静岡川柳たかねバックナンバー
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福づちに子どしの運を信じよう     浅野 滋子
会いたいよ元気な声で八十路坂     秋本トヨ子
スケジュールわくわく埋める初暦    井口  薫
恋へ塗る酒で薄めた保護色を      池田 茂瑠
気を若く又一年を駆け抜ける      石井  昇
チョロチョロと双六のよう人生は    石上 俊枝
雪月花めでてゆっくり北に棲む     石沢 久子
サイコロを転がし酒に辿り着き     石田 一郎
玉手箱大黒鼠背負い来る        石田 竹水
危なしと思えど鼠小僧なり       石田 柊馬
米蔵でむかし話をするネズミ      板垣 孝志
独楽ねずみ幸を詰め込む福袋      市川 重雄
タンポポの種に託した夢のカズ     伊藤 我流
ネズミ算幸せすれる年が明け      伊藤 泰史
母犬のお手してゐたりお年玉(俳句)  伊藤  眠
手を振っているのにドアが閉まらない 犬塚こうすけ
伸びきった輪ゴムを宥めながら行く   岩淵 黙人
奥深い人生十色十七字         海野  満
飽食の時代ねずみの優雅な目      江尻 麦秋
完走を喜ぶための汗をかき       遠藤 正静
今年また身の程の夢描いてみる     遠藤みゆき
鼠算賢い奴の悪巧み          遠藤 木犀
生臭い童話も明日に抱くネズミ     近江あきら
とりあえず一粒捲いてねずみ算     大石 一粋
七度目の子年迎える三が日       大橋 政良
白鳥の眠りの底の底の白        大野 風柳
風通しネズミ夫婦にまかす初春     太田紀伊子
大黒様の使いうれしや嫁が君      大塚 徳子
芽出たきを分かち合ってる犬と僕    岡部 美雄
時間だけたっぷり持ってるだけのこと  岡信かず男
めでたさも程程でよし雑魚だから    岡村 廣司
喜寿の春さても目出度く地酒嘗め    奥田 一星
今朝の外も見ず
子の日のネズミも屠蘇の酒(回文) 落合 正子
初夢も刻に追われて見ぬネズミ     鍵山 裕樹
改まる年へ紅蓮の歩を刻む       笠原 高二
青えのぐ手に山脈へまた一歩      金子美知子
初陽織る金糸銀糸を身に飾る      金田政次郎
子ねずみが今夜もメールばかりする   門脇かずお
ねずみから小判一枚貰う年       鹿野 太郎
生かされて尚夢を追う喜寿の春     鎌田 一尾
ペットにはならぬネズミの一人旅    川上久美子
こまめにも動くねずみの歳が好き    川口  亘
虹色の言葉を探すこまねずみ      川島 五貫
侃諤を持して大きく風を汲む      川路 泰山
軸一本まわし続けてきたねずみ     河内沙智子
初夢は空へジャンプのスニーカー    川村 洋未
十二支のトップを駆ける子沢山     菊地 克二
およぐって何だとふっと考えた     北野 岸柳
六十路酌む初春から僕のロスタイム   北村 吾朗
青い鳥のたまごをいまも懐に      木本 朱夏
ヨッコラショ坂きつくなる年女     葛岡ヒデ子
夢一つミッキーマウスにあやかろう   熊谷 岳朗
日本のお米を知らぬねずみたち     桑原 元義
人間は豆つぶであるせっせっせ     小池 孝一
野良猫が減ってねずみの日向ぼこ    孝井  栞
打出の小槌持っているのは野のねずみ  小島 蘭幸
人という文字が笑って見えて春     児玉ヒサト
原油高 寝正月ですエコロジー     小林信二郎
子の年も佳句一点の延長戦       小林満寿夫
スタートの干支に今年の夢を盛る    小林 良恵
福々と長寿の笑みが屠蘇を酌む     駒木 一枝
ねがいごとずらりと結ぶみやの枝    古俣 麻子
睡い目をず〜とこすって見る日の出   酒井 可福
川柳の魅力を広く伝えねば       桜井 閑山
スタートラインやっぱり強く引いてみる 提坂まさえ
富士拝む米寿迎える新春の窓      佐竹 観光
母の背も声もまあるくなって春     佐藤 明美
ペットではないが可愛いネズミの瞳   佐藤 灯人
黎明を運ぶマウスを所望する      佐藤美枝子
本籍を置く 雪の降る街(十四字詩)  佐藤 美文
躓いた石も私の接続詞         真田 義子
新春の富士に誓ったダイエット     佐野由利子
愛ふんじゃったあしのうらのさくら色  澤野優美子
かき寄せる熊手はやめて箕を買う    柴田 亀重
友達は猫ですねずみニャンと鳴き    四分一周平
賽銭のストレス柏手は知らず      島田 駱舟
福を生むネズミあちらにこちらにも   志村まさ尋
燠火トロトロ祖母の民話がまだ続く   庄子比呂夫
子の絵馬を見上げる猫は寂しそう    白勢朔太郎
しあわせは夢チューになれる川柳がある 新貝里々子
初春へ霊峰富士と屠蘇を酌み      鈴木恵美子
