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「昔の名前は出てきません」

高瀬 霜石

かあさんの きげんがわかる おべんとう
      弘前市立福村小学校二年 あいさか みく



 この句は、平成十七年度「第19回市民の健康まつり」の、児童・生徒、川柳・俳句の大賞になった作品。面白い句ですよねえ。当然、みくちゃんはいま三年生。
 川柳を発表する際は(たぶん俳句も)五・七・五の間
にこのような「切れ目」を入れないのが普通なのだけれど、この句は全部ひらがななので、あえて読みやすいようにこうしてみた。
 この「健康まつり」は、一般の人にどれだけ知られているのか僕にはさっぱり分らないが、とにかく19回にもなるのだからそれはそれで大したものなのだ。
 主催というのか、後援というのか、スポンサーというのか、これもよく分らないけれども、後押ししているのはまずは弘前市、そして弘前医師会、弘前歯科医師会、青森県薬剤師会・弘前支部と、かなりの豪華メンバーである。
 子供たちには、川柳とか俳句とかのルールに一切とらわれず(また知るわけもないのだけれど)、とにかく五・七・五のリズムに乗せて作句する。
 僕がこの選考に係わるようになって、もう十年以上経つ。去年は六千を超える句が集まった。その沢山の句を、俳人と柳人の九人で選をするのだが、単純に割って、一人頭約七百句だ。事前に目を通して、その約一割を入選句候補として持ち寄り、みんなで討議する。
 この十年で一番変わったのは、子供の名前だ。あきら君、ひろし君、ようこちゃん、けいこちゃんはもうどこにもいない。名前には流行があるのは分かるが、最近の名前はとにかく読めないのが多いのだ。中には暴走族風の語呂合わせもあったりして大変だ。
 選者は、句が読めれば名前はどうだっていいのだが、僕の場合は、ラジオで紹介もしたいので、名前にルビを振ってくれるように頼んだのだった。

 ここで問題。「豪瑠」これは分かるでしょ。「ゴール」です。さて「秀斗」は? 普通に読めば「ヒデト」でしょうが、正解は、「シュート」。サッカーファンの親御さんの意気込みがよーく分かる。
 今年の優秀句は、来月開催される第20回「市民の健康まつり」で発表される。さてどんな句が、どんな名前が出てくるか、お楽しみに。


[15] (2006/08/08(Mon) 19:24:03)



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