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霜石コンフィデンシャル67   高瀬 霜石

「悲しきシャトルバス」
 
友人に誘われて、あの有名な大曲の花火大会に行ったのは、数年前の8月のこと。凄かった。
 今年は、浮世の義理で「古都ひろさき花火の集い」の券を買ったので行って来た。あまりのヒドサに腹がたったので、今後の参考までにお知らせする。花火の数とかスケールのことではない。その「心根」の話である。
 時は、平成20年6月21日(土)夏至の日のこと。
 前半は省略。帰りのシャトルバスが事件の発端。帰りのバスが混むだろうから、あらかじめ百円の切符を買って、早めに列に並んだのが9時頃。オラの前にはすでに百人くらいは並んでいて、その後もドンドン増え、見る間に長蛇の列になっていった。
 ふと坂の上の方を見上げると、ズラリ帰りのシャトルバスが待機している。こんなに待っている人が大勢いるのに、バスもちゃんと待機しているのに、なぜ乗せないのだろうと思い、列の先頭の係りに尋ねた。
「9時半にならないとバスは出ません」の一点張り。帰りたい人がこんなにいて、しかもバスも待っているのだから、順番に出せばと言っても、けんもほろろ。「分かった。では待つけど、子供も年寄りもいるのだから、こうして外で待たせていないで順番にバスに乗せれば。そして時間になったらすぐに出ればいべさ」と交渉したが、規則だからと、つっけんどん。
 やっと、9時半。それでも出ない。再度行きました。「花火が終わるまでは出せない。あなたの要望は来年の課題にします」と言う。人より花火が大事らしい。バカでねが!これには、普段温厚な動物であるオラも、さすがに頭にきて、吠えた。
「来年? 何喋ってるんだ。今ここに並んでいる人たちは、来年ここに来るわげねーべ」このやりとりを聞いていた皆から、そうだそうだの大合唱の応援を得て「来年でなぐ、今、考えて、今、行動しろじゃ」
 この後、実は、列の最初に並んでいた人たち(オラを含めて)が、アホな誘導員のせいで暗闇に置き去りにされる。バスには後から来た人がどんどん乗り、ミニ暴動が起こるのだが、書き切れないのでカット。
 まずルールありきで「ハート」がまるでない。弱者に思いやりゼロ。肝心な時に責任者がいない。どこかでみんな聞いたフレーズ。社会保険庁や厚生労働省の答弁と瓜二つだ。どうりで血が通っていないわけだ。
[38] (2008/09/29(Sun) 14:40:10)



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