平成二十一年 二十  

於 アイセル21

参加者(順不同)森下居久美、稲森ユタカ永田のぶ男、望月弘、勝又恭子、林二三子藤田武人、栃尾奏子、中田尚、長澤アキラ川村洋未、尾崎好子、小野修市、高瀬輝男佐野由利子、中野三根子、曽根田しげる、薮崎千恵子、加藤鰹、岡村廣司、畔柳晴康瀧進、鈴木まつ子、小林ふく子、大塚徳子薗田獏沓、成島静枝、奥宮恒代、中矢長仁石田竹水、西垣博司、森田安心、内山敏子鹿野太郎、市川重雄、川島五貫、安田豊子濱山哲也、増田信一、山下和一、加茂和枝真田義子、川口亘、鈴木千代見、滝田玲子酒井可福、石上俊枝、伊藤泰史、那須野正明、芹沢穂々美、山本野次馬、今井卓まる川口のぶ子、森だがやん、恩田たかし、中司、川村美智代、萩原まさ子、谷口さとみ

▽栃尾奏子さんと藤田武人さんが大阪からはるばる来て下さり、句会に参加してくれました。句会終了後は駿府公園で気の早いお花見。いや~楽しかったですねえ~

 

宿 題 「ストレス」 中田  尚 選

ストレスを笑うアリの行列     居久美

つい食べて発散しては太る腹    修 市

上司から妻からアゴで使われる    鰹

かけ流しあれやこれやを捨てに行く  鰹

ヤブ医者がストレスと書く診断書  武 人

実力も無いのに背中押す期待    千恵子

ストレスが貯まっています肥満体  由利子

ストレスを吐いて財布が空になる  千恵子

矛先がみな僕の方向いている    奏 子

禁煙に三度の食事うますぎる    のぶ男

アナログのテロップ今日も責めてくる 弘

五 客

そんな事思えばなれぬ総理です   修 市

シャカシャカと隣の席のウォークマン 弘

ヒーローにされてますますプレッシャー

千恵子

告白ができないままに過ぎる日々  千恵子

研いである私の牙に出番ない    アキラ

人 位

名指しされマグロストレス目が赤い 修 市

地 位

今日も雨 雑草だけがよく伸びる   居久美

天 位

日米のストレス比較 核に変え    のぶ男

 

宿 題 「いい気分」 林 二三子 選

健さんに似てるだなんてマイッタな  鰹

請求書見る迄でしたいい気分    博 司

心地よいおだてに酔っている私   竹 水

混浴の作法薄目で眠いふり     五 貫

あの人の笑顔にいつも癒される   ふく子

良い気分ほんのり酔った差し向かい 長 仁

良い覚めの気分に浸る風の舞     亘

惚れられているね何でもしてくれる 恭 子

好きなものたらふく食べて露天風呂 まつ子

髪の毛の匂いに眠る膝枕      和 一

おはようと元気に走るランドセル  可 福

経験を買われ無学に役がつく    輝 男

ボランティア体嬉しい汗が出る   和 枝

絞りたて今年の新酒のどにしみ   三根子

今日もまたママが笑顔の縄のれん   進

休日の前の夜更けはぬるめの湯   さとみ

冤罪が晴れて支援の輪ができる   獏 沓

子が描いた我を肴に酒を呑む   だがやん

盃に花びら落ちた僕にだけ     卓まる

好転の話なにより胃のくすり     亘

空っぽの弁当箱を洗う幸      居久美

達成のノルマに空が夕焼ける    五 貫

年賀状四等だけど十五枚      好 子

この辺で止めておこうか酒と恋   卓まる

探し物ついに見つけた古本屋    哲 也

イケメンで掌温い療法士      穂々美

全員が早め早めに集う会      好 子

ほろ酔いに青葉若葉の風が吹く   しげる

たっぷりと遊んで食べて湯に入る  和 枝

好きだよと言われた頃がよみがえる のぶ子

追風に乗ってママチャリぶっ飛ばす 由 美

信号をノンストップで帰路に着く  千代見

贅肉も取れてお洒落なサイズ着る  茂 瑠

食すすみ気分爽快試歩の杖     敏 子

花束が処方のように効いてくる   ふく子

逆転で試合を決めて乱舞する    武 人

席譲り立った窓から富士の山    居久美

五 客

大の字に昼寝してます義母の留守  由利子

いい汗を流して帰るボランティア  千恵子

異状なし医師は笑顔で太鼓判    晴 康

不器用な夫にもらう赤いバラ     弘

故郷の訛りがそっと耳掃除     太 郎

人 位

頂点に立つと友人急に増え     廣 司

地 位

少年が一礼凛と譲る席       奏 子

天 位

快眠と快便 空も晴れている     弘

 

