静岡川柳たかねバックナンバー
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平成二十一年 十月十七日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題「 独 」 山下 和一 選
夢を追う酒に恋して独り寝る    修 市
君の居ぬ日曜の午後独居房     卓まる
独語の様なカルテに気が沈む    のぶ男
ああ独り生命線があくびする     尚
独り居を慰めている虫の声     千恵子
独り身を堪能してる赴任先     修 市
マイク握り独りじめする音痴だね  しげる
赤い糸掴まえられずまだ独り    千恵子
虫がつく私ですが独り好き     さとみ
和にとけず独り善がりで嫌われる  二三子
独身をエンジョイ妻は旅行中     鰹
アラフォーでレシピばかりが増えている 弘
その裏でタンマリ儲け独禁法    輝 男
独身よ鼻に高さが足りなくて    茂 瑠
暖かな絵を独房へ送りたい     茂 瑠
恋の歌今日も独唱窓の下      卓まる
秋風へひとりぼっちになる覚悟   恭 子
独り身も気楽と少し見栄もある   修 市
独自性崩れる尻尾長すぎて     茂 瑠
はしゃぎ過ぎたった独りのかくれんぼ アキラ
 秀 句
独断へ針の筵が待っていた     恭 子
独りっ子ママの笑顔はボクのもの   尚
独酌は天下をとれる無礼講     のぶ男
独学の祖母にもらった知恵袋    さとみ
独り占めしちゃダメ僕は人気者   卓まる


宿 題「み、で始まる句」 薮崎 千恵子 選
身に付いた趣味に余生の道標     進
見事だなあこれが偽作と思えない  輝 男
未熟さを笑顔でカバーしています  居久美
耳鳴りを少しなだめる星月夜    敏 子
三つ指の指が謀叛の旗を織る    美佐緒
耳よりな話群がる欲の月      玲 子
耳打ちを大声出して聞き直す    長 仁
見透かした嘘にゴメンと透かしあり 卓まる
未来こそ自分を変える晴れ舞台   和 一
見上げてごらん月にウサギがまだいるよ 哲 也
ミステリー君が隣にいる事が    洋 未
未送信戻れぬ恋に指震え     だがやん
見損なったなんて期待がでかいだけ 五 貫
身綺麗で常に有りたい心うち    のぶ子
耳たぶが大きいだけじゃ来ない嫁  哲 也
見栄張ってヒールに泣いた帰り道  居久美
身動きが出来ぬ困った試着室    玲 子
見落とした落書き孫の自己主張   しげる
身から出た錆を磨いてやり直し   しげる
妙齢の妙が時々崩れだす      茂 瑠
満ち足りた暮らし心にすきま風   千代見
身の丈の海で私を崩さない     さ き
見て見ない振りもいつしか介護され  亘
味方から飛ぶ忠告は的を射る    廣 司
見違えた君の化粧は素晴らしい   ユタカ
見えみえの嘘が透けてる捨て台詞  豊 子
ミーハーな私この世はおもしろい  静 枝
身がまえてしまう猫なで声だから  恭 子
耳も目も口も達者で嫌われる    由利子
見るだけで今日も楽しいショッピング三根子
 五 客
耳朶でおんなの私揺れている     弘
磨いたらわたしダイヤになれるかも 恭 子
ミラクルの母が育てた一ダース    弘
見栄捨てた日から世間が広く見え  二三子
見た目より豊満でした以下余白   由利子
 人 位
満ち足りた暮らしに飽きている金魚  鰹
 地 位
未公開シーンのままのプロポーズ  卓まる
 天 位
水割りを指でカラカラ恋終わる    鰹


