平成二十四年 八月十七日
たかね川柳会 定例句会
於 アイセル静岡
参加者(順不同)渥美さと子、荒牧やむ茶
山田浩則、増田信一、林二三子、松田夕介
八木益代、山本智子、杉山光代、尾崎好子
石上俊枝、川村洋未、望月弘、佐野由利子
長澤アキラ、中野三根子、曽根田しげる、
勝又恭子、藪崎千恵子、加藤鰹、畔柳晴康
小林ふく子、鈴木まつ子、南天子、川口亘
池田茂瑠、岡村廣司、薗田獏沓、成島静枝
石田竹水、真田義子、奥宮恒代、中矢長仁
毛利由美、安田豊子、栃尾奏子、酒井可福
山本野次馬、鈴木千代見、山本ますゑ、中
司、外側としみ、川口のぶ子、谷口さとみ
鹿野太郎、濱山哲也、森田安心、西垣博司
永田のぶ男、森だがやん、森下居久美、那
須正明、真理猫子
▽暑い日は遠出をせずに、クーラーの効い
た公民館で句会。これが一番(たぶん)笑
席 題 「印 象 吟」 松田 夕介 選
ルーレット型ダーツの的(磁石式)を見ての印象吟
こんなもん誰のオモチャだ捨てちまえ 由利子
止まってる的に刺さらず鳥射貫く 信 一
早いとこ当ててあの世へずらかろう アキラ
当るまで矢がつきるまで投げてやる 洋 未
投げやりに見せて時々ど真ん中 恭 子
よく当る占いだってハズレ有り 洋 未
はずれても夢は捨てずに持っている 信 一
あと一つ涙を飲んだ宝くじ やむ茶
遊びでは夢中になれる父と子と 好 子
競い合う企業戦士のいくさ跡 千恵子
焦るほどどんどん遠くなる大志 アキラ
的はずれ段々心離れてる 三根子
つぶやきがズバリ核心衝いてくる 恭 子
核心を突かれ笑ったまま凍る 鰹
嫌な役決めるダーツはよく当たる 二三子
いい男当たればいいな天気良し 洋 未
本命を見事しとめた男前 由利子
白い歯がキラリあなたをロックオン 鰹
五 客
とりあえず一日の無事射とめたい 智 子
的だって刺されたくない時もある 信 一
神様に見事に当てたお賽銭 アキラ
大当り肉食女子の罠に落ち やむ茶
ターゲットあの子に決めた夏の海 やむ茶
人 位
矢を放つ天使ただいま募集中 弘
地 位
人事部で流行るロシアンルーレット 鰹
天 位
ダーツ板まん中に貼る嫁の顔 益 代
宿 題 「涼 し い」 林 二三子 選
猛暑日も暑さ知らずの映画館 益 代
夏休み避暑地はいつも映画館 三根子
グリーンカーテン涼と食とを連れて来る ふく子
心太涼しさ混ぜてすすり込む 晴 康
風呂上がり裸でビール俺の城 由利子
超美人いつも涼しい顔をする 安 心
離陸する瞬間震え凍る背な 太 郎
怪電話ヒヤリかわして大手柄 恒 代
胸の戸を開けて涼風入れてます 茂 瑠
家族皆集合エアコンを入れる 奏 子
大ジョッキ涼しさ喉に突きあたる ふく子
湯上がりのビール磊落呑む至福 豊 子
二代目が涼しい顔で座る椅子 千代見
朝顔の浴衣涼しい大花火 静 枝
灼熱へ打水の涼プレゼント さと子
身延線その沿線を渡る風 弘
薄化粧浴衣も涼し夜店市 洋 未
そうめんがガラスの皿で箸を待つ 博 司
細い目を涼しい目だと褒めてくれ 好 子
神様が涼を配って通り雨 奏 子
夕立ちにもらう涼しくなる魔法 野次馬
妻が出す離婚離婚という冷気 哲 也
お財布の中は年中真冬です 鰹
縁側においでスイカが冷えてるよ 鰹
嫌な奴涼しい顔で通り抜け 好 子
熱帯夜しばし忘れる虫の声 居久美
とりあえずコンビニ寄ってひと休み 益 代
コンビニの冷蔵庫からVサイン やむ茶
脳天もいっきに冷えるかき氷 竹 水
ご先祖が僕のベッドで添い寝する やむ茶
外回りまたデパートのトイレ借り 太 郎
浴衣美人涼しい風を連れている 恭 子
五 客
妻からも通帳からも見放され アキラ
吊橋で川底見えて肝が冷え 光 代
家計簿は怖い話になっている 哲 也
一時の涼を求めている木陰 千恵子
避暑地から暑中見舞いの挨拶状 居久美
人 位
都会から抜けて田舎の風に会う 千恵子
地 位
山登り名も無き滝に手をのばす 光 代
天 位
ふるさとの風は座敷を駆け抜ける 弘
宿 題 「クレーム」 佐野由利子 選
クレームをつけてやりたい美人の湯 恭 子
あらさがし趣味になってるクレーマー 恭 子
クレームのついた体にコルセット のぶ男
クレームの謝罪マニュアル売っている 長 仁
やっかいな人だ何でもケチをつけ 二三子
クレームの保留美肌に残す染み ますゑ
メタボ腹料理上手な君のせい 夕 介
仲人にクレーム言えず諦める 長 仁
苦情処理受ける電話のさわやかさ 益 代
地球からクレームである温暖化 哲 也
中国人舟に苦情を乗せて来る しげる