豪快なネズミだ猫を踏んづける     鈴木 逸志
生きていくヒント川柳芽吹かせる    鈴木まつ子
ねずみにも分け隔てなく差す初日    妹尾 安子
少子化もねずみ算なら多産系      芹沢穂々美
ディズニーのねずみは猫とダンスする  薗田 獏沓
みな無事でまずはめでたいお正月    高瀬 霜石
人間の床しさ感謝初詣で        高瀬 輝男
ぼろぼろの夢抱きしめてまた歩く    高橋はじめ
いのししが追われ子年の幕が開く    高橋 朗風
古希過ぎた鼠が試すひと齧り      瀧  正治
愚直でもあなたが好きよモアイ像    瀧   進
再会のメール抱き合うねずみ歳     竹内 さき
初詣で八十八のねがいごと       竹内 登志
陽だまりの猫とネズミの相聞歌     多田 幹江
可も不可もなき毎日を幸として     田制 圀彦
新年の扉を開くおかげさま       田中 新一
酔眼で見ている雪はさくらさくら    千島 鉄男
耳かきで溜まった小言かき出した    塚本 寄道
昭和史を遠く離れて初春の酒      辻  晩穂
賽銭の小銭をさがす事始め       辻   葉
マウス手に時間を惜しむ独楽鼠     津田  暹
地震説我が家のねずみ覆す       土屋 渓水
ネズミ自負ヒト科の役にたっている   てじま晩秋
お迎えは要らぬぼちぼち歩くから    寺田 柳京
アベックを白い眼で見るゴルフ場    寺脇 龍狂
子ねずみをそろそろ旅へ出す構え    栃尾 奏子
何かしら追い立てられるねずみ年    中島 久光
無理をせぬペースを守るはるの酒    中田たつお
私が私でいるネズミ年         中田  尚
チュー公が引き摺って来る初日の出   長澤アキラ
中心に定めた位置が迷い出す      中野三根子
羽子板をつけば総理の顔がある     永田のぶ男
新年の風が運んで呉れた夢       中村 広志
ネズミには年金不安ない暮し      浪越 靖政
来る年もスローライフの紡ぐゆめ    成田 孤舟
柏手を天井裏へポンと打ち       西垣 博司
コマネズミですヨと履歴書が唄う    西潟賢一郎
偽の年も変わらぬ距離でいてくれた   西端 康孝
残響に反響がある嬉し初春       いしがみ鉄
鈴つけに行くと一杯呑めと言う     萩原 典呼
どぶねずみ色でニッポン巻き戻す    萩原まさ子
りんごがぶり我が存在のほがらかさ   畠山 軍子
ねずみ算詩嚢どんどん膨らます     樋口 一杯
並木にも一本桜にもなれず       ひとり 静
あの子の子 子の子子の子とまだ寝ぬか 深町 金鳥
初春にポックリ寺を梯子する      ふくだ万年
一年の計はネズミにかじられる     藤沢 岳豊
二世帯へ住める幸せ春を酌む      堀井 草園
白足袋と歌う初春酌み交わす      前原 遠州
ねずみ真似齧ってみたい夢と年     増田 信一
初夢へねずみは小判曳いて来る     増田 久子
齢なりに夢を抱いて屠蘇を酌み     増田まさし
いろいろあったけど桜が満開だ     松尾 冬彦
ささやかな幸せ丸く古希の春      松川多賀男
偽の年を引きずるネズミかわいそう   松橋 帆波
何周しても一番でいるねずみ      松田 順久
柏手を打って家族のいい笑顔      馬渕よし子
お月さんから昇る地球が素晴らしい   真弓 明子
水割りの水の部分は真面目です     丸山  進
ねんとうへずさりずさりとみをゆだね  丸山 健三
子の刻に踊り始めてまだ踊る      水品 団石
雪の白いささかの朱を手に残し     水橋 秋子
平和呼ぶ子年の空に鳩が舞う      御田 俊坊
ていねいに生きるいのちの道だから   宮村 典子
年金で生きるリズムが初春に乗り    村松はじむ
受験生力を込めて初詣         毛利 由美
エートネエ一番なのに何故チューだ   望月 邦昭
この国は性悪説へ流される       望月  弘
古希近し遅く来い来いお正月      森田 安心
女を生きてまなじりにある春よ     森中惠美子
一礼の床に艶あり寒稽古(俳句)    矢澤 賢一
追い越してゆく人の背に急かされる   安田 豊子
月並みな御加護を祈る初詣       薮ア千恵子
社保庁の死角で増えるねずみ穴     山口 早苗
今日生きてあしたの過去に乾杯だ    山田 不及
年金細る チュー太はふとる      山田 迷泡
とりあえず食えるかどうか嗅いでみる  山本トラ夫
今年こそ人間らしい顔でいる      山本野次馬
ちょこまかとネズミになるか定年後   吉道航太郎
夫婦三年目色いろ見えてくる      横田輪加造
2008ねじれカルタでお正月     若山 大介
変転の時代を狙う風刺の矢       渡辺 貞勇
  ☆ほか、たくさんの賀状ありがとうございました。



