静岡川柳たかねバックナンバー
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元気川柳全国誌上大会」において増田久子さんの句が特選一席(グランプリ)に選ばれました。

▽英会話ためそう古希のパスポート 久 子


☆第十一回全日本川柳誌上大会において、薮ア智恵子さんの句が大会賞(二千名中のベスト十名)に輝きました。

☆だんだんと童話が消えていく宇宙 智恵子


焼津のお三人さん、スゴイご活躍!天晴!
おめでとうございま〜す!

おめでとう♪ | Link |
(2006/05/06(Fri) 00:13:27)

三月十八日  定例句会
於 駒形神社社務所


席 題 「ぶしょったい」 加藤 鰹 選
何となく妙な香りの独身寮     洋 未
万年床にしらみがわいた話きく   梨 絵
一ヶ月毎にトイレの掃除する     弘
独り者茶碗洗った事がない     輝 男
はきだめの様な孤室が住みやすい  泰 山
嫁募集後ろ姿でわかります     洋 未
花粉症涙鼻みずぶしょったい    三根子
涙出る鼻水垂らす辛いそば     のぶ男
見合い席今日は見えない無精ったさ びん郎
ぶしょったいネズミ見ようで粋な色 平四朗
ぶしょったい下着の裾がはみ出して びん郎
ポシェットが褪せてる角が擦れている 茂 瑠
ぶしょったい格好若さの特権だ   由利子
ぶしょったい男歯みがきなどしない 輝 男
垂れ下がる巨乳全然気にしない   のぶ男
ぶしょったい縄暖簾でも旨い酒   しげる
汚ない石自分で惜しむ他はない   平四朗
耳裏に妬心不潔にぶら下がる    平四朗
ぶしょったい折紙の鶴千羽目に   しげる
男ばかりの句会の席は無精髭    びん郎
ぶしょったい奴が恋して変化する  可 福
脱ぎっ放しの服部屋中を埋めつくす 梨 絵
山男ぶしょったいけど夢がある   可 福
鰹さんその髭チョッとぶしょったい 由利子

 五 客
忙しい主婦です風呂は洗わない    弘

セクシーのつもりがチャック締めてない  びん郎
手垢だらけの言葉感電しています  平四朗
万年床で世界制する夢画く     輝 男
家の中ぶしょったいのに御洒落好き 由利子
 人 位
飲む金があったら買えよ櫛ぐらい  茂 瑠
 地 位
押入を開けてびっくりゴミが降る  洋 未
 天 位
天と地を分けて男の無精ひげ    泰 山


宿 題  「み や げ」  池田 茂瑠 選
手土産は胸いっぱいの里の空    野次馬
真心がふっと伝わる土産物     由利子
おみやげはアナタの無事な顔でいい 亜季浩
友がきてうわさ話が置きみやげ   三根子
おみやげは元気印で帰る事     洋 未
手土産の父に弱みがあるらしい   昌 利
おみやげは札束わたし辞職する   政次郎
貴方の愛みやげ袋にそっと詰め   重 雄
持参金付きの女が吹くラッパ    美佐緒
里帰り父のみやげは酒ばかり    俊 坊
喜びの種をみやげに逢いに行く   徳 子
留学で愛国心を持ち帰る      泰 史
何処にでもあるが想い出のせて買う 智 美
ツアーバストイレの度に買うみやげ 竹 水
餞別にみやげのリスト忍ばせて   智 美
あれこれと義理のみやげで旅が終え 千恵子
いいからね言ってひそかに待つみやげ 澄 子
根回しに使う土産も二通り     梨 絵
配る先数えてみやげ買い漁り    広 司
うなぎパイ食べたらシャワー浴びようか 鰹
勝算があるのかみやげ買っている  美弥子
 佳 作
悪友の見本一升提げてくる      弘
おみやげに尾ひれがついて重くなる 洋 未
上げ底と知っても旅の味を買う   梨 絵
初対面出来ちゃった児の里帰り   のぶ男
外交が下手で期待のみやげ無し   よし子
 秀 1
罪深いみやげを包む手暗がり    平四朗
 秀 2
冗談で値切った蟹が邪魔になる   しげる
 秀 3 
宅配で洗濯物と土産着き      静 枝


