平成二十一年 五月十八日 定 例 句 会 於 アイセル21
席 題 「プラモデル」増田 信一 選 子らよりも夢中で妻に叱られる 二三子 プラモデルおもちゃの筈が武器兵器 のぶ男 夢語り親子で作るプラモデル 千恵子 父と子が寄り添い作る嬉しさよ 修 市 子供よりパパが夢中のプラモデル 三根子 ありあまる時間プラモで助けられ 洋 未 残業が減った時間でプラモデル 洋 未 子のプラモちょっと貸してが病みつきに 洋 未 不器用なパパが作ったプラモデル 由利子 引籠もる子に宛がったプラモデル 由利子 ビス一本取れ最初から組み直し 二三子 プラモデル親子競演気持ち溶け のぶ男 貸してみなダメまたパパが作るから さとみ ホビーショー大人のマニア賑わって 三根子 指先の器用さを問うプラモデル 由利子 応接間戦艦大和誇らしげ 由利子 しずおかがはばたいているホビーショー 弘 いつかはと夢みて作る豪華船 千恵子 プラモデル飾る部屋まで造らせる 好 子 ヒーローになる為に持つプラモデル 明 美 父ちゃんが子に聞いているプラモデル のぶ男 居住権求めています父の趣味 明 美 父と子の合作となるプラモデル 弘 プラモデル猫を隣の部屋へ追う 茂 瑠 プラモデル潰せる余暇として求め 茂 瑠 プラモデル晩酌抜きで組む夫 茂 瑠 ゴミでしょと夫婦喧嘩の元になる 明 美 おじさんの作品がある店が基地 さとみ 五 客 ウサギ小屋に飾るお城のプラモデル 鰹 一人寝を慰めているプラモデル 輝 男 子供より大人をときめかすタミヤ 鰹 見る造るそして眺めて悦に入る 明 美 不景気でプラモデルさえ買えぬ父 のぶ男 人 位 日曜のパパはプラモと引き籠もり 鰹 地 位 プラモデル作っています呆け防止 千恵子 天 位 プラモデル大和は美しく生きる 茂 瑠 軸 吟 平和です親子で作るゼロ戦は 信 一
宿 題「ひ、で始まる句」谷口さとみ 選 火の車いつも運転する私 茂 瑠 ひと坪の庭に野菜のコンツェルト 千代見 引き際をわきまえバトン子に渡す 二三子 控え目な部下が言葉を返した日 廣 司 ひとしきり喋りまくったアマガエル 美智代 ひらひらのスカートで行く参観日 まさえ 日焼けして松崎しげる並みの黒 たかし 閃きは振り向きざまに消えました 薫 瞳キラキラ新入生の好奇心 穂々美 人寄せのたびに減っていく身内 明 美 日向ぼこ隣の猫も来て座る 敏 子 一口であんたのハート試食する 竹 水 ひどい人叩かれオトコ嬉しがる 静 枝 ビジネスと割り切るナイフ持ってない哲 也 PSで軽く病気のことに触れ 由 美 ひと休み空はでっかい勇気くれ 竹 水 秘密だが日本画美人僕の妻 のぶ男 引っ詰めた髪が意欲を見せている 二三子 火種持つ近くて遠い人といる 俊 枝 人 位 ひんやりと何か何かが違う人 俊 枝 地 位 秘め事を窓から覗くお月さま 鰹 天 位 ひらがなが丸く我が家をかきまぜる さ き 軸 吟 ひとことも言わず亭主はよく食べる さとみ
宿 題「手」表現自由 永田のぶ男 選 神の手を持った医師らの人助け 好 子 強欲を捨てれば壺の手が抜ける 由利子 手の内を秘めてネクタイ締め直す 千恵子 子の巣立つまでは手の内見せられぬ 弘 手の平で受けるいっぱい夏の恋 ふく子 飽食の手は祈りなど忘れてる 輝 男 手加減がきれいに溶かす嘘ひとつ さ き 拍手に神は賽銭箱覗く 竹 水 手足だけ素直に聞いてくれるのは 信 一 老いて今良く動いた手だと撫でる ぎ ん 政策は介護年金後手になり 修 市 定年後妻のお抱え運転手 信 一 手の届く位置におきたい子の育ち 千代見 手相見が料金分のことを言う さとみ 不器な手で運を掴んだ事がない 輝 男 奥の手は孫を味方に仲直り 進 人の良い男だ荒れた手をしてる アキラ 手にしたら直ぐになくなる給付金 のぶ子 母の手は小さくなっても温かい 明 美 お互いの傷のある手が庇い合う 太 郎 手の内を読まれゆっくり妥協する しげる お目出度い三本締めの手が赤い 好 子 手をふって見送ってくれ朝元気 たかし 初対面握手で探る腹の内 千恵子 日本国手形の期日せまってる 洋 未 手前みそ良い話にも嘘は入れ 亘 苦も楽も手慣れた介護板につき まつ子 段差ある転ばぬように手を添える 千代見 絵手紙できたアジサイに逢いに行く 由利子 啄木の手の貧しさに蟹が逃げ 政次郎 手に職をつける他人の飯を食い 獏 沓 見えなくて見える目隠し手の温み 政次郎 五 客 手の内を隠して忘れそのまんま たかし ボランティア無欲の手と手つなぎ合う 二三子 手相には出ない運勢落し穴 しげる 手土産の次に出された金のこと 鰹 社保庁へ貸した猫の手返らない 弘 人 位 鮎の頃仕掛け作りの手が弾む 博 司 地 位 不況風堪えた軍手を又洗う 重 雄 天 位 手土産が走る千円里帰り 豊 子 軸 吟 バンザイの手を挙げてから大誤算 のぶ男
