平成二十三年 九月十七日 た か ね 定 例 句 会
於 アイセル21
参加者(順不同)谷口さとみ、佐野由利子、稲森ユタカ、望月弘、川村洋未、林二三子、望月満月、市川重雄、小野修市、勝又恭子、中野三根子、尾崎好子、加藤鰹、松田夕介、曽根田しげる、井口薫、瀧進、長澤アキラ、増田信一、杉山光代、高瀬輝男、池田茂瑠、薮﨑千恵子、南天子、畔柳晴康、大塚徳子、山本智子、内山敏子、西垣博司、岡村廣司、石田竹水、成島静枝、酒井可福、薗田獏沓、中矢長仁、鹿野太郎、川島五貫、濱山哲也、川口亘、小林ふく子、毛利由美、滝田玲子、森田安心、八木益代、藤田武人、栃尾奏子、石上俊枝、伊藤泰史、野中雅生、山口兄六、鈴木まつ子、杉山とんぼ、大塚徳子、中川司、深澤ひろむ、鈴木千代見、斉尾くにこ、渥美さと子、川口のぶ子、永田のぶ男、那須野正明、山本野次馬、荒牧やむ茶、恩田たかし、森だがやん、野中とし子、提坂まさえ、宮浦勝登志、萩原まさ子、真田義子、川村美智代、馬渕よし子、安藤千鶴子、森下居久美、梅島寿一、川久保峰夫
宿 題 「なでしこ」 杉山 光代 選
なでしこが大手を振って金メダル しげる
ふる里の絵に撫子が揺れている 鰹
なでしこが瓦礫の隅に咲き誇る 弘
サッカーで大和撫子気を吐いて 千恵子
全員が心あわせて世界一 修 市
なでしこが突然変異した日本 夕 介
なでしこの可憐大和を背負って立つ 好 子
なでしこをまじまじと見る散歩道 信 一
女子サッカー花の撫子世に知らせ 洋 未
栄光の重さに負けぬなでしこへ 輝 男
河原にも響くなでしこ応援歌 アキラ
なでしこが暗い空気に穴開ける 信 一
憧れのなでしこの君 人の妻 由利子
撫子と呼ばれた妻の成れの果て 由利子
なでしこのオリンピックを待つ日本 重 雄
なでしこの経済効果ウン億と 重 雄
日本中なでしこの花種が飛ぶ 洋 未
なでしこが女子サッカーを盛上げる 重 雄
日本の誇りなでしこ胸を張り 輝 男
なでしこは花も女もたくましい 鰹
ひっそりと咲いたなでしこ今話題 三根子
ナデシコも芯に持ってる気の強さ 千恵子
なでしこと言われ世界に名を上げる 千恵子
五 客
なでしこと騒がれ時の人となる 千恵子
なでしこの優勝しての花見酒 重 雄
なでしこのような美人にあこがれる 千恵子
なでしこが世界に日本広めてく 修 市
菅さんもあやかりたいと会いに行く 修 市
人 位
品もある真のなでしこ今いずこ 夕 介
地 位
花言葉変えたジャパンの金メダル さとみ
天 位
セシウムに負けない花へ栄誉賞 弘
宿 題 「ぶ ら り」 薮﨑千恵子 選
ぶらり旅一期一会の恋拾う 徳 子
黄昏のぶらり寄り添う影ふたつ 千代見
ご希望に満ちて女とぶらりする 満 月
実り過ぎゴーヤぶらぶら食べて無く 光 代
当てはないだけど家にも居られない やむ茶
小京都ぶらりナンパの風に乗る 可 福
出勤をさぼり駅から街へ消え 修 市
ぶらり来る何もやらない作業服 太 郎
ゆったりとへちまがぶらり揺れ動く まつ子
孫たちとぶらり出掛ける小銭持ち 獏 沓
ぶらり出て赤提灯に吸い込まれ 亘
雨続きてるてる坊主泣いている 益 代
一寸そこまで猫に挨拶して出かけ 輝 男
立ち寄った本屋で時間忘れてる 二三子
男湯の洗い場あたりにあるぶらり 弘
ローカル線気軽にぶらり一人旅 二三子
瓢箪のぶらりぶらりと秋最中 敏 子
蜘蛛の糸ぶらりと垂れて通せんぼ 由利子
湯の町にぶらり繰り出す下駄の音 進
ぷち家出ぶらりひと駅ほどの旅 徳 子
