静岡川柳たかねバックナンバー
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ちゃっきり し ぞ 〜 か 弁 川 柳

しんぜるでけっこい花をおくんない   小林ふく子
小っつけなネジだが締めにゃ廻らない  薗田 獏沓
おんしゃの嫁がんこけっこいけなるいよ 中矢 長仁
鍵かってぬくといプールいかい雲    今井卓まる
ゾングリだタバコ片手のメンチャーに  長谷川寅吉
いかずとは行こうよという事ずらよ   加藤  鰹
川柳もくたびれこうばい歳だいねー   鈴木まつ子
ひんずらしつるつる頭照り返す     鈴木まつ子
こごとこーざいきょーら孫にも嫌われる 瀧   進
おひんぶるにわかセレブがお里でる   瀧   進
いけえかと思ったお下がり丁度ええ   岡村 廣司
れえ年もやえずの花火めえくるさ    岡村 廣司
あちいから打ち水すぐにはしゃいじゃう 西垣 博司
せんだって買った携帯ひゃあなくしたに 西垣 博司
のんだくれまたおっかーにあたけられ  畔柳 晴康
ちいったあそん気になってやってみな  畔柳 晴康
秋晴れん続くでみぞ〜かけなきゃー   中安びん郎
みっともにゃー曲ったこしょー直せやー 中安びん郎
ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 | Link |
(2008/10/28(Mon) 12:11:40)

平成二十年 八月十六日 
定 例 句 会
於 静岡市アイセル21


席 題  「八 月」  永田 のぶ男 選
夏休み帰る故郷父母は亡く     修 市
夏の海泳ぎたいけど浮かばない   修 市
葉月でも俺の頭は枯れすすき    信 一
暑いねェその一言ですれ違い    好 子
八月の恋人を抱く汗を抱く     茂 瑠
北京の空高くあげよう日の丸を   洋 未
甲子園グランドの砂減っていく   洋 未
線香を多めに用意してお盆     さとみ
墓まいり親の年齢はるか越え    洋 未
水の事故山の事故へと繰り返し   好 子
終戦の月が今では海外へ      信 一
八月を一層暑くした五輪      茂 瑠
旧盆を戻らなくなる子供達     信 一
甲子園汗を涙にかぶりつき     信 一
宿題の重さを親がかみしめる     尚
八月がビールの泡に溶けている    弘
真夏でも寒くなるよな世の中に   信 一
八月は妻里帰り神無月       卓まる
八月は今年もやぱり君が代で    三根子
八月の海と初恋青かった      茂 瑠
 五 客
ふるさとと母校が踊る甲子園     弘
砂浜で討ち死にされているスイカ   弘
盆休み豆台風が来る田舎       鰹
八月のビールに弱いノドを持つ   茂 瑠
八月に命の重さ問い直す       尚
人 位
葉月です雑草取りに四苦八苦    信 一
 地 位
八月の記憶を濡らす黒い雨      鰹
 天 位
終戦の日をすいとんにうなされる   弘
 軸 吟
八月に靖国の神 雲に告げ     のぶ男
 

