平成二十六年 九月二十日
たかね川柳会 定例句会
於 アイセル21 42会議室

 

参加者(順不同)佐野由利子、中野三根子

やまぐち珠美、曽根田しげる、永田のぶ男

高柳閑雲、川村洋未、山田浩則、石上俊枝

増田信一、滝田玲子、勝又恭子、市川重雄

阿部天気、杉山光代、山本智子、八木益代

尾崎好子、薮﨑千恵子、望月弘、池田茂瑠

渥美さと子、加藤鰹、松田夕介、森田安心

西垣博司、奥宮恒代、酒井可福、濱山哲也

畔柳晴康、内山敏子、真田義子、岡村廣司

薗田獏沓、中矢長仁、鈴木まつ子、南天子

成島静枝、山田勝笑、奥宮恒代、石田竹水

毛利由美、鹿野太郎、川島五貫、安田豊子

林二三子、小林ふく子、川口亘、川口のぶ

荒牧やむ茶、鈴木千代見、谷口さとみ

山本野次馬、山本ますゑ、外側としみ、中

川司、長澤アキラ、森下居久美、

 

▽神奈川から阿部天気さんとやまぐち珠美

さん、愛知から高柳閑雲さんが遊びにきて

下さいました。マンネリになりがちな句会

にビンビン刺激を頂きましたよ。感謝。

 

席 題 「天  気」(表現自由)  阿部 天気 選

雨女デートのたびに泣かされる   千恵子

雨男引っ張りだこの干ばつ地    信 一

晴れ女台風さえもUターン     好 子

雨だって槍が降っても好きは好き  信 一

晴れだけど心の中が雨模様     信 一

占いは天気予報と裏表       信 一

傷口の天気予報の方をみる     信 一

旅に出る無理にさそった晴れ男   三根子

朝帰り妻の天気は荒れ模様     由利子

マイクテスト晴天なりと曇りでも  俊 枝

豊作も不作も天気握ってる     好 子

洗濯物気になる今日の食事会    玲 子

傘持つか持たぬか頼る祖母の勘   さと子

新品の長ぐつが待つ雨予報     益 代

不機嫌へ家族が逃げる低気圧    智 子

青空も川を越えたら天気雨     洋 未

雨降りも雨降りなりの旅になる   浩 則

干天へてるてる坊主飢餓になる    弘

国会も雨天順延とはいかず     由利子

天気図も日中韓は仲が良い     のぶ男

洗濯は空の機嫌を聞いてから    さと子

雨続く晩のおかずの種類減る    洋 未

一本の傘雨降りが好きになる    恭 子

青空を待ってる曇り空がすき    恭 子

雨の日は予定通りのパチンコ屋   由利子

五 客

嬉しい日どしゃ降りさえもいい天気 恭 子

空を見て今日もだめだと言う弱気  信 一

お天気で化粧の乗りがいい感じ   洋 未

晴れマーク書く落ち込んだ日の日記 恭 子

忙中閑お天気屋です猫じゃらし   珠 美

 人 位

傘さして自転車乗りは特技です   のぶ男

 地 位

遠雷がボクの野望を呼び覚ます   珠 美

 天 位

空返事ばかりあなたはノー天気   さと子

 

 

宿 題 「  雲  」  高柳 閑雲 選

窓際で夢を繋いで生きていく    義 子

窓と窓全開にして友と逢う     アキラ

街路樹と私が映る飾り窓      智 子

目ざましのように隣の窓が開く   益 代

正月の窓に華やぐシクラメン    玲 子

窓明かり働き蜂のシルエット    千恵子

タマとボク窓際族にさえ格差    夕 介

億ションのカーテン揺れる期待感  智 子

窓ぎわの席で見ていた好きな人   三根子

窓開けて叫びたい程嬉しい日    さと子

窓開ける世間の風にふれたくて   博 司

まだ不思議社会の窓という言葉   三根子

窓際の椅子がこの頃身に馴染む   洋 未

灯る灯の温みが招く母の窓     さと子

景色見るふりして窓の君を見る   さとみ

おもてなし心の窓に灯が点る    長 仁

地下鉄の窓に疲れた顔が立ち    由 美

窓閉じて噂ひとつをやりすごす   博 司

いさかいの窓を開ければ虫の声   五 貫

満天の星に心の窓ひらく      としみ

ストレスが溜まり開閉出来ぬ窓   竹 水

病棟の窓に祈りの月仰ぐ      恒 代

窓からの四季を眺める病みあがり  まつ子

窓開けて明るい人になっている   恭 子

天窓を破って母の星が降る     ふく子

五 客

窓枠を額に四季折々の富士      鰹

窓の外私の夢が落ちていた     天 子

ホスピスの窓に止まった青い鳥   アキラ

消灯があるかのような過疎の村   哲 也

二重ロック土石流には適わない   静 枝

 人 位

窓際の椅子はノルマの坂の下    さとみ

地 位

もう二度と開けない窓がひとつある 恭 子

 天 位

窓枠へ世界遺産の富士を嵌め     弘

 

 