年頭吟 | Link |
(2008/02/26(Mon) 08:37:12)

ちゃっきり し ぞ 〜 か 弁 川 柳 

おだっくいいかい事ばっかいやーがって 畔柳 晴康
おいなんでしょろしょろもたりしてるんや畔柳 晴康
しょんないなー所かまわず居どころ寝  鈴木まつ子
カーカーしくヒロヒロしてる物欲しさ  鈴木まつ子
親も子もぞんぜえな口ききゃがって   岡村 廣司
あのうちのてえらみんなで行くだっちょう岡村 廣司
しらっくらせんでさ早くやっちまいな  高橋 春江
教えてもしぞ〜か弁がつい出ちゃう   薗田 獏沓
雨ずらよ〜勘弁井戸で鳴くキャーロ   堀井 草園
準優勝藤枝東どえりゃ〜ぞ       中川  司
ドカベンの殿馬しぞ〜か人ずらか    那須野正明
ひまっさいだけみだましい女房留守   瀧   進
ぶそっつらしょんないこれが素顔です  瀧   進
はしっけえヤツだ姿がもう見えぬ    西垣 博司
呑んべえの話はいつもまどろっけえ   西垣 博司
窓ガラスがりゃあか割ってわりいっけ  中安びん郎
きんのーの柿ヤぁうみゃっけおーきによ 中安びん郎

▽中川さん「どえりゃあ」って名古屋弁じゃにゃあかやあ?
だけえがフント、藤枝東サッカー頑張ったねー。立派立派!
☆投句先☆ 〒421の2106 
しぞーか市葵区牛妻2095の13  加藤 鰹あて
(受付随時、投句料もいらにゃあでね〜)



ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 | Link |
(2008/02/26(Mon) 08:27:12)

