」表現自由 加藤 鰹 選
ばあちゃん家洋酒の瓶は蝮酒 さとみ
中年の耐用期限すぐに切れ 廣 司
大風呂敷の中は空箱だと知らず やむ茶
アル中ね酔うと私の手を握る 竹 水
ヤジロベエだって中立守りたい 博 司
真ん中で浮きも沈みもせず平和 奏 子
中心がずれてしまった野田総理 浩 則
中立を決めて貧乏神といる 徳 子
想い出の中のあなたは愛おしい くにこ
お父さん中立地帯死守をする 洋 未
中位でいいのに上ばかり望み 二三子
上と下から責められる管理職 弘
真ん中に居て抜きんでる物が無い 好 子
真ん中の線が引けない嫁姑 弘
上中下皆それなりの苦労あり 天 子
記憶の中の青春だけが生き残る 豊 子
墓の中夫婦喧嘩は永久になし のぶ男
夏の日の記憶の中の君と僕 恒 代
リトマス紙結果ばかりを求められ 野次馬
家の中入れてもらえぬ午前様 だがやん
恋愛ごっこ中途半端が仇だった 安 心
闇の中あなたとならば怖くない 千恵子
真ん中でシャンと落ちつく帯の位置 玲 子
中韓に島ねらわれる日本国 紀久子
茹で卵黄身二つとは粋すぎる 光 代
お財布の中は英世がまた一人 夕 介
ごますりのピントはいつもど真ん中 薫
筒花火火の粉の中の男衆 紀久子
腹の中見せて絆が深くなる やむ茶
中流の家も俺から見れば上 夕 介
義理人情演歌の中に生きている 由利子
オール3そんな普通の女子でした 由 美
背中で語る男も減ってしまったね 哲 也
五 客
中高年何処へ行っても元気いい 二三子
寝室の中に見えないバリケード 太 郎
当たらない食中毒と宝くじ 好 子
中立の男が座る椅子がない 由利子
何事も無かったらしい満月だ 輝 男
人 位
中古品捨てる娘と拾う母 益 代
地 位
金持ちの僕は何時でも中立派 輝 男
天 位
最中も人も大切なのはあんこです 哲 也
軸 吟
中流を死守するための共稼ぎ 鰹
宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑧ぼけてない私元々この程度 廣 司
⑦帰らねば町のマイクで捜される さとみ
⑦一日が無事ならそれでいい無欲 由利子
⑦適当なところで妥協して生きる やむ茶
⑥直球をやんわり受ける母の技 光 代
⑤どっかりと脇役でいる母の椅子 千恵子
⑤ひまわりも猛暑に耐えて夏終る 豊 子
④形見分け父の青春みいつけた 夕 介
④水割りの氷コトリと彼を待つ 三根子
④一文無し行ったり来たりする三途 奏 子
④ライバルは他人の顔をした自分 哲 也
④西寄りの風吹くでしょう永田町 鰹
③言い勝ってみても侘しい陽が詰まる静 枝
③これしきの事に負けぬと戦中派 よし子
③三叉路の真ん中を行く妥協癖 弘
③欠点のみんな含めてあなた好き 二三子
③冗談の中に隠れていた本音 竹 水
②天国かスカイツリーで見る花火 信 一
②折りたたみ傘を畳んで今日閉じる 千代見
②うまいなあつくづく彼の世辞に酔う輝 男
②切っ掛けを掴んだつもり置き忘れ しげる
②擦り減った踵分け合う夢がある さと子
②読むための本よりも見る本が好き 博 司
②偽善者が住み着くカレーパンの中 野次馬
②絵日記を書くから家族も忙しい 益 代
②ゼリービーンズ虹の切れ端なら買える くにこ
②消しゴムが同じ字を消しすぐやせる 尚
②婆くさい写真を捨てる終支度 智 子
②鏡拭く寝起きの顔は何処の誰 可 福
②三世代嬉し賑やか脛痩せる 晴 康
②スカスカの根性だけで是非もなし まつ子
②文学は汲めどつきない神の水 天 子
②夕焼け小焼け無事な一日のペン握る徳 子
②堅いこと言うな昔と変ったな のぶ男
②縄のれん呼んでいるぞと虫が告げ 重 雄
②コオロギが秋の夜長を鳴き走る ユタカ
②ちょっとだけ早く生まれてなぜいばる 洋 未
②ふるさとの味に似ている芋が好き ふく子
②秋風へ少し残った五輪ぼけ 茂 瑠
②ジーパンの穴から見えた流れ星 義 子
②薄化粧初冠雪の富士の山 紀久子