平成二十四年 五月二十日
青森全国大会打上げ句会
於 青森市 笑顔亭

参加者(偉い人もいますが順不同)

赤松ますみ(大阪)  斉尾くにこ(鳥取)

石橋 芳山(島根) 牧野 芳光(鳥取)

江畑 哲男(千葉) 浪越 靖政(北海道)

田辺 進水(愛媛) 真島美智子(佐賀)

菊池  京(青森) 早泉 早人(大阪)

真島久美子(佐賀) 東浦あさ江(青森)

藤田めぐみ(東京) 加藤  鰹(静岡)

高瀬 霜石(青森) 只野ゆき子(青森)

望月  弘(静岡) 上野 楽生(大阪)

中前 棋人(静岡) 水品 団石(静岡)

西 恵美子(宮城) 北 れい子(宮城)

濱山 哲也(青森) 松田 夕介(静岡)

勝又 恭子(静岡) 真理 猫子(愛知)

荒牧やむ茶(栃木) 谷口さとみ(静岡)

北山まみどり(青森)笹田かなえ(青森)

吉崎 柳歩(三重) 青砥たかこ(三重)

きさらぎ彼句吾(青森)

 

 

席 題 「 豆 」  高瀬 霜石 選

出句無制限

豆つぶのような島でも揉めている  棋 人

納豆とアンタの愚痴は粘っこい    鰹

豆乳を静かに飲んで立ちあがる   ますみ

わたくしの豆が発芽をする時間   団 石

納豆とうなぎ今宵もねぇあなた   やむ茶

ゆっくりと私に戻る豆を挽く   まみどり

ピーナッツ角栄さんも食べ過ぎた  あさ江

睦言は聞かないふりの豆電球     弘

サヤインゲンの講釈が終わらない  ますみ

枝豆の緑を信じきっている     久美子

坂道を転がる豆になっている    棋 人

ケラケラと笑う青森産の豆     早 人

田んぼにはもう還れない豆畑    柳 歩

おだてると哲也は豆の木に登る    鰹

鬼は外あれから父さん帰らない   靖 政

ピーナッツ探して食べるカキの種  芳 山

しなやかに小さな豆になる予定   恵美子

正直なことばかり言う黒豆茶    ますみ

豆つぶほどのストレス抱え二度の職 哲 男

メンデルのお陰で今の僕がある    弘

ジャンケンのグーが握っているおから ますみ

豆ごはん白い蝶々が飛んでくる   ますみ

 

