静岡川柳たかねバックナンバー
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つま先で歩く銀河に触れながら     赤松ますみ
万歩計牛歩で一歩初春の夢       秋本トヨ子
初春の懐にある夢のいろ        浅野 滋子
解散を反芻してる麻生牛        阿部闘句郎
ゆっくりとだが着実に丑の年      安藤 紀楽
春の詩に一粒赤い実を添える      池田 茂瑠
モウなんて言わずとことん反芻し    井口  薫
先輩の後ろをのそり行く私       石上 俊枝
初詣で牛にひかれてよっこらしょ    石井  昇
戦より平和を愛す牛であれ       いしがみ鉄
ありがたし今年の酒も笑い好き     石田 一郎
闘牛にされまい加護の破魔矢買う    石田 竹水
バッファローさんをメールで唆す    石田 柊馬
青銅の牛もことりと動き出す      石部  明
火を浴びて夏を語らう冬の鮎      五十川 操
べこ進め例え一日一歩でも       板垣 孝志
一年の幸を求めて牛を追う       市川 重雄
恙無いあなたに先ずはありがとう    一戸彼句吾
一点にしぼる天然色の夢        伊藤 我流
七度目の丑のんびりとゆっくりと    伊藤 正紀
川柳は老化防止のストレッチ      伊藤 泰史
良いことがありそう明日もあさっても  伊藤 マコ
おい命牛歩の真似でいいんだよ     伊藤三十六
目標は百歳いいえ百五歳       犬塚こうすけ
牛歩でも自分探しを怠らぬ       岩淵 黙人
丑と知りああ子だったと思う暮れ    植竹 団扇
公開日記滑って転んで本になる     上野 楽生
春の土もうやわらかきみどり抱く    梅崎 流青
勝算があってゆっくり牛歩む      江尻 麦秋
七光無縁ひたすら四股を踏む      遠藤 正静
七めぐりの丑にひかれて初詣      遠藤みゆき
田打へと牛が犂引く霜柱        遠藤 木犀
時々は牛もジャンプの夢を抱く     近江あきら
牛の背で行くと道理が良く見える    大石 一粋
のんびりと行こうよ明日のある限り   大坂 斗昇
歳月を重ね類呼ぶ良き仲間       太田紀伊子
ゆっくりと大地を歩く牛になる     大塚 徳子
闘牛も牛モーと鳴く牛も牛       大野 風柳
八十坂まだ鉛筆に夢がある       大橋 政良
一匹と一人へ丑も笑顔見せ       岡部 美雄
貧相な顔はしられぬ松の内       岡村 廣司
人生は牛歩我が家に福を待つ      荻原 典呼
川柳の杖は牛歩というペース      奥田 一星
鈍牛の歩み六十路のくらしむき     奥林五津夫
あわよくばイチロー引退までも生き   尾崎 好子
改まる年へ踏み出す歩のひびき     笠原 高二
何時の世も背なを押してる母である   風間なごみ
晴れてくるホルスタインを見るだけで  門脇かずお
離陸する姿勢で拝む初日の出      鹿野 太郎
八度目の漫歩に丑の捻子を巻く     金田政次郎
人生は牛歩ぐらいが丁度いい      川上 大輪
のんびりで牛歳なのかよく云われ    川口  亘
足早な不況牛歩で押し返す       川島 五貫
牛の背に揺られ高齢の渦の中      河内沙智子
牛一頭食って力をつけておく      川村 洋未
耕して運んで家族だった牛       菊地 克二
今年また初心に返るかたつむり     北村 吾朗
シクラメンは祈りのかたちして     木本 朱夏
牛の背に揺られて行こう六十路坂    熊谷 岳朗
二人三脚家族の笑顔応援歌       葛岡ヒデ子
丑の年スローライフに目が覚める    桑原 元義
牛の背で笛吹く僕がいた初春よ     小島 蘭幸
賽銭が無くても神に祈る鈴       孝井  栞
いい年をして正月をうれしがる     児玉ヒサト
牛歩でも行かねばならぬ不況風     小林信二郎
今年こそ牛っと手綱を引き締めて    小林ふく子
牛歩でも福と笑いを望む初春      小林 良恵
虹掴む日まで牛歩を信じきる      駒木 一枝