宿 題「亭主関白」 谷口 さとみ 選
関白も留守だと行事捗らぬ     晴 康
ささやかな亭主関白朝寝坊     洋 未
友達が居る間だけいばってる    三根子
威張っても所詮女房の五指の中   二三子
夢の中亭主関白やってみる     三根子
手のひらで泳がせている妻の術   豊 子
真相はかかあ殿下という噂      弘
関白もかしこき妻があってこそ   修 市
亭主関白どう飼いならす妻の腕   しげる
新婚さん亭主関白辞書にない    洋 未
メシフロと言ったら判がとんでくる  尚
やりくりに疎い亭主の空いばり   豊 子
ひとりではクスリも飲めず小言いい すみと
偉そうな父が家庭で浮いている   由 美
家計図に親父の牙が捨ててある   野次馬
ハイハイハイそうそうそうで煽てあげ 好 子
賢妻は関白様にさせておく     廣 司
妻の手の中で関白オーイお茶    太 郎
手の平の関白様が愛しく      和 枝
客が来て威張った分の倍返し    恭 子
客が去り亭主関白衣替え       進
そうさせた妻が悪いと皮肉られ   穂々美
 人 位
煽てられ亭主も昇る天守閣      進
 地 位
から威張りする亭主でも居て欲しい 廣 司
 天 位
関白で妻の不倫に気付かない     弘


宿 題「秋らしい一句」 望月 弘 選
秋風にのって団地はレストラン   卓まる
秋桜はにかむように人を呼ぶ    美佐緒
腹の虫今日は秋刀魚か松茸か    居久美
馬肥ゆる秋を体感しています    恭 子
ハラハラと落葉の私語が哀しくて  ふく子
豊作の祭り神代の風が吹く     美佐緒
ふるさとの秋が届いたゆうパック  廣 司
食べるもの美味しくなってメタボ腹 長 仁
芸術の秋団栗も文化祭       静 枝
掃き寄せた落葉を風がもってゆき  獏 沓
コオロギがショバ代をとる狭い庭  穂々美
秋の空あれ弱虫が泣いている    美智代
清水のもみじ舞台を盛り上げる   まさ子
ビールから熱燗にする縄のれん   博 司
災害の村もきれいに紅葉する    徳 子
焼き芋の笛に乙女も踊らされ     鰹
すすきの穂サボれサボれと子守唄  卓まる
秋になりイベント多く休みなし   たかし
ため息がつい深くなる秋の酒    五 貫
おみなえし萩も欲ばる詩仙堂    すみと
風邪引くぞ孫のお臍を仕舞わせる  晴 康
白内障眼帯解けた柿の色      重 雄
食欲の秋終わったらダイエット   好 子
コンバイン音高らかに秋日和    由利子
ダイエット秋の味覚に寄り切られ  信 一
愛されて少し嫌われ彼岸花     まさえ
陽焼けしたウデを長袖つつみ込む  修 市
虫が鳴く声聞きたくてテレビ消す  まさ子
親知らずぬいたら秋がおいしいナ   尚
松茸の噂話しを食べている     竹 水
松茸か秋刀魚か迷うレジの前    野次馬
草虱つけて出てくるかくれんぼ   まつ子
 五 客
散歩道紅葉の雨が降り注ぐ     ユタカ
栗の字が季節限定だと騒ぐ     俊 枝
秋だなあ髪がこの頃うすくなる   輝 男
栗拾う迷いを一つ置いてくる    まさえ
コスモスに心映して揺れている   恭 子
 人 位
どこまでも一直線の澄んだ空    アキラ
 地 位
クレヨンで描けばもみじ踊り出し  ふく子
 天 位
一枚の栞を探す秋の夜       茂 瑠