宿 題 「さらさら」 佐野 由利子 選
粉砂糖かけて本音を飾りつけ    洋 未
達筆が過ぎて手紙の意味不明    澄 子
さらさらのヘアーを父はなつかしむ 三根子
谷川の水もさらさら春の音     登 志
さらさらと水に流せぬ蟠り     波 朗
さらさらと水に流してもとの鞘   登 志
コーヒーへシュガーがリズムよく落ちる 弘
住所氏名さらさら言えてお入学   二三子
さらさらとひらがなだけの女文字   葉
ガセネタとさらさら言わぬ衆議院  びん郎
さらさらの血が長生きを予約する  猛 郎
幼な子の髪心地良く風に舞う    博 司
立て板に水さらさらとうまい口   梨 絵
ダイエット効果はさらさら無いおなか 薫
シルクより木綿が似合う君が好き  野次馬
テーブルに飲み頃ですと砂時計   亜季浩
遠くから小川の歌が流れ来る    安 心
ライバルの髪はさらさらストレート 奏 子
ストレスがさらさらとけるティーカップ 尚
達筆を認めて辞書と首っ引き     弘
ウツが抜け血もさらさらと流れ出す 玲 子
さらさらと今日のドラマを消す浜辺 敏 子
勝つ気などさらさら無いが口喧嘩  可 福
握手してさらさら消えたわだかまり びん郎
 五 客
秘湯からさらさらさらと春の音   まつ子
ほろ酔いの茶漬さらさら名調子   泰 山
詫びる気がさらさらもない北の国  亜季浩
血液さらさら主なメニューは生野菜 二三子
忘れよう小川は明日へ流れゆく   奏 子
 人 位
さらさらと水に流してまたあした  智 美
 地 位
神の手で遊ばせてみる春の砂     葉
 天 位
ガマンなどサラサラ知らぬ現代っ子 輝 男

宿 題 「遅 れ る」 望月  弘  選
いつの世も老ゆれば時代遅れなり  波 朗
のん兵衛の遅れるほうへ味方する  草 園
後輩に出世階段追い越され     大 鯉
堅物が時代の波に乗り遅れ     敏 子
締切りに遅れた一句出来が良い   正 治
格付けで手間取っている初選者   まつ子
先着の枠が私の前で切れ       尚
一秒の遅れピンチになるチャンス  澄 子
相槌が遅いと会話弾まない     広 司
秒きざむ音合格を待ち侘びる    泰 山
理想論結果ばかりを追いかける   野次馬
後手ばかり打つがしっかり生きている 輝 男
駅まではやあんでいきゃあ乗り遅れ 安 心
大切な日いつも遅れる夢をみる   二三子
擬似針へ遅れて雑魚が助かった   大 鯉
バスツアー遅刻はいつも同じ人   広 司
肩書きがちょっと遅れて席につく  亜季浩
逃げ遅れそれが生死の分かれ道   のぶ子
出遅れたぶんこれからさ絶好調   智 美
坂道へ歳には勝てぬ息づかい    平四朗
ゴールイン人それぞれの時間差で  洋 未
〆切りへ遅れる顔が決まってる   泰 山
遅れてもゆっくり行こう保健室   太 郎
深呼吸春の遅れをとりもどす    和 枝
ハイミスの打算勝負は焦らない   豊 子
終電がシナリオ通り出てしまう    鰹
手遅れと諦めないわシワとシミ   智 美
言い訳は電車に罪を擦り付け    可 福
遅咲きのバラです嘘が揃わない   茂 瑠
気がつけば賞味期限が切れた僕   洋 未
いま少し羽根を持たない妻でいる  茂 瑠
 五 客
パソコンの時代の船に乗り遅れ   重 雄
大賞と決まり覚えた流行語      薫
朝寝坊妻を病気にして遅刻     千恵子
のほほんと遅刻してくるルイ・ヴィトン 鰹
遅れても咲く一途さがいとおしい  アキラ
 人 位
五年越し無罪勝ちとる応援歌    のぶ男
 地 位
発育をママ見比べる検診日     静 枝
 天 位
気おくれが私をいつも悩ませる   三根子

