霜石コンフィデンシャル88   高瀬 霜石

 

「わたしはタレでしょう」

読者の皆様、初めてお目にかかります。

わたくし、この春、めでたくこの世にデビューさせて貰った新製品「シャキ!シャキ!美味(め)ったれ」

と申すドレッシングで御座います。

製造元は、今や、青森県民では、誰一人として知らない者はいない―と言ってもいいくらい有名になった―

「上北農産加工」(KNK)です。

りんご果汁がベースで、角切り長芋入りの、かつ、青じそ風味という、ちょっぴり贅沢な新感覚のドレッシングなのです。もちろん、材料は全て青森県産ですから安心してお使い下さいませ。

高瀬霜石なる川柳人が、KNKの「新商品ネーミングキャンペーン」に応募して―4百通近くきたらしいのです―最優秀作品賞になり、めでたくわたしの名付け親になることができたってわけ。

この人、結構このテが好きで、今までも「サンマ川柳」で秋刀魚、「マグロ川柳」で鮪、「銀行川柳」で現ナマをゲットしたことがあるって豪語していたけれど、今回は本業(?)の五・七・五よりももっと短い、エクスクラメーション・マークを入れても、たったの十三字で、手に入れた賞品は、なんと、「韓国旅行2泊3日ペア券」だっていうから、ラッキーですよねえ。

KNKって会社は太っ腹でしょ。ウチには「スタミナ源タレ」という稼ぎ頭がいるの。わたしのお兄さん。

 

 

兄は、焼き肉のタレレースでは、ぶっちぎりのトップ。県内の七〇%を占める、右肩上がりの棒グラフ。

加えて、テレビで、ミノなんとかいう司会者が、「エ○○のタレは冷凍野菜を使っているけれど、こっちは生野菜。僕はこっちが断然好きだなあ」なんて言った(らしい)。その結果、東京のシェアーも、5%ほどにまで上昇。社長の鼻息も荒くなるわけでしょ。

 

ところで、わたしを見かけたら、是非一度、手に取ってみて下さいませ。わたしは「ドレッシング」なのですけど、でも、ドレッシングの棚には、きっと、多分、並んではいません。はっきり言って、わたし、フツーのドレッシングよりちょっと高級品なのです。ではどこに並んでいるかというと、多分頼もしい兄たち「スタミナ源シリーズ」に見守られて、その隣にひっそり、上品にたたずんでいるはず。何故って、名付け親が名付けた通り、わたし、タレですもの。

 

霜石さんが名付けた「シャキシャキ美味ったれ」たかね定例句会の景品にさせて頂きました。