宿 題 「 平 」表現自由、字結び可
            望月  弘 選
どんぐりが安堵してます平均値    進
お平にその一言で楽になり     好 子
争いを避ける境地に居る平和    政次郎
平和論となえてみてもままならず  のぶ子
縄のれん多士済々の平和論     輝 男
公平におかずを配る母の汗     泰 史
平日も休日もない母の像      安 心
平凡な日々を振り込め詐欺が突く  哲 也
平和呆け単細胞の落し穴      平四朗
平日は量販店で暇つぶし      穂々美
底を這う平目は常に上を見る    可 福
ママで金なんて平気でペンが言い   尚
平凡な一生でした花柩       由利子
平凡に生きて汗だけかいている    尚
手の平で転がされてるお人好し   きく子
良き妻は加減知ってる平手打ち   卓まる
真っ平と言ったお前が今一緒    信 一
平穏な日々に埋れて倦怠期      進
やりました平均寿命超えました   廣 司
病名を伏せて平気な顔つくり    敏 子
平坦な道も躓く勇み足       千恵子
金持てば平常心が失せてゆく    徳 子
平坦な道にもあった落とし穴    和 枝
平だって品格だけは捨てません   信 一
手の平のたかが皺だよ気にするな   薫
平熱が続く可もなく不可もなく   静 枝
平ちゃらな明日に会いたい高齢者  まさ子
 五 客
大特価(平日のみ)と小さな字    鰹
年金を捏ねてのばして不平等    のぶ男
平凡のところどころに非常口    美佐緒
平坦な道へ笑いを備蓄する     野次馬
平凡に飽きると平和崩れだす    二三子
 人 位
平静を装うこんなに辛い酒     平四朗
 地 位
八月の雲まざまざと見る平和    豊 子
 天 位
平静に戻るシオリのページから   茂 瑠
 軸 吟
坂のある道を嫌いな乳母車      弘


宿 題 「ごろごろ」 高瀬 輝男  選
片付かぬ瓦礫ごろごろ災害地    敏 子
ゴロゴロと列島走る火の車     修 市
ゴロ寝して人生の意味考える    泰 史
ゴロゴロとしているわりに耳が冴え 卓まる
不器用な箸里いもにからかわれ   獏 沓
喉鳴らす猫になれない温暖化    竹 水
ごろごろと腹の虫泣く会議中    玲 子
冷え過ぎた牛乳ごろり来る雷雨   竹 水
雷鳴が明日の地球を暗示する    野次馬
ごろごろと山車曳く子らに汗の顔  可 福
長イスでごろ寝して見る世界新    鰹
草野球ゴロが余所見をして困る    弘
僕だって好きでごろごろしてません 豊 子
ごろごろもしては居られぬ高期でも 重 雄
目の中で我が子反乱ころがった   洋 未
肩書が取れてごろごろ青畳     敏 子
躓いて賽の河原も石だらけ     のぶ男
この程度ならどこにでもある話   豊 子
とりあえず忘れたいので昼寝する  美佐緒
積乱雲乗って雷神やって来る    博 司
食べ合わせ悪かったのか下り腹   二三子
ごろごろの荒れ地が今やニュータウン 薫
休日はトドとアシカが群れる家   野次馬
ごろ寝して手持無沙汰の女房留守   進
五 客
百均で宝を探す夏休み        尚
ママは留守今日はゴロゴロしちゃおうか さとみ
雷も民話になれば耳を立て     ぎ ん
里帰り誰はばからずゴロ寝する   二三子
耳そうじイケナイ右手ひざに伸び   鰹
 人 位
雷を挑発してる臍ピアス      哲 也
 地 位
分別をすれば資源のゴミの山    五 貫
 天 位
雷のパワーを銭に替えてみる    安 心
 軸 吟
資金あれば転がっている儲け口   輝 男


