平成二十五年 六月二十一日
たかね川柳会 定例句会
於 アイセル静岡
参加者(順不同)植竹団扇、曽根田しげる
松田夕介、山田浩則、石上俊枝、藤田武人
勝又恭子、増田信一、栃尾奏子、川村洋未
市川重雄、加藤鰹、尾崎好子、佐野由利子
八木益代、林二三子、長澤アキラ、望月弘
滝田玲子、山本智子、永田のぶ男、川口亘
中野三根子、成島静枝、川島五貫、南天子
内山敏子、西垣博司、酒井可福、毛利由美
濱山哲也、安田豊子、岡村廣司、畔柳晴康
中矢長仁、池田茂瑠、石田竹水、真田義子
奥宮恒代、薗田獏沓、鹿野太郎、岩永圭二
小林ふく子、鈴木まつ子、鈴木千代見、中
司、外側としみ、山本野次馬、山本ますゑ
川口のぶ子、谷口さとみ、荒牧やむ茶、那
正、森下居久美、藪﨑千恵子、渥美さと子
▽東京から植竹団扇さん、大阪から藤田武
人さん&栃尾奏子さんが来て下さって賑や
かな句会となりました。句会終了後は飲み
会。東西の川柳の話を聞きながら楽しいお
酒を頂きました。
席 題 「うっかり」 植竹 団扇 選
バーゲンで右と左でちがう靴 三根子
うっかりとメガネの上で寝てしまい 浩 則
大変だティッシュうっかりお洗濯 浩 則
うっかりの振りでちゃっかりしてる奴
恭 子
ホテルからスリッパのまま帰宅する 三根子
うっかりと寝言で言った愛してる アキラ
目薬をうっかり開けた口に注す 俊 枝
断捨離に目ざめうっかり捨てすぎる 益 代
タレントのメークの孫とすれ違う 智 子
スナックで声をかけたらニューハーフ 武 人
スーパーに子ども忘れて家に着く 三根子
うっかりと妻を置いてきぼりにする 信 一
食べすぎの丸子の宿のとろろ汁 重 雄
うっかりで計画外の子を儲け 弘
うっかりと踏んだ地雷でご飯抜き 夕 介
五 客
建売りに住んで隣りのドアを開け 弘
うっかりとSTAP細胞出来ました 信 一
うっかりとしてもしっかり年をとる 益 代
くちづけにうっかり戻りそう人魚 奏 子
うっかりともらってしまうきび団子 恭 子
人 位
三十を越えてしまったシンデレラ 鰹
地 位
顔つきでうっかり者と見られます 信 一
天 位
うっかりと生きておりますけど何か 夕 介
軸 吟
迂闊には肩を持てない甲斐駿河 団 扇
宿 題 「じめじめ」 尾崎 好子 選
握手した手がじめじめで恋終る 益 代
朝からの雨ぼんやりと小半日 まつ子
カラオケでじめじめなんて吹き飛ばす 義 子
じめじめをひっくり返す妻の喝 恒 代
雨漏りからキノコまで築五十年 由 美
飢餓の子を見せ寄付を請うコマーシャル 五 貫
作り過ぎ買い過ぎカビの餌づくり 智 子
梅雨明けをお待ち下さい蒲団干し 弘
また梅雨に入ってしまいそう私 恭 子
梅雨時はカビと噂が増えていく 哲 也
クールビズ焼津市役所鯔背だな 俊 枝
ゴミ置き場悲しげな眼のぬいぐるみ 鰹
ナメクジが汚染していく場の空気 夕 介
年金を削る通知が濡れている 五 貫
母の留守父は一人で鍋つつく 三根子
しめっぽい話無言の聞き上手 智 子
すっきりと意見を言わずしめる愚痴 竹 水
意地悪をしてみたくなるこぬか雨 洋 未
じめじめは強いお酒で除菌する 長 仁
愚痴っぽい話は止そう虹の空 居久美
この時季に失恋ばなしなどゴメン 二三子
乾燥機の出番が増える梅雨最中 二三子
ナメクジにすれば不快でない指数 団 扇
じめじめの不快教える布オムツ ますゑ
花柄のレインブーツで跳ねる梅雨 静 枝
メタボですゴメン湿度が高くって 鰹
五 客
部屋干しの下で夫婦の無言劇 博 司
不快指数とばすジョッキに底がない 俊 枝
毒キノコ生えそうだからもう泣くな 夕 介
じめじめのあのトラウマを除湿中 としみ
じめじめを見せない母の涙壺 ふく子
人 位
台所密かにかびの生える音 千代見
地 位
紫陽花の浮気が主役梅雨の庭 豊 子
天 位
性格へ乾燥剤を処方する 弘
軸 吟
一人だけ固まっちゃっている個性 好 子
宿 題 「ホ タ ル」 佐野由利子 選
ベランダにホタル仮設の宿がある 団 扇
蚊帳の中ホタル放した昭和っ子 玲 子
一匹のホタルになって逢いにゆく 博 司
仲直りしたいホタルを飼う窓辺 茂 瑠
風鈴と並べて吊るす蛍篭 獏 沓
今夜こそ仮設に蛍来てくれる 太 郎
暗くして二人で見てる蛍籠 敏 子
ホタル舞う里の景色が夢誘う 亘
婚活を見られて赤くなるホタル さとみ
私より光るホタルの自己主張 哲 也
庭先へ蛍 仏が来たと祖母 静 枝
涼風の青田に蛍舞う平和 ますゑ
ホタル飛ぶ里に仕上げて活気呼ぶ 長 仁
病室の蛍が眠りへと誘う 太 郎
