静岡川柳たかねバックナンバー
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自 由 吟
  虎 竹 抄


「夏  姿」      林  二三子
思い出が詰まりサイフは軽くなる     芝 川
思い出はメタボでもいい夏休み
大渋滞 雲の流れが先にゆく
夏姿トマト真赤に熟れている



「祭  り」      濱山  哲也
北の地が沸点となる夏祭り        つがる
不景気で夏の夜空の花が減る
露天商の原価計算してしまう
病室に届けと祭り太鼓打つ


「今日の店」      毛利  由美
スーパーのチラシで決める今日の店    つくば
夫とのランチ会話が弾まない
ママ友とランチ四時間ぐらいいる
美容師の提案によりより茶髪


「ヒロイン」      戸田 美佐緒
ネギ生姜 素朴が好きな冷奴        さいたま
ヒロインの顔で佇む始発駅
アイシャドー男が迷う色にする
お湯はじく妻の肌です露天風呂


「自 由 吟」      竹内  さき
さらさらとねむの木揺れて夏は逝く    浜 松
風たちて写る鏡に影ふたつ
花明かり想い出深く灯を入れて
そしてもう一度逢いたい京の人


「小 休 止」      加茂  和枝
雨降りも晴れてもこの身よく動き     岩 沼
立ち止まる勇気をくれた若い友
ささやかな経験ですがお裾分け
年齢を越えてじっくりティータイム


「  盆  」      酒井  可福
泣きに来て母の墓石に励まされ      北九州
走馬燈俺に似るなと父の影
愚痴っても後は感謝の仏の灯
帰る人見送る里の遠花火


「良心的な出来心」   増田  久子
後続のパトへ別れのウインカー      焼 津
コーラスへ移調試みたいピアノ
およばれの西瓜は赤いとこ残す
賞味期限切れを旦那にくれてみる


「自 由 吟」      内山  敏子
芋掘りの児等の喚声天に抜け       浜 松
デパ地下の試食で食の足りる人
カラフルな傘と仲良し泥の靴
うっかりと名前もうつすカンニング


「きのこ雲」      石井   昇
口笛を吹いて尻尾を振っている      蓮 田
ランク付けすれば食み出す七光り
決着をつけて心の月が冴え
胸の奥残像消えぬきのこ雲


「疑  い」      安田  豊子
いつもより歪な笑顔怪しまれ       浜 松
顔見れば夫婦だったらすぐ解る
疑いをもつと聞く耳かゆくなる
人間のエゴで地球が病んでいる


「傘の気持ち」     真田  義子
ゴミにされ傘の気持ちはよくわかる    仙 台
裏通り花とおしゃべりしています
薬漬けされたねずみがしゃべり出す
合歓の花何も野心はありません


「無  人」      井口   薫
無人駅達成感のない切符         袋 井
正直なコイン集まる無人市
お忍びの筈グーグルにキャッチされ
ブルドック多分深夜は笑ってる


「雑  詠」      山本 野次馬
トイレ紙の切れ目逆らいながら切る    函 南
迂回路の先に待ってる熱帯夜
見てみぬ振りをする事が多すぎる
正直な人には溶ける角砂糖


「を ん な」      芹沢 穂々美
座布団が愚痴いっている長っ尻      沼 津
釣り針にひっかけられて不眠症
わたくしの体の中で胃が不貞寝
薬指曲げてをんなが身構える


「今だから」      鈴木 千代見
今だから心に響く父の声         浜 松
今だから言えるあなたが好きだった
今だからやさしくできる介護の手
今だから透けて見えてる妻のくせ


「政  変」      大塚  徳子
政変にあわてふためくチルドレン     仙 台
アラフォーが文化遺産の恋をする
すんなりとゲート通れぬ微熱ある
なんの苦労も知らぬ世襲の七光り


「初  秋」      小林 ふく子
ひと夏を騒がしくしたスケジュール    袋 井
風鈴があがきのようにチリと鳴り
古傷が九月の風に触れたがる
秋のドア少し開いてみることに


