平成二十五年 三月十五日
たかね川柳会 定例句会
於 アイセル21 42会議室

 

参加者(順不同)曽根田しげる、林二三子

西垣博司、奥宮恒代、森田安心、増田信一

望月弘、荒牧やむ茶、勝又恭子、松田夕介

山本智子、八木益代、尾崎好子、川村洋未

佐野由利子、加藤鰹、石上俊枝、滝田玲子

市川重雄、山田浩則、杉山光代、中矢長仁

中野三根子、鈴木千代見、長澤アキラ、中

司、藪﨑千恵子、提坂まさえ、森下居久美

安藤千鶴子、宮浦勝登志、谷口さとみ、那

須野正、川口亘、永田のぶ男、恩田たかし

畔柳晴康、岡村廣司、成島静枝、酒井可福

石田竹水、毛利由美、鹿野太郎、濱山哲也

鈴木まつ子、南天子、真田義子、安田豊子

萩原まさ子、川村美智代、外側としみ、山

本野次馬、山本ますゑ、川口のぶ子、渥美

さと子、小林ふく子、森だがやん、野中雅

生、野中とし子、岩永圭二、横田輪加造

 

席 題 「 保 」(表現自由)  林 二三子 選

水だけは確保をしたいこの時代   浩 則

保健室先生美人行かなくちゃ    洋 未

いじめられ泣いてかけ込む保健室  玲 子

ホルダーを診察券が肥らせる     弘

咳をして優先席を確保する      弘

保護者から爺婆までも式に出る   好 子

保育園ジジババついていく時代   信 一

茜空ママを待ってる保育園     由利子

つれそいに多額の保険ねらわれる  のぶ男

保育にも口をはさんでくる祖父母  信 一

保管した金が値上がりウハウハよ  のぶ男

保守よりも革新に向く若い頃    信 一

車間距離保ち気楽なお付き合い    鰹

出逢いからずっと保ったままの距離 恭 子

輪の中を保つ年功序列型      千恵子

上げて寄せ保っています二十代   信 一

整形で十才若く保つ人       信 一

ぷるぷるのお肌で保湿マッサージ  三根子

保存して忘れていたら腐ってた   浩 則

保険金ほどほど残す親心      智 子

保険金払った分は取り返す     洋 未

保険には入りたくない恐妻家    信 一

いつの間に私に保険二千万     三根子

保険屋の話が妙にリアルです    夕 介

入らねば損をするよな良い保険   アキラ

五 客

オバサンは急いで席を確保する   由利子

保険証昼寝する間もなく通う    俊 枝

仮面つけ保つ夫婦の世間体     千恵子

気遣いで空気を保つ嫁姑      俊 枝

保存して食べたい頃は期限切れ   光 代

 人 位

保険屋が今日も命を買いに来る   アキラ

 地 位

野鳥保護やさしい心育てられ    由利子

 天 位

息災で損をしました保険金      弘

 軸 吟

大雪の被害保険がものをいう    二三子

 

 