目的は手をつなぎたいホタル狩り 洋 未
活性化ホタルが人を連れてくる 居久美
ホタル舞う川にと地域手をつなぐ 二三子
ホタルこい甘い水だよ村おこし 俊 枝
ホタル狩りよりもビールと蛍烏賊 やむ茶
縄張りも派閥もなくて舞うホタル 千恵子
特攻の兄だったのか掌のホタル アキラ
海ホタルどこに居るかと海にきく 三根子
夏去ってホタルは空の星になる ふく子
一直線あなたの胸へ飛ぶホタル 恒 代
靖国で会おう蛍の群れたちよ 野次馬
幻想の世界に浸るホタル狩り 亘
甘い水好きな蛍がよく光る 獏 沓
ホタル飛ぶ里の過疎化が止まらない 恒 代
五 客
ベランダでタバコを吸ったホタル族 浩 則
源平の和解をさせたのは蛍 竹 水
ほたる狩りマナーモードにする礼儀 哲 也
ホタルいか青き光に魅せられる のぶ子
ベランダで我慢しているホタル族 信 一
人 位
作業した川へ感謝のホタル舞う 豊 子
地 位
現代っ子スマホ片手のホタル狩り 重 雄
天 位
床の間へ匠の技のホタル籠 智 子
宿 題 「 中 」(表現自由) 望月 弘 選
兄弟のまん中にいて忘れられ 益 代
空中をぶらり散歩をするもよい 亘
肩濡れる相合い傘も雨の中 晴 康
記憶追うとき中空をふと眺め 由 美
中間を決めてあるのに寄ってくる 益 代
確りと大地歩いた背中だな アキラ
耳だけを立てて中立崩さない 恒 代
中毒になってしまった妻の味 武 人
上中下まん中あたり丁度良い 天 子
さしすせそ只今花嫁修業中 居久美
水中花遠くの噂気にしない 獏 沓
石頭中もそうとう固かった 可 福
腹の中君に読まれて大慌て やむ茶
ゴシップを鵜呑みにすると食中り 哲 也
真中の直球やはり見逃さず 亘
中立の意見はきっと叩かれる 竹 水
作業着の背中に父の道標 アキラ
中流へしがみつく手が痩せてゆく 博 司
中締めで抜ける出口に近い席 静 枝
叩いても西瓜の中味わかりゃせぬ 廣 司
中指の憎いリングが捨て切れぬ 豊 子
地図にない自由な旅を模索中 としみ
中東に鉛色した風が吹く 由利子
内容の濃い研修に熱くなる 千恵子
中央にいても目立たぬのが日本 信 一
クリームパン中に竹馬の友がいる ふく子
致死量が中に詰まっている手紙 茂 瑠
守銭奴へつける薬を模索中 智 子
水田にからすモンローウォーク中 好 子
米中のドンも笑顔でさぐり合い 獏 沓
中程を行けば二人に角がない さと子
腹の中動いています踊り食い 長 仁
五 客
つり橋のまん中へんで打ち明ける 恭 子
中古車で充分俺もセコだから 鰹
輪の中を目立ちがり屋がかきまぜる 豊 子
私の中の卑弥呼が甦る 奏 子
中流と思い込んでる火の車 千恵子
人 位
真ん中に居ても記憶に残らない 信 一
地 位
透明になるまで使うマヨネーズ 五 貫
天 位
中までは火が通らない青二才 博 司
宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑨合いの手で丸く治める年の功 ますゑ
⑧性格のそのまま服が脱いである 太 郎
⑦威張っても背中にはれぬサロンパス 玲 子
⑤深呼吸すると定まる靴の向き さと子
⑤安売りのたびに買い込みまた赤字 さとみ
⑤腹の虫強いお酒で毒気抜く 長 仁
⑤賛成に回って椅子が軋み出し よし子
⑤過去形になれば許して差し上げる 奏 子
⑤軽い口叩いた口が叩かれる 重 雄
④なにげなく杖が向いてく花畑 しげる
④ごめんねと一言いえば済んだのに 三根子
④元気だと言った言葉のうらおもて 野次馬
④何もかもあやふやになる物忘れ 豊 子
④後出しのジャンケンポンに負けてやる 可 福
③にんげんの愚か地球が病んでいる 弘
③おばちゃんが見れば紫陽花美味しそう 団 扇
③辛いことあったか厚い夏ミカン アキラ
③定位置に母居るだけで輪が和む 獏 沓
③ホタルイカ実に見事なイカっぷり 夕 介
②良い人でいるため甘い菓子補給 洋 未
②自惚れの果てに足元掬われる まつ子
②めめっちい言訳してる負け惜しみ 竹 水
②主治医にはやや頼りない掛かりつけ由 美
②諦めと惰性で暮らす消費税 智 子
②メガネにもチャイム付けたい置き忘れ 益 代
②副代理ばかりで長がない履歴 博 司
②七十才まだ毎日が新しい 由利子
②お座なりの会議ちらほら出るあくび千恵子
②運不運付き纏うのが人生さ 廣 司
②蚊の唸りとっても怖いまだ生身 ふく子
②生ビール口元に付く泡を舐め 千代見
②たくさんの恋をしました赤い傘 義 子
②素に帰るために笑を補充する やむ茶