平成二十年 四月十九日 高瀬輝男さん、永田のぶ男さん 句碑建立記念句会 於 しずおか句碑の郷
席 題 「 空 」(表現自由) 山本トラ夫 選 寒々と目立つ空欄の履歴書 千恵子 お隣りにイケメンがいてうわの空 三根子 掴まえてごらん空翔ぶ女です 茂 瑠 土壇場で恋人からの空手形 千恵子 なあ空よ国境なんて作るなよ 輝 男 空出張ゴルフ場でも見た人だ しげる 大空へ翔よ両手に満ちるもの アキラ 空騒ぎしたふりをして本音聞く 信 一 何もない心に風を入れようか 信 一 空気読み手を打ち過ぎて墓穴掘る 信 一 謎ひとつ解けて空腹気が付いた しげる 空きっ腹だったか声に棘がある 棋 人 ここに来て長寿空しいものと知り 博 司 落ち込みの私に空の無限大 由利子 ストレスを捨ててきました空財布 千恵子 千の風舞う空だから汚せない 弘 気ばらしに空缶潰し仲直り しげる 空想に未来をつなぐ好奇心 進 秀 句 空論卓説国民などは考えぬ 輝 男 空威張りさせてもらった手の内で 信 一 欠席の理由は言えぬ空財布 鰹 衛星が堕ちて来そうな空模様 博 司 カミさんが留守だと空も広くなる 棋 人
軸 吟 口下手は空手形など振り出さず トラ夫
席 題 「うれしい」 望月 弘 選 好天に後押しされた除幕式 トラ夫 川柳の絆が和む句碑の宴 重 雄 お財布にいつも諭吉が大笑い 尚 ご自由にどうぞと言われても困る 団 石 子供らの遠足なのに眠れない 幹 江 花束と私は奈落から戻る 茂 瑠 生シラスああ静岡に生まれけり 鰹 幸せの目安ダジャレの切れがいい 句ノ一 お仕置きはやめよう尻尾振っている 柳 京 嬉しいな本日妻も子もいない 鰹 カミさんのスキップのあと踏んでみるトラ夫 入選へ上野の森を闊歩する 由利子 合格の気配に犬も嬉しがり トラ夫 握る手を握り返した星月夜 由利子 嬉しいね今日から課長夫人です 茂 瑠 子の名前思案しているマタニティー 博 司 内緒です打たれる青い嬉しさも 茂 瑠 明日からの旅行仕度に余念ない 二三子 嬉しさが染めた髪から雫する 茂 瑠 痛み取れ復活出来たウォーキング 二三子 子に貰う初サラリーのお裾分け 千恵子 嬉しさと寂しさ同居ウェディング 信 一 いい人に会って嬉しい山に住み しげる 鼻唄は亭主元気で留守だから 由利子 物入りも嬉しい孫の七五三 重 雄 長生きはしてみるもんだ恋をした 洋 未 ラブメール届いてひとりにやけてる 三根子 ハネムーン嬉し恥ずかし子宝湯 進 郷里からの宅急便に母の愛 博 司 俎板が日光浴を嬉しがり 由利子 五 客 子の寝息母はうれしく聴いている 博 司 床上げの母弾む手でうす化粧 博 司 百点がスキップしてるランドセル 尚 この世よは思えぬ今日は妻が留守 アキラ 俎板に妻のリズムが晴れている 柳 京 人 位 春キャベツ嬉しいだろな葉がおどる 博 司 地 位 ガソリンを満タンにして旅に出る 千恵子 天 位 渋ってた父がいちばん嬉しそう 句ノ一
宿 題 「ちぐはぐ」 永田のぶ男 選 口裏を合わせたはずが策が割れ 平四朗 アンバランスだから夫婦面白い 野次馬 灯を消してボディーガードと行く聖火まさえ テレビではドラマチックなすれ違い 団 石 ちぐはぐなノミの夫婦で仲がいい 梨 絵 言う事とやる事まるでちぐはぐで 晴 康 ちぐはぐな器で足りる子沢山 敏 子 ちぐはぐな答弁をして煙に巻く 長 仁 いいほうに取られ戸惑うアドバイス 五 貫 プライドを捨てた男のなれの果 亘 寒空にミニスカートで闊歩する 博 司 やめなさいデブにピアスは似合わない 鰹 墓参りついでに神社教会も 信 一 夫婦でもごはんの硬さちと違う 三根子 だみ声の割りに純真無垢な人 アキラ 議論せぬイジメに遭っている総理 静 枝 金髪が引き立っているお葬式 由 美 嘘ばかりみんなクスクス聞く弔辞 泰 史 打てなくて万札が泣く原巨人 尚 政治家の当選前と当選後 哲 也 ガソリン税ちぐはぐ使う道路族 徳 子 美女だから野獣を好むのも解る 