平成二十一年 九月十八日
た か ね 定 例 句 会 於 アイセル21 |
参加者(順不同)松田夕介、曽根田しげる、高瀬輝男、尾崎好子、稲森ユタカ、中田尚、長澤アキラ、望月弘、杉山光代、真理猫子、渥美さと子、池田茂瑠、増田信一、加藤鰹、勝又恭子、中野三根子、佐野由利子、瀧進、薮﨑千恵子、畔柳晴康、井口薫、大塚徳子、中矢長仁、薗田獏沓、岡村廣司、安田豊子、内山敏子、成島静枝、石田竹水、小野修市、林二三子、鹿野太郎、西垣博司、毛利由美、深澤ひろむ、鈴木まつ子、小林ふく子、中川司、鈴木千代見、山本野次馬、市川重雄、荒牧やむ茶、永田のぶ男、川口のぶ子、那須野正、斉尾くにこ、川村洋未、濱山哲也、森田安心、栃尾奏子、川口亘、谷口さとみ、滝田玲子、酒井可福、伊藤泰史、石上俊枝、提坂まさえ、川村美智代、萩原まさ子
▼杉山光代さんの選者初体験。堂々とにこやかに読んで下さり立派でしたよ。また岡崎から真理猫子さんが参加下さり、賑やかな句会になりました。感謝、感謝。
宿 題 「 秋 」 杉山 光代 選
うれしいな秋の味覚に舌つづみ 千恵子
彼岸花咲いて仏に導かれ 好 子
意地悪な秋が私をおセンチに 輝 男
いい夢を見せて下さい秋の月 しげる
彼女の手そうっと触れる秋の恋 由利子
気まぐれな秋へ向日葵咲いている 弘
穂が揺れるススキが原の風清か 由利子
夏の恋秋風吹いて舞い落ちる 信 一
結婚と離婚が友の秋にある 茂 瑠
人を恋う秋のポストが今日もカラ 輝 男
吹く風の香りに夏はもういない 夕 介
山里に猿の好物柿たわわ 由利子
サーサーとなびくススキと君の髪 夕 介
澄みきった秋空見ても曇り勝ち 信 一
丹精の色を競って菊の秋 さと子
赤トンボ一緒に行こう墓参り 千恵子
ふるさとの空家で虫のオーケストラ 弘
手応えは何にも無いわ秋の空 アキラ
ウォーキングとんぼの群れと出っ食わせ
好 子
秋風を送った相手豹変し 信 一
五 客
虫の音を耳に拾って来る散歩 アキラ
あなたからメールが来なくなって秋 鰹
披露宴未婚の肩身狭い秋 茂 瑠
落葉にも未練あります夢もある 信 一
床につき吹き込む風に秋を知る 夕 介
人 位
紅葉に私も染まる秋の彩 千恵子
地 位
お彼岸へ小さい秋が届かない 弘
天 位
笛太鼓子供に返る秋祭 千恵子
軸 吟
彼岸花出番来たかと首のばし 光 代
宿 題「うらやましい」中野三根子 選
いいわねえ分ける遺産の無い人は 哲 也
スッピンで十才若く見える人 信 一
今もまだ本気で追える夢がある 恭 子
我が子とは思えぬ高い腰の位置 さとみ
手をつなぎ歩く祖父母が羨ましい 猫 子
ぱくぱくと食べて食べても太らない 好 子
お隣りの夕餉豪華な匂いする 由利子
天才の頭の中を見てみたい ユタカ
お気楽な人もうらやむ能天気 やむ茶
涙ふきイチニサンと切り替えた 奏 子
毒舌のパワーが欲しい時がある 竹 水
憂いなくしごとを辞して楽に生き 修 市
勇気など無いが金には困らない 野次馬
また手抜き犬の食事へする嫉妬 ひろむ
八頭身美人羨むメタボ腹 玲 子
うらやむな自分は自分の道をゆく のぶ子
行き先はチョットそこまでヨーロッパ洋 未
両隣り青い芝生の庭が有る 博 司
趣味の会魔女がだんだん若くなる のぶ男
賑やかに隣は箸を洗ってる 薫
雑草という生命力がうらやまし ふく子
お隣りが今日もサンマを焼いている 博 司
ミッキーの耳がボクには付いて無い 可 福
字がキレイきっと素敵な人だろう 鰹
反抗期いない隣の笑い声 由 美
通学のミニスカートと乗り合わす 弘
大当たり横目でチラリ見られてる ユタカ
五 客
金持ちの悩み一度はしてみたい 輝 男
澄んだ目の奥に映ったママの愛 さと子
悔しいな薬に縁の無いあいつ 太 郎
うらやましい事が何にもないトカゲ 猫 子
齢を取るほどに光っていくセンス 千恵子
人 位
生きがいを求め気ままな暮らし向き まつ子
地 位
よく釣れる餌を覗きに来る隣 獏 沓
天 位
百五歳 男が弾むフライパン 敏 子
宿 題 「ぼろぼろ」 池田 茂瑠 選
赤ん坊の頃から一緒このパンダ さとみ
ボロボロのスパイク翔る虹の橋 奏 子
ぼろぼろと零し続けて風になる アキラ
雑巾の様に使われ後はポイ 信 一
酔う程に愚痴がぼろぼろこぼれ出す 廣 司
ぼろぼろの心に神の声聴こえ 千代見
ボロボロの人生売れる回顧録 静 枝
衣食住足りて心が綻びる 進
ぼろぼろと繕い合っている夫婦 ふく子
豊かさに心のボロが顔を出す 俊 枝
一度だけ恋に破れてそれっきり 竹 水
ボロボロの写真で笑う父の顔 やむ茶
運動し体が悲鳴あげている ユタカ
肩書きがとれて友無し夢も無し さとみ