宿 題 「自由吟」  互 選
Fお膳立て整い過ぎている不安   千恵子
D難問を消化するまで噛んでいる  しげる
Dくるくると変わる心を持て余す  義 子
D結論は一つじゃないと星が言う  哲 也
D送りがな一つを変えて立ち上がる ふく子
C蹴飛ばした親の言葉を思い出す  太 郎
C押し黙る妻持て余す秋の空    静 枝
Cどちらとも決めかねているやじろべえ 恭 子
C引き出しが増えるばかりで奥がないのぶ男
B人事課へ初老の旗を置きに行く  野次馬
B始発駅女が罠を整える      美佐緒
A買い換えたメガネやっぱりずり落ちる 長 仁
A地球美化僕もタマには草むしり  輝 男
A抽選日までは大事にされるクジ   弘
A物価高嘆く割には多い無駄    徳 子
A選挙前だけ訪れるお友達     由 美
Aなぜかしら今日は涙が止まらない 三根子
A思い出は二人でひとつフルムーン 二三子
@時々は妻の干潟を掘ってみる   茂 瑠
@度の合わぬメガネが足にかぶりつく 安 心
@千鳥足トイレに向かいヨーイドン  豊
@不倫など許されないが憧れる   由利子
@脳細胞うまい酒だとしゃべり出す 洋 未
@風呂の中パパと一緒に二二んが四 敏 子
@ストレスとウソ嘘うそで息が切れ  尚
@貝殻が無くした声を探す海    卓まる
@葉脈を残し私のレントゲン    千代見
@二人とも無口になって秋深む    鰹
@お姫様抱っこしたいが妻重い   だがやん
@生きる為とは言え友を裏切れず  廣 司
@絡みつく視線ドキドキ姥桜    信 一
@喜びは汗と涙の使い分け     和 枝
@二番目はもう青でない交差点   さとみ
@スパークの危険密度にある二人  可 福


参加者(順不同)佐野由利子、長澤アキラ
高瀬輝男、池田茂瑠、中田尚、薮崎千恵子
中野三根子、望月弘、林二三子、山下和一
勝又恭子、今井卓まる、今井正美、今井侑
永田のぶ男、曽根田しげる、谷口さとみ、
加藤鰹、小林ふく子、畔柳晴康、毛利由美
大塚徳子、岡村廣司、薗田獏沓、成島静枝
瀧進、鈴木まつ子、飯塚すみと、西垣博司
尾崎好子、内山敏子、中矢長仁、滝田玲子
小野修市、市川重雄、川村洋未、鹿野太郎
川島五貫、森田安心、安田豊子、濱山哲也
竹内さき、石田竹水、加茂和枝、増田信一
鈴木千代見、戸田美佐緒、山本野次馬、中
川司、芹沢穂々美、川口のぶ子、石上俊枝
川村美智代、提坂まさえ、萩原まさ子、那
須野正明、恩田たかし、川口亘、酒井可福
森だがやん、稲森豊、森下居久美



定例句会 | Link |
(2009/12/28(Sun) 12:47:26)

平成二十一年 七月十八日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「印象吟」  森下居久美 選
熱帯夜地球にぐるりカーテンを   洋 未
揚げました一個の飴で白旗を    茂 瑠
図体も肝も大きいおっかさん    明 美
内緒だが金塊うちに二つある    のぶ男
ご褒美をより取り見どり包み込む  和 一
私もオバンで飴は必需品      茂 瑠
見ていると小人の世界迷い込む   信 一
俺に似て中身などない紙包み    輝 男
外箱の大きさについ惑わされ    明 美
欲の皮膨らみすぎて縛られる    千恵子
自民党間もなくバランバランだな   鰹
プレゼントやはり大きい方がいい  三根子
大反省甘く育てた子のメタボ    五 貫
誰にでも親しまれてる丸い顔    由利子
もう一つあればバストに入れるのに 洋 未
召し上がれ私飴玉より甘い     茂 瑠
大風呂敷だけど中味は平均値    恭 子
飴と鞭与えて子らを塾へやる    二三子
少子化の飴わがままな子が育ち   千恵子
突っ張ってみせても中味いつも純  恭 子
イケメンを引っ張り合っている女  千恵子
まんまるいデカイおにぎり母の愛  洋 未
風船の中に入れたい甘い夢     三根子
 秀 句
旅立ちを翼ひろげて待っている   千恵子
幸せが逃げないようにラッピング  和 一
懐の大きさ故に負う荷物      明 美
風船になって世界を覗きたい    輝 男
優しさで包む地球は真ん丸い     鰹


