介護の仕事について4年の歳月が過ぎました。

グループホームで二階建てのワンフロア一人一室で9つの部屋のある所、SBS本社の裏手にあります。

きっかけは前に勤めていた会社で事務をしていた人からのお誘いでした。なぜお呼びがかかったのかよくわかりませんが…。

前職は所長代理という立場で、右肩下がりになっていた矢先、転職を考えていたので、考えに考えて介護の世界へ飛び込みました。

「男性でリーダーが出来る人」が、その会社で求められていました。ものすごい重圧を感じました。

そこへ入る前にヘルパー2級を取るように言われ、前会社で働いている時に、3ケ月間休みを返上して毎週日曜日にヘルパーの学校へ通いました。

自分が今の会社である程度の期間研修を受けてリーダーとして働くというものだから、数年働く介護のプロのお姉さんたちにあまりにも申し訳なく、ただがむしゃらに働いてきました。が、失敗の連続でした。

違う人の薬を飲ませちゃったり、夜中に杖を持って徘徊するおじいちゃんを食堂にこさせちゃダメと言われ、何回戻しても戻しても直ぐに食堂にこようとして、頭と頭で押し合いながら〈戻って下さい〉《食堂へ行く!》と言い合いながら頭で相撲したり。

月に一回美容院じゃないと頭を洗わないおばあちゃんがいて、頭洗ってあげたらスタッフに感動されて…

何度も何度も同じ事聞かれ、初めの3~4回は丁寧に答えるのですが…8回以上になってくるといらいらが爆発しそうになります。

脱走してどこかへ行って隠れて酒呑んでるじいちゃんもいたり、「私を殺して下さい」と懇願するおばちゃんがいてこの時はさすがに焦りました。「そんな事したら警察に捕まります」と言うと、「誰にも話しませんからお願いします」と言うけど~そりゃ亡くなったら話せんわね。

 

人間観察といいましょうか、認知症の年老いていく人を見てなかなか面白くもあり、楽しくもあり、悲しくもあり、怒れる時もあり、生きるってこんな事なんだろうと、色んな人、また利用者様を見てわがふりを治さなければと思う今日このごろです。生きるって常に勉強の連続ですね。

介護の世界もまだまだ奥深いものだと実感しています。

 

2014年5月号