宿 題 「こ わ い」  石上 俊枝 選

雪道はスリップこわい下り坂    浩 則

恋愛のもつれこわいと身を隠す   重 雄

年かしらお口のチャック緩くなる  洋 未

餓えた事無いから飢えが恐ろしい  ふく子

こわいのは原発稼働消費税     智 子

ごちそうがいっぱい並び後こわい  三根子

お化け屋敷知らぬ女に抱きつかれ  重 雄

包丁を研いでと妻に頼まれる    千代見

禿げ方が段々父に似る恐怖     廣 司

メイク取りどこのどなたか判らない たかし

お相撲は怖くないのか体脂肪    長 仁

七人の敵よりこわい妻の喝     のぶ男

チャリンコの前と後に乗る園児    弘

叱らない母さんだから言えぬ嘘    弘

怖いもの見たさに覗く好奇心    益 代

こわいなあパパの笑った目がこわい 三根子

お喋りの妻が無口で座ってる    可 福

いつもなら怒る場面で見せる笑み  恭 子

見くびったお化け屋敷へ腰が抜け  千恵子

高名をウワサひとつが蓋をする   博 司

特攻の覚悟はしたが怖かった    廣 司

パパも子もママに服従しています  二三子

また今日も妻の誘いの手が伸びる  野次馬

五 客

怖いのは人科地球を駄目にする   長 仁

殺傷を無差別に起こす通り魔    竹 水

年金で生きる時間が長過ぎる    アキラ

気をつけろ最近妙に運がいい    夕 介

優しさが過ぎるあなたのその仕草  豊 子

 人 位

死に神がお見舞いに来た夢枕    太 郎

 地 位

保険屋の例え話が恐すぎる      鰹

 天 位

あ~怖い女が嫉妬する美貌     やむ茶

 軸 吟

限りある自然を破壊人の欲     俊 枝

 

 

宿 題 「  天  」(表現自由) 増田 信一 選

ひっそりと落ちた椿の天仰ぐ    豊 子

天丼のエビはザリガニかも知れぬ  哲 也

わが町に天の恵みの海が有る    廣 司

おばちゃんは後天的に作られる   由 美

自惚れた天狗飛び損なって落ち   まつ子

天気予報私の方がよく当たる    義 子

消費税老いの財布が仰ぐ天     静 枝

天才はDNAとうそぶる子     智 子

天井をただただ見つめ手術前    俊 枝

天命と悟って海が凪いで来る    アキラ

天高く春夏秋冬馬肥ゆる      のぶ男

天国があるなら一度見てみたい   やむ茶

逆らうな嫁にゃ勝てぬと天の声  だがやん

わたくしの天気予報士腰にいる   豊 子

被災者と同じ目線の両陛下     太 郎

減りません私のミスと天下り    哲 也

天気晴れうつが遠くに逃げていく  天 子

俺に似た天使が生まれ爺に春    ふく子

天ぷらのころも偽装の後がある   野次馬

肩書きを背負い幹部の天下り    竹 水

天からの啓示か地球温暖化     としみ

天国へ往復切符申し込む       弘

天才と思って育て今ふつう     三根子

天罰かどぶにはまった酔っ払い   可 福

父権など今や天然記念物       鰹

松枯れに天女も迷う三保の松    居久美

天敵を買いに酒屋へひと走り    アキラ

天国だ今日は一人でお留守番    夕 介

天に舞う目には見えぬが目の痒き  光 代

五 客

寒天がフルーツ缶を占拠する     弘

きかぬ児も寝れば天使の顔になる  二三子

天井の模様ににらまれる夜中    恭 子

いい天気ただそれだけでルルルルル 夕 介

天然のままひと癖を武器にする   恒 代

人 位

残高と余命が天秤で揉める     博 司

地 位

ため息が天井裏に溜まる春     太 郎

 天 位

ぐちこぼす袋を今日は天日干し   洋 未

 

 