宿 題 「昭和回顧3」佐野由利子 選
虚脱感癒えたリンゴの赤い歌    茂 瑠
狩野川に呑み込まれずに今がある  明 美
借金でやっとバラック兎小屋    のぶ男
学童疎開枕ぬらして親ばなれ    しげる
ミニスカート二十歳の私デビュー戦 洋 未
ご近所が顔を揃えて沸くアポロ   恭 子
ノラクロの漫画が僕の少年期    千恵子
万博の顔がグラスの底にある    和 一
銀シャリがご馳走でした大家族   信 一
人波の中でチラッと見たパンダ   恭 子
賞味期限決めるは母の舌と鼻    五 貫
少年の夢が溢れたラムネ瓶     五 貫
黒を黒 本音で言えぬ時代生き   のぶ子
米不足命繋いだいもかぼちゃ    敏 子
やかましく言われた蚊帳の入り方  千代見
不景気の節目はオイルショックから 長 仁
ミニスカの大根足もセピア色    静 枝
軍刀をコートの下に父帰る     アキラ
爪と髪届いて兄は天へ旅       薫
君の名は聞くまでもないマチコ巻き 和 一
村で一つテレビの前で正座する   ふく子
あの頃はリンゴの唄とかえり船   廣 司
牛乳も酒もビールも瓶だった    さとみ
ボーナスの厚み父権も強かった   静 枝
ご近所に一声だったセキュリティー 哲 也
膝と膝隙間なかった汽車だった   安 心
電灯に黒布掛けた本の虫      竹 水
色水のようなジュースがおいしくて ふく子
三丁目の夕日の中にいる私     二三子
石蹴りもメンコも出来る路地がある 二三子
明星で歌い踊ったキャンディーズ  居久美
 五 客
石鹸で昭和生まれの髭を剃る    美佐緒
ラバウルを一つ話の友も逝く    獏 沓
おかえりと井戸に浮かんでいるスイカ居久美
駆け落ちの揺れて眠れぬ寝台車   卓まる
薪くべるかまどの煙に泣いた母   修 市
 人 位
鼻タレもアカギレもいた子供の輪  信 一
 地 位
ゼロ系のひかりと飛んだ夢の中   太 郎
 天 位
ちゃぶ台に序列があった家族の和  千恵子


宿 題 「女性上位」 永田のぶ男 選
逆立ちをしても男は子を産めぬ    弘
鎧着て通帳握る山の神       重 雄
子を産んだ女に勝てる訳がない   由利子
決断を妻の財布に聞いてみる     進
母と娘が決めて父さん金払う    由利子
会社でも女社長にしごかれる    千恵子
何時からか女神の尻に敷かれてる  竹 水
妻胡座俺は正座で食事する     信 一
女性上位のマスオさんちは平和です 徳 子
婚活も女性上位でたくましい    玲 子
威勢いい啖呵とばしてダンプの娘  玲 子
家計簿は任せ小遣い貰う僕     長 仁
あの乙女今はだんなを尻の下    安 心
妻のあと三歩下がって買い物に   信 一
印鑑もカードも妻が持っている   二三子
草食系男子手玉に取る女      居久美
校長も医者も女が強すぎる      尚
玄関を入れば妻の部下になる    博 司
倹約と節約ワイフ天の声       進
ギリギリの居場所で妻を誉めている 卓まる
したたかな女性の寿命世界一    廣 司
妻に似た鬼瓦にもにらまれる    ふく子
妻よりも三歩下がって歩く僕    千恵子
ままごとのママも離婚をちらつかせ 哲 也
お隣りを見習いますと妻が言う   晴 康
勝つための隙も作れる女です    茂 瑠
無駄遣いすんなと渡す俺の金    五 貫
草食のおとこ 女に歯が立たず    薫
平社員惚れた女房係長       卓まる
お〜いお茶 客が居るから言えるけど 可 福
三歩前先を行くのは僕の妻     洋 未
戦国の世からの女性上位です    好 子
威張らせてあげる私の手の中で   恭 子
遠慮ない女裸足で闊歩する     居久美
威張らせて飲ませて妻の思うツボ  二三子
父は増え夫はどんどん減ってゆく  さとみ
仲直りまず動き出すのはオトコ   恭 子
コーヒーの良い匂いねと起きてくる 長 仁
水臭い女で家事に遠く居る     政次郎
 五 客
表札は僕実権は妻の手に      輝 男
体重も財布も妻に負けている    明 美
父の留守いつも家族ですし出前   三根子
こん畜生来世女で生まれるぞ    晴 康
何事も決定権は妻が持つ      明 美
 人 位
安眠の夢の中でも寄り切られ    和 一
 地 位
日曜の夜まで仕切る山の神     和 一
 天 位
妻シャネル 僕は三枚組パンツ     鰹
 軸 吟
無事故にて姐御ダンプでサングラス のぶ男


