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霜石コンフィデンシャル75   高瀬 霜石

「衝 撃 の 告 白」
 
 本誌の1月号に、ホンダの組み立て工場のある鈴鹿へ行き、体験ツアーに参加した(11月半ば)事を書いた。そしたら12月始め、いきなりF1レースからの撤退宣言。あれは驚いた。今回はその続き。
 運転席と助手席はシートベルトをするけれど、後部座席はまずしないでしょ。最近、高速道路では義務づけられたけれども、一般道では、なるたけした方がよいですよという程度で、罰則も罰金もないはず。
 でも、実際に急ブレーキをかけた試乗車の後ろに乗ってみると後ろもかなりの衝撃。体重の軽い人はフロントガラスへ一直線に飛んでいくだろうし、重い人は自分の重さで自分の骨を間違いなく折るだろう。必ず、必ず、後部もシートベルトをしないとダメと知った。
 そこのあなた。ひょっとして、事故が起きてもエアバッグ(正確には、SRSエアバッグ)が守ってくれるから大丈夫なんて思っていませんか?
 このSRSは、サプリメント・レストレイント・システム(補助拘束装置)って意味なんだとさ。つまり、エアバッグはあくまで脇役。とにもかくにも、シートベルトが絶対の主役と覚えておいて下さいませ。
 エアバッグが作動するのを体験した人はあまりいないだろう。とにかく、もの凄い音なのだ。作動するとか、開くとか、そんななまやさしいものじゃない。
 破裂!爆発!と言った方が正しい。プーンと火薬が匂うからなおさらだ。心臓が悪い僕は、死ぬかと思ったくらい。そしてこんな実話を思い出した。
 「むかし戦争で耳が聞こえなくなった一人のお爺さんがいた。子供や孫が勢揃いし、耳の手術のためにお金を集めた。医学の進歩もあって手術は無事成功。そのお祝いのパーティで、シャンペンをポンポン抜いた。その音を聞いてお爺さんはびっくり仰天。トラウマというやつか、心臓麻痺でポックリ逝っちゃった……」
 実験が終わった後にこっそり係員に尋ねた。「この音じゃあ、たとえ事故で助かったとしても、心臓麻痺で死ぬんじゃないの?」係員はにっこり笑って、僕に答えた。「お客様。大丈夫です。事故が起きた時は、それはそれはスゴォーい音がします。エアバッグの音なんざあ屁でもありませんよ」だと。
 待ちに待った春。でも、スピードは禁物です。
霜石コンフィデンシャル | Link |
(2009/05/29(Thu) 14:58:34)

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