平成二十一年 八月二十一日
た か ね 定 例 句 会 於 アイセル21 |
参加者(順不同)稲森ユタカ、渥美さと子、高瀬輝男、池田茂瑠、杉山光代、尾崎好子、林二三子、川村洋未、中田尚、中野三根子、永田のぶ男、勝又恭子、望月弘、望月満月、酒井可福、西垣博司、畔柳晴康、大塚徳子、川口亘、深澤ひろむ、薗田獏沓、成島静枝、松田夕介、中矢長仁、毛利由美、岡村廣司、荒牧やむ茶、谷口さとみ、森田安心、瀧進、濱山哲也、市川重雄、安田豊子、川島五貫、小野修市、鹿野太郎、増田信一、滝田玲子、森下居久美、薮崎千恵子、曽根田しげる、井口薫、鈴木千代見、石田竹水、那須野正明、小林ふく子、鈴木まつ子、川口のぶ子、山本野次馬、斉尾くにこ、栃尾奏子、中川司、長澤アキラ、上久保峰夫
▼渥美さと子さんがアイセルの句会は初参加、望月満月さんも久し振りに元気な姿を見せてくれた。ぜひぜひこれからも毎月来て下さいね。毎月投句参加の方も飛び入り大歓迎ですのでぜひ遊びに来て下さ~い・
宿 題 「気 配」 林 二三子 選
恋人になりそうだなあ あの二人 千恵子
雷がきそうだケーキ買っておく 恭 子
ひと押しであと千円が安くなる 弘
皿洗いガチャガチャ嵐来る気配 鰹
何かある妻が仮面を拭いている 茂 瑠
入ってはいけない気配どなり声 好 子
入院の気配を痛む胃に感じ 茂 瑠
肉食のヤツが起きると風が吹く 洋 未
黒い雲集まりゲリラ豪雨かも 茂 瑠
あさがおが凋んで秋がすぐそこに 弘
人の気配花ドロボーが忍び足 由利子
今朝の風ちいさい秋をつれてくる 弘
なぜかしら後にいつも夫居る 三根子
裏側の動き離婚の準備かも 茂 瑠
隣室の人の気配で落ちつかず 三根子
役員会受ける気配はどうもない 由利子
誰は来る気配庭でも掃いておく 好 子
ちょっと好きそんな気配が嬉しくて 好 子
赤トンボ秋の気配を連れてくる 千恵子
止めそうもないな晩酌まだ続く 千恵子
五 客
噂する人の気配で話止め 千恵子
色気なく婚活なんぞ気配なし のぶ男
さよならの前に何度も会っておく アキラ
ゾクゾクとして振り向けば妻がいた 鰹
食べ物の好み赤ちゃんできたかな 千恵子
人 位
顔色が見える受話器の言い訳け語 さと子
地 位
奇跡もう起こらぬらしい聴診器 輝 男
天 位
リストラを悟られまいと靴をはく アキラ
宿 題 「ク ー ル」 勝又 恭子 選
ペンギンはいつも暑さを知りません 尚
さわやかな別れクールな風が吹く まつ子
クール便旅の味覚を連れて来る 野次馬
クールビズビールステテコ丸い腹 ふく子
いつまでもクールな彼に燃え上がる 三根子
滝壺の風が頭上にふり注ぐ 千代見
妖怪にまるごと肝を冷やされる 弘
花柄の浴衣打ち水してる顔 竹 水
出世した隣に今日もクール便 哲 也
清流に心身浸し涼を取る 夕 介
無愛想な奴がクールとモテている 奏 子
場慣れした人のクールなたたずまい 由 美
トレードに出すのは明日のない男 輝 男
クールだと思っていたら鈍いだけ 五 貫
エコクールたらいで足を冷やしてる 長 仁
脳死体もう欲望の渦の中 輝 男
きっかりとシフト通りで消える部下 さとみ
天然の風が一番クールビズ 居久美
感情線ないのかいつもクールだな 千恵子
口笛を吹いて逆風なんのその やむ茶