宿 題  「おばけ」  加藤  鰹 選
おばけより恐いこの世の生き仏   修 市
おばけさえ背すじも凍る社会面   きく子
化けて出たこの世の方が怖かった  信 一
ばけて出て得にならなきゃ出てくるな廣 司
化け切れぬ私の尻尾短くて     茂 瑠
ネクタイを固く結んで化け通す   ぎ ん
天下る魑魅魍魎は巨額抱く     平四朗
それそこに善人を着たおばけいる  平四朗
化け物に変わる熟女の厚化粧    まつ子
過去帳にのせず彷徨う千の風    晴 康
熱帯夜妖しい人とすれ違う     千代見
何度でも化かされている児の無心   亘
気の小さいおばけ出るのは夜中すぎ びん郎
引き金に手を添えている背後霊   美佐緒
化け物が僕の心をそそのかす    長 仁
ピアス揺れワインに溶かす化けの皮 さ き
国中がおばけ電話に踊らされ    さ き
政治家は腹に万のおばけ飼い    修 市
年金をのっぺらぼうに誤魔化され  しげる
背に重いおんぶおばけが寝てござる 可 福
偽者の百鬼夜行に夜の乱れ      進
紀香似のおばけだったら抱くだろう 由利子
暑すぎて出忘れましたQ太郎     尚
お菊さんお皿数えた寄席に行く   洋 未
赤旗のビーチ無視する海坊主    太 郎
現代のおばけはきっとまゆ毛無し  安 心
ギンギンのおしゃれなおばけ出る銀座 洋 未
セクハラのおばけが直ぐに触る癖  重 雄
缶ビール誰が飲んだか熱帯夜    卓まる
煙突のおばけで町が売れている    弘
背後霊義母の傘下を出られない   まさえ
お化けでもいいちちははよ出て参れ  弘
赤信号おばけがおいでおいでする  ふく子
スポーツ界おばけ怪獣ほめ言葉   哲 也
この頃はおばけやしきがめずらしい 三根子
化けて行く久方ぶりのクラス会    進
もぎそこね胡瓜おばけになっていた 哲 也
見落としたキューリ翌朝にはおばけ 二三子
国産へ産地の文字が化けている   博 司
おばけには子育て中に世話になり  由 美
いい時代おばけはとても怖かった   薫
五 客
お化け屋敷素顔のままで依頼来る  信 一
妻よりも凄いおばけはまだ出ない  五 貫
おばけより恐いメタボを自覚する  好 子
スーッと来て都合しだいで消える人 俊 枝
化けて出るなんて面倒だから止す  千恵子
 人 位
議事堂でおばけ昼寝をして終る   のぶ男
 地 位
ケータイの覗き見をするろくろ首  由利子
 天 位
おはようと起きた貴女はどこの誰  安 心


宿 題 「自 由 吟」  互 選
G嘘ひとつ今もたたんで持ってます 義 子
E寝たふりの耳は大きな吸音機   博 司
Dやましくて余計な事を喋り出す  五 貫
C嫉妬するように鬼百合咲き乱れ  ふく子
C五線譜は読めぬが軍歌なら唱う  廣 司
C応対を一新電話鳴りっ放し    竹 水
C記憶にはないが打身の跡がある  由利子
Bかいてみる絵か字か恥か醍醐味か のぶ男
Bつり橋を揺すり未練を振り落とす 豊 子
B宝くじ外れシメサバには当たり   鰹
Aきれいごと並べた議題灰汁がある しげる
Aたらればを言わずに今を生きている 二三子
A暑いとは言っちゃいけない原爆忌 哲 也
@野口さんわたし百まであと四年  好 子
@デパートが人人人で夏の陣     尚
@夢の中父が今でも良くほめる   三根子
@大福で丸めこまれるお人好し   洋 未
@バリアフリー息子は同居するつもり 弘
@中国に恐れ靖国無視される    輝 男
@旗色が悪くプライド削ります   茂 瑠
@丑の日は甘い匂いと甘い声    卓まる
@独りでは出来ない事も芸のうち  可 福
@パスワードこれかあれかそれのどれか 由 美
@青空という最高のアスリート   太 郎
@濁流に呑まれランプの宿消える  玲 子
@幸せの羽根はおもいっきり伸ばす 和 枝
@使い捨てされて悔しい高齢者   よし子
@駄目駄目と駄目にならない様に生き 政次郎
@単身の赴任惑わす酔芙蓉      進
@自分だけ耐えてきた気の見栄を切りまつ子
@絵葉書に添えて名所のあれやこれ 美佐緒
@山積みのりんごは過去を話さない 野次馬


