平成二十一年 七月十九日
た か ね 定 例 句 会 於 アイセル21 |
参加者(順不同)松田夕介、曽根田しげる、尾崎好子、高瀬輝男、池田茂瑠、杉山光代、薮崎千恵子、林二三子、川村洋未、中田尚、勝又恭子、中野三根子、望月弘、増田信一、加藤鰹、佐野由利子、長澤アキラ、稲森豊、永田のぶ男、小林ふく子、鈴木千代見、中司、鈴木まつ子、山本野次馬、斉尾くにこ、大塚徳子、酒井可福、西垣博司、畔柳晴康、深澤ひろむ、薗田獏沓、成島静枝、川島正、岡村廣司、内山敏子、中矢長仁、毛利由美、瀧進、荒牧やむ茶、谷口さとみ、森田安心、川島五貫、濱山哲也、市川重雄、安田豊子、石田竹水、小野修市、加茂和枝、鹿野太郎、栃尾奏子、森下居久美、提坂まさえ、川村美智代、萩原まさ子、石上俊枝、真田義子
▼20代、30代の参加があって句会が若返っています。嬉しいことです。毎回満員御礼で句会場が狭くなって来ましたので、十月は試しに広い会場を予約しました。そしたらいきなり人数減ったりしてね(笑)
宿 題 「あつい」(表現自由)
曽根田しげる 選
淑女の名脱げば暑さもやわらぐが 茂 瑠
厚いのは腹の回りと顔の面 信 一
暑いからちょっと離れて寝てくれよ 鰹
人間に厚みが出たよ顔と腹 信 一
あ~旨い暑さ忘れる生ビール 由利子
ステテコで家の外出て叱られる 由利子
風鈴が揺れてる夏の風物詩 千恵子
はやぶさの偉業に心熱くなる 信 一
夏本番お化け屋敷に湧く興味 千恵子
甲子園また感動の熱い夏 好 子
暑苦しいあなた好きでも離れたい 洋 未
ハワイから暑中見舞いを出す嫌味 由利子
サムライのブルー日本中が熱い 恭 子
熱そうな二人のそばに近寄れず 二三子
大好きな君と布団を離す夜 夕 介
暑さぼけ思考回路がショートする 三根子
熱風と格闘をする扇風機 弘
甲子園目指し熱戦くり拡げ 二三子
太陽に苦情は言えぬこの暑さ 輝 男
W杯応援団も熱く燃え 千恵子
暑すぎて頭の中も臭い出す 三根子
暑かった部屋で怪談怖く聞く 茂 瑠
暑いなど言ってはおれぬ資金繰り 由利子
慌てもの猫舌忘れやけどする 二三子
この時代熱い心を持て余す 夕 介
分厚くて意味もわからぬ六法書 千恵子
五 客
あつくなる度に傷口増えて行く アキラ
胸板の厚さやっぱり頼れるな~ 二三子
厚化粧なだれのごとくくずれ落ち 洋 未
この厚さたぶん百万手切れ金 洋 未
エコですと団扇使って涼を取る 千恵子
人 位
暑くても正念場です受験生 由利子
地 位
熱闘が続く球児の甲子園 千恵子
天 位
晩学を取り戻そうと厚い辞書 輝 男
軸 吟
ありがとう厚いメールがスタミナに しげる
宿 題 「そっくり」 永田のぶ男 選
父ゆずり爪の形が瓜二つ 三根子
嬉しくないあの芸能人に似ていても 恭 子
そこそこのこの母と娘の男運 五 貫
僕の子に間違いはない瓜二つ 奏 子
年頃のパパそっくりがふてくされ 洋 未
新卒の鋳型で作る社会人 アキラ
電話口母と間違えられている 居久美
毒のある所がやはり母さん似 太 郎
姑の癖を夫も持っている 静 枝
里帰り野菜そっくり持ち帰る 可 福
明日もまた今日と変わらぬ日が流れ 尚
泣き顔も怒る顔まで親ゆずり 安 心
電話口妻か娘か解らない 二三子
似たような場所で転んだ夫婦ごま ふく子
師の技をそっくりまねた弟子の作 安 心
悪いくせばかり血を引く子や孫に 信 一
負けん気も涙もろさも似て親子 奏 子
