平成二十四年 十一月十六日
定 例 句 会
於 アイセル21

 

参加者(順不同)長澤アキラ、佐野由利子

松田夕介、山田浩則、勝又恭子、滝田玲子

石上俊枝、中田尚、藪崎千恵子、市川重雄

八木益代、山本智子、尾崎好子、杉山光代

曽根田しげる、加藤鰹、畔柳晴康、南天子

池田茂瑠、増田信一、岡村廣司、林二三子

奥宮恒代、石田竹水、中矢長仁、真田義子

成島静枝、鹿野太郎、川村洋未、薗田獏沓

鈴木まつ子、望月弘、毛利由美、濱山哲也

小林ふく子、渥美さと子、鈴木千代見、中

司、山本ますゑ、山本野次馬、外側としみ

永田延男、中野三根子、荒牧やむ茶、小沢

一弘、川口亘、川口のぶ子、谷口さとみ

 

 

席 題  「 夢 」  曽根田しげる 選

五輪行き夢を叶えたアスリート   千恵子

目覚ましを恨むビフテキ食べそこね  鰹

初夢の車は自動運転に       浩 則

バラ色の夢を語った青春期     益 代

将来の夢はつながる高速道     浩 則

夢一杯パクパク食べる腹も出る   好 子

夢いっぱい背負って駆けるランドセル 由利子

人べんに夢 人生は儚いね      鰹

夢ばかりその度毎のトイレ行き   重 雄

当らない夢のジャンボを買いに行く 浩 則

来年の夢の記念に北海道      浩 則

変な夢みんなに話す恥ずかしい   重 雄

未来へと夢に向かっていく一途   千恵子

残り火の最後で夢を引き寄せる   アキラ

認め印だけの男と夢をみる     アキラ

いい夢を見たくてまくら高くする   尚

絵に描いた夢は住みたいマイホーム 浩 則

青春の夢は大きい虹の色      由利子

五 客

七年後夢の五輪に期待する     浩 則

老いてまだ若い遊びの夢に居る   重 雄

青春のあしたへ掛ける夢いくつ   由利子

笑ってる子どもの寝顔ケーキかな  益 代

正夢か今日は良い事ばかり有る   好 子

人 位

来世は超金持ちになってやる    智 子

 地 位

故郷に錦を飾って帰る夢      千恵子

 天 位

夢ならば君と出会った日に捨てた  夕 介

軸 吟

ほがらかな夢席題に恥さらし    しげる

 

 

宿 題  「重 い」  長澤アキラ 選

東北の瓦礫の山の重いこと     のぶ子

がんばれがズッシリ響く今日のウツ としみ

約束を破り荷物が重くなる     洋 未

増税に一円玉が重くなる      竹 水

虚偽表示罪の重さを後で知る    安 心

残り火へ気苦労ばかりつきまとう  まつ子

重量税かかると困るからやせる   さと子

箸よりも重い物など持てないわ   三根子

ライバルに勝ったは目方だけだった 廣 司

一言が多くて空気重くする     千恵子

手術室赤いランプが重くつく    俊 枝

勝負服脱ぎ捨て重い酒を酌む    太 郎

がんばれに頑張りながら潰される  さとみ

お財布に重量級の消費税      やむ茶

鳶の子に鷹の重荷を背負わせる   俊 枝

五 客

年金に祝儀の義理が重過ぎる    重 雄

朽ちかけた屋号の板が持つ威厳   ふく子

減給を告げられ遠くなる家路    恒 代

責任の重さに耐えた田のかかし   獏 沓

三十年ローン背負ったかたつむり   鰹

人 位

繁栄の影にPM2・5       ますゑ

地 位

赤ちゃんの重さを知っている妊婦  由 美

 天 位

神はライト級 悪魔はヘビー級   哲 也

 

 