参加者(順不同)今井卓まる、佐野由利子
曽根田しげる、中田尚、高瀬輝男、加藤鰹
尾崎好子、川村洋未、池田茂瑠、増田信一
小野修市、中野三根子、望月弘、畔柳晴康
金田政次郎、瀧進、鈴木まつ子、大塚徳子
成島静枝、岡村廣司、薗田獏沓、石田竹水
内山敏子、谷口さとみ、井口薫、中矢長仁
川島五貫、毛利由美、山田ぎん、鹿野太郎
安田豊子、西垣博司、林二三子、濱山哲也
竹内さき、滝田玲子、川口亘、小林ふく子
加茂和枝、酒井可福、石上俊枝、伊藤泰史
市川重雄、森田安心、鈴木千代見、中川司
薮ア千恵子、戸田美佐緒、山本野次馬、那
須野正明、芹沢穂々美、川口のぶ子、荒井
敏弘、中安びん郎、中田きく子、萩原まさ
子、提坂まさえ、柳沢平四朗、永田のぶ男

定例句会 | Link |
(2008/10/25(Fri) 14:17:57)

自 由 吟
  虎 竹 抄


「家庭円満」        中矢  長仁
ありがとうその一言で報われる     松 山
口喧嘩負けると知ってからやらぬ
何時までも生きていてねと妻が言う
孫の世話悲鳴上げつついそいそと


「自 由 吟」        山本 野次馬
向かい風妻の背中が頼もしい      函 南
折れやすい芯それなりの世を渡る
リーダーが居なくて空へ羽ばたけぬ
五輪旗下でニートが群れている


「平成20年 夏」     毛利  由美
これでいいのだとこの世を去った人   つくば
あの猿は渋谷を楽しんだろうか
ともかくも成功おめでとう北京
お互いに豪雨お見舞申し上げ


「まつりごと」       松橋  帆波
「あの人は今」立候補するそうな    東 京
全員が改革を言う立候補
風見鶏みたいな政治評論家
国の為ですか お上の為ですか


「野  暮」        岡村  廣司
野暮でした女性の歳を言い当てて    焼 津
媚なんて売れない野暮の俺だから
野暮用で情けないよと嬉しそう
いくさした時代の嘘は可成り野暮


「自 由 吟」        藪ア 千恵子
わがままの機嫌とるのにくたびれる   焼 津
時々は仮面をつけてみたくなる
あれこれと趣味にノイズが入り込む
吊り橋が揺らす私の理想論


「  雨  」        石井   昇
薄情な人ねと雨にせめられる      蓮 田
純情な雨の襟足透き通る
男でしょ雨を泣かせちゃいけません
雨でいい希望の傘を開きます


「漢  方」        濱山  哲也
健康茶探し回るという病気       つがる
葛根湯やさしく嘘を吐いている
商売は漢方だよと育てられ
漢方薬死んだ頃には効くだろう


「退  化」        井口   薫
劣化した骨に伺いたてながら      袋 井
ハイテクの森触覚を退化させ
ポツリポツリの指へパソコンどっこいしょ
人のせいに出来ぬ独りの探し物


「自 由 吟」        竹内  さき
夏終えて私の海で腕を組む       浜 松
やっと得た紫の恋帯しめて
ぼんやりと一人散歩に月が呼ぶ
ひらひらと賑やかドラマ旅立ちて


「行  方」        鹿野  太郎
朝帰り出来ない湿布貼ってある     仙 台
墓参りだけで実家にもう寄らぬ
若者の夢がとっても味気ない
平成のペンキ上塗り武装論


「ドーピング」        成島  静枝
棚ぼたのメダルが届くドーピング     千 葉
陽性に角界口も重くなる
酒タバコ麻薬に似たり止められず
いつの間に筋肉質な妻の乱


「自 由 吟」        寺脇  龍狂
投票にいかない町が格差いう      浜 松
糖尿へ飲ませず墓へ缶ビール
濁点を打ちたい程の炎暑です
年金がたまった頃に孫が嫁き


「年取ったなあ」        増田  久子
ビデオ撮りヘップバーンが今も好き     焼 津
降りることまでバス代をにぎりしめ
もうピンクレディが懐メロだなんて
面積は今も尺貫法がいい