竹 水 棒グラフ ノルマと結果大違い 卓まる 証言が皆食い違う第三者 輝 男 野党対与党どちらも勝手過ぎ 輝 男 巨人軍あの戦力で負けが混み 博 司 ちぐはぐな政策庶民振り回す 俊 枝 閉会のことばの頃に手を上げる 棋 人 お作法を習わせ家で甘やかす トラ夫 日勤と夜勤の夫婦子が欲しい 柳 京 年金が減って主治医が太りだす 尚 式典にジーパン姿浮いている 千恵子 銀行が都民の傘を借りている 弘 ちぐはぐなカップルだけど仲は良い 洋 未 一緒ならチグハグでよい老い二人 まさ子 五 客 ああ言えばこう言い合って仲がいい 徳 子 能力と合わぬ仕事をやりたがり 廣 司 恋と欲ボタン一つの掛け違い 俊 枝 性格の不一致神はそっぽ向く 弘 新築のリビングにある古時計 二三子 人 位 父と子の昔ばなしに時差があり 句ノ一 地 位 日本間に飾られているピカソの絵 千恵子 天 位 死ぬ事は怖い死なないのも怖い 獏 沓 軸 吟 ちぐはぐな夫婦来世も○印 のぶ男
宿 題 「冴える」 高瀬 輝男 選 冴えるほど迷惑かける親父ギャグ 哲 也 オオカミに変わってみたい月の夜 まさえ 冴えた眼へ途切れとぎれの夢まとう 豊子 月が冴え駅まで歩くことになり トラ夫 朗報に心弾んで眠れない 千恵子 華やいで男の視線もてあそぶ まつ子 行く道が見え足音が冴えてくる 薫 月光のようでありたい胸の内 香 織 名案は運転中か風呂トイレ さとみ 妻と子が今朝鮮明な脳にいる 弘 血の滲む努力匠の技に冴え 進 薄壁の隣気になる二十五時 卓まる 旬を食べ脳も体も冴えている 二三子 邪魔な灯がなくて星空冴えている 千恵子 土壇場に強い頭をもっている 棋 人 雨音が頭の中に落ちてくる 棋 人 もう少し飲ませてくれよ冴えるから 洋 未 包丁の冴えを支える古のれん 野次馬 冴えた理と邪悪へ降ろす幕がある 茂 瑠 コップ酒飲んで薀蓄冴えわたり 博 司 カミソリの批判に胸の透く思い 政次郎 薀蓄がもう止まらない酒の席 博 司 道しるべ建つ山寺の月さやか 幹 江 冴えていた頭は路地の裏に置き 団 石 目分量母の特許は真似出来ん 竹 水 冴えている男集中打を浴びる 梨 絵 白熊は氷のきしみ目が冴える 静 枝 凛とした朝の空気で気持ち冴え 和 枝 月ながめ心が冴えて清らかに ぎ ん 美に冴える君代言いたい事がある さ き 王手飛車どうだ決め手に冴えがある 可 福 女の勘冴えているから切り捨てる 穂々美 なぐられて長寿高齢冴えてくる 幹 江 一浪で深夜に冴える癖がつき 静 枝 赤門を蹴った地上の星一つ 太 郎 五 客 嘘少しまぜて仲裁うまくゆき 廣 司 何気ない一言僕を眠らせず 鰹 鮮やかな弁舌黒を白くする アキラ 一手先駒が働く将棋盤 竹 水 毒舌が冴えたあげくの四面楚歌 廣 司 人 位 眠れないほどの恋愛してみたい 信 一 地 位 月光に動かぬ石が笑いだす 句ノ一 天 位 弁舌が冴えて反論寄せ付けず 千恵子 軸 吟 たかが女一人へ眠れぬ夜が続く 輝 男
参加者(順不同)高瀬輝男、永田のぶ男、 杉山悦子、笠野浩、曽根田しげる、加藤鰹 望月弘、市川重雄、佐野由利子、川村洋未 瀧進、鈴木句ノ一、長澤アキラ、増田信一 中野三根子、堀場梨絵、中田尚、林二三子 寺田柳京、西垣博司、多田幹江、池田茂瑠 水品団石、山本トラ夫、中前将人、川口亘 望月鐘雄、薮ア千恵子、井口薫、畔柳晴康 岡村廣司、大塚徳子、毛利由美、内山敏子 成島静枝、中矢長仁、川島五貫、薗田獏沓 佐藤香織、石田竹水、鹿野太郎、安田豊子 山田ぎん、竹内さき、伊藤泰史、濱山哲也 加茂和枝、酒井可福、石上俊枝、川口のぶ 子、 金田政次郎、鈴木まつ子、芹沢穂々美 山本野次馬、谷口さとみ、提坂まさえ、萩 原まさ子、今井卓まる、森田安心、柳沢平 四朗、那須野正明、輝男さんの奥様、笠野 浩さんの奥様、武山博子
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