平成二十一年 一月 十六日
於 日本料理「さわ」
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参加者(順不同)米山明日歌、阿部闘句郎、池田茂瑠、増田信一、高瀬輝男、川村洋未、伊藤泰史、石上俊枝、山下和一、勝又恭子、水品団石、中前棋人、市川重雄、森田安心、石田竹水、小野修市、真理猫子、加藤鰹、望月弘、佐野由利子、林二三子、薗田獏沓、瀧進、中野三根子、提坂まさえ、大塚徳子、川村美智代、萩原まさ子、今井卓まる、中川司、谷口さとみ、長澤アキラ、畔柳晴康、稲森ユタカ、永田のぶ男、曽根田しげる、薮崎千恵子、森下居久美、川口亘、井口薫、岡村廣司、中矢長仁、内山敏子、成島静枝、濱山哲也、酒井可福、西垣博司、鹿野太郎、毛利由美、川島五貫、滝田玲子、加茂和枝、栃尾奏子、藤田武人、鈴木まつ子、那須野明、小林ふく子、鈴木千代見、芹沢穂々美、川口のぶ子、山本野次馬、近藤伊佐久、大村拓真、渥美さと子
▽新年句会、今年も大盛況、ありがとうございました。二次会のカラオケも盛り上がりましたね~。
宿 題 「無 い」 水品 団石 選
色の無い下着へ妻の愛が見え しげる
寒風に無い頭髪が愛おしい 俊 枝
無理言うな無いと言ったら何も無い 晴 康
銀行の隣に住んで金がない アキラ
溺愛に逃げる道ない三才児 のぶ男
きっぱりと無用と断る電話口 獏 沓
輝きが無い原石も信じてる 武 人
無神論者合格願う神ほとけ 敏 子
男気を出して財布も空になる 棋 人
家も建て田畑あるのに嫁が無い 和 一
かみさんの言いなりになる無血主義 野次馬
記憶無いけれど身体は知っていた 信 一
有る振りをするから何時もカゼを引くアキラ
保険切れ命の軽さ冬花火 まさえ
なんとまあ私の椅子に他の人 まさえ
無い知恵を絞り切ってるマヨネーズ 美智代
亡き友よ君の仕立てし菊盛り 獏 沓
きっぱりと縁談なしと言う神籤 明日歌
嫁も無く金も無い無い欲も無い 安 心
適量で無く適当で効く薬 ふく子
日めくりの悔を残した大晦日 重 雄
財産は無いもめる事もなかろう 二三子
新春のハローワークに職が無い 竹 水
日当たりへ気の迷いなど無いかかと ふく子
保育園過疎でも夢は無限大 弘
無い時に限って金の要る話 亘
質問も疑問も出ない講話聴く 弘
二日酔い燃えた心の置きどころ 五 貫
五 客
こんがりと骨まで焼いて無駄がない 千代見
切る爪も噛む爪も無い日曜日 明日歌
くせが無くいつもお鍋にいる豆腐 まさ子
妻の座を無くしてからの広い海 和 枝
傘の無い二人を包む雨が降る ユタカ
人 位
夢の無い男マイホームを建てる 奏 子
地 位
鮮度保持へ女の戦果てし無い 薫
天 位
どうみても客が匂わぬ接待費 由利子
宿 題 「 新 」(表現自由)
加藤 鰹 選
昼間からカーテン引いた新所帯 棋 人
新春がまだ明けやらぬ派遣村 竹 水
不景気の底で牛からくるタスキ アキラ
新案がデフレ寒波の中あえぐ 俊 枝
新の字に不況のススが降りかかる 美智代
新婚の時代もすでに忘れられ のぶ子
新しい年に似合った顔になる 和 一
不況風新採用はないらしい 二三子
新製品死活を賭けた小企業 輝 男
新人が僕よりおやじ気が重い 洋 未
新婚の二人に夜がみぢか過ぎ 伊佐久
新妻の寝顔にそっと頬を寄せ 武 人
新婚の夢と現実差に騒ぐ 俊 枝
新妻の頃はやさしさ有ったのに 廣 司
新妻が月日とともに鬼嫁に ユタカ
新年よ私は虎になれますか 奏 子
タイガーが笑うハッピーニューイヤー徳 子
新年のゴミにあっさり妥協する 修 市
新年も入れ過ぎ重い背負篭 重 雄
安くって味も嬉しい新ジャンル 長 仁
新品のナビにハンドル譲りたい 太 郎
新年の祈願ビンビンコロリです 泰 史
ニューフェイス皆にちやほやされすぎる安 心
新人が私の灰汁を掬い出す 茂 瑠
新入りはこき使われて腕を上げ 泰 史
