年の暮も押し詰まった一昨年十二月二十五日のことでした。その前夜、夫が腹痛を訴え出し、まるで私のせいと決めつけるように「レバーが生だった」と顔をゆがめて何度もトイレを往復していました。
朝を待って病院へ行くと盲腸かも知れないと点滴を打ち、午後には帰宅できました。
ほっとして夜「坂の上の雲」を見始めて間もなく、また腹痛を訴え再び入院。点滴だけでお腹を切らずに済んだのはよかったものの、病院のベッドで年を越すことになり、明けて六日に退院。
夫はこの入院を「また旅行」と周囲をまくのが好きなのには参りました。
そして、この悲喜劇には八月に続編が待っていました。
八月二十五日盲腸で入院即手術、当日は私も眼科へ初診の予約がしてあり、早朝から出掛けてどんな眼科
なのか不安でいっぱいの状態でした。
この時の入院も「また旅行?」と職場で呆れられたのでした。
そして…紅葉の盛りもやや過ぎたかと思われる頃、またもや夫は腹痛におそわれました。今度は絶え間ない七転八倒の激痛!夜の六時、病院に飛び込むと即入院手術。病院の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。今回は腸閉塞でした。ヤレヤレ~
これは、里山ウォーキング前夜のことでした。
リーダーの立場上今度ばかりはいつもの手は使えず、他の方に病名を明かして万事を託しました。
ぶらり旅やら避暑などとマル秘旅行はもうゴメン。
「また旅行?」「ハイおみやげ!」の旅がいい。
これからも紙と鉛筆を友に川柳の五感を刺激されてゆけたらと願っている私です。
2013年2月号