「  嘘  」      篠原   久
飲み込んだ嘘胃袋でうろたえる      四国中央
嗽して綺麗さっぱり今日の嘘
嘘いくつオウム主人にそっぽ向く
軽い嘘妻が命じる百叩き


「  夏  」      滝田  玲子
線香花火暗くなるのが待てぬ子等     浜 松
暗い世を忘れておどる盆踊り
なつかしいゆらりゆれてる金魚売り
海ゆかば亡父の遺骨と終戦忌


「自  戒」      瀧    進
九分九厘驕りが生んだ勇み足       島 田
欠点を知って長所が見えてくる
欠点と夫婦仲良く同居する
いヽ所無い分先に夢がある


「生 意 気」      薗田  獏沓
ちょっと金持って生意気言ってみる    川根本町
生意気な子が献血を申し出る
負け続け生意気な子も通路変え
色恋は卒業したと白々し


「タ バ コ」      佐藤  明美
清浄機不機嫌そうに動き出す       三 島
マイカーも禁煙席を設けたい
タバコだけならば高額納税者
もう少し健康的に吸いましょう


「自 由 吟」      成島  静枝
サングラスファッションならず眼の老化  千 葉
サングラスATMに寄ってみる
青い目になるかも知れぬ目の日焼け
全方位トンボになってマニフェスト


「  愛  」      川口 のぶ子
盲目の愛と云っても子は宝        藤 枝
ひと口に愛と云っても理は多い
目に見えぬ大きな愛に包まれる
愛しいと云われる迄の仲の良さ


「政  界」      岡村  廣司
国の為そんな政治家出て欲しい      焼 津
トリックが多過ぎないか政党に
政治家にレッドカードがなぜ出せぬ
この国をまかせる人が今欲しい


「夏 祭 り」      畔柳  晴康
下駄うちわ浴衣可愛い娘っ子       浜 松
花火見る音で握る手ちから入れ
暑い夜を金魚すくいで涼を取る
納涼の盆の踊りに歳忘れ


「自 由 吟」      鈴木 まつ子
乗せられたうまい話に裏がある      島 田
貧乏をなつかしむよう語り種
ほんのひと言がやる気をひきたてる
いっぷくの清涼英気養わせ


「雑  詠」      川口   亘
歌心 時と場合で意味も変え        藤 枝
行動のコード外れてすぐ転び
見た目だけ追えば辛いと云う仕草
思い出を絵にする迄にたそがれる


「足  跡」      西垣  博司
八分目を二合のメシで今日も越す     静 岡
夢は無いだがその先の旅が有る
あり余る煩悩抱いて生きている
足跡をひとつ残して干物買う


「政 治 屋」      中矢  長仁
代々に築いた地盤手放せぬ        松 山
遺伝子は政治家向きと自負してる
政治屋は族と二世で占めている
時々はパーティーをして金稼ぐ



「雑  詠」      飯塚 すみと
雨の晩カレーをわが子旨く食う      静 岡
零才児よちよち歩き独り占め
信号があるのにスキを見てわたる
御神灯仕掛け花火に菩薩がお


「自 由 吟」      萩原 まさ子
ボーとする癖大物に見えるかな      静 岡
フェミニスト宣言丸く生きている
ブレまくる総理言い訳間に合わぬ
自民党というだけで落選に


「ふ わ り」      川村 美智代
ふくらんだ噂オロオロするばかり     静 岡
もったいないもったいないとまた食べる
晩酌をちょいと失敬癖になる
ふわふわりたんぽぽどこへ行くンかな


「自 由 吟」      提坂 まさえ
根本は心の広さ阿修羅像         静 岡
のびかけたパンツのゴムと根競べ
トビウオになるまで全裸にて泳ぐ
宿題を早めにやる子泣き出す子



「鞠(いが)」     石上  俊枝
隠し事ご機嫌とりが土産下げ       静 岡
尖る口納得しない毬がいる
言い分を右から左聞いておく
重箱の隅 姑の顔浮かぶ