 
宿 題 「自 由 吟」一月分  互 選
E褒められた尻でないのに敷かれてる安 心
Dビブラートたっぷり聞かす春の風 美弥子
D三部粥狭い窓から晴れて来る   草 園
C生きてゆく呆けの演技も板につき 登 志
C言い訳の仕方で智恵の程を知り  廣 司
C温度差がつらい社内も春の日も  智 美
Cアルバムに火種は固く閉じ込める 獏 沓
B何時からか祈ることのみ背も曲る アキラ
B手土産を提げて娘を盗りにくる   弘
B四捨五入その五に生きてぶら下がり梨 絵
A化粧より笑顔に惚れてプロポーズ 亜季浩
A信じたら雲の切れ間に陽がのぞく 澄 子
Aもうひとつ大事なことがあるのです和 枝
A黙秘する愛よ蛍になりました   美佐緒
A化粧より笑顔に惚れてプロポーズ 亜季浩
A信じたら雲の切れ間に陽がのぞく 澄 子
Aもうひとつ大事なことがあるのです和 枝
A黙秘する愛よ蛍になりました   美佐緒
A春一番ふき味噌旬の舌鼓     幹 子
A回り舞台あすはピエロの服を脱ぐ 春 江
A春の陽に負けないように髪を染め 静 枝
@親も子も合格祝う幸を受け    ぎ ん
@御無沙汰へあれもこれもと皿の数 は な
以下台帳


定例句会 | Link |
(2006/05/11(Wed) 20:03:28)

