平成二十五年 十二月七日
たかね、むなぎ、やはた
三 社 合 同 句 会
於 有東公民館
参加者(順不同)提坂まさえ、鈴木まつ子
石田竹水、伊藤泰史、市川重雄、森田安心
松永澄江、西垣博司、大村利朗、松永昭洋
石上俊枝、川村洋未、勝又恭子、杉山一路
佐野由利子、寺田志づ江、望月弘、加藤鰹
増田信一、山田浩則、林二三子、山本智子
長澤アキラ、荒牧やむ茶、永田のぶ男、設
楽亜季浩、松下幸子、下村和光、斉藤才男
薮﨑千恵子、中野三根子、小林笑楽、市川
今子、豊泉ヒカル
宿 題 「 嘘 」 荒牧やむ茶 選
背伸びして少し飲み屋で嘘をつき 昭 洋
菜の花と彼岸花とが咲き乱れ アキラ
サングラス外せば嘘が落ちてくる 洋 未
お前には嘘は付けぬと嘘をつき ヒカル
嘘と秘密うっすら混ぜて盛り上げる のぶ男
嘘ばかり言うからツケが回り来る 志づ江
病室に騙す努力をする家族 俊 枝
誇張されデマがだんだん太り出す 才 男
嘘でしょうと妻に妥協の余地が無い 博 司
老舗までステーキですと加工肉 亜季浩
戦時中腹いっぱいと母の嘘 智 子
裏話やんわり嘘も混ぜておく まつ子
嘘電話年寄り共がよく釣れる 安 心
ウソ泣きのてんやわんやの親の負け 重 雄
若いよと世辞でも嬉し卒寿きて 幸 子
子を守る為の嘘ならつき通す 二三子
言い訳が揺らぎはじめた嘘っぱち まつ子
彼の嘘すぐにわかるよ目が泳ぐ 三根子
見栄坊の砦は嘘を積み重ね 和 光
酔い潰れ言い訳してる月見草 今 子
嘘一つ持って黄泉の旅に出る 澄 江
偽装ならいつもしている顔体 信 一
見舞い客優しい嘘で元気付け ヒカル
セールスだ眉毛にそっとつばを付け 泰 史
丸見えの嘘しゃあしゃあとする謝罪 千恵子
オレおまえ嘘がちょっぴり隠し味 利 朗
あんただけ好きだと言った嘘っぱち 竹 水
騙されてあげると妻が笑ってる 利 朗
嘘つきが上手につくるミルフィーユ 夕 介
ありがとう私を守るための嘘 恭 子
五 客
女狐の嘘が男の小骨抜く 笑 楽
たしなみがコップ酒とはつゆ知らず 智 子
嘘八百全部写ったレントゲン まさえ
完全に嘘が絶えない原子力 浩 則
妻という最強の嘘発見器 恭 子
人 位
バラの嘘黙って聞いている毛虫 夕 介
地 位
嘘じゃない紙の袋に五千万 洋 未
天 位
穢れない体で嫁に来ましたの アキラ
宿 題 「温 度」 松永 昭洋 選
熱上げて一寸はにかむ俺がいる 利 朗
釘をうつ凍ったバナナ見せつける 亜季浩
世の中も温度差があり移りゆく 志づ江
風邪の熱体温計が慌て出す 千恵子
耳うちのほどあい熱さ舞い上がり まつ子
冷やのまま人肌ですと妻の酌 亜季浩
温暖化人も地球も切れやすい 俊 枝
高温と核で地球が溶けていく のぶ男
ドン底の情け涙を熱くする 泰 史
二世帯の温度差母がまとめ役 千恵子
暑い日は冷たい妻を抱いて寝る 信 一
振り向いて下さい私まだ熱い アキラ
底冷えに互いに歳をかばい合う 竹 水
家中が妻の温度で仕切られる 博 司
母さんが笑うと部屋が温まる 博 司
温度差が気にもならない倦怠期 洋 未
温室で育てた芯のないモヤシ 鰹