「アリバイ」      川島  五貫
バイキングの列でまぐろがあと五きれ   富 士
職探し励ましている蝉しぐれ
昼間から飲める休みがまだ四日
アリバイを固めて明日はしのび逢い


「夏季休暇」      栃尾  奏子
エリンギがしゃくしゃく顎で音になる   大 阪
ポリポリと夏を頂きます胡瓜
籤を引く様にししとう食べている
青い空夢もトマトも丸かじり


「隙  間」      藤田  武人
隙間から見える五円を取る私       大 阪
湯煙に隙間を探す露天風呂
長いすの隙間目掛ける熟女達
返信が心の隙間埋めていく


「秋の味覚」      山口  兄六
栗の絵の箱で色づく菓子売り場      足 利
アキアジはもう届かない三回忌
渋柿を盗み横恋慕の涙
松茸で騙しだましの倦怠期


「ぴょんぴょん」    高橋  繭子
難しく考えちゃダメうさぎ脳       仙 台
可愛さに隠しておこうキック力
長い耳かざし未来の音を聞く
ゆっくりとうさぎ日和の日が暮れる


「想  い」      鹿野  太郎
納豆が必要なんだマニフェスト      仙 台
ハンドルを握ると変わるかたつむり
その日暮らしでも短いな一年
家内との年の差決めた水瓶座


「帝国ホテルに泊まる」 新貝 里々子
翔び支度女の城を明け渡す        袋 井
セキュリティのすごさに負けた好奇心
ルームサービス夢見る夢子演じ切る
チェックアウトはいこれまでと夢終わる


「熱  い」      尾崎  好子
日本一熱い佐久間が今日多治見      藤 枝
日本一熱いを担ぐ町興し
住民の心も熱い日本一
熱いなあ首にタオルが私流


「たかが人生されど」  小野  修市
ああそれもこれも運命と言える年     静 岡
ひとつずつ悟って年を重ねゆく
その通り人に合わせた日が暮れる
我慢した心に母が笑ってる


「オ マ ケ」      多田  幹江
休漁の錨カモメにつつかれる       静 岡
夕べの夢と逃げた男は戻らない
夜を待つネオンテトラと退社ベル
ここだけの話に付いてくるオマケ


「自 由 吟」      市川  重雄
軍艦マーチパチンコマーチ世の移り    静 岡
終戦の生死を分けた神の声
苦い水たくさん呑んだ老いの知恵
苦い酒呑んでご免と口洗う


「自 由 吟」      佐藤  香織
赤子泣くまだ足りないの母の愛      福 岡
緑陰に熱くつんざく愛の歌
帰宅中亭主のメールに友帰り
孫が来る計画倒れのあれやこれ


「僕の夏休み」     小熊 カズ丸
花火する約束前から棚の上        菊 川
助手席で渋滞はまり笑い顔
日焼けして背中の皮で遊ばれる
「久しぶり」無くてもわかるおともだち


「雑  詠」      寺脇  龍狂
式場も予約短冊義理で書き        浜 松
マスク飽きそろそろ出番サングラス
お隣と往き来がふえた朝の花
振り込めもよく知っている素寒貧


「ひまわり」      中野 三根子
夏だからまっすぐ空に花開く       静 岡
ひまわりを追いかけていく迷い路
太陽と語り合ってる花の精
ひまわりに負けない笑顔持っている


「  月  」      川村  洋未
おぼろ月猫さえデートするものを     静 岡
ふわふわとおぼろの月と肩を組む
ぬげそうな三日月の靴ほうり投げ
満月だあたしの彼は要注意


「漫  画」      長澤 アキラ
親戚に坊主が二人いて安堵        静 岡
もう生きて居るのもいやな休肝日
大往生残すものなど何も無い
漫画ならも少しましな四コマ目


「講  座」      薮ア 千恵子
お喋りがとっても好きな講座生      焼 津
役員が回って講座やめられず
タクシーで乗り合いながらいく講座
先生のやる気についていく講座