骨太に生きる 牛乳ラッパ飲み     小俣 麻子
初詣願いは牛の底力          酒井 可福
生かされて秘佛を拝む御開帳      桜井 閑山
モー然と駆けてみたくて角磨く     提坂まさえ
蛇口から銀河こぼれるまで洗う     ひとり 静
団らんに赤べこの首よく動く      佐藤 明美
氏素性牛は何にも答えない       佐藤 孔亮
勇壮なラッパもうすぐ古希の丑     佐藤 灯人
みどり野で牛とゆっくり夢を食む    佐藤美枝子
窓を開ければ風の挨拶         佐藤 美文
富士拝むわたしの部屋の初明かり    佐竹 観光
新しい絵筆で新春のでかい夢      佐野由利子
昨日とは違う私よ初山河        真田 義子
古希に来て燃えているもの消えたもの  猿田 寒坊
今年還暦良いことがありそうな     四分一周平
牛ですが黙れば貝になれますか     嶋澤喜八郎
元旦の計へ防腐剤が効かぬ       島田 駱舟
今年こそギューとステーキ食べる夢   新貝里々子
いつからか左に傾いて座る       杉山 太郎
あっけらかんと牛の角から日が昇る   須田 尚美
牛の歩も何時かは届く富士の峰     妹尾 安子
飲むたびに川柳ぶとり良しとする    芹澤穂々美
赤べこと夢語りつつ屠蘇を酌む     薗田 獏沓
マイバッグ持参わたしは地球人     高瀬 霜石
もう少しファイトを出せと風が責め   高瀬 輝男
犇いているものぐさの遺伝子よ     高田寄生木
気をつけて気を付けていく回り道    高橋はじめ
牛歩から学ぶ余命の歩み方       瀧  正治
あの頃の夢を反芻して歩む       竹内ゆみ子
つらいけどしんどいけれど恵比須顔   田中 新一
牛の絵をのんびり描いてきた空だ    千島 鉄男
明日またがんばればいい陽は昇る    塚本 寄道
モオーと鳴くのであけてみる窓     辻   葉
モウ一巡を視野に置く年男       津田  暹
気付いたら牛の惑星だったのか     てじま晩秋
元日の心の中に君がいる        寺田 柳京
誕生日忘れないのは彼女だけ      寺脇 龍狂
港にはやさしいものが干してある    徳永 政二
愛されて花は優しく強くなる      栃尾 奏子
あー無情牛です馬で派遣です      長澤アキラ
牛の目に産地偽装が許せない      中島 和子
後期への一歩踏みだすはるの酒     中田たつお
カプセルを一つ増やして明日へ翔ぶ   中田  尚
変哲な格差社会の歪み節        永田のぶ男
今ならば父の味方になれたのに     中野三根子
神に誓って牛は偽装をしていません   浪越 靖政
アクセルを踏む老春の心意気      成田 弧舟
牛歩く悟りの型を描きながら      西潟賢一郎
牛歩への喝采これからの歩幅      西來 みわ
反芻はやめてひらめき宗とする     萩原まさ子
濡れた眸のベコにいやしをもらう初春  長谷川酔月
不況をばねにきっと良くする世界地図  畠山 軍子
不況など知らずのんびり草を食む    林 二三子
丑年の歩みゆっくり余生行く      樋口 一杯
猛牛の意気で憂き世を駆け抜ける    菱木  誠
父祖の寿命に面目もない余生      尾藤 三柳
ふわふわの布団で天の恵み知る     ふくだ万年
一年の計はすこやかすこやかに     藤沢 岳豊
道草を牛歩のままで初日の出      増田 久子
元気です無駄な鉄砲撃ってます     松尾 冬彦
今年こそ今年こそはと屠蘇を酌む    松川多賀男
市況欄みなドナドナを聞きながら    松橋 帆波
妻の注ぐおとそに酔って牛になる    松田 順久
全身へパワー滾らせ初日の出      馬渕よし子
絵馬ひとつ鬼に笑われそうな夢     真弓 明子
春ざんざ私探しは牛歩から       丸山 健三
生きてるといろんな音が出るもんだ   丸山  進
斑点も角もわたくし自身です      水品 団石
軸足のにぶりに拍車かけている     水橋 秋子
焦らずにゆっくり歩む丑の年      御田 俊坊
しあわせを生きたい牛歩だとしても   宮村 典子