         担当 中川   司


ぬ か る 道( 千葉 )222号
心ですかふところですか寒いのは  由紀子

三 日 坊 主( 福島 )240号
一瞬の夢散り急ぐさくらさくら   敏 子

つ く ば ね( 茨城 )184号
忘れたいことは忘れられないこと  由 美

時事 作家協会(神奈川)91号
当たり屋に突き落とされた民主党  貞 勇

銀  の  笛( 秋田 )147号
一滴のレモン私を弾ませる     つな子

能     因( 白河 )760号
一瞬のためらい自動ドアが開く   千 衣

下     野( 栃木 )1650号
裏方の汗へ勝手な外野席      秀 夫

松 代 川 柳( 長野 )101号
手が届くまでバラ色に見えただけ  綺 声

さ ざ な み( 愛知 )465号
ブーメランもう初恋は戻らない   勢津子

犬     吠( 千葉 )376号
メロン切る私の中にある祭り    春 枝

柳     都( 新潟 )688号
はかなげにでもしたたかに春の雪  笙 子

川柳倶楽部 %( 京都 )051号
キャベツ真っ二つ ニヤリ     勲二朗

オ ホ ー ツ ク(北海道)399号
雨音しだいね約束のその先は    優美子


海     峡(いわき)346号
生かされて今日も確かな水の音   芳 苑


仙 台 なんぶ( 宮城 )270号
未知数の春に恋するアマリリス   智恵子

さ い た ま( 埼玉 )557号
狼が来るぞ来るぞと葬の列     尚 美

川 柳 東 京( 東京 )537号
もったいないはOKでケチはダメ  恭 子

midori ( 愛知 )516号
飛び降りるときは一緒の筈だった   進

せんりゅう弥生( 白石 )89号
春の陽はヒトを多彩に染めていく  章 子

林     檎( 青森 )482号
冷や汗をかくのが僕の日課です   霜 石

ち     ぬ( 大阪 )493号
買い替えた機器と格闘しています  明 子

す み さ か( 長野 )184号
大分透明人間に近づいた       操

路   (神奈川)506号
鉛筆の転んだ方に鬼がいた     我 流

す ず む し( 秋田 )363号
月の道ボクに勇気があったなら   一 粋

杜     人( 宮城 )209号
ポケットは空で出たとこ勝負かな  ちえみ

川柳文学コロキュウム( 大阪 )17号
御自愛をなんぼしたかて風邪は引く しんじ

明  日  香( 埼玉 )43号
寝返りのうまい男へ貸さぬ汗    一 由

白     帆( 東京 )336号
できちゃった婚で始まる修羅阿修羅  脩

べ  に  花( 山形 )529号
改革という名で過疎が潰される   克 二

甲  斐  野( 山梨 )312号
愛なんて語る暇なしキムチ鍋    信二郎

銀     河( 東京 )72号
ガリバーに見せる南京玉すだれ   繁 治

わ  っ  か( 山形 )454号
耐えて咲く花から学ぶことばかり  マ コ

おかじょうき ( 青森 )149号
心からピュッと飛び出ている部分  むさし

ふ ぁ う す と( 兵庫 )898号
二人なら見える小さな星だけど   千 代

宮  城  野( 宮城 )703号
あなたへと続く空です見ています  ひろみ

き ぬ う ら( 愛知 )307号
少年の宇宙カラ、カラ、ラムネ玉  一 沙

港   (神奈川)468号
灯油切れ私冷たいオンナです    久美子

紫     波( 岩手 )269号
甘いマスクって舐めたことはないが たかし

家   (いわき)424号
なるようになる曇天を割る日差し  明 子

水     脈(北海道)12号
きざめば匂う青葱も川柳も     涼 子

蟹  の  目( 石川 )574号
さりげなく本音が言える腹話術   君 枝

川 柳 ポ ス ト( 新潟 )484号
不運にもくじに当った役不足     潔

川 柳 瓦 版( 大阪 )564号
又かいなフォーが出たからテレビ消す 士 郎

も  う  こ( 宮城 )413号
青空へスポンと足の抜ける音    逸 星

川 柳 人 生( 新潟 )158号
今だから笑って話す粗衣粗食    利 広

道   ( 埼玉 )211号
議論百出爆竹を放り込む      美 雄



川柳広場 | Link |
(2006/05/11(Wed) 20:04:28)

おみゃあっちも川柳やってみりゃいいら 谷口 智美
ぶしょったいええかんジャンバ脱ぎにゃあよ  谷口 智美
ほったあを貯めからかして置忘れ    柳沢平四朗
丁の字もええかん有った立志伝     柳沢平四朗
はんまつへやあーっと行ってないだに〜 高橋 春江
おっかあさーそんなかっこで来んでや〜 高橋 春江
ぶそくっていにゃあでどんどんいきゃあええ  山田 ぎん
天気ええいやんばいだよひどろしい   山田 ぎん
あんてえが言うなら嘘じゃねえずらよ  岡村 廣司
われとわれ俺の通りにやってみょう   岡村 廣司
いせ〜でもやくたいもない楽しめや   石田 竹水
買出しと特に気配りからっぺた     石田 竹水
荒れた世がや〜になって馬鹿踊り    堀井 草園
石松の石をはぎゃあて負けたずら    堀井 草園
冷え性だもんですぐつん漏りそうになる 鈴木まつ子
ひまっさいが多くてうちのこんはひっぽかし  鈴木まつ子
きんせん花俺も供えてもりゃあてゃ〜  中安びん郎
地震来りゃ〜おぜえ家だにしんぴゃあだ 中安びん郎
 
▽ひゃあ〜〜皆さんまた「しぞ〜か弁」どばっと送ってくれて
ありがとう〜。嬉しいっけや〜。あんま嬉しいんで歌うでね。
♪きゃあろが鳴くんで雨ず〜ら〜〜よ〜(カーン)あれっ?

ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 | Link |
(2006/05/11(Wed) 20:05:28)

「自 由 吟」            寺脇  龍狂
合併で市長ばかりが忙しい         浜 松
ひきだしに勲八等が息ひそめ
封筒の奥までのぞくラブレター
読んでますお知らせ欄と悩みごと


 「人生模様」            真田  義子
携帯がやっと通じたオリオン座      仙 台
現住所ここは泉が湧く所
母が織る人生模様美しい
紀元前を想像させる遺跡群


「自 由 句」            山本 トラ夫
本能を使い切らずに終わりそう     長 泉
かみさんに手刀切って貰う金
なすままに根性までがひねくれた
猫道にはずれて人に媚をうる


「儚  い」            新貝 里々子
跳ぶ足をうおの目などに召し取られ      袋 井
皮算用の癖が直らぬボールペン
一泊の旅のごときにはしゃぎすぎ
時刻表一本櫻標的に


「  夢  」            大塚  徳子
ミソスープ固定観念捨てました        仙 台
ミトコンドリアにかくれんぼするカルシューム
奥歯食いしばり皆勤賞がない
必要なものの一つに夢がある


学ぶ程海広くなり深くなる       山田 フサ子
振り向けば幾度峠を越したやら         袋 井
洗濯物がタンゴを踊る老多忙
渡る世の起伏にためている疼き
やさしさにふれたその日の軽い靴


「花 万 朶」             鈴木 まつ子
花万朶思いを寄せる人と酌む        島 田
ゆずりあう一歩へ日差しやわらかい
花冷えのフリーズドライ冬と春
いっき盛り今日を限りの花散らし


「春 の 山」            成島  静枝
老梅がイナバウアーで出迎える        千 葉
旧交の息があがったミニハイク
号令を掛ける幹事はまた私
梅まつり紅梅がついしゃしゃり出る