宿 題 「苦  い」 加藤  鰹 選
薬箱もしもの時の正露丸      居久美
苦かったビール今では旨いなあ   長 仁
苦いのが薬なのだとビール飲み   信 一
ビールから苦み取ったらただの泡  洋 未
こらしめにホップを抜いている所  太 郎
羊羹がビールの苦味引き立てる   和 一
私の苦い経験宝物         和 枝
愚痴になる酒は無口でほろ苦い   豊 子
商いも不況続きでたかが知れ    まつ子
捨てる気になってなれない苦い過去  亘
聞き役に回ると酒も苦くなる    敏 子
四季を呑む盃苦いはずがない    ふく子
青汁の味は良薬だと思う      可 福
煎じ薬妻の浪費も効果ない     穂々美
苦労しているんですけどわかります 居久美
人生の苦さしみじみ保証人     由利子
暑気払いゴーヤチャンプル召し上がれ 久
夏バテの予防ゴーヤのほろ苦さ   二三子
あの苦さゴーヤの緑夏が来た    洋 未
苦瓜も揉んでいくうち甘くなる   信 一
ピーマンを素早くキャッチ孫の舌  静 枝
秋刀魚にも苦い思い出ありました  哲 也
サンマより苦い査定のボーナス日  卓まる
息できぬ不況の波のど真ん中    野次馬
糖衣錠隠し切れないキノコ雲    アキラ
自叙伝に未消化のままある苦味    薫
勇み足してから続く苦い味     千恵子
負けず嫌い苦い思いもバネにする  恭 子
青春の恋ほろ苦いつゆと消え    さ き
負け試合あの苦い味忘れない    輝 男
やりこめた心が苦いまま残り    千代見
無理矢理に通した意地のほろ苦さ  和 一
反芻をする度苦い捨て台詞     静 枝
言葉尻ゆっくり咀嚼苦い味     しげる
若い日のあの失敗がまだ苦い    三根子
人生の宝に変化した苦言       弘
純粋に生きても苦い水と会う    安 心
苦い水飲んだくせして今日も翔び  廣 司
花柄に苦いドラマが続く傘     茂 瑠
どうしよう苦い薬が効かなくて    尚
良薬と言えども耐え難い苦さ    二三子
医療費が高くて薬ほろ苦い     修 市
後輩の忠告受けた読み違い     輝 男
義理チョコを悟り男は深くなる   五 貫
くだらない上司のジョーク耐える部下 廣 司
披露宴退社を祝う顔もある     五 貫
お別れのコーヒーそっとシュガー足す 進
 五 客
転校にシカトの意味を教えられ   由 美
苦虫を潰した顔にほれた妻     のぶ男
苦虫を噛まずにいてもその顔で   ふく子
デートドタキャン紅茶まで苦くなる 明 美
残高が知れるとみんないなくなる  美佐緒
 人 位
いけ好かぬ奴に青汁なみなみと   由利子
 地 位
しめしめと拾ったアメは苦かった  さとみ
 天 位
ほろ苦さだけを残した恋でした   恭 子


宿 題 「自由吟」  互 選
H離陸する子へ助走路を足しておく 美佐緒
E嫌いではないが波長が合わぬ人  由利子
D金もない地位もなければ嘘もない のぶ男
D古切手恋は終わって捨てがたい  穂々美
Dサングラス虹の七色見失う    ふく子
C二人だけの秘密石ころでも光る  恭 子
C私より信用がある保険証      弘
B道草が教えてくれた衣替え    和 一
B晩酌で測る貴方の満足度     明 美
Bまだ探すつもりか昼はとうに過ぎ 博 司
Bやさしさが心にしみるあの言葉  三根子
B若き日に引き戻される夏帽子   義 子
B三枚に下した鯛がまだ睨む     久
B代筆は妻と決めてる筆不精    敏 子
A惚れた女 半音上げて吹く本音  満 月
Aお宝はやはり夫という悟り    よし子
Aそれ以上それ以下もない適齢期  まつ子
A貧乏も中ぐらいなら我慢出来   廣 司
A自転車が合鍵よりも先に失せ   由 美
A努力家は手強い私怠け者     好 子
A富士山に帽子かぶせる粋な雲   豊 子