新春と良い年丑に相乗りで       村田 雅範
オアシスも油田も国境線がある     本村 靖弘
ことしこそ手綱をぎゅっとのろのろと  望月 邦昭
今年こそダルマを選ぶ目を持とう    望月  弘
生かされてゆっくり歩く丑の足     森島 寿惠
今年こそ牛のよだれに牛歩漬      森田 安心
初笑い詩嚢もピンと若返る       八木田幸子
生かされて幸せを汲む初春の水     薮ア千恵子
ドナドナのリズムで亀と寝正月     山口 兄六
円高の波から望む初日の出       山口 早苗
喜寿のはる牛にまたがりのたりゆく   山崎 蒼平
銀世界風の模様は人模様        山田 不及
わがあばら蛍を飼いし冬景色      山田 迷泡
初雪や良い子の順にならびなさい    山田ゆみ葉
この国にまだ菜の花は咲いている    山本トラ夫
ぎゅうぎゅう詰めの幸せお分け致します 山本野次馬
牛歩でも理想の丘を目指す春      湯沢 艶子
四十を富惑と名のる齢になり      横田輪加造
元旦の顔も昭和も遠くなり       横村 華乱
初春くれば春のいのちの腑に触れる   横山 昌利
牛に乗り換えるときめて寝正月     若山 大介
撫牛をなでて今年の計とする      渡辺  梢
モ〜烈な谺で専守防衛す        渡辺たかし
 ☆この他、たくさんの賀状ありがとうございました。
年頭吟 | Link |
(2009/02/26(Wed) 12:36:35)

福づちに子どしの運を信じよう     浅野 滋子
会いたいよ元気な声で八十路坂     秋本トヨ子
スケジュールわくわく埋める初暦    井口  薫
恋へ塗る酒で薄めた保護色を      池田 茂瑠
気を若く又一年を駆け抜ける      石井  昇
チョロチョロと双六のよう人生は    石上 俊枝
雪月花めでてゆっくり北に棲む     石沢 久子
サイコロを転がし酒に辿り着き     石田 一郎
玉手箱大黒鼠背負い来る        石田 竹水
危なしと思えど鼠小僧なり       石田 柊馬
米蔵でむかし話をするネズミ      板垣 孝志
独楽ねずみ幸を詰め込む福袋      市川 重雄
タンポポの種に託した夢のカズ     伊藤 我流
ネズミ算幸せすれる年が明け      伊藤 泰史
母犬のお手してゐたりお年玉(俳句)  伊藤  眠
手を振っているのにドアが閉まらない 犬塚こうすけ
伸びきった輪ゴムを宥めながら行く   岩淵 黙人
奥深い人生十色十七字         海野  満
飽食の時代ねずみの優雅な目      江尻 麦秋
完走を喜ぶための汗をかき       遠藤 正静
今年また身の程の夢描いてみる     遠藤みゆき
鼠算賢い奴の悪巧み          遠藤 木犀
生臭い童話も明日に抱くネズミ     近江あきら
とりあえず一粒捲いてねずみ算     大石 一粋
七度目の子年迎える三が日       大橋 政良
白鳥の眠りの底の底の白        大野 風柳
風通しネズミ夫婦にまかす初春     太田紀伊子
大黒様の使いうれしや嫁が君      大塚 徳子
芽出たきを分かち合ってる犬と僕    岡部 美雄
時間だけたっぷり持ってるだけのこと  岡信かず男
めでたさも程程でよし雑魚だから    岡村 廣司
喜寿の春さても目出度く地酒嘗め    奥田 一星
今朝の外も見ず
子の日のネズミも屠蘇の酒(回文) 落合 正子
初夢も刻に追われて見ぬネズミ     鍵山 裕樹
改まる年へ紅蓮の歩を刻む       笠原 高二
青えのぐ手に山脈へまた一歩      金子美知子
初陽織る金糸銀糸を身に飾る      金田政次郎
子ねずみが今夜もメールばかりする   門脇かずお
ねずみから小判一枚貰う年       鹿野 太郎
生かされて尚夢を追う喜寿の春     鎌田 一尾
ペットにはならぬネズミの一人旅    川上久美子
こまめにも動くねずみの歳が好き    川口  亘
虹色の言葉を探すこまねずみ      川島 五貫
侃諤を持して大きく風を汲む      川路 泰山
軸一本まわし続けてきたねずみ     河内沙智子