 「海 明 け」             横山  昌利
仕合わせのかたちに春の陽が昇る        相 馬
飽食の猿を笑ってなどおれぬ
海明けの港にボクの首が浮く
景気づけに呑んだ胃ぐすりマムシ酒


  「老いた筆」              柏屋 叶志秋
進めない道はなかった少年期        山 形
老いた筆書くは反省文ばかり
野の花も脇役よりは主役好き
川底に丸くなれない石がある


  「深 呼 吸」            加茂  和枝
精一杯自分の足でつかむ春          岩 沼
満開の梅花に想う生きていた
雑草も夢をつかんで花が咲く
春の陽につかんだ夢と深呼吸


「突然ですが・・・」         戸田 美佐緒
背徳のルージュ悪女の顔になる      さいたま
丸腰でくるから拒めない和解
蛇口からいつか溢れる無神論
突然ですが妻も女でござ候


  「真  水」            石田  竹水
人生のレシピ涙の隠し味            静 岡
生きる夢ドライフラワー真水飲む
佛だと言われた鬼が人に成る
楽しみの風に吹かれて舞う余生


 「春ですか」            鹿野  太郎
メーターも上がる減ら無い口のママ      仙 台
国会の秩序守っている睡魔
郊外で一際光るハートビル
華やかな記憶に小骨二つ三つ


 「春のかぜ」             高橋  春江
花ふぶき髪にひとひら持ち帰る        袋 井
春の風ヘソ出しルック待ちかねて
満開の花のおごりを散らす風
老いふたり妻の謀反が愛らしい


「雑  詠」            山本 野次馬
新風へ飛び出す君の竹トンボ         函 南
嘘のない父の手だから温かい
アイドルの掟真顔は明かせない
気迫だけみせて翼のひ弱さよ


 「風 光 る」             江川 ふみ子
子の家の合鍵を持つ春の虹          函 南
さくら散る中へ浄土を置いてみる
万歩計孫と歩めば風光る
耳をなくすと何と静かな海だろう


 「五  月」             金田 政次郎
木遣唄お江戸絵巻の先を行き      静 岡
初鰹男の贅の茶づけ飯
わさび沢冷たい水も鼻に抜け
魂を熱くさせてるサクランボ


「自 由 吟」            柳沢  猛郎
夕焼けへ今日の叙情を噛みしめる       袋 井
人生のパズルに公式などはない
倒産の死角にあった保証印
この年齢で未だ駄馬でいる靴を履く


 「創  作」            鈴木 恵美子
生き甲斐の趣味へ炎を絶やさない    静 岡
亀の歩みで趣味を繋げる川柳誌
逢った日のメモは花マル小さく書き
大器晩成母は気長に待っている


「雑  詠」            滝田  玲子
ブランドの傘でうかれる春の雨      浜 松
突風もめげずペダルの若い足
顔の傷まだ隠したい厚化粧
新緑に元気をもらいのばす背な


  「老らくの恋」           堀場  大鯉
老らくへプロムナードが硬すぎる        焼 津
たかが恋などと孤高の影が言う
休肝日だから逢引き味気ない
野仏に老いの道行きあやぶまれ


「少しケチな話」           増田  久子
ゴム長が川の深みを忘れがち         焼 津
句より字を見せたがってる草書体
バイエルの先へ行けない孫二人
客用の布団ばかりを干すテラス


「落下しきり」           井口   薫
ロボット語講座を探す介護法         袋 井
時差のある会話笑いでカバーする
テロップに遅れとらないよう歩く
落下しきりああ痩せていく花便り


 「自 由 吟」             御田  俊坊
青春の芽生えで恋の花開く           高 畠
春の風芽生える蕾動き出す
豪雪で垂木が折れた的外れ
酒の席本音を炙り出されそう


  「く る ま」              芹沢 穂々美
車座になって何何悪巧み          沼 津
狭い庭車庫にのっとりせがまれる
トスをしたボール受け止め火傷する
ピーカンの空へののじを書いている


  「あいうえお」           西垣  博司
安心の保険生活費の不安          静 岡
一つ服泣きと笑いをタイが分け
嘘本当使い分けてる一つ口
絵心もなく川柳も生齧り
尾の先を少し丸めてカウンター


「め が ね」              設楽 亜季浩
メガネかけ約款を読む虫めがね        静 岡
価値観に席が合わなくなった老いふたり
春ウララ眼鏡マスクは日本人
小姑のメガネに適う嫁を待つ