自 由 吟
  虎 竹 抄


「時  間」            堀内 しのぶ
持ち時間ばかり数えている余生       焼 津
生涯を見つめ直した孤の時間
生きる時間まだありますと許す神
少子化へ冬の時間が長すぎる


 「雑  詠」            成島  静枝
せち料理亡き姑がいる背中        千 葉
好きなことしようなんとかなるお金
早春の里の絵原画手に入れる
自分への原点回帰する子年


 「二  月」             金田 政次郎
古色奏奉鬼面が笑う神楽舞       静 岡
シナリオの鬼は覚悟が出来ている
週刊誌俺の病気が載っている
冬の蝿どでんと転げそれつきり


「冬 休 み」            毛利  由美
集金に子が帰省する冬休み          つくば
もう嘘はつかなくていいクリスマス
いつも来る人から来ない年賀状
黒豆にはまって体重が戻る


「  酒  」            瀧    進
枡酒に男ロマンを語りかけ           島 田
男酒浮世の憂さは語るまい
根回しの酒酌をする下心
婿殿の十八番とび出す祝酒


「雑  詠」           馬渕 よし子
有頂天なって着地の場所忘れ         浜 松
尻もちをついてプライド捨てました
空欄を埋めるに愛が足りません
喧嘩する度に昔を掘り返す


「淋しい漁港」           増田  久子
元旦の舳先せめての大漁旗           焼 津
風と雲から天候当てる漁夫
漁港より魚センターだけ知られ
水産校海の男を育てない


「思春期まっ盛り」         塚本  寄道
不器用でおっちょこちょいなボクの恋   長 泉
強情で聞く耳持たぬボクがいた
この先は波乱含みのボクの道
受け取ってボクの真心贈るから


 「チャンス」            真田  義子
ゆっくりと時間流れて旅の宿         仙 台
切り札を出さずチャンスを待ってます
塩加減ひとつで決める母の味
ライバルに一歩下って付いて行く


 「雑  感」             川口   亘
非通知の電話の恐いまだ深夜          藤 枝
日の目見るやつと意見の通る夢
ひと言の云った駄洒落で座が乱れ
非常口確めておく地震予知


  「初  春」              鈴木 恵美子
初春へ霊峰富士と屠蘇を酌み         静 岡
墨をする日本の香り深く吸う
忙しい年になりそうこまねずみ
一枚の賀状一年の想い込め


「雑  詠」            藪ア 千恵子
やっかみがあちこち作る落し穴       焼 津
あちこちへ触れ回りたい良い知らせ
筋書きの無いスポーツに踊る夢
教育も財布の中も無いゆとり


 「自 由 吟」              内山  敏子
親の字を楷書ででかく筆始め         浜 松
八十路坂躓く石とよく出合う
冬が来て満杯になるコンセント
温度計と灯油の目盛りにらめっこ


  「ぼたん鍋(亥年)」         濱山  哲也
格差酔いビール・発泡・第三と         つがる
アニータの胸と態度は変らない
県庁のトイレを使う癖がつく
美くしい国で泥んこ遊び消え


 「年末年始」             中矢  長仁
世の中師走騒がしいけど知らん顔        松 山
ワイン抜きあやかっているクリスマス
仏壇にお年玉置き拝ませる
松の内過ぎまでは無理ダイエット


 「油  断」             岡村  廣司
過不足の無い人生に有る油断         焼 津
慢心にどんでん返しきっと来る
人間の油断を病魔衝いてくる
あんなのと見縊っていて負けた悔い


 「雑  詠」             西垣  博司
捨てられず倍加熱する期限切れ        静 岡
整形で東洋の顔減る気配
言い訳をまだ云えるだけボケてない
期限切れすぐ追いかける胃腸薬


 「迷  い」             安田  豊子
枯渇した脳へボリューム上げる酒       浜 松
たった一つの勲章それは過去の傷
千の風歌い迷いがふっ切れる
後悔を拾い集めて百八つ


 「本  音」             鹿野  太郎
福袋より訳ありのイチキューパー    仙 台
蜜月を少し過ぎるともう真坂
苦しいと飛行機雲が道標
家計簿が四方八方から悲鳴