初夢は空へジャンプのスニーカー    川村 洋未
十二支のトップを駆ける子沢山     菊地 克二
およぐって何だとふっと考えた     北野 岸柳
六十路酌む初春から僕のロスタイム   北村 吾朗
青い鳥のたまごをいまも懐に      木本 朱夏
ヨッコラショ坂きつくなる年女     葛岡ヒデ子
夢一つミッキーマウスにあやかろう   熊谷 岳朗
日本のお米を知らぬねずみたち     桑原 元義
人間は豆つぶであるせっせっせ     小池 孝一
野良猫が減ってねずみの日向ぼこ    孝井  栞
打出の小槌持っているのは野のねずみ  小島 蘭幸
人という文字が笑って見えて春     児玉ヒサト
原油高 寝正月ですエコロジー     小林信二郎
子の年も佳句一点の延長戦       小林満寿夫
スタートの干支に今年の夢を盛る    小林 良恵
福々と長寿の笑みが屠蘇を酌む     駒木 一枝
ねがいごとずらりと結ぶみやの枝    古俣 麻子
睡い目をず〜とこすって見る日の出   酒井 可福
川柳の魅力を広く伝えねば       桜井 閑山
スタートラインやっぱり強く引いてみる 提坂まさえ
富士拝む米寿迎える新春の窓      佐竹 観光
母の背も声もまあるくなって春     佐藤 明美
ペットではないが可愛いネズミの瞳   佐藤 灯人
黎明を運ぶマウスを所望する      佐藤美枝子
本籍を置く 雪の降る街(十四字詩)  佐藤 美文
躓いた石も私の接続詞         真田 義子
新春の富士に誓ったダイエット     佐野由利子
愛ふんじゃったあしのうらのさくら色  澤野優美子
かき寄せる熊手はやめて箕を買う    柴田 亀重
友達は猫ですねずみニャンと鳴き    四分一周平
賽銭のストレス柏手は知らず      島田 駱舟
福を生むネズミあちらにこちらにも   志村まさ尋
燠火トロトロ祖母の民話がまだ続く   庄子比呂夫
子の絵馬を見上げる猫は寂しそう    白勢朔太郎
しあわせは夢チューになれる川柳がある 新貝里々子
初春へ霊峰富士と屠蘇を酌み      鈴木恵美子
豪快なネズミだ猫を踏んづける     鈴木 逸志
生きていくヒント川柳芽吹かせる    鈴木まつ子
ねずみにも分け隔てなく差す初日    妹尾 安子
少子化もねずみ算なら多産系      芹沢穂々美
ディズニーのねずみは猫とダンスする  薗田 獏沓
みな無事でまずはめでたいお正月    高瀬 霜石
人間の床しさ感謝初詣で        高瀬 輝男
ぼろぼろの夢抱きしめてまた歩く    高橋はじめ
いのししが追われ子年の幕が開く    高橋 朗風
古希過ぎた鼠が試すひと齧り      瀧  正治
愚直でもあなたが好きよモアイ像    瀧   進
再会のメール抱き合うねずみ歳     竹内 さき
初詣で八十八のねがいごと       竹内 登志
陽だまりの猫とネズミの相聞歌     多田 幹江
可も不可もなき毎日を幸として     田制 圀彦
新年の扉を開くおかげさま       田中 新一
酔眼で見ている雪はさくらさくら    千島 鉄男
耳かきで溜まった小言かき出した    塚本 寄道
昭和史を遠く離れて初春の酒      辻  晩穂
賽銭の小銭をさがす事始め       辻   葉
マウス手に時間を惜しむ独楽鼠     津田  暹
地震説我が家のねずみ覆す       土屋 渓水
ネズミ自負ヒト科の役にたっている   てじま晩秋
お迎えは要らぬぼちぼち歩くから    寺田 柳京
アベックを白い眼で見るゴルフ場    寺脇 龍狂
子ねずみをそろそろ旅へ出す構え    栃尾 奏子
何かしら追い立てられるねずみ年    中島 久光
無理をせぬペースを守るはるの酒    中田たつお
私が私でいるネズミ年         中田  尚
チュー公が引き摺って来る初日の出   長澤アキラ
中心に定めた位置が迷い出す      中野三根子
羽子板をつけば総理の顔がある     永田のぶ男
新年の風が運んで呉れた夢       中村 広志
ネズミには年金不安ない暮し      浪越 靖政
来る年もスローライフの紡ぐゆめ    成田 孤舟