  「私と故郷」            竹内  さき
初恋を濃ゆくして会うたもと橋         浜 松
心降るともし灯深む挽歌集
てのひらのドラマと浸る私海
私にもある身の丈を漕ぐ故郷


 「雑  感」            川口   亘
生真面目が過ぎて叱言に聞こえてる       藤 枝
侘びしいかそれが本音か嘘を云い
神経は弥次郎兵衛にも似せて生き
なし崩しすぐに火のつく年金者


「時 事 吟」            田原  痩馬
変人のキップの切れる人いない      熱 海
剛腕に母屋差し出す民主党
実話から戻りつつある土地神話
イチローが本性むき出す愛国心


「人 間 性」            岡村  廣司
歯車になったら言えぬ主義主張     焼 津
人間の驕りが悲劇作り出す
追風に乗ると傲慢鼻につき
生き恥を曝す事などご免だね


  「雑  詠」            ふくだ 万年
愛なのか我慢で聞いた妻の愚痴         大 阪
邪念持ち刺された棘は我慢する
禁酒だがこれが最後と三杯目
浅知恵の塊り溶けずほろ苦い


 「明  日」            馬渕 よし子
過去を捨て輝く明日へする脱皮        浜 松
指きりの指が果せぬまた明日
明日へと無限の夢を追い求め
保証ない明日の命をいとおしむ


「叱  る」            薗田  獏沓
子を叱る親の声する生きた町         川根本町
なぜ叱る解説するから腹が立つ
一呼吸おいて破向う恐ろしさ
父親の小言は今も錆びてない


「  光  」            笹  美弥子
光ろうよ綺麗なたまご産むために       仙 台
脇役で光る貴方にいやされる
光ること知らずに楚楚と路地の花
富士山の切り札があり日本好き


「雑  詠」            鈴木  澄子
剪定の痛みを分かつ枝の張り         浜 松
健全な大樹の元で子は育つ
肩の荷をおろして気力迄うすれ
キヤチェンジ春は心もなめらかに


「自 由 吟」         中田   尚
数打てばマズイメールも二つ三つ       浜 松
審判も人間誤審だってある
他力から王・松坂が光りだす
平凡なシナリオならばいいのだが


「雑  詠」             竹内  登志
予報では晴れと言うのに膝は雨         浜 松
笑い袋全開にする嬉しい日
縁起よく春買う財布張り知らず
八十路坂卆寿をめどに励む趣味


 「雑  詠」            内山  敏子
渋ちんもこっそり買った宝くじ        浜 松
痴話喧嘩続きで茶漬食べている
食べ盛り電車待つ間のカップ麺
似た者と言われ夫婦のうまが合い


 「旅路にて」             栗原  波朗
 思いやり長続きする間柄           三 島
寒暖に腹が立つ程年令を取り
ぐうたらはいやだが身体動かない
凄い句か並び私の心萎え


 「風邪を引く」             川口 のぶ子
からっ風心の隙間入り込む       藤 枝
寝不足がとうとう風邪を引きおこし
うたた寝につい油断して風邪を引き
風邪に背を向けて突っきる貧乏神


桜花駿府公園人が集り         山田  ぎん
動物園桜満開人が寄り            静 岡
ピンク色土手の桜が見事咲き
桜咲く護国神社へ逢いに行く
裏の畑芹を摘んでる老い元気


「雑  詠」            森島  寿恵
啓蟄に虫も這い出る春を告げ        浜 松
姉の文字乱れて老いを知る哀し
据膳に嫁の優しさ彼岸入り
微笑んだ孫のピンクに染まる頬


  「背  な」            安田  豊子
寒暖の振り子が老いの背を叩く         浜 松
背伸びしてみても何にも変わらない
丸い背を奮い立たせるイナバウア
殻を脱ぐ程でなかった春の使者


「雑  詠」            藤野  俊子
スプーンは良いから地震予知をして       掛 川
大バーゲン終り家計簿見たくない
妻と娘に居間を取られてスナックへ
内緒だと皆にささやく情報屋


 「  春  」           中安 びん郎
春雷に吃りの兄がやかましい         静 岡
庭の芝無限に生える春の草
春疾風スカート族が立ち竦む
春の海釣り上げるのは河豚ばかり


「自 由 吟」            柴田  亀重
祝傘寿 老いに留守番役がある         沼 津
聞き上手囃囃す氷上舞いの美女
趣味に住む優雅な群れへ潜り込む
語らない亡父母流浪の波枕