「沁 み る」      石田  竹水
正直に生きて擦り傷治らない       静 岡
靴下の穴から意志が顔を出す
あきらめて見上げた空は曇り出す
生きてます暑い寒いが身に沁みる


「いろいろな方」    永田 のぶ男
病棟で食事待つ人いらぬ人        静 岡
病院は寝るところでなく起こされる
夏の風点滴の音聞き比べ
救急室いろいろな方唸ってる


「ト イ レ」      谷口 さとみ
走ったら間に合うけれど走れない     伊 豆
紙くれる他人が神に見えるとこ
広すぎも明るすぎても出やしない
アイデアをメモした紙でふいちゃった


「丸 い 月」      池田  茂瑠
掟から逸れる小さな一歩です       静 岡
終止符を打たれ二つに割れた愛
化け方を変えよう月が丸いから
助手席に私と違う香が残る


「自 由 吟」      中田   尚
予報士が雨雨雨にいじめられ       浜 松
そうめんの味を知らずに夏終わる
梅雨からサンマの時期にワープする
封筒を切ったら紅葉など一葉


「胃酸過多」      佐野 由利子
躓いて初めて人の温かさ         静 岡
強情を水で薄めて家族の和
実家には白寿に近い母が居る
胃癌かと思い込んだら胃酸過多


「最後の夏休み」    今井 卓まる
足音がひとりぼっちの邪魔をする     浜 松
就活に駆け込み脱いだスニーカー
涙とか焼けた歩道が隠し場所
暗闇に光る指切りまた会おう


「雑  詠」      真 理 猫 子
アンテナはいつもあなたに向いてます   岡 崎
座布団に仕事させない母の席
ごほうびは手書きの南十字星
にらめっこ負けたことない目尻です


「  蝉  」      増田  信一
蝉鳴くとなぜか暑さが倍になる      焼 津
鳴く蝉が気にかからないのは平和
この頃は蝉取りをする子がいない
空にらみ蝉の抜け殻ほこらしげ


「自 由 吟」      高瀬  輝男
神でない証か欲が離れない        焼 津
集中砲火浴びても意志は変えられぬ
大夕焼けこんな自分が捨てきれぬ
耐えた日のドラム 爽やかな日のピアノ


「もったいない」    望月   弘
リサイクル上手な妻に使われる      静 岡
ゴミ袋八分目だと捨てられぬ
歳時記にリバーシブルを勧められ
エコだから古くなるまで妻と居る


「夏の日の恋2009」 加藤   鰹
君に逢うハンドル少し汗ばんで      静 岡
夏の夜の夢 妖精を追いかける
ジェネレーションギャップをハグで埋めたいな
日焼け跡剥がして夏の恋終わる


「シナリオ」      柳沢 平四朗
道草へ後悔もなく生き急ぐ        静 岡
帯封に埋もれたままの蔵書印
丸投げの余生シナリオなど要らぬ
同情のアメ甘いとは限らない
虎竹抄 | Link |
(2009/09/09(Tue) 08:58:13)

平成二十一年 七月十八日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「印象吟」  森下居久美 選
熱帯夜地球にぐるりカーテンを   洋 未
揚げました一個の飴で白旗を    茂 瑠
図体も肝も大きいおっかさん    明 美
内緒だが金塊うちに二つある    のぶ男
ご褒美をより取り見どり包み込む  和 一
私もオバンで飴は必需品      茂 瑠
見ていると小人の世界迷い込む   信 一
俺に似て中身などない紙包み    輝 男
外箱の大きさについ惑わされ    明 美
欲の皮膨らみすぎて縛られる    千恵子
自民党間もなくバランバランだな   鰹
プレゼントやはり大きい方がいい  三根子
大反省甘く育てた子のメタボ    五 貫
誰にでも親しまれてる丸い顔    由利子
もう一つあればバストに入れるのに 洋 未
召し上がれ私飴玉より甘い     茂 瑠
大風呂敷だけど中味は平均値    恭 子
飴と鞭与えて子らを塾へやる    二三子
少子化の飴わがままな子が育ち   千恵子
突っ張ってみせても中味いつも純  恭 子
イケメンを引っ張り合っている女  千恵子
まんまるいデカイおにぎり母の愛  洋 未
風船の中に入れたい甘い夢     三根子
 秀 句
旅立ちを翼ひろげて待っている   千恵子
幸せが逃げないようにラッピング  和 一
懐の大きさ故に負う荷物      明 美
風船になって世界を覗きたい    輝 男
優しさで包む地球は真ん丸い     鰹


