平成二十一年 二十一

於 アイセル21

 

 

 

参加者(順不同)稲森ユタカ、渥美さと子高瀬輝男、池田茂瑠、杉山光代、尾崎好子林二三子、川村洋未、中田尚、中野三根子永田のぶ男、勝又恭子、望月弘、望月満月酒井可福、西垣博司、畔柳晴康、大塚徳子川口亘、深澤ひろむ、薗田獏沓、成島静枝松田夕介、中矢長仁、毛利由美、岡村廣司荒牧やむ茶、谷口さとみ、森田安心、瀧進濱山哲也、市川重雄、安田豊子、川島五貫小野修市、鹿野太郎、増田信一、滝田玲子森下居久美、薮崎千恵子、曽根田しげる、井口薫、鈴木千代見、石田竹水、那須野正明、小林ふく子、鈴木まつ子、川口のぶ子山本野次馬、斉尾くにこ、栃尾奏子、中川司、長澤アキラ、上久保峰夫

▼渥美さと子さんがアイセルの句会は初参加、望月満月さんも久し振りに元気な姿を見せてくれた。ぜひぜひこれからも毎月来て下さいね。毎月投句参加の方も飛び入り大歓迎ですのでぜひ遊びに来て下さ~い・

 

宿 題 「気  配」 林 二三子 選

恋人になりそうだなあ あの二人   千恵子

雷がきそうだケーキ買っておく   恭 子

ひと押しであと千円が安くなる    弘

皿洗いガチャガチャ嵐来る気配    鰹

何かある妻が仮面を拭いている   茂 瑠

入ってはいけない気配どなり声   好 子

入院の気配を痛む胃に感じ     茂 瑠

肉食のヤツが起きると風が吹く   洋 未

黒い雲集まりゲリラ豪雨かも    茂 瑠

あさがおが凋んで秋がすぐそこに   弘

人の気配花ドロボーが忍び足    由利子

今朝の風ちいさい秋をつれてくる   弘

なぜかしら後にいつも夫居る    三根子

裏側の動き離婚の準備かも     茂 瑠

隣室の人の気配で落ちつかず    三根子

役員会受ける気配はどうもない   由利子

誰は来る気配庭でも掃いておく   好 子

ちょっと好きそんな気配が嬉しくて 好 子

赤トンボ秋の気配を連れてくる   千恵子

止めそうもないな晩酌まだ続く   千恵子

五 客

噂する人の気配で話止め      千恵子

色気なく婚活なんぞ気配なし    のぶ男

さよならの前に何度も会っておく  アキラ

ゾクゾクとして振り向けば妻がいた  鰹

食べ物の好み赤ちゃんできたかな  千恵子

人 位

顔色が見える受話器の言い訳け語  さと子

地 位

奇跡もう起こらぬらしい聴診器   輝 男

天 位

リストラを悟られまいと靴をはく  アキラ


宿 題 「ク ー ル」 勝又 恭子 選

ペンギンはいつも暑さを知りません  尚

さわやかな別れクールな風が吹く  まつ子

クール便旅の味覚を連れて来る   野次馬

クールビズビールステテコ丸い腹  ふく子

いつまでもクールな彼に燃え上がる 三根子

滝壺の風が頭上にふり注ぐ     千代見

妖怪にまるごと肝を冷やされる    弘

花柄の浴衣打ち水してる顔     竹 水

出世した隣に今日もクール便    哲 也

清流に心身浸し涼を取る      夕 介

無愛想な奴がクールとモテている  奏 子

