平成二十一年 五月十五日
た か ね 定 例 句 会 於 アイセル21 |
参加者(順不同)中野三根子、佐野由利子、林二三子、川村洋未、増田信一、杉山光代、中田尚、稲森ユタカ、尾崎好子、池田茂瑠、長澤アキラ、高瀬輝男、望月弘、成島静枝、加藤鰹、永田のぶ男、瀧進、曽根田しげる、畔柳晴康、岡村廣司、大塚徳子、毛利由美、薗田獏沓、内山敏子、小野修市、酒井可福、石田竹水、川島五貫、市川重雄、森田安心、安田豊子、西垣博司、濱山哲也、中矢長仁、川口亘、小林ふく子、鹿野太郎、栃尾奏子、滝田玲子、松田夕介、鈴木千代見、那須野正、斉尾くにこ、薮崎千恵子、鈴木まつ子、芹沢穂々美、山本野次馬、川口のぶ子、中司、今井卓まる、谷口さとみ、森下居久美、萩原まさ子、提坂まさえ、石上俊枝、川村美智代、荒牧やむ茶
宿 題 「マイッタ」 尾崎 好子 選
躓いた石が慰謝料ぼったくる 弘
弟と同級生になった俺 アキラ
マイッタななかなか出来ずマイッタなのぶ男
甘党と知らず地酒でもてなされ 輝 男
ローン組みリストラされて妻は逃げ 信 一
でこぼこと段差に足が泣いている 尚
値切ったがダメよダメだと大声で のぶ男
きれいねと煽てに乗ってまた買った 信 一
深酔いの父を責めてる幼児の眼 輝 男
あと十円足りないだけで諭吉消え 洋 未
確認をしていなかった角隠し 弘
飛ばされたカツラを風と追い掛ける アキラ
降参の白旗いつも妻へ振る 茂 瑠
七並べ孫にはわざと負けてやり 由利子
五 客
大学を出したが飲んで寝ころがり 茂 瑠
いさぎ良く参りましたと先手打つ 由利子
ぶそくってメシ作らにゃーうちの嫁 鰹
つり革を持ったつもりがにらまれる 尚
腹の底見えてる様な嘘を言い のぶ男
人 位
哲学と理想を抱いてネットカフェ アキラ
地 位
バラの束抱かされ痛い想いする 茂 瑠
天 位
空財布 祝儀不祝儀攻めてくる 鰹
軸 吟
老夫婦トイレタイムがぶっつかり 好 子
宿 題 「ニ ヤ リ」 増田 信一 選
遠くから罠にはまった姿見る ユタカ
ポケットの当り馬券がやかましい 静 枝
イケメンの写真をいつも持ち歩く 三根子
お代官様あなたには参ります さとみ
来客が来た特上の寿司を取れ さとみ
ひとり言ニヤリと笑う春うらら 徳 子
萎れてるバラを小菊が見てニヤリ ふく子
チンをして料亭の味ほめられる 千代見
背後から覗いた画像ラブシーン 静 枝
ニヤニヤと思い出してはひとり酔う まつ子
ヌード集家族の留守を待ち開く 廣 司
鉄壁の陣に見つけた針の穴 奏 子
サクラとは知らず釣られてくるお客 千恵子
偽善者がニヤリと笑う舞台裏 徳 子
空耳がしてやったりとほくそ笑み 豊 子
冗談のつもりまさかの値引き額 博 司
前チャック開いたままで歩いてる 長 仁
マドンナが俺を好きだという噂 奏 子
ばれぬ嘘ついつい口がゆるみだす ユタカ
気味悪いうすら笑いのあの態度 晴 康
札束でやさしく頬を叩かれる 輝 男
ライバルが今日は休んでいるらしい 二三子
忘れてたへそくり一枚現れて 光 代
空席の隣に美人二人いる 二三子
ニヤリからニンマリと成る深い仲 好 子
通帳の桁を数えて猫をなで 洋 未
ヘソクリを貯めてサヨナラするつもり 鰹
どうしようおつりがなぜか多すぎる 三根子
ごほうびだ洗濯機から五百円 洋 未
特売品最後の一個ゲットする 恵 三
晩飯はうなぎにとろろ妻ニヤリ 鰹
入試合格今日の太陽一人占め 輝 男
五 客
うす糊のきいたシーツだ何かある 穂々美
足元に転がっていた儲け口 輝 男
白黒を嗅ぎ分け口元がゆるむ 太 郎
俺だけが双子の目玉焼きの朝 卓まる
春一番モンローがいた歩道橋 五 貫
人 位
追い越して行った車がねずみ取り 由利子
地 位
残り物器を変えてそっと出し 由利子
天 位
ひとつぶの涙の効果妻は知る 修 市
宿 題 「魔 法」 中野三根子 選
政治家が魔法の如く裏の金 廣 司
三面鏡三つの魔法奥に秘め 茂 瑠
チチンプイ変身したい片想い 進
ばあちゃんが触ると痛くない不思議 弘
森ん中魔法使いと鉢合せ 由利子
ミッキーがいつも枕の上にいる 尚
やり繰りに魔法の欲しい月終い 亘
文明の利器より魔女に合う箒 好 子
スリ傷もママの魔法ですぐ治る 二三子
魔法にも似てほそくりを母が出す 輝 男
朝寝坊どこでもドアがあったなら 居久美
シャワー浴び魔法が落ちたシンデレラ恵 三
二度やって二度とも勝った口喧嘩 アキラ
空財布魔法掛けても元のまま しげる
飲む金は何処からとなく湧いてくる アキラ