宿 題 「昭和回顧3」佐野由利子 選
虚脱感癒えたリンゴの赤い歌    茂 瑠
狩野川に呑み込まれずに今がある  明 美
借金でやっとバラック兎小屋    のぶ男
学童疎開枕ぬらして親ばなれ    しげる
ミニスカート二十歳の私デビュー戦 洋 未
ご近所が顔を揃えて沸くアポロ   恭 子
ノラクロの漫画が僕の少年期    千恵子
万博の顔がグラスの底にある    和 一
銀シャリがご馳走でした大家族   信 一
人波の中でチラッと見たパンダ   恭 子
賞味期限決めるは母の舌と鼻    五 貫
少年の夢が溢れたラムネ瓶     五 貫
黒を黒 本音で言えぬ時代生き   のぶ子
米不足命繋いだいもかぼちゃ    敏 子
やかましく言われた蚊帳の入り方  千代見
不景気の節目はオイルショックから 長 仁
ミニスカの大根足もセピア色    静 枝
軍刀をコートの下に父帰る     アキラ
爪と髪届いて兄は天へ旅       薫
君の名は聞くまでもないマチコ巻き 和 一
村で一つテレビの前で正座する   ふく子
あの頃はリンゴの唄とかえり船   廣 司
牛乳も酒もビールも瓶だった    さとみ
ボーナスの厚み父権も強かった   静 枝
ご近所に一声だったセキュリティー 哲 也
膝と膝隙間なかった汽車だった   安 心
電灯に黒布掛けた本の虫      竹 水
色水のようなジュースがおいしくて ふく子
三丁目の夕日の中にいる私     二三子
石蹴りもメンコも出来る路地がある 二三子
明星で歌い踊ったキャンディーズ  居久美
 五 客
石鹸で昭和生まれの髭を剃る    美佐緒
ラバウルを一つ話の友も逝く    獏 沓
おかえりと井戸に浮かんでいるスイカ居久美
駆け落ちの揺れて眠れぬ寝台車   卓まる
薪くべるかまどの煙に泣いた母   修 市
 人 位
鼻タレもアカギレもいた子供の輪  信 一
 地 位
ゼロ系のひかりと飛んだ夢の中   太 郎
 天 位
ちゃぶ台に序列があった家族の和  千恵子


