平成二十一年 九月十九日 定 例 句 会 於 アイセル21
席 題 「ぽんこつ」 長澤 アキラ 選 ぽんこつも立派な資源再利用 好 子 ぽんこつが国会を去る秋時雨 由利子 初めからぽんこつだから怒られず 卓まる 此の家も此の住民も老朽化 好 子 少しだけ愛がありますポンコツ車 鐘 雄 ぽんこつが伝え教える生きる術 和 一 腰痛い 肩も痛いし 金もない 鰹 大丈夫三回蹴ればパッとつく さとみ ぽんこつをもったいないが化粧する 弘 うちのより良い自転車が捨ててある さとみ コケそうな音で走ってくるバイク 明 美 ぽんこつの後姿に教えられ 和 一 ポンコツをうまく煽てて働かせ 信 一 五 客 石段に叱られている老いの足 輝 男 テレビつけうちのポンコツ高鼾 由利子 ぽんこつと小突き合いつつ仲直り さとみ ぽんこつの私支える君の杖 さとみ ぽんこつでも貴方のそばに座りたい しげる 人 位 ポンコツと呼ぶな昭和を駆け抜けた 鰹 地 位 ポンコツの二人で歩む余生です 信 一 天 位 ポンコツにしたくないのは地球です 信 一 軸 吟 ポンコツになった地球を悔やむ神 アキラ
宿 題 「ほ、で始まる句」 勝又 恭子 選 ほどほどの幸せでいい君となら 弘 ほっぺたをキュッとつねった帰り道 卓まる 本当は何も無かった朝帰り アキラ ボランティアちょっと心のお裾分け 哲 也 ほつれ毛が気になる朝の化粧前 のぶ子 本名で呼ばれ三秒気がつかぬ さとみ ほんとかとうまい話の二重底 重 雄 本心は笑顔のうちに隠される 進 ほほほほと仮面で笑うクラス会 博 司 ほころびた心繕う合わせ糸 和 一 抱擁のあと難しい離れ方 五 貫 本当になれたトップにうろたえる 修 市 包帯をグルグル傷がなお目立つ 五 貫 放課後は大人に化ける子ども達 哲 也 ホレた弱みで一生頭上がらない 徳 子 ほめられてチンしたことは言い出せず 千代見 ホッとするこんもりとした婦長の背 太 郎 本気かしらあなたのお口乗せ上手 まつ子 ほめ言葉積極的に人を変え 獏 沓 ほほ笑みの奥の企み読みきれず 敏 子 惚れた分耐える女房の尻の下 進 ほろ酔いが見た事もない駅に降り 廣 司 ほとぼりが冷めるまで待つ深呼吸 ふく子 ほどほどの良さを知らない子が切れる 二三子 惚れられてよりも惚れ込む方が良い 好 子 ほつれ目が隠しきれない倦怠期 明 美 頬にキス袖で拭き取る愛娘 だがやん 誉め上手生徒がピュンと伸びている 可 福 報告書偽装のように書かされる 野次馬 骨のある弟子を心の内でほめ 獏 沓 五 客 仏とも思う介護の手の配り アキラ 掘り出した記憶に残るほろ苦さ 和 一 干し芋よ お前もメイドインチャイナ 鰹 誉められて何かあるなと身構える 美佐緒 飽食の世だな胃腸科混んでいる 廣 司 人 位 本当はガラスでできていた絆 美佐緒 地 位 本当の事は知らない机上論 由利子 天 位 星三つだね新米にメンタイコ 鰹
宿 題 『あこがれ』 林 二三子 選 鞄持ち億の話をしてみたい 獏 沓 借金のない生活にあこがれる たかし あこがれた夢は果てない片思い 豊 子 クラス会憧れの君影もなし だがやん 卒業式第二ボタンを狙ってる 千恵子 憧れが木っ端微塵のクラス会 哲 也 あの頃のままでよかったクラス会 野次馬 中流を目指して生きたお母さん 鐘 雄 夢の中憧れの人年とらず 俊 枝 トラさんを実らぬ恋の師と仰ぐ 和 一 あこがれと現実の差に笑う影 まさ子 ためらいも無く空軍へ憧れた 廣 司 片思いドラマを綴る日記帳 進 風に乗り越えてみせたい天地人 まつ子 赤門の前で胴上げされた夢 静 枝 あこがれのスター夢見て親を捨て 輝 男 お姫様抱っこしたいが妻重い だがやん 成人になればお酒が飲めるんだ 長 仁 ちらし裏二三通りの間取り画き 獏 沓 堪え忍び生きて自由に憧れる 由利子 六十を過ぎて未来へ夢を持ち 修 市 あこがれの服試着室だけにする 千代見 裕ちゃんはいのち小樽へ二度三度 弘 あこがれの仕事につけて靴を買う 洋 未 あこがれの制服旨にリボンゆれ 洋 未 あこがれた人も何処かで老いている 敏 子 今はもうできないことにあこがれる 恭 子 五 客 オットセイ人間なみの手がほしい のぶ男 こんなにも夢中にさせる今日の君 三根子 口下手な僕 落語家になった夢 竹 水 バク転をしてもキムタクにはなれぬ 鰹 顔埋める胸とくびれと揺れる腰 さとみ 人 位 ドキドキが同じ電車で加速する まさ子 地 位 幼稚園お花屋さんの夢を描く 弘 天 位 のんびりと田舎ぐらしをする余生 千恵子