参加者(順不同)永田のぶ男、森下居久美
山下和一、勝又恭子、高瀬輝男、佐藤明美
増田信一、望月満月、林二三子、川島五貫
佐野由利子、中野三根子、川村洋未、瀧進
池田茂瑠、薗田獏沓、藪崎千恵子、加藤鰹
曽根田しげる、金田政次郎、小林ふく子、
岡村廣司、大塚徳子、中矢長仁、畔柳晴康
鈴木まつ子、中田尚、毛利由美、小野修市
西垣博司、井口薫、鈴木千代見、成島静枝
篠原久、長澤アキラ、内山敏子、石田竹水
谷口さとみ、望月弘、濱山哲也、真田義子
森田安心、安田豊子、山本野次馬、川口亘
加茂和枝、酒井可福、鹿野太郎、竹内さき
滝田玲子、市川重雄、尾崎好子、那須野正
明、芹沢穂々美、戸田美佐緒、馬渕よし子
川口のぶ子、中川司
定例句会 | Link |
(2009/09/07(Sun) 15:37:21)

平成二十一年 六月二十日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「つ ゆ」(表現自由)
中野三根子 選
梅雨の日のデートはラララカラフルで 千恵子
一年中梅雨のようです我が夫婦    鰹
梅雨晴れ間誘いのメールどっと来る 穂々美
ソーメンの汁に隠した不発弾    穂々美
空もみず気象予報士あてにする   好 子
ラーメン屋秘伝のつゆで列をなし   弘
あじさいの葉先に露の艶っぽさ   穂々美
母送る寂しさ募る露時雨      由利子
蕎麦は良いつゆが旨けりゃもっといい 洋 未
梅雨の中加齢臭にはファブリーズ  穂々美
手作りの味噌でワカメの汁を飲む  穂々美
湿っぽく離婚の傷を包む梅雨    茂 瑠
だし汁にこだわりすぎて麺が延び  洋 未
長雨で乾燥剤を貼って寝る     洋 未
梅雨だから夫のパンツ隅に干す   穂々美
年金の支給日前は梅雨になる    アキラ
雑草も勢いを増す梅雨晴れ間    二三子
庭いっぱい梅雨の晴れ間の布団干し 二三子
新しい恋をみつけて梅雨明ける   恭 子
あれこれと主婦忙しい梅雨晴れ間  千恵子
朝露が朝の散歩の邪魔になる    二三子
雨だれのバラードを聴くうさぎ小屋  弘
評判のおでんおつゆにある秘伝   輝 男
梅雨晴間風にたなびく白いシャツ  由利子
梅雨空へあじさい軽く息をする    弘
 五 客
紫陽花は梅雨と別れがよく似合い  和 一
麦茶かと思い麺つゆ飲んじゃった   鰹
味噌汁の具を残してる好き嫌い   二三子
梅雨明けを待ってたようにいく旅行 千恵子
騙されたふりだったとはつゆ知らず 恭 子
 人 位
梅雨入りの気配感ずる夫婦仲    和 一
 地 位
三ツ星の夢を見ている蕎麦のつゆ   弘
 天 位
梅雨の日は明るい色の紅を引く   千恵子