宿 題 「無責任」 高瀬 輝男 選 うっかりを酒のせいとは無責任 二三子 老舗でも偽装で店を閉じる破目 重 雄 国債を増発あとは知〜らない 薫 それイイよ口癖のよう繰り返す 卓まる 無責任体に悪いタバコ売る 徳 子 責任者あなた以外にない筈よ 博 司 莫大なチャイナの無責任コピー 太 郎 無責任北朝鮮が打ち上げる すみと 言いわけを考えながらゆく遅刻 玲 子 子のいない人の前でも子の自慢 ぎ ん また彼奴言うだけ言って逃げて行く 晴 康 万歳の後は存ぜぬマニフェスト 豊 子 投票に行かず政治にブーイング 五 貫 ばら撒きのつけは話さずお役人 野次馬 わしゃ知らぬ秘書が勝手にやった事 長 仁 合コンの咲いてすぐ散る徒桜 進 効き目には個人差あるとハゲ薬 五 貫 衛星の美名ミサイル許せない 政次郎 書き替える賞味期限の曖昧さ すみと 噂からウワサ尻尾が伸びていく 美佐緒 アメとムチどちらを使う思案どき 穂々美 三猿を決めて抗議の妻の乱 可 福 責任の無い署名ならすぐ書ける 廣 司 五 客 成行きで産み御座なりの母性愛 由利子 実は僕 夜逃げの準備しています 鰹 その件は秘書が管理をしています 卓まる 核心に触れると横を向く夫 茂 瑠 責任の所在はいつも雲がくれ 博 司 人 位 めくら判押す指先の無責任 敏 子 地 位 子の躾学校側に押しつける 千恵子 天 位 蝶ひらりひらりその気にさせといて 鰹 軸 吟 自然破壊わたしもしてた野草狩り 輝 男
宿 題 「自由吟」 互 選 G嬉しさを何度もなぞる保存する 由利子 Fロスタイム人間らしさ取り戻す 進 E手話の手が踊って恋を弾ませる アキラ E今日からは肩の力を抜いて生き 三根子 D青空の下のぬかるみ避けられず さとみ D溜まるのはゴミと不満と脂肪だけ 信 一 C控え目にして波風を立てずいる 千恵子 C中流の意識に穴が多すぎる 茂 瑠 C殺虫剤持つには危険古希の乱 野次馬 B結ばれて紅い絆の綱渡り さ き B傷心の旅に土産を買わされる 哲 也 B終点に着くまで人はゲームする 豊 子 A東京のデートは老いも手をつなぎ 龍 狂 A一手間が良い味になる引き締まる 好 子 A雲一つないCGのような空 由 美 Aそれぞれの何かを探す夕間暮れ 和 枝 A受信拒否さてはトンズラする気だな 鰹 A居酒屋の別れ体をいとい合う 五 貫 A春うらら雲と遊んで暇つぶす 可 福 A喪服脱ぎほっと悲しみ湧いてくる 獏 沓 Aがま口へ吸い込まれてく給付金 ふく子 A四十年和音合わずに生きている 穂々美 A梅雨晴れ間人間たちが生き返る 千代見 Aだまされたふりこの辺が潮時か 洋 未 @ひとひらの花びら愛のメッセージ 弘 @嘘ついた舌の鱗を吐き出した しげる @思い出を語りみんなで泣き笑い 二三子 @懐かしく思い出すのは怒鳴り声 明 美 @許可がまだおりぬ薬をガン投与 のぶ男 @六十の体むちうつ山登り 徳 子 @惜しみなく尽くし手袋捨てられる 政次郎 @キリギリス値下げラッシュに落ち着けず 静 枝 @この涙あなたのせいです。かしこ 美佐緒 @ど根性ビルの谷間に咲くすみれ 義 子 @倒産の憂き目に明日の虹がない 敏 子
参加者(順不同)増田信一、曽根田しげる 小野修市、望月弘、藪ア千恵子、池田茂瑠 谷口さとみ、佐藤明美、望月満月、加藤鰹 尾崎好子、高瀬輝男、林二三子、畔柳晴康 川村洋未、佐野由利子、中野三根子、瀧進 永田のぶ男、長澤アキラ、小林ふく子、中 川司、鈴木まつ子、金田政次郎、内山敏子 岡村廣司、成島静枝、薗田獏沓、中矢長仁 芹沢穂々美、酒井可福、井口薫、石田竹水 川島五貫、鹿野太郎、加茂和枝、毛利由美 安田豊子、市川重雄、滝田玲子、山田ぎん 川口亘、戸田美佐緒、西垣博司、竹内さき 森田安心、市川重雄、石上俊枝、那須野正 明、鈴木千代見、山本野次馬、飯塚すみと 川口のぶ子、今井卓まる、提坂まさえ、徳 久竜司、川村美智代、恩田たかし、山田正 萩原まさ子、森下居久美
|