納豆にガッツポーズをせまられる  棋 人

わたくしは発酵中の豆である    早 人

ジャックから手紙が届く豆のつる  たかこ

みつ豆の好きな男で頼りない    たかこ

やさしさは空豆を抱く莢の線    くにこ

妹が寝たら豆電球を消す      久美子

スゴスゴとゴミ箱へゆく豆の皮   早 人

正月に「豆漬け」が出る津軽です  ゆきこ

豆一つ二つ三つと止まらない    団 石

とりあえず二つあります胸元に  まみどり

豆粒で撮って大きく引き伸ばす   たかこ

だだちゃ豆故郷を飛び出したあの日  鰹

豆粒ほどの愛ですがどうぞ     恵美子

アベノミクス豆の木一本植えました 恵美子

小豆大のほくろがすごいとこにある たかこ

あとがきは甘納豆になってから   ますみ

訂正をしますたっぷり振るきなこ  ますみ

つぶあんですか こしあんにしますか 愛 靖 政

コンビニの豆は見事に同じ顔    かなえ

おいでなさい伸ばした腕が豆のつる まみどり

そっとしておこうまっすぐのびるつる 早 人

よく動くマメな亭主を飼っている  やむ茶

隣りから我が家を覗く豆にツル   早 人

手のひらの豆は剣道五段です    久美子

サヤの中でいいほんの少し雨やどり れい子

山登る小豆枕を道連れに      ますみ

枝振りのいい豆の木で空へ行く   猫 子

青森の豆と遊んでまいります    早 人

豆の木を登って天国まで行った   棋 人

納豆のねばりで宇宙かつがなきゃ まみどり

青森に染まるリンゴの豆絞り    久美子

枝豆とビールで津軽ジョンガラだ  芳 山

豆を剥く指おしゃべりになっている 久美子

豆腐屋の前で政論戦わす      恵美子

冷奴ジョンガラ節を聴いている   ますみ

ごま豆腐ワタシは寺へ参ります   ますみ

小豆いっぱい青森風のお赤飯    猫 子

豆を煮るまだ四島は還らない    団 石

ボンヤリとしてると豆が飛んでくる 早 人

遺跡から豆が出てきたんだよなあ  団 石

納豆のように粘ったプロポーズ   楽 生

嘘をつくついでに豆を口移し    めぐみ

豆粒に人が見えればもう下界    猫 子

豆の木があらぬ事まで考える    棋 人

終章は豆腐になって待っている  まみどり

日本チャチャチャみんな大豆のおかげです  かなえ

豆知識ばかり広げる役立たず    やむ茶

いきさつをピーナツの皮知っている 早 人

豆鉄砲では我が国は守れない    柳 歩

納豆になるまでに嫁きておくれ   夕 介

貴方も子もみんな居たっけ豆ご飯  彼句吾

お赤飯我が家におきた一大事    恵美子

豆力士日本の国技たのんだぞ    柳 歩

女房に豆投げられて追い出され   棋 人

スカイツリーに絡んでみたい豆の蔓 柳 歩

湯豆腐の湯気のうしろにいる忍者  ますみ

福は内くらいで福は来てくれず   柳 歩

納豆のネバネバ君のしつっこさ   恵美子

猫も豆もうすぐらいところが好き  かなえ

したたかな顔で意見を述べる湯葉  ますみ

いきさつは今朝の豆腐が知っている 早 人

黒豆が二つボインについている   やむ茶

納豆が僕と別れてくれません    猫 子

豆鉄砲のように帰らぬ娘達     美智子

見送ってゆっくり登る豆のつる  まみどり

グリーンピース好きになれないまま初老 たかこ

マメ幾つつぶし巨人の星になる   哲 男

お豆腐になるのが僕の希望です    哲 也

そこはダメ豆コロコロとコロコロと  芳 山

好きだから豆鉄砲を射ちつづけ    靖 政

次々に私を誘う怖い豆        芳 山

五 客

豆つぶのような小さな男です     棋 人

豆の意地見せてやろうよなぁみんな  夕 介

豆の木のテッペンでまた迷い出す   恵美子

中国を豆鉄砲で威嚇する       芳 山

ピーナツのくびれは何を誘うのか   芳 光

人 位

豆腐屋は角を大事にして生きる    芳 光

 地 位

納豆をかきまぜながら泣いている   棋 人

天 位

豆スープ残しシェーンは去っていく  柳 歩

 

▽今年も北は北海道から南は九州まで第一線で活躍する柳人たちの夢の競演が実現しました。

大会事務局長で走りまわってヘトヘトになっている霜石さんに酒も飲まさず(景品まで出させ)席題の選者をやらせるなんて鬼だ!と言われましたが。やはり青森大会の締めは霜石さんにやってもらわないと(笑)感謝、感激、アメアラレ

また来年富山でお会いしましょう。(加藤 鰹)

 

 

 


 

全日本川柳青森大会一般の部 入賞句

▽文部科学大臣賞

人間の森に絆という根っこ   広 島 田辺与志魚

 

▽参議院議長賞

縄文の遺跡に眠る津軽の血   青 森 柳田 健二

 

▽川

仮の世の愛憎劇が終わらない  北海道 浪越 靖政

 

▽大 会 賞

海峡を越えて出直す箸二膳   愛 知 河合 正秋

北国へ神は豪華な春贈る    兵 庫 福田 好文

つぶやきを吐く少年の海峡よ  青 森 千島 鉄男

向きを変え北風になるははの鞭 茨 城 岡 さくら

ケータイが鳴る幻想の原っぱで 岩 手 柳清水広作

海峡に突き出た岩が僕である  青 森 む さ し

百色の絵の具と暮らす北の四季 秋 田 斉藤 豊康

草原の風は土偶の歌である   青 森 む さ し

渇くのが怖くて海の底にいる  青 森 須藤信之介

どんぐりの森が広がる子の履歴 青 森 千島 鉄男

 

全日本川柳青森大会入賞句 ジュニア部門

▽青森県知事賞

植樹した苗木元気な森になれ   山 口 宮田 明香

▽青森市長賞

りんごにも僕にもかたい芯がある 青 森 松谷 拓人

▽青森県教育長賞

親父の背高すぎるけどきっと越す 北海道 浪越 靖政

▽全日本川柳協会賞

なりたいな歯ごたえのある人間に 広 島 大井 優希

森の中迷えばいつも友がいる   青 森 川崎 留依

▽教育新聞社賞

さおしなる魚とオレのつな引きだ 広 島 大田 竜平

りんごがねおちるとこんらんするんだよ

                青 森 佐藤 慶太

また君を見てる目の先アイツだな 青 森 中村樹美佳

 

 

第三十七回全日本川柳2013青森大会

会 場: リンクステーションホール青森

参加者:当日658名   事前投句2004名

ジュニア部門参加者5527名

 

 

 

2013年8月号