 「雑  詠」            酒井  可福
三度引くおみくじ凶で済まされぬ       北九州
新年の挨拶妻の従順さ
暖冬にワーと泣き出す雪ダルマ
信じたら足すくわれた救世主


 「おひさま」            大塚  徳子
偽の一字スポットライト浴びて春    仙 台
庭にすずめ遊ばせている危機管理
分別を無くしてしまった大食らい
寛容なおひさま注ぐ地が温い


「  空  」            山本 野次馬
飲み干した空き缶海へ凪いで行く     函 南
おごりなど捨ててみなさい青い空
同じ空おなじ正座でまた会おう
空回りしてるぺタルで明日を読む


  「手  袋」            小林 ふく子
人間の底辺を知る軍手穴            袋 井
絹手袋掴んだ悪が手に刺る
手袋を脱いで幸せわし掴み
手袋が欲しい地蔵の陽の寒さ


 「雑  詠」            石井   昇
理論家が吐いた理論にけつまずき       蓮 田
風袋を引けばふわりと浮く命
控え目な猫が残した魚の骨
冬の朝妻高夫低異変なし


 「  涙  」            高橋  春江
涙壺浅いかなみだすぐ溢れ          袋 井
演技する涙はすぐにボロが出る
哀しみの涙は見せずそっと拭き
大仰に泣いて甘えるママの膝


 「お 正 月」            畔柳  晴康
門に松一理の塚もまた越した         浜 松
孫を呼ぶ背と腰まがり松飾る
言い飽きた今年こそはと言う言葉
ペットまで晴れ着を飾る初詣で


 「  孫  」            薗田  獏沓
年寄りと園児仲よく餅を搗く        川根本町
紅白の投げ餅祝う上棟式
子の夢は月で餅搗く白兎
赤ちゃんのお尻の様な供え餅


「よたよた」            鈴木 まつ子
よたよたと年始帰りの酒が効き        島 田
悪酔いの独楽はよたよたして止まり
構えてはみてもよたよたつんのめり
よたよたとした足取りで目が躍り


「新  年」            井口   薫
屠蘇を酌む音頭太字の楷書体       袋 井
新顔の賀状二枚に温かさ
かたつむりだって一緒にお正月
新しい年へ軸足かえてみる


「雑  詠」            ふくだ 万年
カレンダを買うのを忘れ銀行へ        松 原
母施設のこして家族ドライブに
屁理屈を正論に替え長い舌
義母の尻長きに耐えて嫁箒


「認 知 症」            中安 びん郎
えんどうを去年も植えた場所へ植え    静 岡
ドイツ語を英語で喋り気付かない
東大を受ければ入ると思ってる
今引いた辞書を夢中で探してる


「自 由 吟」            寺脇  龍狂
ガソリンと核と公害逃げ場ない      浜 松
七十を若いと言って笑われる
オレオレへ待ってたように送金し
ケータイにしたがつんぼは変らない


 「自 由 吟」             川口 のぶ子
ぼんやりと見上げた空に流れ星     袋 井
行く末を案じてくれる夫がいる
美容院若さもとめて髪を染め
年の暮忙しさだけが行き過ぎる


 「雑  詠」            堀井  草園
押一手自信を持った二枚舌          静 岡
松過ぎて錆が取れないドッコイショ
石の垢拭いて三年先を読む
呼び止めた勇気にホッとする他人


 「雑  詠」            提坂 まさえ
ATM給料前のあいそなさ          静 岡
通帳もカードも持たず泣きもせず
風の先選んでみたい落ち葉たち
顔ぶれは揃った知恵はいま一つ


「星  々」            川村  洋未
ウォーキング今夜もあの星あえるかな   静 岡
寄り添った星に名前をつけた夜
君は星浮いたせりふでささやいた
星いっぱいグランドに寝る空を飛ぶ


 「  夢  」            中野 三根子
初夢に待ってる人が出てこない        静 岡
夢の中今日も私がお姫さま
年金をもらっていても夢がある
やっぱりね夢は今年も宝くじ