席 題 「き、の、う」(折り句) 加藤  鰹 選

君の目は野に咲く百合の麗しさ  としみ

君恋し 野に咲く薔薇の麗しさ  やむ茶

気に入った飲み仲間との旨い酒  長 仁

気があって飲んでみたのが運の尽き 野次馬

キスをしたのは失敗だ運のつき  夕 介

機嫌よく飲み会に行くうちの人  のぶ子

金策へのっぴきならぬ裏事情   博 司

金脈に乗っかっている馬の骨   千恵子

金権とノンポリ政治うんざりだ  雅 生

金星をのがした力士呻き声    廣 司

金魚売りのどかな声で売り歩き  廣 司

金メダル望むマスコミうるさ過ぎ 千鶴子

金塊が延べ棒になる運が向き   好 子

きっとそう残りのおかずうまく詰め 千代見

キャンパスにのどかな春の歌響く としみ

急用へ乗り換え駅がうざったい  輪加造

気兼ねして乗り損なった魚心   まさ子

きびしいが望みを拾いうまく生き  亘

綺麗事のぞかれている裏の道   豊 子

傷ついて覗く窓からうつの海   アキラ

曲作り糊がはがれた嘘っぱち   まさ子

給料は伸びず税金うなぎ並み   千鶴子

危機管理ノーコメントが疎まれる 輪加造

奇声上げ喉を枯らした歌ひどい  可 福

木々芽吹くのどかな春の歌聞こえ  俊 枝

帰省してのんびり浸かる家の風呂  アキラ

記憶力伸びるはずない生まれつき  勝登志

気がつけばのせられているうまい嘘 恭 子

貴婦人を覗いてみたい裏の顔    信 一

京都市をのんびり歩くウォーキング 浩 則

給料を飲んで一夜の憂さ晴らし   太 郎

危機迫る飲み会行った嘘バレた  だがやん

今日最後飲みません酒嘘が見え   光 代

利き酒を呑み過ぎ酔って浮かれ出す 竹 水

禁酒でも飲んでしまった旨い酒   晴 康

キープして喉に沁み入る旨い酒   ふく子

気兼ねない野良の雑談馬が合う   ますゑ

聞き上手のんびり読経馬の耳    さと子

几帳面吞気な人にうとまれる    玲 子

キッチンでのんきに作る旨いメシ  二三子

近隣の飲み屋でパッと憂さ晴らす  二三子

気質ならのらりくらりと馬が合う  野次馬

傷ついたノート涙の海になる    としみ

気まぐれな喉仏から嘘が出る    哲 也

喫煙所のろしプカプカうまが合い  美智代

五 客

気が合って飲屋のママと浮気沙汰  竹 水

旧友と飲んで愚痴って梅の下    豊 子

君想うノスタルジーな海の色    やむ茶

喜劇だけ残し人生打ち止める    由利子

気まま旅乗った電車に運まかせ   恭 子

人 位

君という野バラに惚れて運のつき  夕 介

地 位

気にかかる飲んだ威勢の嘘ひとつ  俊 枝

 天 位

鏡台を覗くわたしは美しい     恒 代

 軸 吟

聞いちゃたノッピキならぬ裏事情   鰹

 

 

宿  題 「自 由 吟」 互  選

⑩ピノキオの鼻が時々じゃまをする 恒 代

⑧フンフンと愚痴も自慢も聞き流す 玲 子

⑧言い訳をする度落ちる信用度   廣 司

⑦春を着る楽しみもありまだ女   俊 枝

⑥クラス会同病が居て輪が出来る  博 司

⑥一円が足りず万札崩す羽目    静 枝

⑤酒呑みも一個付きあう桜餅    由利子

④菜の花のい香りに染まる休耕地  智 子

④結論を出してくる妻の相談    千恵子

④目に見えぬ花粉がいばり僕は泣き 洋 未

④散り際は風に任せている桜    信 一

③倍返しそれでも足りぬ母の愛    弘

③時価という危険に挑む寿司を食う 可 福

③春一番待てずに花粉舞い始め   二三子

③うっかりが産地違った旅土産   益 代

③転んでも軌道修正する私     義 子

③満面の笑みでお迎えしたい春   やむ茶

③春ららら天ぷら鍋が歌い出す    鰹

③春嵐に大砂嵐名に恥じず     光 代

③何もかも知ってしまった雪だるま 野次馬

③手を振って別れメールが後を追い よし子

②長い振り子過去と未来を行き来する ふく子

②妻だけど今は可愛いお婆ちゃん  長 仁

②夢の尻尾掴んで古希の誕生日   さと子

②自画像へ汚れた染みは描かない  ますゑ

②啓蟄にもぐら叩きの浮気虫    重 雄

②わかったよ母の思いが少しだけ  三根子

②世話になる施設入所も金次第   竹 水

②錠剤がコロコロ追いかける私   千代見

②温暖な季候豊かな静岡市     浩 則

②息抜きを聞かぬ孤高の冬木立   太 郎

②私より上手なメイドインチャイナ 由 美

②もろもろの波に揉まれた私小説  豊 子

②金婚式のほほんのほほうかれてる のぶ子

②後手を踏むそれはないよと先を読む 亘

②きな臭い世界消防車を希望    夕 介

②なつかしの玉子ボーロと母の膝  としみ

②早とちり出直す勇気今一度    晴 康

②脳トレもせにゃあ来た来た物忘れ 好 子

②全力で世界相手に金メダル    しげる