柏手を天井裏へポンと打ち       西垣 博司
コマネズミですヨと履歴書が唄う    西潟賢一郎
偽の年も変わらぬ距離でいてくれた   西端 康孝
残響に反響がある嬉し初春       いしがみ鉄
鈴つけに行くと一杯呑めと言う     萩原 典呼
どぶねずみ色でニッポン巻き戻す    萩原まさ子
りんごがぶり我が存在のほがらかさ   畠山 軍子
ねずみ算詩嚢どんどん膨らます     樋口 一杯
並木にも一本桜にもなれず       ひとり 静
あの子の子 子の子子の子とまだ寝ぬか 深町 金鳥
初春にポックリ寺を梯子する      ふくだ万年
一年の計はネズミにかじられる     藤沢 岳豊
二世帯へ住める幸せ春を酌む      堀井 草園
白足袋と歌う初春酌み交わす      前原 遠州
ねずみ真似齧ってみたい夢と年     増田 信一
初夢へねずみは小判曳いて来る     増田 久子
齢なりに夢を抱いて屠蘇を酌み     増田まさし
いろいろあったけど桜が満開だ     松尾 冬彦
ささやかな幸せ丸く古希の春      松川多賀男
偽の年を引きずるネズミかわいそう   松橋 帆波
何周しても一番でいるねずみ      松田 順久
柏手を打って家族のいい笑顔      馬渕よし子
お月さんから昇る地球が素晴らしい   真弓 明子
水割りの水の部分は真面目です     丸山  進
ねんとうへずさりずさりとみをゆだね  丸山 健三
子の刻に踊り始めてまだ踊る      水品 団石
雪の白いささかの朱を手に残し     水橋 秋子
平和呼ぶ子年の空に鳩が舞う      御田 俊坊
ていねいに生きるいのちの道だから   宮村 典子
年金で生きるリズムが初春に乗り    村松はじむ
受験生力を込めて初詣         毛利 由美
エートネエ一番なのに何故チューだ   望月 邦昭
この国は性悪説へ流される       望月  弘
古希近し遅く来い来いお正月      森田 安心
女を生きてまなじりにある春よ     森中惠美子
一礼の床に艶あり寒稽古(俳句)    矢澤 賢一
追い越してゆく人の背に急かされる   安田 豊子
月並みな御加護を祈る初詣       薮ア千恵子
社保庁の死角で増えるねずみ穴     山口 早苗
今日生きてあしたの過去に乾杯だ    山田 不及
年金細る チュー太はふとる      山田 迷泡
とりあえず食えるかどうか嗅いでみる  山本トラ夫
今年こそ人間らしい顔でいる      山本野次馬
ちょこまかとネズミになるか定年後   吉道航太郎
夫婦三年目色いろ見えてくる      横田輪加造
2008ねじれカルタでお正月     若山 大介
変転の時代を狙う風刺の矢       渡辺 貞勇
  ☆ほか、たくさんの賀状ありがとうございました。



年頭吟 | Link |
(2008/02/26(Mon) 08:37:12)

神様とピンクに染まる鈴を振る     赤松ますみ
光彩をあつめて戌の春が明け      浅野 滋子
直ぐそこの傘寿峠の茶屋招く      安倍伊勢男
飼主に俺に吠えろと躾られ       阿部闘句郎
水盤へ春を貞女として活ける      池田 茂瑠
新しい夢をつむいで年女        石沢 久子
狛犬の対から学ぶ人の道        石田 竹水
ぶたまんとあんまんがあり初日の出   石田 柊馬
蒟蒻もちくわも威儀を正すべし     石部  明
尾も振れぬまま還暦の犬である     板垣 孝志
道しるべ犬が付けてく人の径      市川 重雄
早春の風に暫く乗ってみる       伊藤 我流
人の恩支えしみじみ想う春       伊藤 泰史
いつまでも可愛い鬼じゃいけないか   いとう 岬
ゆるみなき気の律動や初御空      伊藤  眠
壁に貼るファイトの文字に射す初日   櫟  敬介
金がない幸せ詐欺に掛からない    犬塚こうすけ
雪原を走る犬にもある希望       江尻 麦秋
前向きに生きて五十の貌になる     江畑 哲男
憧れるだけの山頭火にするか      遠藤 正静
初詣でこま犬撫でて描く夢       遠藤みゆき