宿 題「ふ、で始まる句」川村 洋未 選
風呂敷を広げ過ぎたか嫌われる   二三子
風呂上りビール切らして八つ当たり 可 福
太っ腹だけど気になる妻の腹     進
振り向くと開いたままの傷もある  ふく子
不況など知らぬ顔して家が建つ   明 美
古時計鳴ると魚拓が目を覚ます   政次郎
ふる里の駅にひまわり咲いて待つ  千代見
福耳をほめられている無一文    徳 子
不凍液在庫が増える温暖化     博 司
触れるたび恋のテンポが落ちつかず まつ子
副作用たまに裸になるお酒     長 仁
ふところの具合はいつも雨模様   のぶ子
不思議だねいつも誰かを背負う君  卓まる
ふさぎ込む私に誰も気付かない   静 枝
振り向けば仲間はみんな逃げ支度  獏 沓
普段着で付き合う友がいて平和   和 枝
振り出しへ戻ってばかりいる不運  廣 司
普通ではない事をする普通の子   五 貫
風采の上がらないのが社長です   由利子
風呂敷の良さを見直すエコ社会   千恵子
踏切の向こうで見せるVサイン    薫
フェロモンを撒き散らしてる金魚たち 輝 男
不景気で困りますねとヤミ金屋    鰹
普段着でいいか躊躇う裁判所    静 枝
不覚にもクレヨンしんちゃんに涙  由 美
ふつつかな親です娘頼みます    五 貫
歩が一つ足りず名人借りてくる   のぶ男
 五 客
不揃いのトマトがダンスするサラダ  弘
負の数をいくら足しても負のまんま  尚
ファミレスで実印大きな仕事する  さとみ
懐の寒いときこそ知恵は出る    和 一
副作用試してみたい露天風呂    しげる
 人 位
福耳の拾った話持ち帰る      重 雄
 地 位
踏ん切りがついて出直す靴を買う  千恵子
 天 位
ふっくらのパンにつけいる隙がない  弘


宿 題 「 雨 」  池田 茂瑠 選
雨乞いが過ぎて家まで流される   アキラ
新聞で兜小雨へ勇ましく      静 枝
長靴が元気に跳ねる水溜まり    居久美
雨風に負けず子供に負けている   徳 子
雨音に言い訳だけの先送り      亘
梅雨時の洗濯物は家の中      ぎ ん
忍び逢い雨が二人に味方する    由利子
音もなく過ぎる父の日梅雨の酒   五 貫
火をつけた男が憎い雨の夜     由利子
一滴の雨が踊らす葉の舞台     玲 子
通り雨地下鉄で来て気が付かず   獏 沓
会える日は土砂降りだってかまわない 恭 子
君去りし街はざんざん降りの雨    鰹
恋の花散らしていった通り雨    明 美
足跡を消しておくれよこぬか雨   卓まる
幾つもの切られた首に雨が降る   太 郎
しっとりと蛇の目の傘のいく茶会  千恵子
履歴書に雨宿りするヒマが無い   博 司
 秀 句
ひきこもるのも雨の日の遊び方   由 美
母さんが遊んでくれる雨が好き   居久美
雨の日を過ごす明るい色を着て   千恵子
清い恋ビニール傘にある答     静 枝
雨よ降れ私の海を青くして     さ き


宿 題 「じんわり」 加藤  鰹 選
温もりを伝えるそっと抱きしめる  恭 子
悟された親の言葉が効いてくる   修 市
不器用な夫の愛が感じられ     二三子
ひと回りしてじんわりと効いてくる 千代見
漢方薬世辞のようにと効いてくる  野次馬
じんわりとソナタの森で眠る美女  さ き
じんわりと脳裏の奥にある思い   のぶ子
説教がじんわり効いてしおらしい  玲 子
悪の手が助平心にじんわりと    可 福
父の日の父を泣かせるお膳立て    薫
じんわりと妻がネクタイ締めてくれ 由利子
時を経て丸くじんわり夫婦味    修 市
亡くなった後でわかったありがたみ 信 一
冷えた手も温まりそう君の声    明 美
やわらかいパンチ笑顔のアドバイス 五 貫
お小言が午前0時に効いてくる    尚
長年の漢方薬が効き始め      二三子
朝帰り妻がじんわり攻めてくる   千恵子
帰宅して君の笑顔の意味を知る   卓まる
誉め言葉小言のように聞いている   弘
例えばの話わたしを責めるかに   輝 男
神様が許してくれた過去のこと   三根子
発表会ハンカチ握り締める親    太 郎
つかまったじんわりと効く甘い罠  洋 未
リストラの首段階を追って締め   茂 瑠
面接にしどろもどろの滲む汗    千恵子
不景気を日毎に刻む台所      五 貫
振り向くとスローカーブの下り坂  アキラ
似顔絵をじんわり抱いて生きている 満 月
じわじわとメロンが熟れていく真昼 美佐緒
三十を過ぎてじんわり紫外線    由利子
汗にじむ猫の額の庭いじり     好 子
手軽さにじんわり故郷見直され   満 月
連休のツケ僕の財布を締めつける  明 美
一夜明け勝利の美酒が効いてくる   進
じんわりとガン病棟の談話室     弘
一人寝の夜読み返す走り書き    和 一
 五 客
さりげない一言夢にこだまする   和 一
額に汗娘の彼の品定め       穂々美
披露宴終えて娘の部屋に立つ    さとみ
日記帳なみだの跡がいとおしい   好 子
おふくろの手紙切手が逆様だ    政次郎
 人 位
不勉強ボディーブローで効いてきた 信 一
 地 位
あなたの心ちょっとあぶれば読めるかな さとみ
 天 位
遠赤で妻が夫を焼き上げる     哲 也


