於 アイセル21
参加者(順不同)曽根田しげる、増田信一
川村洋未、山下和一、勝又恭子、高瀬輝男
望月弘、中野三根子、佐野由利子、中田尚
稲森豊、加藤鰹、長澤アキラ、永田のぶ男
瀧進、小林ふく子、鈴木まつ子、畔柳晴康
奥宮恒代、大塚徳子、岡村廣司、成島静枝
内山敏子、中矢長仁、薗田獏沓、小野修市
井口薫、鈴木千代見、石田竹水、西垣博司
毛利由美、森田安心、市川重雄、鹿野太郎
林二三子、安田豊子、池田茂瑠、滝田玲子
加茂和枝、濱山哲也、酒井可福、那須野正
明、山本野次馬、戸田美佐緒、芹沢穂々美
中川司、薮﨑千恵子、川口のぶ子、川口亘
谷口さとみ、近藤伊佐久、森下居久美、川
村一広、今井卓まる、森だがやん、提坂ま
さえ、川村美智代、石上俊枝、萩原まさ子
特別ゲスト・村田邑路
▽御大、村田邑路先生をお招きして選句と
たかね発足当時のお話を聞かせてもらいま
した。ありがとうございました。
宿 題 「ヤキモチ」 加藤 鰹 選
いい男見るといじわるしたくなる 信 一
家政婦が夫好みの未亡人 博 司
甘い声頭上すり抜けポチへゆく 恒 代
片袖をぬらして帰り妻ふくれ 伊佐久
ヤキモチをこんがりと焼くほどモテず徳 子
突っつかれつねられ愛の二重奏 進
不器用が器用な人に嫉妬する 廣 司
ほどほどのヤキモチならば焼かれたい恭 子
ケータイの女の人に嫉妬する 尚
ヤキモチが夫婦の脈を太くする 弘
ライバルへ乾杯の声ささくれる 薫
再婚の妻が乗ってる高級車 博 司
朝帰りその日茶わんが十個割れ 安 心
男性のヤキモチ焼きは凄まじい 廣 司
ジェラシーも切り身にしたら目立たない 美佐緒
俺のではないラブレター妻が持ち 獏 沓
ヤキモチを焼かれたことがあったかな 亘
神さまはなかなか見ない僕の絵馬 竹 水
もてる訳ないのに妻の勘違い 二三子
弟ができて乳房を乞うアニキ さとみ
伸ばせない妬みを友の羽根へ抱く 茂 瑠
乾杯の酒へ妬心を混ぜてあげ 豊 子
行き先を聞いて女房がすね初め 伊佐久
私だけ見つめてるって言ったよね 恭 子
お兄ちゃんだけど恋しい母の胸 居久美
盛り上がる乳房妬心の目を集め 輝 男
二人連れだったねふーん知らんぷり 和 一
ヤキモチをやいてる人がかわいくて 三根子
振り返る夫の尻が抓ねられる 弘
満一歳もうヤキモチをやいている 和 枝
ポケットの派手なハンカチ騒ぎ出し しげる
ヤキモチもたまには焼いて潤滑油 居久美
妬心メラメラ鏡割りたい日が続く 輝 男
やきもちを焼かれ自信がついてくる アキラ
ヤキモチもやかない年になる二人 三根子
泣きさけびおもちゃ一つで大笑い 尚
豊満な月下美人に嫉妬する 由利子
義理チョコへ妻の目付きがつり上がるしげる
五 客
老いて尚モデルに嫉妬するオババ 太 郎
妬きもちの度合いで想い確かめる ユタカ
困ったわ夫まで赤ちゃん返り 由 美
僕だけにくれた笑顔と思ってた 和 一
妬かないよだって最後は僕のもの 卓まる
人 位
息子には俺より旨いものを出す 信 一
地 位
ヤキモチに気付き気付いた恋心 だがやん
天 位
幸せそう蹴っ飛ばしたくなってくる 由利子
宿 題 『スター』 佐野 由利子 選
スターダムいのいちばんは裕次郎 弘
裕ちゃんに誰も叶わぬスター性 二三子
父だって地上の星の一欠片 可 福
冥王星いまも変りは無いですか アキラ
イチローの禅問答は終らない 太 郎
通行人役が夢見る大スター 博 司
スターにも人に言えない悩みある 信 一
空の星それより遠い今の彼 三根子
冬の夜寒さに耐えた流れ星 安 心
薬物でスターの座からすべり落ち のぶ子
縄電車みんなスターの夢を見る 輝 男
往年のスターも老いて同世代 静 枝
精進が無けりゃ掴めぬスターの座 廣 司
三党のスターの知恵が演技する しげる
白い粉スター巻き込むつむじ風 のぶ子