川柳を取り出す帽子捜したい      近江あきら
ロボットの小犬と遊ぶ三ケ日      大橋 政良
よろこんでいる番犬をたしなめる    大野 風柳
まずそんなものかと他人の夢を聴き   大坂 斗昇
狛犬の絵を画鋲で止めておく      大塚 徳子
ハンカチを取ると鮟鱇ではないか    大友 逸星
澄みきった心に夢を描く春       太田 雪代
おめでとう犬もなんだか嬉しそう    岡部 美雄
元旦や乾杯しようなぁ酒よ       岡信かず男
強がりをまだまだ言うぞ老いの初春   岡村 廣司
とんでとんでたどりついたのはあなた  尾形 奏子
でかい夢年に一度は赦されよ      荻田飛遊夢
改まる明窓浄机笑む賀状        奥田 一星
滾るものまだあり新春の酒を酌む    小野 清秋
やわらかな枕春の香寝正月      小野寺さざえ
今年また賀状の書ける幸といる     小野寺令子
忠犬になれずにポチのままでいる    鍵山 裕樹
東天の空が平和と明けて来る      笠原 高二
美しい話聞きたい春の耳        柏原幻四郎
日めくりを今年も熱く綴りゆく     金子美知子
元朝の空晴れ晴れと夢を抱く      金田政次郎
どの犬も俺を怖がらなくなった     門脇かずお
犬猿の君のパンチが身に沁みる     鹿野 太郎
進むのみ吾にバックのギアはない    鎌田 一尾
狛犬の阿吽の中に初日の出       加茂 如水
お年玉今年は幸をあげましょう     川上 大輪
狛犬に手招きをされ年も明け      川口  亘
不足など無い還暦の初日の出      川島 五貫
あれよあれよと還暦の雪達磨      北野 岸柳
二〇〇六復活の犬また走る       北村 吾朗
ぐち食べてくれる小犬とたわむれる   葛岡ヒデ子
ちぎれそうに振ってる尻尾に夢を賭け  熊谷 岳朗
檻の犬やさしい顔で売れ残り      桑原 元義
あんなことこんなことして星になる   小池 孝一
犬のシール印籠として門へ貼る     孝井  栞
ヘソクリで買ったジャンボがよく燃える 小林信二郎
新しいアクセル踏んで初詣       小林 良恵
狛犬と会って新年動き出す       駒木 一枝
羽子突きの音なつかしむお屠蘇かな   古俣 麻子
さあ前へ犬の尻尾も上を向く      斎藤由紀子
限りある人生ゆらりゆらり生き     酒井 可福
還暦を越える背中に牡丹雪       佐藤 岳俊
半世紀生きて犬には犬の意地      佐藤 孔亮
子犬飼う約束をする初春の膳      佐藤 灯人
筆ぐるめ伊達市の文字があたたかい   佐藤 良子
人愛す優しく強く生きていく      真田 義子
御破算にして新しい年の彩       佐野由利子
御所望のぴんくの春を封筒に      澤野優美子
初日さんさんすっぴん灸られる     雫石 隆子
父さんが笑うとみんないい機嫌     設楽亜季浩
一月の犬笑わせるまで捨て身      柴崎 昭雄
二人三脚だから大きい初春の夢     柴田 亀重
お座りもお手も出来ないポチでいる   四分一周平
まだ八十路犬とこの先模索する     島田啓三郎
春を酌む三日坊主の夢と酌む      島田 駱舟
少年の深き一礼寒稽古         島村  正
春風にポチのしっぽが回りだす     志村まさ尋
ブランコはラピュタへの道知っている  樹萄 らき
人間の貌で見つめるペット犬      新貝里々子
振り返っても振り返っても犬がいる   杉山 太郎
定年の足固めする戌の歳        鈴木 泰舟
お犬さま優先ゾーン作ります      芹沢穂々美
世の愚痴を戌は尾を振り聞いてくれ   薗田 獏沓
地球ってきっと大きなシャボン玉    高瀬 霜石
今年こそ今年こそとで新春迎え     高瀬 輝男
鎖から解放されたい犬の新春      高田寄生木
熱くなるたびに詩嚢の中のぞく     高橋はじめ
初雪を蹴って犬橇走り出す       高橋 朗風
老犬の野性を今に愛しがり       高梨 宗路
猟犬の牙改憲へ燃えてくる       瀧  正治
一路ゆく転ばぬ先のローヒール     多田 幹江