「鮎三昧・・・其の十六」      永田 のぶ男
競技会天狗河原へ勢揃い           静 岡
早朝に地元議員がご挨拶
スタートに河原を駆ける竿の群れ
釣り師には常識越えるルールあり


「一分(いちぶん)を・・・」       長澤 アキラ
一分を立てて傷口なめている         静 岡
痩せ我慢そして不適な薄笑い
泣くがいい馬鹿な男の影法師
生き下手がそろいこの世がおもしろい


「霜  柱」            林  二三子
ロウバイ咲き喪中の初春を和ませる      芝 川
花作り始めてエコに興味わき
霜柱除けて花芽のたくましさ
霜柱土の呼吸が聞こえそう


「自 由 吟」               中田   尚
いつまでもツボミ堅しで終わりそう    浜 松
もう少しドキドキさせて仏様
杉花粉少し手加減しておくれ
どうしようマークシートに嫌われた


「お 正 月」            増田  信一
お正月嬉しくもあり無くもある        焼 津
お正月年をとるたび早くなる
羽子板も凧も見ないで七草か
お年玉あげる人だけ増えてゆく


 「語  る」            石田  竹水
豊かさに胡坐をかくと痛手負う        静 岡
着地してドラマを語る竹トンボ
名も知らんあの人を待つ無人駅
視力には自信も世間見切れない


 「迎  春」            柴田  亀重
初詣で大社に寄せる人の波          沼 津
欲と夢砂ボコリ立つ神大社
タクシーへ釣りは要らぬと太っ腹
甘党が好きな橘飩避けている


 「  夢  」            多田  幹江
タレントの夢は細木のエサになる       静 岡
一夜飾りもいい夢見たと初メール
先送りの夢でふくらむ初暦
もう少しこの夢見せてくれますか


 「疑  点」            池田  茂瑠
定位置で私は笑顔向けるだけ         静 岡
純情の恋デッサンのまま終える
胸の中見せよか疑点晴れぬなら
ほほえみの私に甘さ足りません


 「胃  袋」 佐野 由利子
羊水の中の温さと朝の床        静 岡
オクターブ上げた暮らしに的をおく
マンションの陽射し一番布団干す
パクパクと入る胃袋恙無し


「牡 丹 雪」            山口  兄六
結婚をしようと決めた牡丹雪         足 利
アゲハ蝶びしょ濡れのまま飛べないね
頷いてくれているのはホストだけ
謙譲語腹に納める朝ごはん


 「  夢  」             真理  猫子
夢中です年賀欠礼致します        岡 崎
夢枕なぜかお告げはアラビア語
初夢はバンドエイドに着地する
今年こそ狼少年ここにいて


 「圏  外」 谷口 さとみ
紅を濃くきっちり書いて電話する    伊 豆
留守電は傍にいそうでオフサイド
見たくないものしか見えぬ日曜日
大根が買えない帰り道もある


 「田 舎 街」           川路  泰山
豆腐屋のラッパが街に朝を告げ        島 田
チャルメラが一際寒い宵の街
夜なきそば鳴戸一切れ寂しいね
底辺を無休で稼ぐ納豆売り


「雑  詠」             高瀬  輝男
いくつもの秘密を抱いて生きてます      焼 津
コミカルなジョークへ鬼も苦笑い
他人の書いた矢印なんか無視しよう
一線を引くから他人顔となる


「  酒  」                 望月   弘
百薬の長を座右の銘とする        静 岡
二次会の酒が上司を切っている
ハンドルに酒の禁避剤塗ってある
カタカナで呑みひらがなで酔っている


 「マジですか」         加藤   鰹
マジですか白いご飯にイチゴジャム   静 岡
マジですかあんな美人に喉仏
マジですかワゴンセールと同じ服
マジですか地球の叫び声がする

 
  顧  問  吟 
 「詫 び 事」       柳沢 平四朗
あらたまへ並んだ首は見たくない        静 岡
晩年の今日は吹かない明日の風
寒椿ぽとり偽装を見せしめる
賞味期限の仇へモラルの返討ち