出ていかぬ妻は魔法にかかってる 弘
二次会のソファーで魔女に酔わされる竹 水
人生を魔法の力で変えてみる のぶ子
納豆を魔法の箸が混ぜている 太 郎
見つめ合う鏡へ魔法かけてみる 豊 子
流し目の魔法にころり金縛り 千恵子
朝が来る魔法がとけてしまいそう 千代見
昔から見れば魔法のような今 由 美
イチローの野球の魔力掻きたてる まつ子
ストレスが溜まらぬ魔法子の笑顔 可 福
妻の持つ杖ではたらき蜂にされ 博 司
虹を見に行くためだけの靴を持つ さとみ
妻からの電話にパッと醒める酔い 五 貫
ドラ息子嫁の魔法で猫になる 恵 三
五 客
酒一升みんな綺麗になる魔法 可 福
コマーシャル程に効かない育毛剤 豊 子
口紅を塗れば女になる少女 哲 也
地獄耳魔法が住んでいるらしい 二三子
幼な子の黒い瞳が持つ魔法 ふく子
人 位
糸を引く妻の魔法に踊らされ 千恵子
地 位
トリックに右脳左脳を自己暗示 まつ子
天 位
どんな手の魔法も効かぬ楽天家 竹 水
宿 題 「度 胸」 加藤 鰹 選
度胸ある茶髪痴漢を取り押さえ 玲 子
素っぴんの度胸へ度肝抜かされる くにこ
真ん中に残った寿司をサッと食う さとみ
面接で言いたい事を言う若さ 獏 沓
肝っ玉据えて難問くぐり抜け 敏 子
初めてのホヤ酢わたしが毒見する 徳 子
夜の物音にバットを持つ娘 由 美
怖いもの無かった頃の日記見る 太 郎
愁嘆場おんなの方にある度胸 静 枝
いつだって我が奥方の意のままに 修 市
死ぬ度胸無けりゃ極道務まらず 二三子
少し自棄勝負するにはいい形 五 貫
衆目の中で授乳の母になる 弘
カメラマン玉とぶ中を撮影し 光 代
本当の度胸静かな顔でいる アキラ
いざという度胸女は持っている 二三子
肝試し少し無理する君の前 ユタカ
釈迦の手に度胸預けたままの雨季 茂 瑠
土壇場で娘がみせるくそ度胸 三根子
バーゲンでオバタリアンの眼が光る 尚
覆面のプロレスラーが僕の妻 洋 未
怒鳴ってるあの人実は意気地なし ユタカ
盛り上がり神様だってこわくない 三根子
定年後度胸試しか丸太乗る 洋 未
肝心な時だけ度胸あればよし 雄 介
草食系持ち合わせない度胸など 恵 三
一か八真ん中投げて後は運 信 一
金などに動かぬ石が持つ度胸 輝 男
家計簿の赤字へ胆を座らせる 弘
二割引もう一声と言う度胸 居久美
バンジージャンプしても口説けぬ恋でした
野次馬
連休の男子トイレの女性陣 さとみ
まだ値切る妻のまわりの人だかり 博 司
いい度胸最前列で舟を漕ぎ 廣 司
堂々とひとつになろう捕鯨国 太 郎
五 客
交差点 右に曲ればラブホテル 卓まる
ラブホテル入る度胸もないくせに 由利子
座りたいでも座れないイスひとつ 尚
恐妻に酒飯風呂と一回は 信 一
「刺青は入浴禁止」誰か言え 哲 也
人 位
進入禁止 書いてあるから入りたい しげる
地 位
てやんでえ高が百万持ってけえ 由利子
天 位
かみさんに素手で喧嘩を売りにいく アキラ
宿 題 「自由吟」 互 選
⑥口実をうまく丸めて飲まされる 竹 水
⑥古傷に触れない様にマスク掛け しげる
⑤重要な話になると妻が出る 博 司
④薄型で人の脆さがよく映る 五 貫
④普天間で豆を食らって鳩ぽっぽ 恵 三
④クリームがきれて心が荒れてくる 弘
③日記には書けぬ秘密の夢をみる のぶ男
③傾いたままで終着駅に立ち アキラ
③雑巾でなければ心磨けない 哲 也
③忘れたい顔いつまでも忘れない 尚
③行き先の違う切符が途中下車 卓まる
③ひとしきりふる里自慢する土産 獏 沓
③万人に笑みを与えて散る桜 晴 康
③良い噂だったらいいなクシャミ出る千恵子
③ジーパンに恋していますダイエット 進
③傾いたままで終着駅に立ち アキラ
②ホッチキスで裾上げをする独り者 由 美
②淋しさに勝てます鶴を折れるから 茂 瑠
②赤ちゃんは希望の種をにぎりしめ 洋 未
②天駆ける絆を引っ張る親子凧 重 雄
②銭掴む事が不得手のわたしの手 輝 男
②こじんまりしている割にでかい顔 信 一
①フン公害辛抱しよう巣立つまで 二三子
①梅雨入りと聞くと眉間の皺がより 好 子
①すきなとこちょっとあるからずっと好き さとみ
①躓いた石と定めの泣き笑い 太 郎
①空洞を埋める言葉が見当たらぬ 豊 子
①機が熟すまでならトドの顔でいる 野次馬
①猿山のボスも孤独な時がある 可 福
①連休は家に残されよく眠る 修 市
①真に受けた告白小骨まで抜かれ まつ子
①種袋収穫の夢書いてある 千代見
①君にだけ付けてみたいな句読点 義 子