おや失礼妻とそっくりでしたので 博 司
よくもまあ悪いとこだけ親に似て 千恵子
スキャンダル何と我が家にそっくりだ廣 司
喋りかた声まで似てる電話口 好 子
良くもまあ悪いとこだけ俺に似る 弘
疲れると母に良く似た声が出る 洋 未
似てほしくないところだけ似る親子 ユタカ
額見て一目で分かる父子孫 夕 介
日の丸を振れば右翼と間違われ 獏 沓
父ちゃんに間違えられて電話切れ 尚
そっくりと受けた遺産に悩まされ 豊 子
そっくりさん本職負かす芸達者 光 代
電話口娘さんですかと問われ 千代見
無器用までそっくり貰う親ゆずり しげる
五 客
踊りの手白く揃った盆踊り 茂 瑠
隣国へ技をそっくり盗まれる 由利子
抱いた子と俺の顔みてみな笑う 長 仁
父親と並んで酒を飲む背中 夕 介
父さん似言われ傷つく女の子 廣 司
人 位
父も子も鼻クソほじる癖がある 弘
地 位
影武者の秘書が学んだ裏政治 竹 水
天 位
拾得金そっくり貰う果報者 由利子
軸 吟
凸凹がそっくり合って世は平和 のぶ男
宿 題 「おいしい」 佐野由利子 選
ケーキなら減量中を忘れます 竹 水
プランタートマトの味を自慢する 竹 水
おいしいね話に尾ひれ付いている 和 枝
おいしいの一言だけが聞きたくて ユタカ
山登りパノラマ眺めむすび解く 光 代
新婚の妻と食べてる朝ごはん 修 市
おいしい話に裏がある嘘がある 徳 子
真夏日に氷で冷し飲むビール 修 市
妻の味今はほんとに美味しいよ 長 仁
垂れさがる旨い話に釣られてる 千恵子
リポーター笑顔笑顔で食べ尽くす 尚
俺流の好みになった妻の味 長 仁
人肌の酒一合と煮ころがし まつ子
もぎたての旬な言葉を食べてみる くにこ
踊り食い喉こそばゆい味の良さ のぶ男
顔ゆるみ酒倍になる初鰹 千恵子
検査後に食べた昼めし超うまい 洋 未
おいしいか聞かれる前に言うお世辞 ひろむ
単身赴任なんといっても妻の味 千代見
ぬか漬けの茄子と胡瓜が光ってる 三根子
飯よりも空気が美味い山歩き 可 福
路地裏のうなぎの匂いついくぐる 千代見
愛情が溶けておいしくなる料理 ふく子
シナリオの通りに味をほめている 弘
おいしさにとりつかれたか皆無口 奏 子
雑炊が一番うまい戦中派 のぶ男
とれたてがおいしい庭の茄子胡瓜 居久美
レポーターおいしい仕草うまくなる 重 雄
選挙戦おいしい餌に票釣られ 進
おいしい物カロリー頭の外に置く 光 代
手づかみで喰う漬物とにぎりめし 敏 子
五 客
とれたてのきゅうりへ塩が遠慮する 弘
炎天での仕事を終えて生ビール 二三子
降って来たうまい話に火傷する アキラ
旨い話乗って返らぬ金を貸し ひろむ
おいしいと云って食べれば丸く済む 博 司
人 位
食べるものみんなおいしいのが悩み 恭 子
地 位
器からおいしさ見せる盛り合わせ しげる
天 位
法の裏おいしい話たんとある 輝 男
宿 題 「そわそわ」 望月 弘 選
そわそわとけんかの後のふとん敷く 重 雄
的中の馬券審議が長過ぎる 五 貫
消し忘れメールを思うにわか雨 太 郎
ちょっと脈あって覗いた女文字 ひろむ
生まれたと電話来る迄先ず座れ 博 司
マーキング前日までは覚えてた 野次馬
へそくりの傍で家内が捜し物 信 一
俺の嘘見透かす君と向かい合い 夕 介
夕焼けがそわそわさせる赤のれん しげる
まず初戦九回の裏ツーアウト 居久美
そわそわの耳に聞こえぬ警報器 由利子