カラオケの舞台スターになっている 二三子
イチローの背中に父の海がある 恒 代
三ツ星でおしゃれに箸を使いたい 洋 未
アルバムにヘップバーンのような母 鰹
発表会どの子もスターカメラ浴び 千代見
衣裳替えスター気取りでマイク持つ 晴 康
保育児がスターを真似た得意顔 のぶ男
カラオケへスター気取りに持つマイク敏 子
Tシャツの背中にサインしてもらい 獏 沓
寸劇でスターになった幼稚園 のぶ男
写真集スター裸で勝負する 重 雄
夢のようスターと撮ったツーショット博 司
落ちぶれたスターひっそりドサ回り 玲 子
週刊誌取り巻くスター議員たち まつ子
写真館スター気取りの七五三 居久美
五 客
物真似が受けてクラスの人気者 千恵子
アイドルもやがて夜空の流れ星 進
過疎の村全校児童みなスター 弘
ミシュランの星が財布を威嚇する 薫
懐かしのスター言い合い年バレる だがやん人 位
裕ちゃんがずっと私の星でした 恭 子
地 位
ニセモノのスターばかりが来る田舎 哲 也
天 位
平成のスター 隣にいそうな子 さとみ
宿 題 「時 計」 村田 邑路 選
待たされて涙いっぱい花時計 由利子
花もみじ過疎の時計は急がない 薫
三分がいらいらさせる砂時計 まつ子
秋深む二人の時計ずれたまま 鰹
美しい過去へ時計は戻せない 居久美
正確に晩酌を指す腹時計 弘
仏壇の時計進まぬ母が居る 重 雄
野心など持つから狂い出す時計 竹 水
使わない手巻き時計は宝もの 晴 康
信頼を貫き通す古時計 竹 水
ケセラセラ時計はいつも止めている 穂々美
目覚ましのおかげで今朝も遅刻する アキラ
雨もりのリズム時計の虚のリズム 茂 瑠
五分間進んでいるといつも見る 千代見
特攻の形見の時計まだうごき 伊佐久
今はもう何を言っても古時計 アキラ
腹の虫左廻りの針を持ち 静 枝
倦怠期ペアの時計も電池切れ 千恵子
目覚ましに欲しい跳びげりの機能 由 美
時計だけピッタリあった僕と妻 洋 未
五 客
発電をついでにしてよ花時計 安 心
金婚の時を刻んでまだ元気 長 仁
狂わない電波時計のような夫 千代見
砂時計休んでいけと神が言う のぶ男
産声で百年時計始動させ のぶ男
人 位
初任給初心を刻む腕時計 さとみ
地 位
時差へ針合わせ私は異邦人 薫
天 位
自画像に振り子時計の音がある 茂 瑠
宿 題 「自由吟」 互 選
⑥ペン先が語る無口な息づかい 野次馬
⑤目が覚めて夢の続きにある未練 のぶ男
⑤悪友と愚妻が僕の貴重品 哲 也
④スタイルを保つ苦労は話さない 獏 沓
④湯豆腐が身につけている平和主義 美佐緒
④羅針盤失ってから深い闇 アキラ
④好奇心あってこころの傷が増え よし子
③トップ記事まだアンテナが震えてるしげる
③聞こえない振りもう一度聞きたくて恭 子
③ちぐはぐな返事で逃げる手もあった廣 司
③送りがな一つを変えて立ち上がる ふく子
③毎月のため息一つ明細書 秀 郎
②自己中が話の腰を折りたがる 千恵子
②化粧品代を浮かせているマスク 由 美
②ストレスが電車にバスに公園に 尚
②イメージを壊さぬように温める 千代見
②特別な日になりそうなよい目ざめ 恒 代
②芋づるの根っこは深い深い黒 鰹
①スマイルの目の底にある好き嫌い さとみ
①緩めたい紐があるから旅に出る 茂 瑠
①すいすいと喜寿の坂行くシニアカー豊 子
①温暖化私の脳も軟化する 輝 男
①カルシュウム不足か親がよく怒る 二三子
①体重計ウソはつかぬと押し黙る 穂々美
①カラットへ心浮きたつくすり指 敏 子
①隠し場所あまり多くて忘れたか 洋 未
①ふんわりとやさしい言葉待っている三根子
①今日もまた思い出というおまけ付き和 一
①誉められた耳の痒みに手が踊る 可 福
①ケータイの絵文字に娘うるさがり 修 市