場慣れした人のクールなたたずまい 由 美

トレードに出すのは明日のない男  輝 男

クールだと思っていたら鈍いだけ  五 貫

エコクールたらいで足を冷やしてる 長 仁

脳死体もう欲望の渦の中      輝 男

きっかりとシフト通りで消える部下 さとみ

天然の風が一番クールビズ     居久美

感情線ないのかいつもクールだな  千恵子

口笛を吹いて逆風なんのその    やむ茶

ライバルのお世辞クールに受け止める由利子

クール便里から届く旬の味     玲 子

割り算の答えクールに出しました  茂 瑠

欲しいのは貴方じゃなくてお金なの  鰹

ムキになる頭に水をぶっかける   ユタカ

都会派になって生き方こざっぱり  まつ子

五 客

ステテコで娘と父のクールビズ    弘

大都会人の間をすきま風      アキラ

肉親の生死も知らぬクールな世   静 枝

女房留守パンツ一丁クールビズ    進

悔しさに負けてクールの仮面とる  夕 介

人 位

朝顔とゴーヤみどりでラッピング   薫

地 位

取りたての野菜その日にクール便  二三子

天 位

夏料理 器冷やしておもてなし   由利子

軸 吟

人付き合い下手でクールと見られてる恭 子

 

宿 題 「ショック」 中田  尚 選

好きだけど一番目ではありません  信 一

少年が駆け回らない夏休み     五 貫

片足でもう諦めた試着室      由 美

相愛の俺から逃げた玉の輿     重 雄

この暑さエアコン急に壊れ出す   千恵子

ダイエットしたのにやつれたと言われふく子

爆発のパーマにしばし引きこもる  由 美

すっぴんを見られてからの気の後れ 博 司

パンツはき鏡をみたらおれかばか  修 市

検診で痴呆の検査させられる    静 枝

お客様ゼロは五ツでございます    薫

初孫が還暦前にお爺ちゃん     信 一

AED止まる心臓呼び起こす    竹 水

半額の値札がレジを過ぎて行く   野次馬

通夜なのに近くで夏のバーベキュー 哲 也

陽性としっかり聞いた牛の耳    ひろむ

手に取ってゼロに驚きすぐ戻す   廣 司

震度6 日を間違えたクラス会    薫

回り道工事現場につき当り     千代見

おぼろ月伏せ字静かに燃え上がる  獏 沓

丹念に育てた花が折られてる    二三子

残酷なニュースに慣れて来たショック奏 子

子に貸した新車三日で傷が付く   可 福

痛くない過去をほじくる風の私語  豊 子

思い出をのぞきこまれた青い空   満 月

五 客

仏壇のメロンが匂う消費切れ    野次馬

相撲部屋仮面の裏を見たショック  しげる

足腰を畳の縁になめられる     さと子

年金を仏に払う無責任       のぶ男

ビビビ婚あなたのせいよ静電気   やむ茶

人 位

幸福の死角に我が子見失い     好 子

地 位

千円で買ったサンマの目が濁る   茂 瑠

天 位

被爆国三原則が宙に浮く      のぶ男

 

宿 題 「き げ ん」(表現自由)

