霜石コンフィデンシャル124 高 瀬 霜 石
「いいんだが?マイネんだが?」
全国に川柳グループは約1200社ほど。そのほとんどが加盟している社団法人・全日本川柳協会なる全国組織があり、年に一度、各県の持ち回りで―西の次は東、その次は西と―全国大会が催されている。
今年は青森県が担当だった。「美味(めえ)ものいっぱい。青森さ来いへ」のキャッチコピーで、6月8日、9日に青森市で賑々しく開催される。
運の悪いことに、僕の役目は事務局長。この役、うまくいって当たり前。下手打つと、ぜーんぶ僕のせいというとっても損な役回り。どこの県でも、事務局長をやった人は、大会が終わるやいなや倒れるらしい。
…ということは、コレが活字になる頃、あなたがコレを読んでいる今、僕もアブナイかもだ。
500人から600人集まるこの大会。当然のこと、1年以上前から準備をしなくてはならない。まずは会場の確保だ。一番いいと思ったのは、青森駅から右に歩いて1~2分のところにある青森市民ホール(旧ぱるる)。駅から近いし、ちょうどいい大きさ。
ところがドッコイ。予約はきっかり1年前じゃないと受け付けないというのだ。たとえ青森市長が申し込んだとしても絶対ダメだとけんもほろろ。同様に、文化会館(リンクステーションホール青森)も門前払いだ。
とにかく大きい会場を探さなくてはならない。すぐ青森で一番大きい「ホテル青森」に打診した。
すると、6月は予約を一切受け付けないとのこと。そうか、6月は結婚シーズン。ホテルのかき入れ時だ。そりゃあシャーないわ。もう八方塞がり。僕は頭を抱えた。「民」は分かる、商売だもの。でも「官」はどうなのだ。一方で、青森コンベンション協会(観光協会)では、青森にいっぱい人を連れて来た団体には補助金を出すという制度もあるのだ。何コレ?
「観光に来てね。青森に来てね」と片手で誘っておきながら、もう一方の手で「来るな」と、はねつけているではないか。もう腹が立って腹が立って。でも喧嘩はできない。立場上できないのだ。グスン。
昔、非職の官使のことをゲジゲジと呼んだそうだ。確かに「非」の字が、ゲジゲジに形が似ているものなあ。でも今は非職の官に非ず、現職の官こそがゲジゲジであろう。それはもちろん、非常識の非である。
―全国大会ドタバタ裏話、次号へ続く―
2013年7月号