宿 題 「自由吟」  互 選
G平均のあたり安心して生きる   恭 子
G梅雨空にごろりと拗ねているリュック 鰹
F批判したばかりに次の責任者   五 貫
F回り道余分なものの無い不思議  アキラ
D同い年聞いて若さを見比べる   静 枝
C耳元の蚊に献血を言い寄られ   博 司
C愚痴弱音静かに聞いてくれる友  居久美
Cまな板のへこみ女が暮れていく  美佐緒
Cほどほどの幸せですがお裾分け  和 枝
B火遊びもよし人間として生きる  政次郎
B夜聞いたうまい話が朝崩れ    洋 未
B愚痴ったら起き上がれない七転び 竹 水
A微笑んで重箱の隅突つかれる   明 美
A約束を包んで命呼吸する     満 月
Aブレーキが無い少子化と高齢化   弘
A流れ星録画を止めて願い事    哲 也
Aおしゃべりがひと時過去を呼び戻す 二三子
A男なら顔じゃないよと励まされ  廣 司
A金とひまあってみんなに拝まれる まつ子
A新学期人間不信になっている   穂々美
@ひさびさに息抜きさせている仮面 千恵子
@今日からは私の夢の中に居る   三根子
@追い風の台詞信じて風邪を引き  さ き
@よく食べて口内炎がせめてくる   尚
@何時までも消えそうにない古い傷 長 仁
@折り紙の上手舟形菓子の盆    好 子
@赤信号小学生に注意され     由利子
@嘘つきな記憶はそっと封印し   和 一
@鬼の面だけが褪せずに残ります  茂 瑠
@深い仲いつごろからと深く聞く  修 市
@改札で自由自在の羽貰う     よし子
@経験が悩み説きほぐ道しるべ   晴 康
@シュレッダーの隅にしがみつく派遣 野次馬


参加者(順不同)長澤アキラ、藪ア千恵子
山下和一、勝又恭子、高瀬輝男、佐藤明美
芹沢穂々美、池田茂瑠、小野修市、望月弘
川村洋未、尾崎好子、瀧進、曽根田しげる
中野三根子、加藤鰹、大塚徳子、岡村廣司
佐野由利子、林二三子、望月満月、中田尚
畔柳晴康、内山敏子、成島静枝、増田信一
中矢長仁、薗田獏沓、西垣博司、鹿野太郎
川島五貫、竹内さき、山田ぎん、市川重雄
毛利由美、川口亘、金田政次郎、滝田玲子
井口薫、小林ふく子、加茂和枝、濱山哲也
酒井可福、石田竹水、鈴木千代見、那須野
正、今井卓まる、山本野次馬、鈴木まつ子
戸田美佐緒、馬渕よし子、永田のぶ男、中
川司、川口のぶ子、谷口さとみ、森田安心
森下居久美
定例句会 | Link |
(2009/08/07(Thu) 15:31:51)

 

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