加藤  鰹 選

期限切れなんて全然気にしない   恭 子

期限切れ大丈夫だと母の鼻     居久美

賞味期限偽装してます妻の鼻    ひろむ

賞味期限切れも平気な食べざかり  玲 子

賞味期限切れても三日まで平気   恭 子

期限切れ夫に出してから食べる   信 一

期限切れ嗅ぎ嗅ぎ食べる俺の役   廣 司

俺にだけ一品 多分期限切れ     五 貫

円高にあっけらかんと笑うギャル  太 郎

冷静をよそおう父のあてこすり   のぶ子

夫などちょっとほめると上機嫌   由 美

ご機嫌を湯殿の唄で返事聞く     亘

うっかりで機嫌忘れて夜を徹す   晴 康

適齢期過ぎて安売りする婚期    野次馬

うちの娘も賞味期限が切れぞうだ  安 心

ニュースのネタも消費期限は刺身ほど哲 也

棚の品奥から取ってよしとする   千代見

阪神が父の機嫌を決めている    哲 也

ポイントが貯まった頃は期限切れ   薫

妻の味気分一つでコロコロと    信 一

どうかいな妻の機嫌をポチに聞く  千恵子

朝帰り犬と女房の機嫌取る      進

ご機嫌よう戸籍か鬼籍聞く役所   静 枝

温暖化期限延長セミしぐれ     さとみ

この猛暑ご機嫌をとるビールつぐ  徳 子

七人の敵と肩組む千鳥足      竹 水

モナリザの微笑に期限切れはない  茂 瑠

その機嫌例えるならば万華鏡    夕 介

締め切りの期限ギリギリ猛ダッシュ ユタカ

期間限定ついつい買って無駄にする 二三子

日本一不機嫌顔が似合うドン    やむ茶

機嫌よく弁当作る若い妻      洋 未

許す気になったご機嫌よく笑う   のぶ男

オクターブ上げた鼻唄風にのる    弘

酒の座に誘えば上司ごきげんだ   輝 男

しょうがない起源この血は恨まない さと子

期限付き家族ごっこをあと少し   洋 未

機嫌良い顔して蝶を待ってみる   くにこ

一合の酒が明日を晴れにする     弘

取り巻きが機嫌伺うエリカ様    由利子

献立を決める機嫌のありどころ   さと子

大洪水の爪痕紀元前と化し     由利子

ヨイショしてセールスマンが飯を食う 尚

ご機嫌な君が刻んでいるキャベツ  奏 子

五 客

嬉しいな家族が留守で朝ビール   三根子

出るものが出たと家内は良い機嫌  長 仁

半額を買って期限が追ってくる    尚

ご機嫌で妻食事会 俺ムフフ     夕 介

ほっぺたに機嫌を治すキスをする  ユタカ

人 位

不景気に追いかけられている手形  千恵子

地 位

期限まで踊る私の筆の音      満 月

天 位

今ならば社長は判を押すはずだ   アキラ

 

 

宿 題 「自由吟」 互 選

⑨投げられた石はそっくり投げ返す 由利子

⑧ひと夏の恋で終わったかき氷   義 子

⑦残業を待つ家中の灯を点し    五 貫

⑤美しくなるにもやはり銭が先   輝 男

④ヘソクリに「触れるな危険」書いておく

徳 子

④背と腹で疑っている聴診器    博 司

③峠道人それぞれの刀傷      アキラ

③スッピンの自分の顔に母を見る  二三子

③あと少し騙せば指輪この指に   茂 瑠

③決断に振り回されて夜が白む   しげる

③受け入れるのは過去形になってから奏 子

②見切り品百均よりも安く買い   好 子

②開花待つやっと掴んだ道しるべ  野次馬

②不景気でセールの文字が白けてる 玲 子

②百才の所在放かして長寿国    豊 子

②親の背にひたすら詫びる事ばかり 千恵子

②新しい発見のある差し向い    さと子

②おひさまに背くにんげん見透かされくにこ

②怒りだし目鼻の位置がずれてきた 洋 未

②お子様よりシニアランチの時代です由 美

②此の猛暑露地の地蔵も熱中症   重 雄

②悪いことするように押すパスワードさとみ

②一歩退く時にも有るぞタイミング 廣 司

②下心ちらりスクリュードライバー  鰹

①泣いた後優しくなって目で笑う  のぶ男

①納税し肩身の狭いスモーカー   長 仁

①この夏も甲子園からもらう喝   哲 也

①リクルートスーツ脱ぎ捨て五年生 太 郎

①大相撲もぐら叩きに明け暮れる  信 一

①冗談の茶茶が多過ぎ噎せ返る   竹 水

①忘れたい過去が多くて月ながめ  三根子

①親から子いつまで続く低い鼻   ユタカ

①扇風機過労死させる気の猛暑   静 枝

①公園の大樹背骨になっている   獏 沓

①八月の声をまあるくする九月   ふく子

①常備薬飲んで地雷を踏まずいる  千代見

①しっかりと汗ふく乍ら朝の飯   晴 康

①また君に恋して止まぬホーホケキョやむ茶

①台風一過夏の暑さがもう一度   夕 介