宿 題  「軽 い」   佐野由利子 選

一生を気軽に生きた玉の輿     安 心

軽い程燃費が伸びる良い車     浩 則

セクハラと軽いタッチを責められる 静 枝

天高しペダルも軽くツーリング   長 仁

ユーモアに満ちて空気を軽くする  まつ子

悩みごと消えると羽根が生えてくる 恭 子

風評をたどればきっと軽い口    由 美

神前の誓い成田でもう忘れ      鰹

軽く見た今日のピッチャー本調子  光 代

軽トラに家族を乗せてひた走る   太 郎

役を辞し肩の軽さと物忘れ     獏 沓

軽すぎて自動扉が開かない     益 代

思わぬ出費軽い財布がベソをかく  玲 子

笑い顔つくれば靴も軽くなる    哲 也

幸せな日々軽装でつなぎます    茂 瑠

神様に誓った愛が軽過ぎる     やむ茶

抱き上げた母の軽さが身にこたえ  千恵子

マシュマロの軽さに口が滑り出す  野次馬

軽い口レッドカードを貼っておく  さと子

懐が軽くて今日も買うモヤシ    さと子

悩み事晴れて足どり軽くなる    二三子

旅帰りお財布だけが軽くなる    二三子

草食のあなたに軽く塩コショウ   としみ

中韓に軽く見られていませんか   信 一

認めますピーマンの種ほどの脳   俊 枝

軽すぎて自動ドアにも嫌われる    尚

さよならと軽くメールで言わないで としみ

 五 客

加害者の薄笑い見た軽い刑     太 郎

慣れた手で軽くメールを打つ子ども ますゑ

末の子が嫁いで肩が軽くなる    益 代

この国も僕の頭も軽すぎる     アキラ

体重が一番軽いのは諭吉      哲 也

 人 位

ランララン検診帰り軽い足     玲 子

 地 位

素晴らしい大道芸の身の軽さ    千恵子

 天 位

年金に命を軽く見られてる     千代見

 

 

宿 題  「あと一歩」  加藤  鰹 選

あと一歩届かぬ夢に期待する    天 子

あと一句入れば一位だったのに   信 一

あと一歩大きなタイをまた逃がす  義 子

八合目あたりで妥協する平和    太 郎

あと一歩下がって頼む助け舟    のぶ男

一点で明暗分けるのが試験     信 一

掴みそこなっておいしい夢が逃げ  千代見

あと一歩守る女の堅い城      重 雄

あと一歩二歩と前進浅田真央    由利子

負け組の言い訳だなぁあと一歩    尚

王手かけあと一歩まできた試合   玲 子

あと一歩迷いはじめたソクラテス  千恵子

ゴールまで遠い一歩を継ぐタスキ  浩 則

あと一歩踏み出せなくて今日も無事 恭 子

一升を背負って歩く誕生日     益 代

喉元でもぐらたたきをする名前   夕 介

あと一歩逃がしたうなぎ穴の中   しげる

あと一歩押すか引くかのヤジロベー 重 雄

料亭の味に近づくあと一歩     益 代

あと一歩キンキラキンをとり逃す  恒 代

あと一歩届かぬ先の万華鏡     のぶ子

たまに来るバスが見捨てる肩の息  さと子

ライバルにあと一足を掬われる   千恵子

あと一歩登って見える別世界    光 代

アスリート天と地分ける零コンマ  哲 也

惜しかった毎回言われ逃す賞    静 枝

あと一歩進めば墓が見えて来る   安 心

目標の手前で切れるエネルギー   恭 子

バレンタインチョコに天使の矢を仕込む としみ

五 客

こぼさないようにとトイレ姦しい   弘

最終選考で落ちたと自慢する    由 美

逆上がり肥満児腹が邪魔をする   俊 枝

御馳走へ口を開けたら目がさめる  智 子

肩車すれば届いた冬銀河      野次馬

 人 位

ジャイアント馬場の歩幅で泣かされる 夕 介

地 位

完璧な人で温みがいま一歩     由利子

天 位

幸せは売り切れました入荷待ち   アキラ

 

 

宿  題 「自 由 吟」  互  選

⑪おすそ分け回覧板と来るミカン  玲 子

⑦白黒で生きて天然色で逝く     弘

⑦胃袋に入れればエビはみな同じ   尚

⑤周波数ぴったり合って恋になる  としみ

⑤米寿です東京五輪見て眠る    晴 康

④御用心猫を被っている愛想    千恵子

④木枯らしが遠吠えに似て寒すぎる 安 心

④カラスまで俺を笑って鳴きやがる 夕 介

③丸くなることで無くした拠り所  信 一

③核心に触れて爆発するマグマ   やむ茶

③絆って不幸な折りに価値を知る  廣 司

③楽天の花火被災地から揚がる   太 郎

③寿司屋の子離乳食から舌が肥え  洋 未

②夕焼けに頭を下げて明日を待つ  しげる

②飴玉をほうばる度に向く尻尾   野次馬

②婆ちゃんが摘まんで入れた隠し味 長 仁

②マシュマロの妻を愛した頃もある 千代見

②反抗期親に言えない事もある   二三子

②証明書無くても買えるシニア券  益 代

②横文字の町で私の椅子がない   茂 瑠

②あと一歩反省ばかり腹も立つ   天 子

②重いなあ体重計に嘘がない     亘

②うたたねも員数稼ぐ視聴率    智 子

②十二月大きなことを考える    義 子

②意地悪い手の届かない痒い場所  のぶ男

②夫婦でも野球応援闘志わく    由利子

②追想のガキの仲間も老いの秋   重 雄

②妻と母織って女が城築く     アキラ

②ハーフにも英語が喋れない悩み  由 美

②票田に一人候補があぐらかき   獏 沓

②この世からあの世の花になる無念 静 枝

②母から子へ歌い継がれる童歌   ますゑ