霜石コンフィデンシャル127   高 瀬 霜 石

 

「いいんだが?マイネんだが?4」

 

全国から600人もの川柳人が集う「全日本川柳大会」が、せっかく青森市で開催されるのに、迎える側の青森市の対応のヒドさに唖然とし、ガッカリし、頭にきたコトを3回にわたって書いてきた。

大会当日、青森のお土産をたくさん買っていって貰いたいから、青森物産協会に出店の依頼をした。そしたら、またコンベンションホール青森(文化会館)から、本部(大阪)のハンコがどうの、税金の滞納を調べるのに時間がかかるとかのチャチャが入り、すっかりやる気がなくなり、物産協会に断りの電話を入れようと思っていたら、その物産協会の気の利く若者(ワゲモノ)から逆に電話が入った。

「(小声で)高瀬さん。大変でしょう。どうですか。ここは僕に全て任せてくれませんか?」

「それはいいけど、ハンコとかどうするの?」

「大丈夫です。どうにかします。僕らはしょっちゅうやっていることですから。任せて下さい」

「どうにかするって、どうにかなるわけ?」

「なります。大丈夫です、ハイ。僕たちは商売ですから、仕事したいんですよ。お願いします」

 

6月8日(土)快晴。青森グランドホテルでの前夜祭の参加者は371名。会場は熱気でムンムン。

明けて9日も快晴。大会本番は658名の大盛況。ここ数年の全国大会では最高の人数になった。本州最北端の地に、全国各地からよくもなあこんなに集まってくれたと、スタッフ全員、大感激・大感謝。

どういう奥の手を使ったのか、とにかく気の利く彼のお陰で無事に出店がズラリと並んだのでホッとした。

「ココロとフトコロに余裕のある人ばかりが集まるから、結構売れると思うよ、と高瀬さんがおっしゃった通りです。売れてます。ウハウハです」と、彼は売り場でニコニコ顔で答えた。

ちょうどその頃、人気作家・有川浩原作の映画「県庁おもてなし課」が公開された。彼女の地元・高知を舞台にした話題作だ。高知県庁に観光促進を目的に新しく設立された「おもてなし課」。実在する部署を舞台に、仕事と恋に奮闘する若き県庁職員の物語である。

かつて話題になった「すぐやる課」。すぐやらない役所だからこその部署だ。もてなしがペケペケの青森県は、すぐに高知へ若者を派遣し学ばせるべきである。

―青森全国大会ドタバタ裏話、無事終了―

 

 

 

2013年10月号