虎竹抄 | Link |
(2008/02/26(Mon) 08:17:12)

平成十九年十二月八日 
  (やはた・たかね・むなぎ合同句会) 於 有東公民館



宿 題 「ね じ れ」   永田のぶ男 選
クリニック心のねじれさぐり当て  時 枝
雑巾のねじれで分かる几帳面    穂々美
双方の言い分夜中まで続く     由利子
木ネジも頭つぶれて動かない    洋 未
笑点の笑い袋にあるねじれ     梨 絵
倦怠期ねじれたままで年を越す   穂々美
考えのねじれが趣味の味を出す   竹 水
仲人も匙を投げ出す離婚ざた    由利子
学校でねじれいじめを隠し逃げ   一 路
童心を呼ぶ駄菓子屋のねじれ飴   笑 楽
ねじられる枝に耐えてる鉢の松   笑 楽
雑巾を絞り切ってもまだねじれ   信 一
知らぬ間に親子関係ねじれてる    満
ねじれた子母が涙でさとしてる   ぎ ん
歳月の糸でねじれを縫いあわせ   恵美子
正論を吐けば逆ねじ食らわせる   まつ子
衆参のねじれ国会民あきれ     幸 子
親と子のねじれに欲しい処方箋   博 司
豆しぼりねじり鉢巻き祭りの子   志づ江
政局のねじれへ付けたコンセント   弘
大見出しねじれ国会嵐吹く     歳 江
闇の中もつれた恋が解けない    まつ子
時々はねじれてすねて可愛い女   泰 山
父と子のねじれを戻す母の糸    恵美子
与野党のねじれ国会ままならぬ   あ い
修正がきかぬねじれた赤い糸    益 代
三世帯ねじれを戻すもみじの手   時 枝
掛け声で横綱ねじる部屋力士    木 犀
姑と嫁言葉のねじれ嫁我慢     雅 子
兄弟の仲ねじれだす遺産分け    博 司
 五 客
伸びきってねじれたゴムと我が命  亜季浩
年輪のねじれ軍歌が流行歌     進 歩
モンゴルのねじれた綱に気が揉める 才 男
首かしげねじったままで拉致は過ぎ 泰 史
アメリカとねじれたままのアルカイダ亜季浩
 人 位
神様も恋のねじれは知らん顔    竹 水
 地 位
ぐれた子のねじれ根性諭す母    雅 子
 天 位
ねじれても何も変わらぬ日本国    満
 軸 吟
色沙汰も恋のねじれも解けて明け  のぶ男


宿 題 「魅  力」   新井 時枝 選
逆行が眩し過ぎますシースルー    進
誠実が魅力の彼と永遠の愛     澄 江
ちょい悪がウブな私を魅きつける  亜季浩
魅力とは神様からのプレゼント   のぶ男
魅力ある走りを父の貨車見せる   茂 瑠
長生きが女の魅力変化させ     洋 未
魅力ある言葉のウラでだまされる  周 二
遠慮なく笑える人が持つ魅力    竹 水
花生ける後ろ姿の白き足袋     博 司
闘志ある高見盛に湧く拍手      弘
容姿では出せぬ魅力を心がけ    雅 子
いるだけであなたの笑顔華やいで   満
メル友が出来て勉強ほっとかれ   まさし
荒削りだけどキラリと光るもの    鰹
泥んこの遊びに何もかも忘れ    まさし
新店舗魅力タップリ福袋      重 雄
ワンダフル連発窓の富士の山    梨 絵
三ツ星をデートコースに組み入れる 洋 未
住み慣れて都になった此処が好き  智 子
竹割った気性に惚れてプロポーズ  笑 楽
どうしても欲しいダイヤが目に眩み まつ子
日本一星のきれいな村に住み     弘
ダイヤ婚心の旅路尚磨き      幸 子
アナログのリズムで過疎に生きているアキラ
新人が美女で賑わう趣味の会    亜季浩
低音の魅力あなたを離さない    恵美子
サポーター命がけですエスパルス  恵美子
ざわめきの中にイケメン光ってる  歳 江
無口でも背中でわかる男粋      満
なにげないレジの笑顔へ足が向く  智 子
 五 客
僕の妻松坂慶子よりキレイ      鰹
ちょっとだけ見せた弱みがたまらない三根子
焼き芋屋声の魅力に負けました   穂々美
輝いた瞳の中に入りたい      三根子
富士山を高原の宿抱き締める    アキラ
 人 位
惚れあえばおかめひょっとこ様になり泰 山
 地 位
ユーモアをさっと小匙にまぶす人  安 心
 天 位
かぐやから見える地球は別世界   信 一
 軸 吟
欠点も魅力に見えた遠い過去    時 枝


