平成二十三年 三月十九日 た か ね 定 例 句 会
於 アイセル21
参加者(順不同)森下居久美、荒牧やむ茶、小野修市、増田信一、勝又恭子、松田夕介、稲森ユタカ、望月弘、望月満月、市川重雄、八木益代、川村洋未、杉山光代、高瀬輝男、尾崎好子、山本智子、加藤鰹、佐野由利子、曽根田しげる、中野三根子、渥美さと子、南天子、深澤ひろむ、石田竹水、畔柳晴康、岡村廣司、内山敏子、成島静枝、薗田獏沓、大塚徳子、酒井可福、中矢長仁、濱山哲也、瀧進、鈴木まつ子、小林ふく子、西垣博司、毛利由美、鈴木千代見、井口薫、安田豊子、永田のぶ男、川口亘、栃尾奏子、林二三子、藤田武人、石上俊枝、斉尾くにこ、那須野正、馬渕よし子、谷口さとみ、山本野次馬、川口のぶ子、薮﨑千恵子、森だがやん、中川司、川村美智代、宮浦勝登志
宿 題 「野 菜」 荒牧やむ茶 選
人参もアロエも入れて美容食 好 子
こだわりのスープ野菜が十種類 益 代
泥つきの野菜母の味がする 居久美
カレーなら人参だってペロリ食べ 洋 未
ニンニクに託す私の健康法 輝 男
国宝の皿に大根盛り付ける 三根子
晩酌は野菜ジュースで我慢する しげる
ひっそりと生く大根の花のごと さと子
野菜くず刻んで増やすエコ暮らし 智 子
山盛りのレタス美人になりそうだ 益 代
母の荷は新鮮野菜詰合せ 由利子
見かけより味で勝負という野菜 夕 介
ダイエット大根足は変らない 弘
野菜の旬何時か知らぬと子等の声 重 雄
千切りにされてゴボウは出世する 弘
大根のあまた名優斬られ役 重 雄
五 客
ヘチマヘの字背中ゴリゴリエコ野菜 重 雄
回りにはサラダのようにナスカボチャ 弘
まったりと足湯にゴボウ大根も 由利子
にらの葉で釣った地虫へ童歌 さと子
野菜の値株価の様に上下する 夕 介
人 位
人参を首にぶらさげ突っ走る 由利子
地 位
失恋の夜玉ネギが目にしみる 恭 子
天 位
駅伝へ努力の甲斐の牛蒡抜き さと子
宿 題 「パーティー」 川村 洋未 選
合コンの宴気紛れパートナー 進
何かあるパーティー化粧長すぎる 重 雄
過疎地から婚活パーティー招待状 益 代
パーティーは苦手 宴会なら得意 哲 也
ライバルが帰りパーティーよく喋る ふく子
一本のザイル絆の山登り 豊 子
ミントガム噛みパーティーの輪に入る徳 子
会合をパーティーなんて欧米か 可 福
お目出度い祝儀袋で首ひねる 晴 康
政党のパーティー券に黒い金 敏 子
票読みのできぬ水増しパーティー券 進
名刺だけ集める宴のさぐり合い 竹 水
パーティーの席で再会とはうれし まつ子
社交下手その上無口どうしよう 廣 司
婚活のパーティー的が絞れない 可 福
女子会のパワー男に勝目ない 二三子
医者通い尽きぬ話のクラス会 豊 子
酒のでる会には顔を出す男 奏 子
婚活に若作りして出ています 長 仁
議員さん早く乾杯しましょうよ やむ茶
パーティーと言うな金集めのくせに 鰹
持寄りで家の片付けエコパーティー 益 代
保育園パーティーという誕生日 弘
パーティーの度に太っていく政治 弘
たけなわが来ずに終われぬ幹事さん 夕 介
たこやきも皆で食べるパーティーだ 三根子
政治家のパーティーダンスなどしない博 司
パーティーの人脈へ顔売ってくる 千恵子
農協の代表で来た白い眉 獏 沓
パーティーがなければ私まだ一人 のぶ男
親がかり婚活パーティー花ざかり 居久美
五 客
披露宴祝う事より嫁さがし ユタカ
お赤飯炊いたらなぜかパーティーに 三根子
平服も人それぞれと知る宴 由 美
二次会でタイを緩める幹事さん 智 子
パーティーのグラス人脈読んでいる 薫
人 位
パーティーは社用しっかり領収書 長 仁
地 位
もう起きた春のパーティー始まるよ くにこ
天 位
パーティーも方言だから気も楽に しげる
宿 題 「春が来た」 松田 夕介 選
春が来たさあ出かけよう野に山に 長 仁
厳しさに耐えて笑顔の春が来る 居久美
杉花粉春同伴でやって来た 廣 司
容赦なく花粉をつれて春が来た 二三子
顔中が春を感じて液状化 由 美
くしゃみ出て春が身に染み鼻をかむだがやん
からっぽの財布にやっと春が来た 天 子
妊娠にもう愚痴などは零すまい ひろむ
カタカナの花ばかり咲き風は春 さと子
菜の花がおわんに咲いて春が来た 千代見
CDを聞きつつ春を植えて行く 光 代
春の風今年も花粉連れてくる のぶ子
春がきた頭にも来た猫の恋 徳 子