ライバルのお世辞クールに受け止める由利子
クール便里から届く旬の味 玲 子
割り算の答えクールに出しました 茂 瑠
欲しいのは貴方じゃなくてお金なの 鰹
ムキになる頭に水をぶっかける ユタカ
都会派になって生き方こざっぱり まつ子
五 客
ステテコで娘と父のクールビズ 弘
大都会人の間をすきま風 アキラ
肉親の生死も知らぬクールな世 静 枝
女房留守パンツ一丁クールビズ 進
悔しさに負けてクールの仮面とる 夕 介
人 位
朝顔とゴーヤみどりでラッピング 薫
地 位
取りたての野菜その日にクール便 二三子
天 位
夏料理 器冷やしておもてなし 由利子
軸 吟
人付き合い下手でクールと見られてる恭 子
宿 題 「ショック」 中田 尚 選
好きだけど一番目ではありません 信 一
少年が駆け回らない夏休み 五 貫
片足でもう諦めた試着室 由 美
相愛の俺から逃げた玉の輿 重 雄
この暑さエアコン急に壊れ出す 千恵子
ダイエットしたのにやつれたと言われふく子
爆発のパーマにしばし引きこもる 由 美
すっぴんを見られてからの気の後れ 博 司
パンツはき鏡をみたらおれかばか 修 市
検診で痴呆の検査させられる 静 枝
お客様ゼロは五ツでございます 薫
初孫が還暦前にお爺ちゃん 信 一
AED止まる心臓呼び起こす 竹 水
半額の値札がレジを過ぎて行く 野次馬
通夜なのに近くで夏のバーベキュー 哲 也
陽性としっかり聞いた牛の耳 ひろむ
手に取ってゼロに驚きすぐ戻す 廣 司
震度6 日を間違えたクラス会 薫
回り道工事現場につき当り 千代見
おぼろ月伏せ字静かに燃え上がる 獏 沓
丹念に育てた花が折られてる 二三子
残酷なニュースに慣れて来たショック奏 子
子に貸した新車三日で傷が付く 可 福
痛くない過去をほじくる風の私語 豊 子
思い出をのぞきこまれた青い空 満 月
五 客
仏壇のメロンが匂う消費切れ 野次馬
相撲部屋仮面の裏を見たショック しげる
足腰を畳の縁になめられる さと子
年金を仏に払う無責任 のぶ男
ビビビ婚あなたのせいよ静電気 やむ茶
人 位
幸福の死角に我が子見失い 好 子
地 位
千円で買ったサンマの目が濁る 茂 瑠
天 位
被爆国三原則が宙に浮く のぶ男
宿 題 「き げ ん」(表現自由)
加藤 鰹 選
期限切れなんて全然気にしない 恭 子
期限切れ大丈夫だと母の鼻 居久美
賞味期限偽装してます妻の鼻 ひろむ
賞味期限切れも平気な食べざかり 玲 子
賞味期限切れても三日まで平気 恭 子
期限切れ夫に出してから食べる 信 一
期限切れ嗅ぎ嗅ぎ食べる俺の役 廣 司
俺にだけ一品 多分期限切れ 五 貫
円高にあっけらかんと笑うギャル 太 郎
冷静をよそおう父のあてこすり のぶ子
夫などちょっとほめると上機嫌 由 美
ご機嫌を湯殿の唄で返事聞く 亘
うっかりで機嫌忘れて夜を徹す 晴 康
適齢期過ぎて安売りする婚期 野次馬
うちの娘も賞味期限が切れぞうだ 安 心
ニュースのネタも消費期限は刺身ほど哲 也
棚の品奥から取ってよしとする 千代見
阪神が父の機嫌を決めている 哲 也
ポイントが貯まった頃は期限切れ 薫
妻の味気分一つでコロコロと 信 一
どうかいな妻の機嫌をポチに聞く 千恵子