「夕  立」        畔柳  晴康
親爺より恐い雷雨に手を合せ     浜 松
忠告の傘を持たずにざんぶらこ
夕立が赤い絆の縁むすび
猛暑日だひと雨欲しく水を撒く


「ゆ く 夏」        鈴木 千代見
暑かった夏締めくくるいわし雲     浜 松
夏の恋赤いもみじに浮気する
線香花火ゆかたにうちわありがとう
砂浜にぞうり片方置き忘れ


「自 由 吟」        提坂 まさえ
ミルで挽く苦いコーヒーいれたくて   静 岡
人間のつもりの猫と昼寝する
おばけとて今の日本にゃ出たくない
音楽会となりの寝息聴いている


「  豆  」        石上  俊枝
風香るコロコロコロと豆ご飯      静 岡
納豆の糸引き回す朝の膳
お手玉の豆も一緒によく遊ぶ
なつかしい煮豆の中に母の顔


「痛  み」        馬渕 よし子
地球儀を回せば飢餓の子等が見え    浜 松
負け組の中で生き抜く鍵探し
古傷へ触れた夫の無神経
恋唄へ胸の疼きが蘇る

「も・み・じ」       小林 ふく子
モザイクで見え隠れする自負がある   袋 井
門の内見たい見えない邪気がある
森を抜け見えてきましたジョークなど
門外不出満ちてこぼれる時を待つ


「夏 の 花」        芹沢 穂々美
ヒマワリに背な押されても老いていく  沼 津
サルスベリやっぱり猿は避けている
コスモスが乗っ取りかけてきたようだ
シソの花お役ごめんと旅に出る


「悲  哀」        新貝 里々子
さし歯一本ガムのごときに召し盗られ  袋 井
歯医者へと右足少しひきずって
冷やっこ これに決めよう夕ごはん
御身大事にもう噛れない草加せんべい


「蒙 古 斑」        大塚  徳子
壁新聞賞味期限の夜が来る       仙 台
天然でねばりが強い山のイモ
ふりむけばいつも味方の顔がある
還暦の大台なれど蒙古斑


「迷 い 道」        真田  義子
古日記今も聞こえる遠花火    仙 台
哀しみを癒してくれる歌がある
逆らわず流れにまかす我が人生
ここからはゆっくり進む迷い道


「  許  」        薗田  獏沓
懺悔して仏に許し乞うている  川根本町
宮総代神よ許して飲む話
贅沢に馴れて感謝を忘れてる
人許し人を信じて和む風


「手 料 理」        酒井  可福
手料理と云って出たのが冷奴     北九州
手料理にこんなものかと言った罰
手料理を食わせる前の耳に胼胝
手料理の本が山積み台所


「雑  詠」        内山  敏子
せっかちの後追いかける忘れ物 浜 松
夫婦げんか派手には出来ぬ三世代
無駄の無い百の子を生む茄子の花
押しちがいタイマー付きのメッコ飯


「人生危機感」       金田 政次郎
無位無冠潔いのか木偶なのか     静 岡
訓練が要る人生のペナルティー
人生のツボを忘れた案内人
赤裸々の転落だった負けパターン


「雑  詠」        飯塚 すみと
ほしいほしいシュートも運のその一つ 静 岡
現代っ子スローモーション苦手かな
プリーズの言葉二の足ふむ私
用心のけいたい傘が役立たず


「エコライフ」        鈴木 まつ子
趣味も兼ね自然にかえすコンポスト 島 田
美しい国が泣いてるエコ表示
温暖化地球に魔物棲んでいる
自分にも人にもやさし再利用


「点 と 線」        瀧    進
言い訳のサイン・コサイン・タンジェント 島 田
角が取れ個性結ばぬ対角線
エゴとエコ独り善がりの放物線
点と線結ぶ絆の夫婦愛


「自 由 吟」        鈴木 恵美子
人柄を思い浮かべる塩むすび     静 岡
さわやかな笑顔の裏の強い意志
父母の待つ過疎の空気はやわらかい
パック詰めにしたい空気が里にある