妻はもう寝たかチラチラ酒のビン アキラ
愛された形でもがき止まらない のぶ男
浮かれてる私羽衣着た気分 茂 瑠
嬉しさは口には出さず胸を撫で 晴 康
二次会を断わるネタにする亭主 静 枝
また出してまた眺めてるパスポート 由 美
落ち着かぬ産婦人科の男たち 由 美
宿題を忘れた授業参観日 さとみ
着順の写真判定待つ馬券 進
プロポーズ今夜あたりはありそうだ 安 心
代役で急に私が司会する 三根子
宵まつり浴衣見せたい人がいる 哲 也
ネクタイを何度も外し締め直す やむ茶
再会へ胸の振り子が鳴りやまぬ まつ子
再会の駅はもうすぐひと呼吸 豊 子
初デートトイレひたすら目で探す さとみ
彼が来る父はトイレの掃除中 太 郎
ダイエット体重計に乗らぬ足 竹 水
プロポーズ待っていましたとは言えず豊 子
婚活へ親がそわそわしてしまい 好 子
フィアンセを一人娘が連れてきた 信 一
初めての外遊荷物また調べ 輝 男
初デート着て行く服が決まらない 廣 司
五 客
座っても立っても寝ても血が騒ぐ のぶ男
ああ次だ歯医者のイスににらまれる 尚
気はすでにビアガーデンの席に居る 竹 水
税関の目には普通の汗でない 由利子
母ちゃんの目が追ってくる参観日 千恵子
人 位
恋文の二行目からは蝶になる ふく子
地 位
いい返事来そう立ったり座ったり 二三子
天 位
宿帳に妻と書かれている私 茂 瑠
軸 吟
寝ない子へ時計の針をいらつかせ 弘
宿 題 「自由吟」 互 選
⑪スリッパの音で機嫌のわかる妻 博 司
⑦帰り道だんだん腹が立ってくる 由利子
⑦無駄骨をせっせせっせとコレクション
哲 也
⑤すぐそこに居る親の背が越されない二三子
④反り合わぬ人に笑いの変化球 信 一
④ゆったりと一人で過ごす砂時計 三根子
④余力まだあるのに定年おしつける 敏 子
④マニフェスト明日の見えないメガネかけ
進
④ライバルへビックリ箱をプレゼント竹 水
④止まり木で飛び立つ前の羽繕い 義 子
③七夕へ禁酒ぶら下げ呑み納め 重 雄
③歌う鳥梅雨が美声を曇らせる 安 心
③家庭内別居を考える鼾 由 美
③猫かぶり言い逃れする小さい嘘 晴 康
③激辛のカレー夫婦で睨み合う よし子
②大波小波あって楽しい我が暮し ふく子
②これも恋あっさりメールでの別れ 千代見
②一人でも誰かがいてもさみしいよ 洋 未
②深層の森の湖畔にいる私 奏 子
②乗っちゃったお世辞に無理な役所 千恵子
②抱え込む不安を花火吹き飛ばす 夕 介
②満ち足りた暮しは夢のまた夢か 輝 男
②赤貧と思い知ってるわが財布 廣 司
②のんびりとしてても直ぐに日が暮れる
長 仁
②成る程と頷く度に進む老い 豊 子
①生つばを飲み込みひらく袋とじ 修 市
①義理を欠く縁に感謝の日が来る やむ茶
①リフォームで埋蔵金が露出する アキラ
①親が子を子が親思う寸足らず のぶ男
①そっくりの声で百万振り込ます 弘
①まだ力残ると書いてあるカルテ 茂 瑠
①ああこわい平成生まれママになる 尚
①半夏生耳に飛び込むいい響き 好 子
①消費税口を滑らせ深く人 しげる
①口先では大阪城も建つという まつ子
①梅雨が来る前に布団を干す休み 可 福
①夕涼み四方山話の花が咲く 徳 子
①寝苦しい夜も団扇と根競べ 穂々美
①孫が来る非日常をいとおしむ 静 枝
①結論から言えば妻の尻叩き 野次馬
①庇われて甘えたくなる月見草 くにこ
①懐かしのあの人は今選挙戦 五 貫