朝帰り犬と女房の機嫌取る 進
ご機嫌よう戸籍か鬼籍聞く役所 静 枝
温暖化期限延長セミしぐれ さとみ
この猛暑ご機嫌をとるビールつぐ 徳 子
七人の敵と肩組む千鳥足 竹 水
モナリザの微笑に期限切れはない 茂 瑠
その機嫌例えるならば万華鏡 夕 介
締め切りの期限ギリギリ猛ダッシュ ユタカ
期間限定ついつい買って無駄にする 二三子
日本一不機嫌顔が似合うドン やむ茶
機嫌よく弁当作る若い妻 洋 未
許す気になったご機嫌よく笑う のぶ男
オクターブ上げた鼻唄風にのる 弘
酒の座に誘えば上司ごきげんだ 輝 男
しょうがない起源この血は恨まない さと子
期限付き家族ごっこをあと少し 洋 未
機嫌良い顔して蝶を待ってみる くにこ
一合の酒が明日を晴れにする 弘
取り巻きが機嫌伺うエリカ様 由利子
献立を決める機嫌のありどころ さと子
大洪水の爪痕紀元前と化し 由利子
ヨイショしてセールスマンが飯を食う 尚
ご機嫌な君が刻んでいるキャベツ 奏 子
五 客
嬉しいな家族が留守で朝ビール 三根子
出るものが出たと家内は良い機嫌 長 仁
半額を買って期限が追ってくる 尚
ご機嫌で妻食事会 俺ムフフ 夕 介
ほっぺたに機嫌を治すキスをする ユタカ
人 位
不景気に追いかけられている手形 千恵子
地 位
期限まで踊る私の筆の音 満 月
天 位
今ならば社長は判を押すはずだ アキラ
宿 題 「自由吟」 互 選
⑨投げられた石はそっくり投げ返す 由利子
⑧ひと夏の恋で終わったかき氷 義 子
⑦残業を待つ家中の灯を点し 五 貫
⑤美しくなるにもやはり銭が先 輝 男
④ヘソクリに「触れるな危険」書いておく
徳 子
④背と腹で疑っている聴診器 博 司
③峠道人それぞれの刀傷 アキラ
③スッピンの自分の顔に母を見る 二三子
③あと少し騙せば指輪この指に 茂 瑠
③決断に振り回されて夜が白む しげる
③受け入れるのは過去形になってから奏 子
②見切り品百均よりも安く買い 好 子
②開花待つやっと掴んだ道しるべ 野次馬
②不景気でセールの文字が白けてる 玲 子
②百才の所在放かして長寿国 豊 子
②親の背にひたすら詫びる事ばかり 千恵子
②新しい発見のある差し向い さと子
②おひさまに背くにんげん見透かされくにこ
②怒りだし目鼻の位置がずれてきた 洋 未
②お子様よりシニアランチの時代です由 美
②此の猛暑露地の地蔵も熱中症 重 雄
②悪いことするように押すパスワードさとみ
②一歩退く時にも有るぞタイミング 廣 司
②下心ちらりスクリュードライバー 鰹
①泣いた後優しくなって目で笑う のぶ男
①納税し肩身の狭いスモーカー 長 仁
①この夏も甲子園からもらう喝 哲 也
①リクルートスーツ脱ぎ捨て五年生 太 郎
①大相撲もぐら叩きに明け暮れる 信 一
①冗談の茶茶が多過ぎ噎せ返る 竹 水
①忘れたい過去が多くて月ながめ 三根子
①親から子いつまで続く低い鼻 ユタカ
①扇風機過労死させる気の猛暑 静 枝
①公園の大樹背骨になっている 獏 沓
①八月の声をまあるくする九月 ふく子
①常備薬飲んで地雷を踏まずいる 千代見
①しっかりと汗ふく乍ら朝の飯 晴 康
①また君に恋して止まぬホーホケキョやむ茶
①台風一過夏の暑さがもう一度 夕 介