宿 題 「女性上位」 永田のぶ男 選
逆立ちをしても男は子を産めぬ    弘
鎧着て通帳握る山の神       重 雄
子を産んだ女に勝てる訳がない   由利子
決断を妻の財布に聞いてみる     進
母と娘が決めて父さん金払う    由利子
会社でも女社長にしごかれる    千恵子
何時からか女神の尻に敷かれてる  竹 水
妻胡座俺は正座で食事する     信 一
女性上位のマスオさんちは平和です 徳 子
婚活も女性上位でたくましい    玲 子
威勢いい啖呵とばしてダンプの娘  玲 子
家計簿は任せ小遣い貰う僕     長 仁
あの乙女今はだんなを尻の下    安 心
妻のあと三歩下がって買い物に   信 一
印鑑もカードも妻が持っている   二三子
草食系男子手玉に取る女      居久美
校長も医者も女が強すぎる      尚
玄関を入れば妻の部下になる    博 司
倹約と節約ワイフ天の声       進
ギリギリの居場所で妻を誉めている 卓まる
したたかな女性の寿命世界一    廣 司
妻に似た鬼瓦にもにらまれる    ふく子
妻よりも三歩下がって歩く僕    千恵子
ままごとのママも離婚をちらつかせ 哲 也
お隣りを見習いますと妻が言う   晴 康
勝つための隙も作れる女です    茂 瑠
無駄遣いすんなと渡す俺の金    五 貫
草食のおとこ 女に歯が立たず    薫
平社員惚れた女房係長       卓まる
お〜いお茶 客が居るから言えるけど 可 福
三歩前先を行くのは僕の妻     洋 未
戦国の世からの女性上位です    好 子
威張らせてあげる私の手の中で   恭 子
遠慮ない女裸足で闊歩する     居久美
威張らせて飲ませて妻の思うツボ  二三子
父は増え夫はどんどん減ってゆく  さとみ
仲直りまず動き出すのはオトコ   恭 子
コーヒーの良い匂いねと起きてくる 長 仁
水臭い女で家事に遠く居る     政次郎
 五 客
表札は僕実権は妻の手に      輝 男
体重も財布も妻に負けている    明 美
父の留守いつも家族ですし出前   三根子
こん畜生来世女で生まれるぞ    晴 康
何事も決定権は妻が持つ      明 美
 人 位
安眠の夢の中でも寄り切られ    和 一
 地 位
日曜の夜まで仕切る山の神     和 一
 天 位
妻シャネル 僕は三枚組パンツ     鰹
 軸 吟
無事故にて姐御ダンプでサングラス のぶ男


宿 題 「苦  い」 加藤  鰹 選
薬箱もしもの時の正露丸      居久美
苦かったビール今では旨いなあ   長 仁
苦いのが薬なのだとビール飲み   信 一
ビールから苦み取ったらただの泡  洋 未
こらしめにホップを抜いている所  太 郎
羊羹がビールの苦味引き立てる   和 一
私の苦い経験宝物         和 枝
愚痴になる酒は無口でほろ苦い   豊 子
商いも不況続きでたかが知れ    まつ子
捨てる気になってなれない苦い過去  亘
聞き役に回ると酒も苦くなる    敏 子
四季を呑む盃苦いはずがない    ふく子
青汁の味は良薬だと思う      可 福
煎じ薬妻の浪費も効果ない     穂々美
苦労しているんですけどわかります 居久美
人生の苦さしみじみ保証人     由利子
暑気払いゴーヤチャンプル召し上がれ 久
夏バテの予防ゴーヤのほろ苦さ   二三子
あの苦さゴーヤの緑夏が来た    洋 未
苦瓜も揉んでいくうち甘くなる   信 一
ピーマンを素早くキャッチ孫の舌  静 枝
秋刀魚にも苦い思い出ありました  哲 也
サンマより苦い査定のボーナス日  卓まる
息できぬ不況の波のど真ん中    野次馬
糖衣錠隠し切れないキノコ雲    アキラ
自叙伝に未消化のままある苦味    薫
勇み足してから続く苦い味     千恵子
負けず嫌い苦い思いもバネにする  恭 子
青春の恋ほろ苦いつゆと消え    さ き
負け試合あの苦い味忘れない    輝 男
やりこめた心が苦いまま残り    千代見
無理矢理に通した意地のほろ苦さ  和 一
反芻をする度苦い捨て台詞     静 枝
言葉尻ゆっくり咀嚼苦い味     しげる
若い日のあの失敗がまだ苦い    三根子
人生の宝に変化した苦言       弘
純粋に生きても苦い水と会う    安 心
苦い水飲んだくせして今日も翔び  廣 司
花柄に苦いドラマが続く傘     茂 瑠
どうしよう苦い薬が効かなくて    尚
良薬と言えども耐え難い苦さ    二三子
医療費が高くて薬ほろ苦い     修 市
後輩の忠告受けた読み違い     輝 男
義理チョコを悟り男は深くなる   五 貫
くだらない上司のジョーク耐える部下 廣 司
披露宴退社を祝う顔もある     五 貫
お別れのコーヒーそっとシュガー足す 進
 五 客
転校にシカトの意味を教えられ   由 美
苦虫を潰した顔にほれた妻     のぶ男
苦虫を噛まずにいてもその顔で   ふく子
デートドタキャン紅茶まで苦くなる 明 美
残高が知れるとみんないなくなる  美佐緒
 人 位
いけ好かぬ奴に青汁なみなみと   由利子
 地 位
しめしめと拾ったアメは苦かった  さとみ
 天 位
ほろ苦さだけを残した恋でした   恭 子