宿 題 「若 い」 高瀬 輝男 選 若者に伍して鍬振る祖父の意地 豊 子 新米の医師の白衣が白すぎる 由 美 まだ若い過信の駅を胸に持つ 茂 瑠 アルバムに夢を語った顔並ぶ 千代見 若いだけただそれだけでモテた頃 卓まる まだ若いそんな気になる巣鴨駅 薫 何にでも若さを武器にしてしまう 千恵子 徹夜明け元気に朝をたつ姿 卓まる 老人は過去を若者今を食べ 薫 若者の掌 明日の夢掴む 由利子 老けること知らないボクの恋ごころ 弘 シナリオにない少年の正義笑む さ き 失言の責めが若さに救われる 進 若いのねそんな言葉を耳にする 亘 ギャル達のパワーを食べている元気 竹 水 少年の憧れているパラダイス 鐘 雄 言い訳は若い者ゆえあと出ない 晴 康 今どきの若さをなじる几帳面 美佐緒 欠点も魅力に見えた若かった しげる 未来地図ピンクの和紙に描く少女 鐘 雄 声変わりして十代がジャンプする 穂々美 大変だ じいちゃんがまた恋をした 鰹 若き日の二人にもどる月見草 敏 子 恋という不老長寿の薬呑む 和 一 日本の顔が少しは若くなり 修 市 五 客 まだ若い若いと呪文唱えてる 哲 也 短パンの脚すっと伸び夏の浜 穂々美 若かった怖いものない一気飲み 長 仁 勇み足有ってもいいさ若い内 廣 司 若夫婦古いしきたり打ち破り 廣 司 人 位 少年の一途が走る明日の夢 アキラ 地 位 ちぐはぐなファッションがいくギャルの街 千恵子 天 位 若い時 苦労買ってもやってみろ たかし 軸 吟 改革の狼煙若者うち上げろ 輝 男
宿 題 「自由吟」 互 選 Iうっかりと風に聞かれたひとり言 千代見 G泥んこを笑うしかない子の元気 二三子 Gオクターブ下げた話に耳が寄り 由利子 F忠告を素直に受けて丸い月 千恵子 F回り道してから気付く幸せ度 和 枝 Eほろ酔いの夜はなんだかサスペンス 義 子 D砂糖壷自分のフタは固くしめ 洋 未 Dこう言っちゃなんなんだがと出る本音 五 貫 C連れ添った妻が墓には回れ右 信 一 B恋をしてまた新しい趣味をもつ 恭 子 B価値観が違ってました定年後 好 子 B赤ちゃんに笑われるのはいい気分 由 美 B言い過ぎて渇く心へコップ酒 竹 水 Bひっそりと生きてる杖に差す朝日 太 郎 A逆さまの自分を笑い深呼吸 卓まる A少年の眼は明日を疑わぬ アキラ Aホスピスの友に笑いのプレゼント 可 福 A共白髪介護するやらされるやら 博 司 A入院の親方見舞うアミダくじ 漠 沓 Aちびちびと二リットル飲む検査薬 長 仁 A真っ青い空に元気と書きたくて ふく子 @一日でどっち向いてもハトだらけ 尚 @脳死までキレイな嘘で生きのびる 輝 男 @見た目より実はデリケートな私 明 美 @ささくれた心癒しの一行詩 よし子 @楷書体崩さぬ父の駅がある 美佐緒 @セールスの手中にはまるロハの品 静 枝 @のりピーのファンではないが凹みます 哲 也 @おまけだけほしい本を買っている 徳 子 @肩書きを錦と纏い天下り 廣 司 @ダイエット名残りの皺が憎らしい 進 @物忘れ奥歯で物が吐き出せず まつ子 @カナリヤも私も愛の歌忘れ 茂 瑠
参加者(順不同)谷口さとみ、今井卓まる 増田信一、山下和一、勝又恭子、佐藤明美 長澤アキラ、川村洋未、望月満月、中田尚 尾崎好子、佐野由利子、望月弘、望月鐘雄 永田のぶ男、加藤鰹、曽根田しげる、瀧進 林二三子、中野三根子、高瀬輝男、川口亘 大塚徳子、内山敏子、小野修市、中矢長仁 鹿野太郎、加茂和枝、薗田獏沓、西垣博司 毛利由美、池田茂瑠、川島五貫、市川重雄 井口薫、鈴木まつ子、竹内さき、酒井可福 小林ふく子、篠原久、真田義子、濱山哲也 芹沢穂々美、鈴木千代見、藪崎千恵子、中 川司、山本野次馬、戸田美佐緒、岡村廣司 馬渕よし子、川口のぶ子、提坂まさえ、川 村美智代、森だがやん、石上俊枝、萩原ま さ子、恩田たかし
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