あてもなくそぞろ歩きの秋を汲む まつ子
列はずれ恋の道草などぶらり くにこ
宛もなく下駄を鳴らした散歩道 可 福
鈍行で日本一周ぶらり旅 由利子
ぶらり来た道だ砂利でもかまわない ふく子
徘徊に見えないように背を伸ばす 五 貫
美味しそう往ったり復たり腹の虫 智 子
耳タブを揺れて泣かせるイヤリング 竹 水
酷残暑ぶらりデパ地下秋を見る 重 雄
一人旅ぶらりぶらりとする私 三根子
取れかけたボタンが何か言いたそう 千代見
下駄鳴らしぶらり酒場の戸をたたく 野次馬
いいものがぶらりと寄った店にある 恭 子
放浪の旅に出たいが暇がない 武 人
修飾語省いて席に戻ります 茂 瑠
仏像のとりこになったぶらり旅 薫
くたびれたネクタイぶらり終電車 洋 未
お気軽にぶらりおいでと言うエステ 好 子
五 客
気のせいか義母のぶらりは作為的 さとみ
ぶらり寄り急に来るなと怒られた たかし
食いしん坊ぶらり立寄るデパ地下へ 洋 未
嬉しいな友がぶらりとやって来る 三根子
さみしくてぶらり街まで充電に 夕 介
人 位
目の保養だけど財布の許可がいる 弘
地 位
予定表無いのが魅力一人旅 奏 子
天 位
ハンガーに私の今をぶら下げる アキラ
宿 題 「秋だなあ」 長澤アキラ 選
肌寒いはしゃいだ後の帰り道 五 貫
恋ごころ君も紅葉も染めて秋 奏 子
あんなにも暑く嫌いな夏恋し 修 市
秋風がひんやり僕を起こします 武 人
虫たちのオーケストラに耳を貸す 信 一
秋だなあ体重計が踊り出す のぶ子
いわし雲ゆれるコスモス赤とんぼ とし子
サンマ焼く匂い振りまく換気扇 千恵子
秋だなあパンツのヒモがきつくなる 三根子
秋だなあ埋めた火種を思い出す 敏 子
秋だなあ美術館にも足が向き 好 子
秋だなあ誰かに文を送りたい 輝 男
秋だなあお腹の虫も鳴きだした だがやん
コスモスが風もないのに揺れている 五 貫
スカートのホックが悲鳴あげている 弘
テレビから秋の味覚がこぼれ出る 千恵子
三十度でもデパートは秋の色 益 代
紅葉に負けじと群れる赤トンボ 信 一
髪型を着物に合わす秋の柄 獏 沓
風評の海を泳いできたサンマ 鰹
キンモクセイほのかに匂う塾帰り 玲 子
血がにじむ炎を抱いた曼珠沙華 ふく子
田のかかしユニクロまとい澄まし顔 勝登志
朝市に山と積まれた柿や栗 二三子
新米のチラシが町を秋にする ひろむ
蜩が真夏の恋を締めくくる 千代見
五 客
お下がりを着た案山子達立ち始め 廣 司
燗酒によしずを畳む虫の声 野次馬
斜めから松茸を見る八百屋前 やむ茶
壁の絵を明日ミレーに替えましょう さとみ
彼岸花律儀に暦どおり咲く まさ子
人 位
秋だなあウインド覗く好奇心 しげる
地 位
半額にしても花火の売れ残り 哲 也
天 位
秋いっぱい詰め込み母の荷が届く 由利子
宿 題 「 手 」(表現自由)
加藤 鰹 選
カード切る手つき成程遊んでる 由利子
酒に乗りやたら女性に握手する 安 心
口下手が呑んだ途端に絡みだす 長 仁
世の中を守る大きな手を希望 天 子
いたずらな手がご婦人に叩かれる 弘
左手でちょっかいを出す運転手 安 心
ホレちゃった手と手が触れただけなのに 夕 介
ころんでも手も足も出ず顔で受け 洋 未
豊作だ猫の手までと思う秋 晴 康
手編み風セーター買ってプレゼント 由 美
欲の手が詰め放題に神の業 千恵子
その手に乗らぬその上を行く偽息子 さと子
手に入れたとたんに色褪せる興味 恭 子