日当たりを追いかけ冬の植木鉢 ヒカル
温暖化進み地球が痩せていく 笑 楽
隙間風温度差のある裏表 のぶ男
負けられぬ意地が男を熱くする 泰 史
温度差を見て見ぬ振りでいる夫婦 信 一
赤ちゃんの笑う空気は暖かい 洋 未
難題は妻あたたかいうちに出す まさえ
老いの恋望み低いがかっか燃え 一 路
つなぎあう温さがかよう介護の手 澄 江
老夫婦温度差が聞くあんた誰 安 心
価値観の温度差にある日の狂い 俊 枝
焼き芋のリヤカーを追うハイヒール 利 朗
五 客
温度差がある日中も僕たちも 鰹
婿殿の温度差冷やす縄のれん 重 雄
ぬるま湯の日々に頭もふやけてる 和 光
適温のわたし貴方の熱帯魚 重 雄
ゆるま湯の中で三食昼寝つき 澄 江
人 位
低温でじっくり揚げてある秘密 恭 子
地 位
恋の熱保温ができず冷めていく 恭 子
天 位
温度差がありすぎ夫婦別の部屋 三根子
宿 題 「無 造 作」 小林 笑楽 選
何気なく相槌打って荷を背負う ヒカル
無造作な手際女房隠し味 一 路
無造作にユニクロ着てもいい男 安 心
無造作に脱ぎ捨ててある共稼ぎ まつ子
名品を気軽に置いてある客間 千恵子
値段など見ないで買っていくセレブ 信 一
脱ぎ捨ててホッと一息旅帰り 俊 枝
無造作に巻くスカーフにセンスの差 恭 子
さりげなく言った一言大さわぎ 三根子
無造作に束ねた髪で行くパート 利 朗
無造作に置いた言葉が発火する アキラ
無造作に皿に積まれるカニ料理 昭 洋
小が大軽く手玉に取る柔 泰 史
代役がおひねりが飛ぶ程に受け 博 司
無造作に置いたケータイから波紋 ヒカル
ポケットにキュッと押し込む5万円 亜季浩
うらん嫁ササホーサラで困っちゃう 鰹
絶妙なスクイズ一球で決める 博 司
無造作で確かな母の目分量 竹 水
古美術も雑多に置いて蚤の市 和 光
壊れてもいいかと置いたペアカップ まさえ
無造作に受けたお役に四苦八苦 志づ江
何気なく言った一言身の破滅 志づ江
無造作に大風呂敷を広げてる 澄 江
野辺の花一輪挿して待つ聖夜 やむ茶
無造作に見えて個性が光ってる 幸 子
指二本目が食べたがる試食品 才 男
無造作に置いた手帳を覗く風 千恵子
何気なく言った言葉に縛られる 信 一
仕合せは遠慮をせずにわしづかみ 竹 水
五 客
ポケットでいつも踊っている小銭 才 男
父の癖DNAに刷り込まれ やむ茶
無造作に走る絵筆にある個性 利 朗
燃え尽きた恋は邪険に投げ出され 和 光
喋るだけ喋って電話ポンと切り まつ子
人 位
ママの朝束ねた髪がさまになる 俊 枝
地 位
ガラクタに見える現代アート展 鰹
天 位
無造作に出来た絆の子沢山 重 雄
三社合同句会合点賞
一 位 たかね川柳会 加藤 鰹
二 位 たかね川柳会 勝又 恭子
三 位 たかね川柳会 市川 重雄
四 位 たかね川柳会 石上 俊枝
五 位 むなぎ川柳会 大村 利朗
六 位 たかね川柳会 長澤アキラ
七 位 たかね川柳会 川村 洋未
以下台帳
▽年末恒例となりました三社合同句会。今回も皆様のご協力により楽しく過ごすことが出来ました。ありがとうございました。