宿 題 「自由吟」  互 選
H離陸する子へ助走路を足しておく 美佐緒
E嫌いではないが波長が合わぬ人  由利子
D金もない地位もなければ嘘もない のぶ男
D古切手恋は終わって捨てがたい  穂々美
Dサングラス虹の七色見失う    ふく子
C二人だけの秘密石ころでも光る  恭 子
C私より信用がある保険証      弘
B道草が教えてくれた衣替え    和 一
B晩酌で測る貴方の満足度     明 美
Bまだ探すつもりか昼はとうに過ぎ 博 司
Bやさしさが心にしみるあの言葉  三根子
B若き日に引き戻される夏帽子   義 子
B三枚に下した鯛がまだ睨む     久
B代筆は妻と決めてる筆不精    敏 子
A惚れた女 半音上げて吹く本音  満 月
Aお宝はやはり夫という悟り    よし子
Aそれ以上それ以下もない適齢期  まつ子
A貧乏も中ぐらいなら我慢出来   廣 司
A自転車が合鍵よりも先に失せ   由 美
A努力家は手強い私怠け者     好 子
A富士山に帽子かぶせる粋な雲   豊 子


参加者(順不同)永田のぶ男、森下居久美
山下和一、勝又恭子、高瀬輝男、佐藤明美
増田信一、望月満月、林二三子、川島五貫
佐野由利子、中野三根子、川村洋未、瀧進
池田茂瑠、薗田獏沓、藪崎千恵子、加藤鰹
曽根田しげる、金田政次郎、小林ふく子、
岡村廣司、大塚徳子、中矢長仁、畔柳晴康
鈴木まつ子、中田尚、毛利由美、小野修市
西垣博司、井口薫、鈴木千代見、成島静枝
篠原久、長澤アキラ、内山敏子、石田竹水
谷口さとみ、望月弘、濱山哲也、真田義子
森田安心、安田豊子、山本野次馬、川口亘
加茂和枝、酒井可福、鹿野太郎、竹内さき
滝田玲子、市川重雄、尾崎好子、那須野正
明、芹沢穂々美、戸田美佐緒、馬渕よし子
川口のぶ子、中川司
定例句会 | Link |
(2009/09/07(Sun) 15:37:21)

ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 らよ〜

せせくっちゃやだよやだよと桃売場      市川 重雄
すっちょない振りで気を引くそらっつかい   瀧   進
欲しいだらしょろしょろしてるととりゃーるよ 谷口さとみ
あの人ごう服をかやっさに着ているよ     鈴木まつ子
凪だからちゃあっと苗を植えちまえ      芹沢穂々美
蚊にさされひっきゃーたってもう遅せえ    中安びん郎
こう暑くちゃ出来やーせんだにボケだによ   新貝里々子
噂すりゃあ影じゃん聞こえたかねえ      新貝里々子
ごせっぽく用済まされる駐車場        岡村 廣司
ちっとぐれえ負けてくれてもええじゃんか   岡村 廣司
おいひゃんのしたくをせにゃあいかんだよ   小林ふく子
おじいさはせどへ行ったきり戻りゃーせん   小林ふく子
やいやめろちんぷりかいてるときじゃない   畔柳 晴康
あたけるなてめえがあとでこんきいぞ     畔柳 晴康
やあしてるだけえが君に通じにゃあ      西垣 博司
こんなにもこええ煮物じゃ歯が立たぬ     西垣 博司

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(2009/09/07(Sun) 14:46:47)

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