初日陰展望台の風に立つ        小島 蘭幸

卯~マンボ正月だけは踊りたい     小林信二郎

跳ねてまた跳ねて川柳に手が届く    小林ふく子

兎と亀が手をつなぐ松の内       小林 良恵

合点していても齢だけもらう春     小林 桂枝

朝日浴び千両の実も初笑い       古俣 麻子

月の船うさぎは星のシャボン吹く    斉尾くにこ

改まる年の始めのうさぎ飛び      酒井 可福

カレンダー輝いている知らぬ日々    提坂まさえ

役辞してなみなみと酌む初春の酒    桜井 閑山

雪うさぎ南天の目が良く光る      佐藤 明美

満月に住むから好きな玉兎       佐藤 孔亮

十年後読んでうさぎの大ジャンプ    佐藤 灯人

微苦笑の兎と出会う上り坂       佐藤美枝子

歩調が合えばゆっくりも良し      佐藤 美文

自分史にまたひとつ足す春の音     真田 義子

お正月駿河の富士の厚化粧       佐野由利子

夢ばかり見ている月のうさぎかな    柴崎 昭雄

うさぎピョンピョン世直しにやってくる 四分一周平

この俺を信じてくれる兎の目      島田啓三郎

議定書へせめても寝正月とする     島田 駱舟

良い知らせらしい兎の耳が立ち     志村まさ尋

蒲の穂が欲しい平成白うさぎ      白勢朔太郎

レの音に集まる見切り発車系      樹萄 らき

ひとやすみしすぎちゃったな目を覚ます 鈴木恵美子

ウサギ見てうまそうだなとフランス人  鈴木  茂

賀状からうさぎ跳ねてる友と友     鈴木千代見

冬うららゆっくりゆっくり数え歌    鈴木まつ子

満月を見ると兎を探す癖        妹尾 安子

恋せよ乙女夢見ることは数多ある    芹沢穂々美

三億円うさぎの夢は消えました     薗田 獏沓

夢多き初春へ今年も頑張るぞ      高瀬 輝男

かきかえた命を抱いて亦あるく     高橋はじめ

天気晴朗ゆっくり歩く八十路坂     高橋 朗風

脱兎のごとく登る坂道         瀧  正治

平凡に生きる幸せ去年今年       瀧   進

跳べなくて亀で今年も春を追う     滝田 玲子

象さんも兎も好きで象に乗る      竹内ヤス子

ちょっといい話をたんと聞く兎     竹内ゆみこ

群れよりも独りも好きな磯千鳥     多田 幹江

生きてゆく力が闇を抜けてくる     田中 新一

無い袖を振りながらゆく初詣      谷口さとみ

暇なのでうさぎの耳を描いている    千島 鉄男

くよくよと考えるなと夏の月      塚本 寄道

坂登る兎 私は詩を詠む        津田  暹

がんばらず生きる初日が柔らかい    土屋 渓水

月うさぎ狼喰っていいんだよ      てじま晩秋

虎はスゴスゴ兎がはねて

なにかいいことありそうな(都都逸) 寺脇 龍狂

入り口は夢で出口もまた夢で      徳永 政二

ほどほどに跳びほどほどに着地する   中島 久光

羽根を持つうさぎに羽根の重さ有り   中曽根恭子

すこやかに加齢がすすむはるの酒    中田たつお

今年こそビョンといっしょに飛び跳ねる 中野三根子

跳ね方の下手なうさぎで生き辛い    長澤アキラ

終活は草食系で元気よい        永田のぶ男

草食もそろそろ飽きてきた兎      浪越 靖政

ほあんほあんぽわんぽわんと夢うさぎ  中山 恵子

音もなく平均寿命を通過する      成田 孤舟

うさぎ年手帳で跳ねる旅心       成島 静枝

うめさくら祭りへ祭りへとひらく    西 恵美子

うさぎ歳とは思えない妻のツノ     西垣 博司

吉兆や卯の彼方より陽が昇る      西潟賢一郎

耳たぶをひろげて風は背中から     西端 康孝

ふるさとの川に挑んだうさぎ跳び    西來 みわ

年金のうさぎ穴から出てこない     萩原 典呼

初夢が運を開いて当たり年       萩原まさ子

月をみていたらうさぎのフンが落ちてきた濱山 哲也

水溜りぐらいは跳べる気でいます    樋口 一杯

ぴょんぴょんと百巻積んできた絆    菱木  誠

また一つ足し算をして今朝の春     尾藤 三柳

思いださぬときはしあわせなうさぎ   ひとり 静

飲みすぎではないがウサギの眼の赤さ  平尾 正人

若さ鼓舞人生古希の春に酔う      深澤ひろむ

この平和こよなく愛す兎の目      藤沢 岳豊

初春に夢に向かって跳ぶうさぎ     藤田 武人

幾万のウサギよ冬の日本海       藤原 鬼桜

結び目が取れてシナリオ歩き出す    升 ますや

飛んだって跳ねてみたって雑魚は雑魚  増田 信一

海からの初日ことしも誇らし気     増田 久子

生き甲斐は齢を忘れた趣味の道     増田まさし

阿と吽の間の長い暇つぶし       松尾 冬彦

反省を生かしうさぎは跳ぶ構え     松川多賀男

出来る事兎に角まずはやってみる    松田 夕介

ニッポンのウサギは昼寝などしない   松田 順久

変わること変わらないことよぎること  松橋 帆波

一年の早さ笑ってお正月        馬渕よし子

聞く耳を持って卯年の靴を履く     丸山 健三

月増えてうさぎ時空をかけまわる    丸山  進

あたたかい言葉に弱い雪兎       真弓 明子

抜かされてからが勝負の昼寝です    水品 団石

飛び跳ねるうさぎ呼び込む平和な世   御田 俊坊

初日の出めでたさに湧く春の文字    宮浦勝登志

しあわせを測るこころのリトマス紙   宮村 典子

孫が来る初春はでっかい炊飯器     村松はじむ

願い事さがす平和な初詣        毛利 由美

くすり指 小指も閑をもて余す     望月  弘

アナログで呑みデジタルで診て貰う   本村 靖弘

新春をも一度天に吠えてみる      森田 安心

見るだけの夢に目鼻が欲しくなる    八木田幸子

まだまだと生きる力を蓄える      薮崎千恵子

月ウサギ アナタは土星パピプペポ   山口 兄六

ゆっくりと今日の時間を賞味する    山下 和一

無免許と仮免みんなで渡ればなお恐い  山田 迷泡

余生まだ趣味三昧の花ごよみ      湯沢 艶子

イクメンと言われなくても子を育て   横田輪加造

ひらがなであそぶうさぎとゆきんこと  横村 華乱

這うことも覚え兎に幅が出る      吉道航太郎

うさぎ跳び千回 薔薇であるために   渡辺  梢

うさぎよりピンと世相へ耳を立て    渡辺 貞勇

風向きはどうあれ明日も帆を上げる   渡辺 松風

★そのほか、たくさんの賀状ありがとうございました。