お座りも伏せも上手になったボク    田制 圀彦
母看てる妻に文句なんかない      田中 啓酔
人間はみな落語家で酒好きで      千島 鉄男
愛犬も忠犬もいや野良で居る      津田  暹
参道の雲を潜って進みけり       筒井 祥文
初春や猫に同情してる犬        てじま晩秋
元旦が来るたび若くなるつもり     寺田 柳京
柿たわわ民の実りもこうほしい     寺脇 龍狂
信頼の心が犬と通い合う        中島 和子
忠犬でいいのか犬も考える       中島 久光
狛犬のペアにあやかるはるの酒     中田たつお
雲海に破魔矢ほろ酔う松の内      永田のぶ男
今風の列車に乗って初春を舞う     中村 広志
大掃除娘二人が片付かぬ        長澤アキラ
番号で呼ばれるだけの犬になる     浪越 靖政
戦後史と吾が生きざまを振り返る    成田 孤舟
マンボでも踊ろう孫がもう一人     成島 静枝
不器用な尻尾で夢を描きます      西 恵美子
獅子吼する仔犬は未来図へ疾る     西潟賢一郎
可能性信じ鍛える犬の脳        いしがみ鉄
妻の留守チワワが急に威張りだす    萩原 典呼
スニーカー下ろして犬と初散歩     萩原まさ子
犬老いて尻尾だけでも用が足る     長谷川冬樹
ぎこちなく新市名書く年賀状      羽田 共生
手応えが欲しくて少し吠えてみる    樋口 一杯
鳥はまぼろしわたしの空に布団干す   ひとり 静
後悔の連鎖川柳が生まれる       深町 金鳥
忙しい医者の梯子で年暮れる      福田勝太郎
生き延びていのち輝く初日の出     藤沢 岳豊
本日も犬がやさしくしてくれる   ふじむらみどり
酒提げて年賀に来たか囲碁敵      堀井 草園
愛犬に健歩の朝をせかされる      堀内しのぶ
今年こそオンリーワンの句を目指す   堀場 大鯉
土佐犬の闘志庶民威圧され       前原 遠州
鈍行が好きで今年もマイペース     増田まさし
愛犬に市中引き回しにされる      松尾 冬彦
犬掻きで行く人生の旅遥か       松川多賀男
税務署の灰皿汚すだけ汚す       松橋 帆波
パブロフの犬 目覚ましで歯を磨く   松田 順久
老犬のソーラーパネルへ詩がこぼれ   祭  半天
赤ちゃんが来た家中を春にして     真弓 明子
生きてればティッシュを呉れる人がいる 丸山  進
ここ掘れわんわんポチにはポチの意地がある 水品 団石
放たれた矢は善玉か悪玉か       水橋 秋子
ワンダフル生きる喜び古希の坂     御田 俊坊
戌年の祈りが棒に当るかも       村松はじむ
風船に夢を描いていざ飛ばん      望月 鐘雄
吠え走れまだまだ夢はワワワンワン   望月 邦昭
人間をやめて長生きするつもり     望月  弘
あたたかくちいさな劇場をもとう    森中惠美子
初詣叶う程度を絵馬に書く       八木田幸子
水分りの一枚岩に鏡餅         矢澤 賢一
初暦果たせぬ夢と笑い合う       矢島 破酔
尻尾振り可愛く通るいぬの年      薮ア千恵子
生涯を家族の犬と散歩する       柳沢花王子
名犬の鼻は主役をほしいまま      柳沢平四朗
人知れず僕もシッポを振っている    山口 兄六
陽の当たる絵馬へ進く気の歳を脱ぎ   山口 早苗
大空へ両手ひろげて犬ふぐり      山田 迷泡
ブリリンカットどこもかしこも猫である 山田ゆみ葉
長かったトンネルぬける三幕目     山本 英子
人生猋風 気がつけば十七字      山本忠次郎
借りてきた犬が元気に吠えている    山本トラ夫
産声が春風連れてやって来る      山本野次馬
お手!と出すアメリカの手を噛んでやる 渡辺たかし
お手をすることにも慣れて千葉の部屋  横田輪加造
  ☆ほか、たくさんの賀状ありがとうございました。



年頭吟 | Link |
(2007/02/26(Sun) 17:45:12)

 

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