宿 題 「嫌な気分」 加藤  鰹 選

雨のやついい服着ると降りやがる  和 一

買い物を済ませた後に値下げ札   信 一

持ち回り会計が来る隣組      静 枝

また一つベルトに穴を開けました  哲 也

大好きな靴に入って来た小石    奏 子

火事現場空襲の跡思い出す     のぶ男

恐竜に追いかけられて目がさめた  のぶ男

空財布読んだ店員ため口に     五 貫

言い勝って冷たい風が身にしみる  俊 枝

戸を開けたみんなが急に貝になる  洋 未

爆笑が入ったとたん凍りつく    アキラ

振り向けばピタリ止まった笑い声  洋 未

冗談を投げると凍りつく波紋     弘

春よこい連れてこないで花粉症   千代見

お天気が良過ぎて花粉舞っている  二三子

春霞花粉黄砂が入り乱れ      居久美

うちの社が破産しそうという噂   泰 史

不景気なニュース小遣いまた下がる 奏 子

夢でまたリストラされてうなされる 修 市

後輩の栄転を知る苦い午後     玲 子

左遷地で黒い噂をラッピング    千恵子

恩受けた昔話を持ち出され     輝 男

殊更に時効話を掘り返す      豊 子

明らかに解るお世辞で褒められる  二三子

エレベーター見知らぬ人とペアルック恭 子

向こうから私と同じ服のポチ    さとみ

生やろと味わえ見れば発泡酒    武 人

大ジョッキ間違え妻の方に行く   アキラ

盃に妻の小言が浮いている      弘

最後まで聞かずに口を挟む妻    五 貫

堂々と妻がケータイチェックする だがやん

娘から彼氏がいると告げられる   修 市

列車内いきなり化粧する女     居久美

ラッシュアワー押して押されて触る人敏 子

割り勘で箸も付けずに河豚の鍋   しげる

前の人ドラ焼みんな買い占める   和 一

あとに来た客のカレーが先に出る  さとみ

せっかくの土産そのままそのまんま 好 子

厨房に入らず三度食べるのみ    恒 代

食べ過ぎて伝票をみてまた滅入る  まさ子

居酒屋でメールを見れば何してる  武 人

痛くない横槍だから手に負えぬ   竹 水

さりげなく目立たぬようにされる意地千恵子

信号を無視した人ににらまれる   博 司

よっこらしょ立つも座るもよっこらしょ

美智代

五 客

恋人の前で欠点あばかれる     輝 男

くしゃみしてとなりの人にご飯つぶ 三根子

また一つ身から離れる女ヘン    茂 瑠

指差してサルに似てると言いやがる  尚

指定席となりの人は変な人     由 美

人 位

番号が僕を飛ばしてサクラサク   可 福

地 位

婦人警官ルールを楯にしゃらくさい 由利子

天 位

これなんか似合いますよとLサイズ 恭 子

宿 題 「さ、く、ら」(折り句)

高瀬  輝男 選

燦然と隈なく照らす裸身像     まつ子

最下位へ苦労が諭す楽もある    ふく子

採決が苦しまぎれの乱気流      亘

参観日靴音弾むランドセル     ふく子

さりげなく口笛を吹くラブコール  徳 子

里の母苦しい時もランラララ    千代見

差し詰めは苦労をさける羅針盤   卓まる

散散の苦労も実る楽隠居      重 雄

サンキューと苦労で覚えラストです のぶ子

さあ春だクイックスローランドセル 敏 子

三月はくしゃみ鼻水楽でない    三根子

酒で割りクスリ飲んでる楽天家   哲 也

さよならを繰り返してはラブコール 三根子

最初から雲に乗るよなランデブー  和 枝

さりげなく苦労話を落語調     洋 未

先々の苦と楽背負うランドセル   和 一

差し戻す苦渋の案にラップする   野次馬

再雇用狂ったままの羅針盤     奏 子

さよならを苦にもしてない楽天家  恭 子

寂しくて悔しくて酒ラッパ呑み    鰹

さわやかに靴を鳴らしてランドセル  弘

五 客

逆らって苦痛味わう乱気流     竹 水

最初だけクールな彼とランデブー  さとみ

さり気なく悔し涙をラッピング   太 郎

先を読み苦学して取るライセンス  千恵子

傘寿など苦もなく越えた楽天家   廣 司

人 位

サラリーマン苦労の割に楽出来ず  二三子

地 位

囁いて下さい愛のラプソディー   奏 子

天 位

参観日くったくのないランドセル  由 美

軸 吟

三回目苦労実ったライセンス    輝 男


宿 題 「自由吟」 互 選

⑨晴れた日に夫も干そう布団ごと  さとみ

⑥子をみんな仕上げ気楽な箸二膳  輝 男

⑥多数派にちゃっかりと居るカメレオン 鰹

⑤煎りたての言葉で夫婦ゲンカする アキラ

⑤円満の秘訣はおだてたおすこと  由 美

⑤時々は父の小言をまねてみる   三根子

⑤近寄るな未だ火が消えぬ妻の乱  可 福

⑤好奇心生きているから覗きたい  しげる

④砂の城守りたかったのは私    奏 子

④面倒な話がきそう輪を抜ける   千恵子

④餓死の子が不憫でならぬ雛祭   静 枝

④限られた命神には任されぬ    廣 司

④方言がこびりついてる語が弾む  まつ子

④人間を知らずしらずに描く絵の具 野次馬

④面影が浮んで消えて無人駅    敏 子

③節約を教えた母の古き帯     博 司

③何時までも種火は残す心の灯   竹 水

③四畳半女の城で胡座かく     恒 代

③釣り上げた魚一番大事でしょ   洋 未

②ロボットにも重いノルマがのしかかる 玲 子

②めぐり逢い少し年をとり過ぎた  獏 沓

②鶯よ!庶民の春は未だですか    進

①明日から父は禁煙言葉だけ    武 人

①小さな夢叶うまではと追い続け  二三子

①迷路かな自分ひとりの穴掘って  和 枝

①原点にかえって揺する独り酒   豊 子

①嘘発見機持たなきゃこの世渡れない 安 心

①春の花愛でる余裕の散歩道    長 仁

①春ですね赤い紅引きジャンプする 徳 子

①風になり流されるまま山頭火   義 子

①生き急ぐようにティッシュを無駄遣い 卓まる

①ベリーグッ絶妙老母の英会話   哲 也

①妻を黙らす魚の骨を噛み切って  五 貫

①老兵の暗い轍の万華鏡      重 雄

①ホッピーが真っ赤な嘘を流し込む 太 郎

①春雨があの女連れてくる予感   千代見

①明日という日は自分のために来る ふく子

①温便座スキンシップに照れ笑い  穂々美