静岡川柳たかねバックナンバー
トップページへ






野良仕事ちゃあーと終わって帰ろうよ  芹沢穂々美
盗み餅のうずりかえってのんばめる   鈴木まつ子
呑んべえはだらしんなくて見ずなりゃあない 鈴木まつ子
安いだ二雑なしうりの吊しんぼ     寺脇 龍狂
一個きりてんこっちょうに子守柿    寺脇 龍狂
がりやあかさあってきずの桃の肌    市川 重雄
ラバウルの水虫チイビ未だかいい    市川 重雄
せんしょうと言われてショック人だすけ 藤野 俊子
べたべたでやぶせったかーないだかやー 藤野 俊子
オレオレに強エーおまはんわしゃ孤独  堀井 草園
あっしゃー嘘がきりゃーで損もする   堀井 草園
ちいっとらっつ仲良くなっていかざあや 加藤  鰹
おみゃあっちイルカは食っちゃいかんずら  山口 兄六
こうさびーじゃ温暖化にはなんにゃーら 中安びん郎
このままじゃ年寄ばっか増えすぎる   中安びん郎
消費税上がるだっちょう困るなー    中安びん郎
 

ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 | Link |
(2006/02/05(Sat) 20:06:28)

「雑  詠」            福田 勝太郎
美人です煮ても食えない金魚です      大 阪
替えません下取無理な嫁だから
お転婆が貴婦人になるクラス会
離婚する為に結婚したのかな


 「朝  茶」            大塚  徳子
我家にも少しはほしいお餅代       仙 台
会いに行く手足が退化する前に
雪国のくらしに解けるチャンチャンコ
三里戻って飲まねばならぬ朝のお茶


「五 十 年」             井口   薫
お歳はと聞いてしまったクラス会    袋 井
指紋合致ぱっと昔の顔になる
クラス会みんな小鳥になっちゃった
ハイビジョン仕様で今年行くつもり


「自 由 句」            山本 トラ夫
一億も居るので知恵は浮かぶはず       長 泉
寒そうな富士でわたしもなお寒い
コンビニが無いと私は萎えちまう
わたくしは美味しい客の一人です


「雑  詠」            田原  痩馬
なんぼやと聞かれ値札のない体         熱 海
赤い糸つもりにさせて赤い舌
減るもんじゃないけどあんただけはイヤ
義務感に妻の言葉は早くして


「歯の奥に」           羽田  共生
歯の奥にアメリカ肉がはさまった       牧之原
被爆地へ大統領は行かんぞな
頼まぬに国の借金背負わされ
ひとりぐらし他人のことと思ってた


「不 透 明」            寺脇  龍狂
学校も塾も危険と不登校            浜 松
仕事イヤ親の脛嘗めニート族
子は要らぬ亭主も邪魔と物を書き
明日のこと分らぬ老いが国を病み


「あの人へ・・・・・」        尾形  奏子
卒業は間近最後の一ページ        天王寺
好きですと言えず好きでしたとつづる
おもいでは美しきもの目を閉じる
桜舞う中に愛した人がいる


 「晴天なり」            真田  義子
本日も晴天なりと母の声           仙 台
青空にどんどん伸びる夢の蔓
わたくしの力の秘密それは愛
ああ地球これからどんな彩になる


 「笑  う」             新貝 里々子
笑いたくて今夜は寄席の客となる        袋 井
笑うにもどこかしんどいへそまがり
大笑いしたあとしみじみと帰る
くたびれた笑い袋はくずかごへ


  「春を待つ」              辻    葉
春の戸をソッと開けると銀世界       大 阪
待つということばを知らぬ流れ星
カンガルーの袋の中で眠りたい
如月の夕日に明日を祈ろうか


「雑  詠」            江川 ふみ子
気負わずに生きてひとりの雑煮椀      函 南
ため息へ曇りガラスとなる鏡
道草もいいな世間が見えてくる
子離れや子の足音が遠くなる


 「生 き る」              高橋  春江
不器用なわたしが生きる躁と鬱        袋 井
すげ替える首が欲しくてデパ地下へ
名水の底で時代は病みはじめ
好感度ナンバーワンの友を持ち


  「活字好き」            成島  静枝
愛読書眼の方が先音を上げる          千 葉
新聞の活字大中までは読み
マーカーを持ってハウツー斜め読み
流行物パラパラめくり見る本屋


 「ひとりごと」           増田  久子
身勝手に伸びてほどよくなる雑木        焼 津
得をした気分予報と違う晴れ
二十年経ったワープロ捨てられず
百均のアラームちゃんと朝を告げ