 「雑  詠」            堀井  草園
試験管本当の嘘が逃げまくり         静 岡
長生きの親父うろちょろ褒めすぎる
回復期背中の垢が重すぎる
手の平で迷う日本語軽くなり
 

「霞  む」            中野 三根子
春がすみゆれる心も風と散る         静 岡
夢の中父のおもかげかすみ出す
春の雨パラソルの色かすんでる
ほほえみを残して彼は霧の中


 「好き嫌い」            佐野 由利子
好き嫌いはっきりしてる人だもん       静 岡
春なのにメールの返事まだ来ない
精一杯がんばっているカタツムリ
禁煙が口寂しくてガムを買う


「雑  詠」            林  二三子
思い出を溜めて押入れあふれそう       芝 川
電化製品我が家に多機能は不要
春の雨花の命が気にかかる
新芽ぷちぷち木々が賑わって来た


「立ちあがる」           川村  洋未
ストレスはまるめて固めほうり投げ    静 岡
マニキュアをぬってつぶした赤い恋
うちの子もそろそろなるか宇宙人
この迷路出口を先に確かめる


「世の歪み」            永田 のぶ男
人の口塞ぎとまらず水が漏れ         静 岡
マイク前米搗きバッタ今日もまた
ロボットに魂入れて泣き笑い
合併で公僕やたら忙しい


「綻  び」            長澤 アキラ     
ほころびがあって自由を謳歌する    静 岡
綻びを綴る深夜の赤ワイン
いいことがあったか椿ほころびる
文明の綻びがあるパンツ穴


「チョイワルオヤジ」        松橋  帆波
サングラスかけると腹が引き締まり      東 京
ロレックスぽいのをはめて飲むワイン
ナナハンも乗れると免許にはあるが
分割で買った喜平が似合わない


 「幼  虫」            真理  猫子
春夏秋冬浮気の虫は元気です         岡 崎
虫メガネでも見えないよ結婚線
泣き虫に見えてアリガト花粉症
ダンシングオールナイトな腹の虫
 

「は  な」            高橋  繭子
杉花粉 鼻で受粉をしてるって         大河原
さくら開花 私も開花宣言を
モクレン満開取り壊された家の庭
一本桜 自分のために咲いている


 「続・花言葉」           谷口  智美
本心は下心ですコチョウラン         伊 豆
疲れたと言えぬヒマワリ空元気
名刺だけばらまいている金木犀
待てますか私を試すアマリリス


「春が行く」             多田  幹江
春うららとまり木を乾す裏通り        静 岡
ざわざわと義母の木亡母の木も萌えて
風媒花見果てぬ夢に縛られる
こんな春あんな春過ぎ風薫る


  「女  神」           池田  茂瑠
待つ辛さ幾度鏡に聞かせたか      静 岡
この本が私にくれたものは悪
女神にも男を掴む爪がある
怨念の紐を這わせた深い闇


  「雑  詠」            高瀬  輝男
わたくしのドラマも謎を秘めてます      焼 津
不発弾ばかりでウツを抜け出せぬ
此処へ来て磁石狂っていたを知り
春なれや絆忘れて翔びたいな


  「  頭  」            川路  泰山
立法府頭の悪いのが揃う           島 田
足元を照らしそこねた東大出
社長族上手に頭下げてるね
教育は単調 社会複雑に


「もう中指は」             山口  兄六
次世代の恋にドタキャンされている      足 利
問診を受ける不純な亀の餌
谷間からこぽれる春に生を受け
お揃いで照れ隠せないサクランボ


「尊 厳 死」                望月   弘
のほほんと生きて尊厳死を主張      静 岡
ロボットに着せたい服を募集中
家計簿で足し算眠ってばかりいる
親指に腱鞘炎の刑を科す


 「もう親指は」           加藤   鰹
星が降る正しき戦などはない      静 岡
バカヤロー 夕陽も僕もよく言われ
寝違えてああ健康の有り難さ
友の死にもう親指は隠さない


   顧  問  吟 
 「蝶つがい」       柳沢 平四朗
才覚はゼロで愚直の字をなぞる        静 岡
薄い陽を大事に老いの馬の耳
片方を責め共犯の蝶つがい
籤運の悪さへ手帳白いまま

虎竹抄 | Link |
(2006/05/11(Wed) 20:06:28)

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