やっと手に入れた自由をもてあます 恭 子
手の平をあっさり返すマニフェスト 修 市
母の手を離して少女脱皮する アキラ
殴るのも握手するのもおんなじ手 輝 男
挙手をしてから答弁を考える 信 一
片付けが出来ぬ夫の手酌酒 静 枝
神の手を持つ職人が減ってきた 二三子
懺悔した手で平然と武器作り 輝 男
善悪の手は同じでも血は違う のぶ男
手を焼く子親の介護に携わる 千代見
病床の手先が踊る祭り笛 可 福
手も足も生臭いから生きられる ふく子
そんな手があったと祭り終えてから 弘
手の平の厚みが語る半世紀 武 人
顧みる小さな手にも想い寄せ 満 月
勝ち馬に手の平返し乗っている 千恵子
手の匂いおやじの香り思いだす たかし
少し手が冷たくなったねと二人 とんぼ
逝く時にたっぷり撫でた冷たい手 智 子
手の中に隠した嘘はかわいいよ 竹 水
手のひらにホラ幸せの種ひとつ 奏 子
不器用に生きた大きな荒れた手だ アキラ
五 客
マニキュアの手が持ち上げる大ジョッキ
敏 子
被災地へ走る表裏のない軍手 薫
手の躾わるくて君の肩を抱く 博 司
手土産に恋人つれて慌てさせ しげる
マニキュアを赤に変えたら手がはしゃぐ
三根子
人 位
バス待ちへ笑いころげる手話の子等 敏 子
地 位
手相にはなかったこんな別れ方 さとみ
天 位
素手になる幸せキャッチするために 哲 也
宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑩ほどほどの距離があっての心地よさ益 代
⑨雲行きが何か変だと酔った振り 千恵子
⑥したい事できる幸せ噛みしめる 由利子
⑤僕の肩枕に夢を見る他人 武 人
⑤スーパーに季節の行事教えられ 由 美
⑤伸びきった輪ゴムが知っている苦楽ふく子
④脚光を浴びたどじょうが鍋の中 信 一
④うまいなあ人の握ったおむすびは 夕 介
④風評とジルバを踊るシーベルト 進
④自分史に未だ出てこぬ最盛期 可 福
③跳ね方が下手で小さな空の下 アキラ
③地震火事津波原発軽い口 智 子
③結婚で知ったいびきの想定外 重 雄
③空白の時間ゆっくり埋める旅 義 子
③名月が照らす奇跡の強い松 玲 子
②コーヒーの苦味を知って父を知る やむ茶
②秋なすを嫁の方から食卓へ 勝登志
③宿題のやり方で見る子の未来 さと子
②夏草に降参したと頭さげ 光 代
②気分よく酔って振る舞うのも若さ 竹 水
①西に背を向けると太陽が笑う 野次馬
①どじょう鉢金魚鉢よりよく売れる のぶ男
①一番を取る方程式がわからない 安 心
①止まりそうまた動き出す夫婦独楽 千代見
①手の内を見せれば同じフォーカードさとみ
①そわそわと孫の来るのを待つふたり徳 子
①エコすると古い浴衣で若返る 晴 康
①中元も歳暮もコメにして欲しい とんぼ
①引いてます受ける季節にする構図 茂 瑠
①満月のあかりの下で祈り出す 三根子
①九条の許容範囲にいる軍手 弘
①美辞麗句勢揃いした祝辞だな 輝 男
①巣立つ子へ親の思いが伝わらず 二三子
①人生の一歩踏み出し踏み外す ユタカ
①私の手不思議なパワー出ています 天 子
①人材と煽てて古希をこき使い 廣 司
①三つ指の時効上からモノを言う 博 司
①放送局向う三軒火花散る 敏 子
①ご夫婦に敬老会のご招待 長 仁
①背伸びして見る復興の港町 太 郎
①首締める安いほうへと向かう足 五 貫
①国難は出発点になっている 哲 也
①建前と本音尻尾を出さぬよう まつ子