 「ピエロの涙」            柏屋 叶志秋
ピエロでも泣きたいときは泣けばいい     山 形
短命なシャボンは夢が多過ぎる
雑草は花瓶の幸を望まない
進歩する科学も欲に追い付けず


 「深くなったか?」         堀場  大鯉
隠れ蓑など面倒だ風まかせ          焼 津
風通し良すぎて寒くなった仲
泣き所知りすぎおんな遠ざかる
女運いい判断は誰がする


 「雑  詠」             馬渕 よし子
強がりを言って余生へ立ち向かう       浜 松
一年がスピード違反して暮れる
寒風に干されひと味増すわたし
一輪の梅へ期待の春の彩


 「笑  う」             笹   美弥子
哀しみを笑いで包む保身術       仙 台
大声で笑い治まる腹の虫
おわらいの種も入れてる福袋
オクターブ上げて笑ったサクラ咲き


糸車母から子へとよく回る       山田 フサ子
初春に心の窓をよく磨く           袋 井
幸せの糸をたぐった母の指
一條の光信じて生きてゆく
愛し合う同志いたわりひたすらに


 「  色  」            山本 野次馬
白と黒デジタル色の中にいる      函 南
今日の顔ルージュは赤と決めている
完結はピンクの色で送り出す
眼を閉じて右脳が描く十二色


「雑  詠」            滝田  玲子
平安のシュートが決まる蹴鞠会      浜 松
ロボットも節ぶし痛むこの寒さ
二枚目が自慢の地蔵欠けた鼻
ドカ雪が高齢世帯のしかかる


  「眠  る」            薗田  獏沓
三才が飯をくわえて眠りだす         川根本町
説教がやっと終わった眠かった
眠たくて当選番号聞き漏らす
里帰り真綿の様に眠りこけ


「雑  詠」            芹沢 穂々美
蒲鉾の板までブランド志向です        沼 津
大鍋で昆布巻を煮る年の暮れ
老夫婦イヴの残りのチキン食べ
取られずに鈴なりの柿年を越す


 「  冬  」            鹿野  太郎
イヴの夜砂消しゴムが暖める         仙 台
スキウタという新しい猫だまし
つい羽目を外したまんま年を越す
カマクラで餅の代わりにゴマを焚く


 「女  鬼」            金田 政次郎
幸福の豆撒き鬼と手を組んで         静 岡
女ではトップ蔭から鬼は外
雄叫びをあげる娘は鬼を打つ
痣だらけ今宵は此れでと逃げる鬼


 「自 由 吟」            鈴木 まつ子
すんなりとハチの一刺し容赦せず       島 田
雲つかむ話ばかりでバカな見栄
過信したばかり思わぬ落し穴
届かない高根の花がこぢんまり


「  道  」            岡村  廣司
生き残る為だ泥道厭わない          焼 津
転んだら起きればいいさ僕の道
修羅の道だけど避けない意地がある
迷路から抜け出す道がきっとある


「雑  詠」            安田  豊子
愚かさをしみじみと知る左ネジ      浜 松
耳鳴りが増長させる肩の凝り
捨て切れぬこだわり鍋にごたまぜる
古い絵にたっぷり漬かる夢の中


「まだ若い」            川口   亘
明るさで年令少しさばを読み         藤 枝
日に数度来ない文待つPST番
ざわざわと空耳を聴く夢うつつ
シルバーの席を目が追う杖と友


「雑  詠」            川口 のぶ子
冬枯れの道われに似て淋しかり      藤 枝
姫りんご十粒残し冬の朝
回転の遅い頭のネジを締め
靴の中悲鳴をあげる指の先


「雑  詠」            西垣  博司
とんがった靴先で書く楷書文字      静 岡
欠伸する所在の無さを懺悔する
矢印の先が縒れてる道しるべ
整えた衣裳に明日を近寄せる


 「こよみの春」           中田   尚
こよみ春まだまだコート離せない    浜 松
立春はこよみ通帳大あらし
立春にシモヤケの数増えはじめ
草も木も体操はじめ春を待つ


 「初  春」            内山  敏子
終章の夢を書きたす八十路の絵        浜 松
元朝も昨日と同じ髭を剃る
戌年の幕開け告げる初太鼓
ひらがなが踊って孫の初便り


 「  命  」            森島  寿恵
焼芋をわれ先に取る小さな手         浜 松
まだ老けぬ八十路の命つきるまで
何事も返事一つで輪がなごみ
一生を土と生き抜く老い二人


「自 由 吟」            竹内  登志
半世紀新春の遊びを巻き戻す       浜 松
適齢期よろしくと言う親ごごろ
交友をつなぐ敷紙の犬が吠え
初春の静かな刻へ無の祈り