宿 題 「集 ま る」  設楽 亜季浩 選
アメ玉だ大発見だ蟻が群れ     まさし
信望を集め裃脱げません       進
集まれば噂の種が先走る      歳 江
日溜りに今日の話題が落ちている  安 心
婚礼に集まる人の泣き笑い     のぶ男
あと一人小春日の旅待ちぼうけ   智 子
風流が集まってくる句会場     周 二
土捨てた人が集まる大都会     輝 男
解散の声にメダカは群れたがり   才 男
指先に視線集まる魔法の手     時 枝
おごとだと分かってからの三次会  アキラ
甘い汁ヤミに集まる黒い影      満
懐に寄ってくるのはアルミだけ   信 一
助け合う気持ちを入れた募金箱   竹 水
集まれば仲間になっている気分   恭 子
人だかりわれも覗いている一人   梨 絵
群れ居てもひとりは一人唯独り   アキラ
着飾った美人女将へどっと客    まつ子
バーゲンへ集まる主婦の無駄遣い  あ い
びんの中一円玉が出番待つ     幸 子
栄転に集まる子等の胸算用     穂々美
子供部屋集まる仲間気にかかり   博 司
反省の酒に集いて除夜の鐘     進 歩
縫いぐるみ集め内向性続く     茂 瑠
十円を美しくする募金箱       尚
金と欲スッテンテンにする競馬   泰 史
一声で万難排し集う友       由利子
注目が集まる時はこけた時     信 一
切手帳輝いていた月に雁       鰹
一番は終わって呑めるこの集い   一 路
 五 客
里山の集落今日は村まつり     恵美子
義捐金愛の証が集められ      由利子
評判の医院で椅子が空いてない   益 代
集まれば医者の話と飲む話     進 歩
小春日をふとんに集め母に敷く   重 雄
 人 位
団塊の背中で埋まる趣味講座    博 司
地 位
信号もこの集計も赤かった     茂 瑠
 天 位
集団になると蟻でも侮れぬ     泰 山
 選者吟
梅の咲く天満宮へ受験生      亜季浩







出席者四十五名(順不同)
斉藤進歩、杉山一路、伊藤泰史、佐野由利子
石田竹水、村松周二、西垣博司、設楽亜季浩
増田まさし、瀧進、鈴木まつ子、小林笑楽、
勝又恭子、川路泰山、増田信一、市川重雄、
加藤鰹、中田尚、望月弘、海野満、山本智子
遠藤木犀、寺田志づ江、青木あい、新井時枝
山田ぎん、山本雅子、山田慶子、芹沢穂々美
中野三根子、松永澄江、松下幸子、中村はな
八木益代、森田安心、高瀬輝男、鈴木恵美子
池田茂瑠、高嶺歳江、堀場梨絵、永田のぶ男
斉藤才男、川村洋未、谷口智美、長澤アキラ

☆年末恒例となりました「八幡」「むなぎ」「たかね」川柳会合同句会。今回は「やはた」の皆さんが企画・運営をして下さいました。当日は吟社の枠を乗り越えた和やかな句会、アトラクションでは森田安心さんの詩吟、長澤アキラさんの手品で盛り上がりました。句会初参加の海野満さんが第二位、同じく初参加の増田信一さんが第四位と大健闘しました。


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