スポーツでは、一般的に「攻撃は最大の防御」という通説があります。それを貫き有名なのは、蔦監督が率いる池田高校。やまびこ打線と言われる強力な打線で全国制覇を成し遂げました。たしかに「攻撃は最大の防御」を立証したみたいな例です。

一方、剣道で言えば「後の先」と言って、相手の攻撃を受けながら先を取り、相手を一撃する戦法です。

例えば、相手が先制で面を打ってきたとき、一瞬で相手の懐に入り小手や胴を打ち先に一撃を加えるのです。この技を総称して「出ばな技」といいます。また、身を切って骨を切る技もあります。「擦り上げ技」と呼ばれ、相手が「面」を打ってきたときに自分の竹刀の側面を相手の竹刀を擦るように振り上げ、相手の竹刀の的を狂わせ振り上げた自分の竹刀をそのまま相手の「面」に打ち込む技です。この技の特徴は、相手が「面」を打ってきたが、的が外れ肩口付近に当たることです。

よく考えてみてください。竹刀は日本刀の代わりです。相手の日本刀が肩口を切るが、自分の日本刀が相手の顔を切り裂くのです。まさしく、「身を切って骨を切る技」だと思いませんか。

 

僕は、学生時代「国語」「英語」など「語」の付く教科が苦手でした。反対に「体育」「数学」が大好きで、小学校時代はソフトボール。中学高校時代は、クラブで剣道をし、働き出してから野球やトライアスロンなどもやっていました。こんな僕が家内(栃尾奏子)と出会ったきっかけに、体育会系であるにもかかわらず、川柳を始めました(ちょっと失礼かな。ごめんなさい)。

最初は、右も左も解らず自分の句を作るのに精一杯でした。その頃、家内の紹介でイイオトコの加藤鰹氏と知り合い、「たかね」に投句するようになりました。そんな中「たかね」へ投句した一句「正直な影でそっぽを向いている」が、なんと「たかね年間賞準賞」をいただき、一月の新年会で楽しい楽しい思い出となりました。

最近は、剣道の攻撃を見習い出稽古として、また「後の先」の精神で句会や大会に積極的に参加し、人様の句を聞いて自分の発想やボキャブラリーの少なさ解消に役立てようと考えています。その中でも、様々な年齢構成で、参加費用が日本一安く楽しくアットホームな句会として「たかね句会」が一番だと思います。

大阪から遠いようで近い静岡、秀吉の地である大阪から家康の地である静岡なんてと言わず、これからも機会あるごとに参加します。

 

2014年9月号