霜石コンフィデンシャル116   高 瀬 霜 石

「 岩(ロック)の上にも50年 」

前号で「ビーチ・ボーイズ50周年公演」のために、QVCマリンフィールド(千葉ロッテマリーンズ球場)へ出かけたことを報告した。

スタジアム初体験の僕を心配して、妹から「中に入る時の注意」というメモが届いていた。

 

●とにかくスタジアムは、ものすごく広いので、迷子にならないように。出入り口のマークや数字を忘れないように書きとめておくこと。単に、東口、北口とかじゃなく、もっとこまかく分かれているから。なんたって、2万~3万人も入るんだからサ。ハンパじゃないよ。
●人にもまれて具合悪くならないように。特に、心臓には注意! ま、ビーチ・ボーイズだと、行ってる人達も若くはないだろうから、イマドキの若者ばかりのコンサートへ行くよりは楽でしょうけれど。
●トイレも混むから、水分補給も考えながら行動しないと大変だよ。

 

妹のアドバイスに従い、開場前に並び、開場後は自分の席を確かめて、ホッとする間もなくすぐにグッズ売り場へ駆けつけた。

長蛇の列に驚いた。指定席なんだから、席の確保なんか後廻しで、まずこっちに並ばなくてはならなかったのだ。妹のメモにはそんなこと書いてない。

プログラム買わないわけにはいかないものさ、炎天下並ぶこと一時間。普段は着ることないけど、この際だものとTシャツを数種類、帽子やタオルなどごっそり買い込んだのだが、袋もくれない。こういう所では、それが当たり前らしい。これも妹のメモにはなかった。

ビーチ・ボーイズのぶ厚いプログラムの裏ページがシャレていた。赤塚不二夫のキャラクターたち―おそ松くんら六つ子と、可愛いトト子ちゃん、「シェー」で一世を風靡したイヤミ、いつもおでんを持ってるチビ太たちが、浜辺でサーフィンをしている。その側で、ハタ坊が「『おそ松くん』も50周年なんだじょー!」と叫んでいるのだ。懐かしいでしょ。

先日仙台に行ったら、某デパートで「ローリング・ストーンズ50周年記念グッズ販売会」が開催されていた。当然のこと、有り金をはたいた。青森にも弘前にも、団塊の世代をターゲットにした店がまあ無い。それがオラにはサイワイしているのかもしれないなあ。

 

2012年12月号