「時  間」        加茂  和枝
新しいことが見つかり忙しい    岩 沼
どんどんと時間が過ぎる白い地図
絵手紙が私をさそう小旅行
やっぱりね我家が一番旅の宿


「雑  詠」        滝田  玲子
おそ松くん昭和を笑うシェーが逝く  浜 松
逆風に背中をむけて追い返す
心にもないお世辞にものってみる
やんわりと刺が探りを入れてくる


「世  相」        安田  豊子
華やかな五輪の裏にテロの影      浜 松
対岸の火事じゃ済まない温暖化
後が無い歳と勝手に言うお上
断崖の渕を歩いているカルテ


「暑中御見舞」       川口   亘
暑さには負けないだけの気概持ち  藤 枝
越せるかな疑心暗鬼に勝ちたいな
出来ないはやらなかったに盡きたるか
懸命に生きて印を書いて置く


「燃 え る」        川口 のぶ子
甲子園球場内が燃えている       藤 枝
世界中オリンピックで燃えにもえ
この暑さ化けてもすぐに熱中症
化かされて年金迄が赤字負い


「長 生 き」        ふくだ 万年
長生きも芸のうちよと妻の酌      大 阪
長生きも芸のうちよと諭す妻
長生きも芸のうちよとストレッチ
長生きも芸のうちよと友と飲む


「自 由 吟」        中安 びん郎
杖持つが黄門ほどは偉くない    静 岡
清流に足首浸し夢心地
立ったり座ったりでやる瀬ない
演技する心危険な綱わたり


「おもいびと」       栃尾  奏子
ゆく夏を惜しめば揺れる大文字     大 阪
残り香よ源氏は三条邸あたり
揺れている妬心おんなである証
花となりお見えになる日待っている


「弁  当」        藤田  武人
窓開かぬ電車駅弁通り過ぎ       大 阪
ご当地の駅弁ずらりデパ地下に
故郷の駅弁恋しバス旅行
手弁当開けて至福は鼻腔から


「泡沫の月」        戸田 美佐緒
月光をコピーできない独裁者   さいたま
百態の女を詰めるダンボール
泡沫の月が今夜も死に急ぐ
風鈴のまだアリバイが吊ってある


「北京五輪」        尾崎  好子
凄いのが分かる陸上百二百       藤 枝
金二冠早引退の文字踊る
マラソンの金は日本で育まれ
ソフト金あの感動を忘れまい


「自 由 吟」        恩田 たかし
食えぬ米 国が売るから大被害     静 岡
旬魚塩焼きさんまめちゃうまい
夢見てた二週連続グランプリ
素晴らしき人たち出会う句会の輪


「  秋  」        林  二三子
久しぶりと言われても名がすぐ出ない  芝 川
母の愚痴しみじみわかる年になる
雲のない空とてつ無く高く見え
秋晴れに浮かれ弁当作りする


「それから」        今井 卓まる
まず呑もうそれから長いソーセージ   浜 松
刺すときは刺してみせます仲間でも
夏の夜シャワーの音はひとりずつ
明日もね目を見て話出来ません


「自 由 吟」        小野  修市
大相撲清めの塩に疑惑あり       静 岡
ダイエットウエストメタボ夏に負け
海水浴水着着ているトドも居る
ひとごとのように船頭舟を降り

「菊  月」        増田  信一
菊月に孫に引かれて墓参り       焼 津
菊人形花より団子変えようか
白い菊やめて仏壇赤ピンク
菊娘月日流れて枯れすすき


「自 由 吟」        真理  猫子
笑えないニュースのギャラはきびだんご 岡 崎
首相交代パンツのゴムを付け替える
にんげんの百年ほどのせいくらべ
来世で払う予定のツケがある