平成もはたちになった新天地 好 子
新しい門出に君の泣きっ面 卓まる
新成人父の盃手が温い しげる
親の顔見たい新成人がいる 由 美
ニューウェーブ乗れず普通で妥協するさと子
新型が好きで早速カゼを引き 博 司
新機種の多機能使いこなせない 二三子
今風を入れるスペース海馬振る まさえ
乱れ飛ぶ新語に辞書も狼狽える 由利子
良くなって新発見の医療ミス 五 貫
酒愉快打ち解け合える初対面 竹 水
雨降り下戸で新年会の鬱 博 司
新鮮が飛び込んでくるぶらり旅 弘
新鮮なわたしに賞味期限なし 恭 子
雪とけて新たな出逢い芽吹くよう ユタカ
新しい音符をつけて嫁と住む 穂々美
新月に心の中を見透かされ 三根子
くしゃみ連発嫌な予感のする風だ 二三子
新しい風に千切れたはぐれ雲 闘句郎
新雪が私の迷路深くした 茂 瑠
満月にリセットボタンを押して寝る まさえ
バンカーで待つのは新しい女 団 石
招かざる新のつく字も時にある 和 一
五 客
新しいわたしを探す途中下車 美智代
新しい私を開く君の鍵 明日歌
新婚はペテンか妻の変わりよう まさ子
ねえ母さんたまにゃ新品使いなよ さとみ
新年に借りる虎の威吟味する まさ子
人 位
新しい海に真新しい光 闘句郎
地 位
新婚の頃は帰りを待っていた 居久美
天 位
ゴメンネと言おうか瘡蓋が痒い 明日歌
宿 題 「予 感」 望月 弘 選
御神籤の吉が励ます初句会 竹 水
先のこと読みすぎ融けた雪ダルマ まさえ
疑問符を暗い予感の横に置く 茂 瑠
長い髪バッサリ彼氏変ったな まさ子
くしゃみ連発嫌な予感のする風だ 二三子
デコメール恋の予感は一分咲き 鰹
雪女尋ねてきそう燗つける まさえ
導火線チリチリ私弾けそう 明日歌
翔び過ぎた薬が予感より多い 茂 瑠
かも知れぬかも知れないとくじを買う信 一
恋なのか高血圧か検査中 卓まる
失格は審議の時間ですぐわかる 安 心
カツ弁だ多分今夜はカツカレー 五 貫
逢えるかも知れぬ夜道を遠回り 伊佐久
長続きしない予感の披露宴 哲 也
山里に春の予感だふきのとう 居久美
この胸に虫の知らせがわだかまる 博 司
たまご酒早めが効くと今日も飲み 静 枝
ここ掘れのポチの予感がプロローグ さと子
梅ほのか貴方はきっと会いに来る 奏 子
ピンと来た胸に消えない不整脈 博 司
歌も出る同じ数字の横並び 和 一
深夜です訪ねる人のある予感 穂々美
ここ掘れと云うかも知れぬ犬を飼う 伊佐久
からす鳴きやっぱり訃報電話くる 獏 沓
消費税一〇パーセントもう間近 廣 司
責任は取らぬ未来の大予言 可 福
予感ピタリ嫌な相手とペアにされ 玲 子
さりげなくバラ一輪を差し出され まつ子
猫の恋春の予感をふれ回り 進
向う側何かいいことありそうな 美智代
五 客
深すぎたポケット暗示届かない しげる
羽根がはえるのか背中があたたかい 明日歌
君からの電話を待っているコロン 居久美
晩酌が旨いあしたも頑張れる 竹 水
膝うずく洗濯物を取り入れる 俊 枝
人 位
雑巾が乾いて妻の乱気流 のぶ男
地 位
初夢で富士山頂に派遣され 闘句郎
天 位
踏ん張った形に潮が満ちてくる アキラ
宿 題 「自由吟」 互 選
⑧その願い努力をせよと神が言う ふく子
⑦プライドが浮遊している終電車 野次馬
⑥裏表紙悲しいことが多すぎる 穂々美
⑥換気扇今日のレシピを触れ回り 可 福
⑤てにをはが乱れ言葉の不眠症 まつ子
④神妙におつむを下げる初詣で 獏 沓
③利口ではないが世渡りすーいすいよし子
②沢庵の連凧箸でつまみ上げ 可 福
②初春へ祝儀不祝儀揃い踏み 静 枝
②喜んで良いのか一つ年を取る 長 仁
①守秘義務を守れぬ顔に見えますか太 郎
①グランドに一礼をして陽焼けの子獏 沓
①逢う度に母が小さくなっていた 廣 司
①仕事終え寄り道いつか忘れてる 修 市
①小利口な子亀操るママガメラ 進