 「自 由 吟」            御田  俊坊
酒煙草今更止めず威張ってる         高 畠
小児マヒ福祉のお陰今も生き
古希の坂越えて生かされ続く幸
気さくなナースの言葉に癒される


「コーヒーとわたし」        竹内  さき
コーヒーにわたしの冬を別れして       浜 松
コーヒーの湯気に誘われ新世界
コーヒーの良さんと無になるわたし
夕暮れてコーヒー深むシャイな年


「寝 正 月」         中安 びん郎
朔日は野良へ行かずに寝正月         静 岡
美味しくて餅を食べ過ぎ寝正月
老妻もお節料理で寝正月
達筆の年賀状読み寝正月


「冬  眠」            柴田  亀重
闘魂へ陽の加護欲しい寒の冷え        沼 津
眩暈する脳へ気合を入れる声
初春の鍋浮き世の波へ弾む酒
寒風へさらして花の命張る


「お 正 月」               谷口  智美
餅よりもでかいダイダイ横に置く     伊 豆
不景気で休み増えても寝正月
嫌なこと忘れたふりで松飾り
昆布より喜んぶのはピザ、カレー


「つっかい棒」           堀場  梨絵
風と共に私のゆく末を見たい         静 岡
一日病み豪華版でくる夕餉
A面もB面もない皺の顔
駒下駄がもうすり切れた働く手


 「豪  雪」            林  二三子
車窓から見る豪雪に大歓声          芝 川
雪国の冬お隣が遠くなる
雪解けるまではバレずに済みそうだ
見てるだけなら素晴らしい雪景色


「火  種」            堀井  草園
手の平で踊った火種すぐ消える        静 岡
念押して痛い出臍がまだ痛い
心念の修羅場で拾った白い杖
賛成の片棒芯を抜いて置く


 「雑  詠」            多田  幹江
背伸びせず気を抜くこともなくオカラ     静 岡
歩いて歩いて涙のないあした
風強しノーと言えない人ばかり
固定電話はずむ話に遠くいる


 「雪 の 道」            佐野 由利子
目標はたくさん有るが黄昏期         静 岡
日が過ぎて書きにくくなるお礼状
くねくねと曲がりくねった女坂
尻餅をパチり撮られた雪の道


 「雪  女」 真理  猫子
本性は雪の深みに埋めておく      岡 崎
大根のしっぽのような足でいい
泡銭夢の中でも紙吹雪
雪女の臍は零度で茶を沸かす


「ファンタの歌@」         山口  兄六
バイキングまた胃袋に裏切られ        足 利
シケモクで税の部分を吸っている
年収が足りず悪女に出会えない
受信中天使か鬼かメルマガか


目玉焼きこんな愛でもいいですか     池田  茂瑠
嘘に手を加えて夜の町に向く       静 岡
手の海の干潟に水を与えねば
独りでは淋しい線の中にいる
どう繋ぐ脆い縁の紙こより


 「自 由 吟」 高瀬  輝男
仕合せの風景偽卵抱いたまま      焼 津
雪虫の乱舞よボクは居酒屋へ
振り返るから弱点を掴まれる
鈍感でまた情報に追い越され


 「風 の 邑」           川路  泰山
一桁の昭和が枯れてゆく荒野         島 田
山里にダムが歯を剥くピアニシモ
落人よ鄙びたあたり語り部と
風縒れてひなびた邑を吹き尽す


「春の訪れ」             望月  鐘雄
ふっ切れて嫌な酸素が旨くなる        静 岡
座禅組む今日の命を塗りながら
良いことはドッと来るよりパラパラと
五分だけ待って下さい風が来る


「乾燥注意報」               望月   弘
軽快に生きて若さをほめられる      静 岡
人情の機微に乾燥注意報
内心が薄着になると風邪をひく
風向きでボケのスイッチONにする


 「カルシファー」         加藤   鰹
蒼い火が揺れるみだらな夜になる    静 岡
秩父路へ今年も酒を手に提げて
こんな筈じゃなかった鉛色の空
雪しんしん今夜は抱き合って寝よう

 
  顧  問  吟 
 「拾 い 物」       柳沢 平四朗
追憶が正座をさせる流れ星           静 岡
想定外の顔へシナリオ無垢にする
初詣で喜寿の傘寿も拾い物
頬杖の窓へ微光が覗きこむ

虎竹抄 | Link |
(2006/02/05(Sat) 20:05:28)

200603のログ 200601のログ

Copyright © 静岡川柳たかねバックナンバー. All Rights Reserved.