宿 題 「うたたね」 やまぐち珠美 選

うたたねもできず最前線の基地   閑 雲

うたたねの証拠が消せぬ五十肌   勝 笑

うたたねも蚊の一匹に起される   晴 康

登校日昼のうたたね子沢山     重 雄

うたたねの中で時々神に会う    義 子

うたた寝のページを捲る秋の風   由利子

うたたねの嫁見ないふりしていよう 二三子

うたたねをした振りをして聞く本音 信 一

突然の睡魔が小突く老眼鏡     豊 子

まどろんでアリスの夢に迷い込む  としみ

耳掃除されうたたねに堕ちてゆく  博 司

束の間を浮世離れの膝まくら    博 司

うっとりと浮世の苦労流す風    のぶ男

まどろみの夢は3Dに近い     由 美

うたたねでかわす貴方のさようなら さとみ

眠り薬貰う小春日の活字      野次馬

転た寝のドアーを叩く砂時計    アキラ

すず虫に催眠術をかけられる    哲 也

頭蓋骨ガックと下がる昼下がり   可 福

熱燗を日だまりにする炭鉱夫    哲 也

五 客

うたたねをしたらそのまま天国に  天 子

居眠りをしたら盗まれそうな恋   アキラ

うたたねで思いもかけぬ人と会い  好 子

居眠りを笑った母の歳になり    智 子

パソコンを見つめる脳がチョイ寝する 洋 未

人 位

爆睡のくせにうたたねだと逃げた  さと子

地 位

うたたねの世界で妖精とダンス   夕 介

 天 位

うたたねもしてる筈だよテロリスト 閑 雲

 

 

宿 題 「  茶  」(表現自由) 加藤  鰹 選

うらやましい朝立つなんて茶柱が  安 心

お茶しましょ気持ちがあればその先へ  洋 未

茶碗蒸し作れば機嫌直るパパ    三根子

新所帯お茶も急須も無いらしい   好 子

茶箪笥が4LKで落ちつかぬ     弘

濁されたお茶に答えが浮いている  夕 介

茶々入れてみたくなります新婚は  信 一

修復の利かぬ夫婦の欠け茶碗    千恵子

うっぷんへ安い茶碗が割れてゆく  閑 雲

お茶でもと誘いコーヒー店にいる   弘

恋文をカムフラージュの茶封筒   恭 子

くつろげぬ茶道のお茶はちょい苦い 五 貫

午後のお茶こころをフワリ遊ばせる としみ

サイコロと茶碗があればすぐカジノ 哲 也

茶封筒の中に叱咤と助け船     太 郎

誤解などするな彼女は茶飲み友   竹 水

茶色着て徐々に姿もイノシシ化   勝 笑

今度またお茶しましょうが決め台詞 静 枝

農の汗一服の茶がうまいこと    千代見

ミントティー飲み干しお出かけのキッス  やむ茶

茶柱が毎日立つよ安いお茶     廣 司

パリジャンの気分に浸るカフェテラス  としみ

割れるから好きな茶碗は使わない  勝 笑

加藤茶の涙ぐましい若造り     静 枝

夏の風少し茶色に染まり秋     ふく子

茶柱も立たぬボトルで会議中    まつ子

五 客

ねえ彼女お茶しない  あら茶じゃいやよ  さとみ

カウベルの茶店談合屋のアジト   太 郎

茶柱が見たくてくき茶ばかり買う  博 司

お茶漬けがしずしずと出る和の御膳 洋 未

今日の憂さ茶漬けサラサラ流し込む 俊 枝

人 位

解釈でお茶を濁して法治国     天 気

地 位

茶友達できてばあちゃん派手になる 千恵子

 天 位

過ちもよし桃の香の烏龍茶     珠 美

 

 

宿  題 「自 由 吟」 互  選

⑥メイドイン地球ヒト科は不良品  夕 介

⑥言い勝っても負けても残る胸の澱 ますゑ

⑥代かわり栗の便りが遠くなる   智 子

⑤皺増えた分だけ減った欲の皮   五 貫

⑤なぜ生きるなんて考え込めば朝  信 一

⑤売り言葉買う人もなく値もつかず 洋 未

⑤傘を干すただそれだけで嬉しい日 義 子

⑤褒められた花は陽気に喋り出す   弘

④物忘れまた斜面から滑り落ち   太 郎

④生きている意味も分らずただ生きる やむ茶

④ロボットに感情的になっている  天 気

③老いたのよ仕舞い忘れと置き忘れ 晴 康

③叱られるハイの返事を繰り返し  長 仁

③決断がつかず二の足踏むばかり  千恵子

③新車買う便座のヒビはガムテープ 勝 笑

③曖昧な返事も時に有りですよ   竹 水

③信頼の二文字が歪む輪転機    としみ

③くちづけの向うに落ちている堕落 閑 雲

②純な恋がいい清楚な闇でいい   珠 美

②すげ笠の顔が気になる風の盆   玲 子

②被災地のニュース心に突き刺さる 二三子

②広がって欲しい噂は広がらず   由利子

②再会の期を失った片想い     まつ子

②ゴミとして出す乳母車押す私   茂 瑠

②海のいろ残し少年夏終る     獏 沓

②よく遊び少し学んで古希の道   俊 枝

②富士の山足跡付けに世界から   廣 司

②窓際のお茶はニガイぞ定年後   可 福

②銀シャリが一年分の笑い呼ぶ   野次馬

②Mサイズのリーズナブルな女です 由 美

②しおらしくなるから拳引っ込める よし子

②空中をぶらり散歩をしてみたい  のぶ子

②穏やかな夕日を妻と半分こ    アキラ

②香の抜けた糖喜びのビール味   千代見

②我が家にもいつか来そうな墓じまい静 枝

②盲導犬刺され痛かろ主に添う   光 代

②少しずつあなたの色に染まる秋  三根子