ぼろぼろとメッキ剥がれていく名刺 千恵子
結婚後ボロボロ剥げた金メッキ 鰹
ジーパンへ思わず針を入れた祖母 ひろむ
ぼろぼろになる迄励み補欠の身 亘
擦り切れたジーパン売っている平和 哲 也
魂が疲れて夢が黒くなる さと子
勤勉なわたくしを知る英和辞書 恭 子
ぼろぼろと落ちたごはんで年を知る 洋 未
骨なしの魚に自己主張がない 野次馬
身も心ぼろぼろになる世が悲し 亘
俳人の形見ぼろぼろ辞書一つ 可 福
愛着があるぼろぼろのぬいぐるみ 恭 子
よれよれが倒れ込むよう帰宅する アキラ
ぼろぼろにされても尽くす女の性 光 代
五 客
ぼろぼろと落とす涙にまたも負け 由利子
白鵬を主役にさせる日本人 尚
よそいきの服は美味しい虫が食い 好 子
母親の使い古した料理メモ 二三子
ぼろぼろのジーパン持って嫁に行く しげる
人 位
ジーンズの穴から見える歪んだ世 太 郎
地 位
カルチャーでボロボロの脳修理する ふく子
天 位
ぼろぼろになるまで愛を抱きしめる 弘
軸 吟
ぼろぼろの余生縫い糸足りません 茂 瑠
宿 題 「お く」(表現自由) 高瀬 輝男 選
贋作を床の間に置く見栄っ張り 竹 水
ドライフラワーにして取って置く小判草
徳 子
手なづける贈り物とも気がつかず 廣 司
億という数字に縁のない暮し 敏 子
冷蔵庫の奥にえたいの知れぬもの 由 美
不景気で奥様などの様捨てた 晴 康
奥様と呼ばれる妻にしたかった 長 仁
屋上で星とビールが待っている 哲 也
山奥の秘湯人気の一軒家 二三子
望郷の絵の中に置くロスタイム 豊 子
儚さや友は大金置いて逝く 光 代
ひとり旅夕日の中に君を置く くにこ
億ションに住んで心が痩せてくる アキラ
使用済み仮面ひと先ず置く独り 豊 子
暗算でレジより先に金を置く 好 子
プライドはひとまず横に置いておく 夕 介
奥様の敬語に少し身が火照り 亘
奥様と呼ばれる頃が旬の味 安 心
談合をじっくり練った奥座敷 ひろむ
目標を高くおいては生きて行く 三根子
目の前に置いたチャンスを盗まれる アキラ
億よりはミクロの世界驚異の目 亘
オクの手を打って射止めるそのハート夕 介
吊り橋の途中臆病者になる 野次馬
奥の手を使い果たして借りる知恵 由利子
五 客
憶測で噂広がる無責任 由利子
窓際に置かれたままの椅子の意地 薫
追憶のあなたは私だけのもの 奏 子
大切な奥の手錆びていたショック 奏 子
奥の手があるから揺らぐ事はない 千恵子
人 位
奥様は魔女かも嘘が通じない 鰹
地 位
にんげんの奥やさしさの水たまり くにこ
天 位
生きるって奥が深くてやめられぬ 修 市
軸 吟
奥まった部屋にうごめく黒い霧 輝 男
宿 題 「自由吟」 互 選
⑦水のない川で溺れたことがある 義 子
⑥負けないさ僕を支える好奇心 竹 水
⑥底抜けに明るい馬鹿になってみる 徳 子
⑤ダイヤルを妻に合わせて波が無い 博 司
⑤大ジョッキ人間みんな友達だ 輝 男
④昭和史の行き着く先は風の音 アキラ
③寝そべって宿題まだか親に聞く 光 代
③暑さぼけしてもしっかり夏ぶとり 三根子
③大相撲異国の綱に救われる やむ茶
③失敗は流しなさいと日が沈む しげる
③抜いた棘忘れた頃にまた刺され 信 一
③御破算で願いましては君が好き 鰹
②椅子取りが下手で梲が上らない 千恵子
②貧乏も笑いに出来る四畳半 さとみ
②胸の奥めがねが邪魔で覗けない 弘
②のみ込んだそのひと言の重い文字 よし子
②来世へ望みをかけて耐えている 穂々美
②春ラララ秋はウフフといきたいね 哲 也
②材料も道具も揃え腕を待ち 洋 未
②諺を信じ猛暑の彼岸待つ 重 雄
②花占いしているように髪が抜け 太 郎
②空元気口ほど体動かない 二三子
②言いにくいことが増幅する電話 静 枝
②直線が続く炎天下の小道 野次馬
②しゃぼん玉夢はかなくも風に乗る 千代見
②スペードのエースの裏は乙女色 猫 子
②ときめきの夢を見ている傘寿です 長 仁
②空っ腹人の情がよく沁みる ふく子
①破鍋に綴蓋愛のコーティング 進
①耳に付く自慢話に人が逃げ 可 福
①気晴らしは方言駆使の独り言 さと子
①旅疲れ足腰痛いとも言えず 敏 子
①生返事最後は皆に廻し蹴り 安 心
①二学期へ風は季節を告げる使者 のぶ男
①何時からか息子の名刺使う歳 晴 康
①先生はさほど老けないクラス会 由 美
①悩みごと幾つもあるがケセラセラ 由利子
①牙のある仮面で意見通します 茂 瑠
①寂しんぼすぐにはみ出したがります奏 子
①銭持てばすぐ穏やかな顔になる 廣 司
①共感の水輪こころの跳ねる音 くにこ