街中に怪しい人が増えてきた 恭 子
春一番スカートめくる風になる 可 福
狭き庭春告げ鳥が賑やかい 晴 康
春めいて旅のプランのあれやこれ まつ子
度忘れを春のうららのせいにする 美智代
好きな人出来たとメール娘から 博 司
万歩計ひと足先に春を行く 獏 沓
春一番ミニスカートが舞い上がる のぶ男
彼いない歴十年を卒業だ 奏 子
縁側で舟漕いでいる母とネコ 博 司
山焼きも無事に片付け春目覚め しげる
嬉しくてちょっと寂しい子の巣立ち 恭 子
新天地ここでおっきな花咲かす ユタカ
束ね髪ほどいて春に溶けている ふく子
花びらが貼りついてくるランドセル 弘
妻よりもテイッシュボックス抱いて寝る
野次馬
五 客
春が来るやさしい風に背を押され 敏 子
着ぶくれた服を脱いだらめだつ腹 修 市
ふきのとう春の苦味を持って来る 勝登志
春風がせっせと運ぶ杉花粉 だがやん
桜咲く下でこっそり頬にキス ユタカ
人 位
北国に善意の花が咲いて春 鰹
地 位
日本のこころへサクラ咲き誇り 弘
天 位
セピア色ウインクされて色を染め 美智代
宿 題 「た、か、ね」折り句
望月 弘 選
旅鴉帰る場所ない根無し草 だがやん
楽しげに会話している葱坊主 由利子
ただいまと帰って来るの願ってる 三根子
旅の宿風の気儘に寝付かれず 由利子
大切な家宝売ったら値切られた 竹 水
炊き出しの感極って眠られぬ 重 雄
建て前を書き直してる願い事 益 代
大金を借りてまで買う値打ちもの 二三子
立ち上がる金と女に根が深い 満 月
たらればの過去が今夜も眠らせず 鰹
大金を稼ぎすぎても眠れない 信 一
大切な彼がモテすぎ眠れない 恭 子
大海を描いたオイラの寝小便 さとみ
溜め息が歓喜に変わるネット裏 やむ茶
大将と担がれるのは願い下げ 亘
対岸の火事を見ている寝ぼけ顔 千恵子
足して引き掛けて割っても根は同じ 信 一
叩かれて簡易に落ちぬ粘り腰 獏 沓
頼もしい肩へもたれてねえあなた よし子
大変だカラスが種を狙ってる 千代見
大地震壁のヒビまで捻じれてる 由 美
たんと飲み母さんの背でねんねしな 静 枝
嫋やかに格好つけて猫かぶり まつ子
確かめて考え込んで眠れない 竹 水
竹の子の顔を見たくて根をせせる 智 子
タンス預金価値は変わらず眠ってる 二三子
立て替えて貸したお金を値切られる 長 仁
五 客
旅の宿解放感で寝そびれる さと子
旅先で買ったこけしが眠りこけ ふく子
立ち上る革命の火はネットから 哲 也
例えばの過去の話にねむくなる 益 代
頼もしい彼も苦手の猫がいる 千恵子
人 位
叩かれた肩がすなおに眠れない 敏 子
地 位
たじたじと彼氏が父に値踏みされ 武 人
天 位
逞しい母ちゃんだって熱も出す 好 子
宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑨雨の日もいいな一冊読み終える 由利子
⑨追伸の一行だけが本音です 奏 子
⑤地球儀に静かな時間帯が無い 博 司
⑤旅に来て時計を少し遅らせる 義 子
④ハイテクのその手で来たかカンニング 静 枝
④国会中継耳栓がほしくなる 徳 子
④ウソつけぬ鏡はオレを全て知る 夕 介
④悲しみが鮮明すぎるテレビジョン 弘
④ひそひそが素通りをする蚊帳の外 千恵子
④再会の駅はもうすぐ深呼吸 豊 子
④肩組んで飲んだ仲間だ裏切れず 廣 司
③ボロ隠しするため化粧する言葉 やむ茶
③生きて行く儀式か三度飯を喰う 輝 男
③来年のことは解らぬ田の支度 獏 沓
③アドバイスしっかり聴かぬ馬の耳 天 子
②復興が日本の腕の見せ所 由 美
②夫と解りトーンが下がる電話口 益 代
②神様とどこに行ったのさがしてる 三根子
②しわせな時間は圏外からもどる くにこ
②ビル谷間ちいさな空に星ひとつ 敏 子
②春めいてハックションです大魔王 好 子
①膏薬の手に教わった障子張り さと子
①嬉しいの言って言われてありがとう洋 未
①世も変わりキーが申告確定し 光 代
①また春へ年をぼかして若返る ふく子
①被災地にかける言葉がみつからぬ 居久美
①大津波相撲政治の紙面消す 信 一
①削除キー押して夕日へケセラセラ 義 子
①おばちゃんを静かにさせる蟹料理 智 子
①格言は人の心でできている 哲 也
①替えたいな古い畳と自家用車 長 仁
①万という運命束に大津波 のぶ男
①足音をしのばせてくる春の風 千代見