クレームをつけずに耐えた五十年 博 司
クレームをつける台詞の下調べ 智 子
繰り返し釈明に泣く靴の底 俊 枝
クレームを脅しに使う悪い奴 安 心
体からクレームが出て医者通い 二三子
出張費とられて替えたネジ一つ 恒 代
異議ありと叫ぶ下座のやせガエル アキラ
嫌な客クレームだけは付けて行く 光 代
反抗期クレームばかりつけたがる 義 子
丁寧に書けと上司に咎められ 廣 司
クレームに笑顔で接す営業マン だがやん
カタログに乗ってる美人が付いてない 可 福
グラタンで火傷をしても店のせい さとみ
駄々っ子の如くに騒ぐチャイニーズ 鰹
五 客
美しくなるはずだった美白液 居久美
尖閣をネコババなんて許さない やむ茶
クレームを付ける男に嫁がない 重 雄
ママゴンが校長室へやってくる 静 枝
クレームが多彩で神がノイローゼ 智 子
人 位
納豆が腐っていると電話する 鰹
地 位
躓いた畳へ文句つけておく 弘
天 位
愛のない妻を出雲へ訴える 弘
宿 題 「ぼ ん」(表現自由) 望月 弘 選
平凡な暮らしの夢はマイホーム 浩 則
盆栽のしごきにあった枝の張り 千恵子
平凡な夢に溺れているメダカ 夕 介
ボンカレー今も暑さを吹き飛ばす 恭 子
親心くすぐるように盆帰省 長 仁
盆飾りナスもキュウリも走り出す 天 子
送り火の後に遺産の話など 太 郎
遠い日を思い出してる風の盆 アキラ
盆休み民宿なみの賑やかさ 益 代
一発屋凡打ばかりを積み重ね やむ茶
妻と子は外食パパはボンカレー だがやん
青い眼の嫁も輪に入る盆踊り 鰹
煩悩があるから今日も若作り 夕 介
平凡がなにより座右の銘にする 静 枝
手の平を返せば進む盆踊り まつ子
盆の窪みんなもってる水たまり 哲 也
凡人と話す気もない暇もない 洋 未
初盆に集う姉妹が姦しい 俊 枝
ボンボンを振って笑顔のチアガール やむ茶
新盆のはしご懐から悲鳴 恒 代
盆暮れと浮世の義理に財布泣く 重 雄
送り火に父の記憶を封じ込め としみ
ただいまもお帰りもなく盆の月 アキラ
魂に触れてにぎわう風の盆 としみ
ぼんぼんで育ち社会で恥をかく 二三子
直ぐ怒りますよ短い導火線 奏 子
五 客
亡父帰るお酒が減っているお盆 哲 也
梵鐘を合図に仕舞う山の畑 静 枝
卓袱台が畳まれている父の盆 博 司
平凡がいいと豪語の負け惜しみ さと子
四十度超えを可能にする盆地 由 美
人 位
提灯に止まった蝶と長話 好 子
地 位
困っても呼ぶな盆しか還られぬ 廣 司
天 位
馬で来て牛で帰ると父母の霊 さと子
宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑧人褒めてばかり油断のできぬ人 由利子
⑦気がつけば便利な人になっている 博 司
⑦人許す心ゆっくり晴れてくる 義 子
⑥知恵袋ばあちゃん魔女に違いない 夕 介
⑥人間の弱さ賽銭箱は知り 獏 沓
⑤頭数揃える為に呼び出され 千恵子
⑤素直にはなれぬ心を持て余す やむ茶
⑤二股の枝に迷ったかたつむり まつ子
⑤天国も高齢化だという噂 竹 水
⑤団塊の世代墓まで混んでいる 千代見
⑤妥協した男の背なが丸くなる 野次馬
④油断したつけは必ず待ち伏せる 益 代
④見ない振りする事だって時に愛 廣 司
③年輪を煮込んで技が光り出す ふく子
③暑いのに冷えて来ました夫婦仲 長 仁
③抱きしめてみよう大嫌いな私 奏 子
③来し方が妙にいとしい遠花火 さと子
③モナリザになって彼等を黙らせる 洋 未
③熱帯夜月は見事に丸く出る しげる
③いい話題拾い集めて客を待つ 智 子
②裁縫箱夢を形にしてくれる 二三子
②朝日から今日のやる気をチャージする 恭 子
②来世はいろいろの愛試したい 弘
②人情を村の畦道残してる のぶ男
②自縛する酒と絡んでみたい夜 豊 子
②流れ星乱れ飛んでる夢枕 太 郎
②夏祭り太鼓の音で威勢つき 光 代
②儚さを知ってか花火音たてて よし子
②心にもないことを言うこの暑さ 三根子
②ちちははの墓で子どもが鬼ごっこ 可 福
②はとバスにジャックをされた旅行客 由 美
②分かるけど男性用の日傘だと 好 子
②ロボコップ出てきて欲しいデトロイト としみ
②立秋と夏の盛りに書く不思議 ますゑ
②平凡に暮らす努力の手料理を 天 子
②新盆会ただいまの声聞こえそう 静 枝
②濡らすことないけど水着着ています 茂 瑠
②幸せの時は止まらず過ぎ去りぬ 晴 康
②引き出物十倍返しでのしかかる さとみ