「いかんいかん」      谷口 さとみ
ビールからなかなか移りきれぬ秋    伊 豆
いかんいかん秋刀魚百円越えちゃいかん
見つめてる場所で必ず蹴つまずく
予言などされても風呂と酒と飯


「恋 の 夢」        柴田  亀重
我が恋の幼き頃の夢を追い       沼 津
夢を追う夢遊病者の胸の中
夢は夢追って目覚めてあこがれる
幼なき頃の恋の夢追う宝船

「食 べ る」        中田   尚
リポーター食べる前から味を言い    浜 松
早食いをテレビが美化にしてしまう
メタボ腹秋の味覚にくすぐられ
好き嫌い言っても物が何かある


「雑  詠」        川村  洋未
ケータイが黙ったままで日が暮れる   静 岡
写真なら美人に見える自信有り
どこ行くの予定ない日もたずねられ
中ほどにつめてと言われ前に出た


「口  紅」        中野 三根子
少しずつ母に近づく紅の色       静 岡
コーヒーのカップに残る紅の跡
鏡台に残った母の紅を引く
秋だからワインレッドに変えてみる


「安  芸」        山口  兄六
栗の絵の箱で色付く菓子売り場     足 利
コンビニの新作菓子で秋を知る
秋味のビール夜長のお友達
夕焼けの彩もやっぱり秋が旬


「つれづれに」       堀場  梨絵
大変だ足引きずって朝のわれ     静 岡
盆がくる亡夫が逢いに来てくれぬ
さてやるか今日は夢中に詩の恋
淳一の冬の花火にのめり込む


「鮎友釣り三昧・・・其の二十四」永田 のぶ男
誘われて誘って入る縄のれん        静 岡
大釣りの話題はいつも尽きぬもの
居酒屋で囮を借りた礼を言い
かぶりつき塩の化粧で鮎が生き


「お ば け」        長澤 アキラ
鏡台の前に座っているオバケ      静 岡
魂の隅で出番を待つオバケ
参加者はオバケに限る闇サイト
八月の平和み霊を語らない

 
「  泡  」        多田  幹江
わたくしの前横切ったのはバブル  静 岡
折れ線グラフの谷底が泡を吹く
屯して蟹が泡吹く潮だまり
あぶく銭せびるハシブトカラスの子


「泣 か す」        石田  竹水
足踏みの無駄が素敵な夢を見る    静 岡
泣く真似の得意を知っていて泣かす
座りたくなる目の前の高い椅子
仏間での手品は種が見え過ぎる


「泥  水」        池田  茂瑠
溝一つ埋めねば返事貰えない      静 岡
傷口に寄せるあなたの青い波
復縁を決める泥水飲み過ぎて
甘い知と従う風の後ろから


「  無  」        川路  泰山
欲捨てて白紙一枚膝に置く       島 田
余命表まだシナリオは白の儘
晩学のブックバンドを愛おしむ
捨て石の儘の姿で風を聴く

 
「定 年 後」        佐野 由利子
新聞を隅々までも定年後     静 岡
山々を多色刷りする秋が来る
突然の風がふたりを引き離す
耳朶にそーっと触れただけの恋


「自 由 吟」        高瀬   輝男
どの坂で私の主義を盗まれた     焼 津
気にすると監視カメラに追われてる
わが子にも意外な美点知る噂
梨の芯リンゴの芯は意地っ張り


「昨  今」        望月   弘
切れ味を諸刃の剣は黙秘する      静 岡
オフサイドまでライバルが攻めあがる
かっこいい戦をテレビ見せたがり
年金がころころ変わるプレーオフ


「自 由 吟」        加藤   鰹
ありがたいことだねどこも痛くない   静 岡
かといって民主党では役不足
マルキューもパルコも親父には無縁
お御輿の上で張り子のトラが吠え


「空  気」        柳沢 平四朗
天の川お伽噺の目で見たい    静 岡
少年の日が待ち伏せている海の家
即答を避けて空気に無視される
曲り角やはり男を少し捨て


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(2008/10/25(Fri) 12:48:32)

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