静岡川柳たかねバックナンバー
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 平成十九年四月二十一日(土)
  定例句会  於  アイセル21


☆三十年以上使用させて頂いた駒形神社から
 句会場をアイセル21に移しての初めての
 定例句会。とにかく句会場にぎゅうぎゅう
 詰めで、苦しい思いをさせてしまった。
 部屋の変更が出来ない。鍵が開かない。湯
飲みがない。タバコが吸えない・・いろい
ろと不満だったが、お役所仕事にこちらが
合わせ慣れて行くしかない。ご協力を!


▽席 題 「印象吟」(はにわを見て)
 加藤  鰹・選


根性を女太目な首に置く     茂 瑠
人生の手本を示す父がいる    三根子
眠り千年世に出たハニワ乱世知る 輝 男
落したら割れる埴輪と淡い恋   茂 瑠
火を焚けば焔が匂う兵馬俑    泰 山
人柱のハニワよ安堵してねむれ  梨 絵
坪庭のハニワ一晩いなかった   梨 絵
石仏に紅さしてあり昼の虫    しのぶ
片手では卑弥呼の夢が見えてこぬ アキラ
このポーズ交通整理できますか  アキラ
ハイポーズ見合写真は美しく   由利子
丸書いて目と手がついてママの顔 洋 未
フラダンス腰のくびれをチラリ見せ洋 未
薄く着てスリムに見せている虚栄 茂 瑠
ポーズとる後すがたが色っぽい  三根子
私が起源なんです千の風      弘
この紐じゃパンツがずれて困りますアキラ
死んだ娘がまた顔を出すラブホール泰 山
テポドンでも飛んで来そうな気がするよ
                しげる
 五 客
目をあけて昼寝している仕事中  洋 未
教えます地獄で踊るフラダンス  泰 山
世の苦労知らなくていい木偶である輝 男
認知して言われりゃ俺に似てるよな智 美
低賃金女はじっと堪えている   由利子
人 位
いや困る何しに来たかすっぽ抜け 智 美
 地 位
やあ失敬恋人またも変えるのさ  輝 男
天 位
喜怒哀楽かくさぬ人で嫌われる  輝 男


宿 題 「浮  く」曽根田しげる・選
浮きうきと孫が負うてるランドセル春 江
じっと待つきっと重りはとれるから洋 未
女房の思いを浮かべ見るお皿   満 月
通夜の席冗談だけが浮いている   弘
いらぬものぽかんと浮かぶ昼の月 しのぶ
幸せは家族が丸く浮く心     和 枝
天水へボウフラが浮く峠茶屋   梨 絵
厳しい世浮かれておれず稼ぐ汗  俊 坊
ITを知らない指が浮いている   尚
場違いなジョークふわふわ浮いている 鰹
年金ぐらしままよ浮世と妥協する 梨 絵
曲水の宴さかずき粋に浮く    泰 山
庭の滝流れに高瀬舟浮かべ    獏 沓
浮き雲よ妻の行方を知らないか   鰹
恋する日わたしふわふわ雲になる 野次馬
ペアルックちょい浮いているおとうさん
                五 貫
いい笑顔金波銀波の義歯が浮く  安 心
釣り落ちた影へ一瞬腰が浮く   草 園
今も尚買い手つかない首が浮く  輝 男
ポタージュの浮きみにもある存在感さとみ
時効待つ浮いた話の二つ三つ    進
 売り言葉買われ一人で浮く不安  豊 子
 力添え出来ぬあなたの浮き名には 茂 瑠
 日本丸まだたりないぞ浮き袋   洋 未
 ドン底で浮かび上らせ老いた妻  泰 史
五  客
逃げられて僕のハートは宙に浮く 長 仁
浮く雲に胸元やわき母思う    香 織
長尻の客に合図の腰浮かす    穂々美
美しい日本に刺客浮き始め    廣 司
溺れてる子に投げてやる藁がない アキラ
    人  位
ライバルが浮輪に穴をあけたがる 千恵子
    地  位
浮かれてる足だな罠に気付かない 輝 男
    天  位
いじめかも小鼻に浮いてきた疑念 静 枝
   軸  吟
浮き雲が思い出したか走り出す  しげる


宿 題「き、で始まる句」堀場 梨絵・選
 キラキラとかがやく星に君がいる 三根子
 きな臭い話ばかりが世の常か   のぶ男
 聞かぬふり里帰りした子の愚痴は 博 司
 気が引ける監視カメラが撮る尻尾 政次郎
 聞こえない耳で大声恥ずかしい  ぎ ん
 給食費払わぬツケがでかくなる  太 郎
 きな臭い煙の消えぬバグダット  泰 山
 決まり事だからと役所動じない   二三子
きれいごと言って結論そっちのけ  安 心
聞かないで髪をバッサリ切った訳  由利子
狐にはなれず狸で我慢する      弘
傷だけがふえて咲けない春でした  茂 瑠
きっと来るこんなに待った人だもの 三根子
気は心ですと募金に出す小銭    千恵子
キューティクルたっぷり髭に残ってる太 郎
気持ち良い洗濯物がよく乾く    ぎ ん
気にしない振りして憎い言葉尻   草 園
効いている遠いあの日の母の釘    薫
きな臭い言葉の流行り出す怖さ   大 鯉
切れ味はすごい年金切り刻む    竹 水
気象台桜見ずして出す予報     静 枝
傷口の広がる言葉だけ溜る     平四朗
生真面目な人で足あと汚さない   春 江
聞いてないふりでしっかり地獄耳  二三子
気迫だけあって足りない努力の字   亘
気心が知れて寡黙な男の歩     美佐緒
君のこと思い続けて昆布茶飲む   寄 道
気持ち良く心許せば青い空     和 枝
気にかかる母の介護の手まり唄   重 雄
金婚の旅を息子の汗がくれ     敏 子
きれいごと自分をかばう隙間風   香 織
危機管理トップの首を軽くする   獏 沓
聞き上手皆まで聞かず手を握る   晴 康
気負うもの無くてパートの長い午後 敏 子
気のおけぬ仲間内でもありがとう  洋 未
君が待つ愛の巣さくら散らぬ間に  重 雄
岐路に佇つ右脳の隙間から埋める  茂 瑠
記念日の心が騒ぐプレゼント    和 枝
九条の前後左右に銃がある     アキラ
聞く耳を持たず墓穴に入り込む   千恵子
傷いくつ抱いて女の越える坂    由利子
五  客
季節感なくても百合は気品みせ   春 江
金魚鉢こんな中にもあるいじめ    鰹
切り札を隠して笑う妻の乱     しのぶ
昨日までは白じわじわ染められる  野次馬
気合いだけ空回りする初デート   寄 道
   人  位
記憶の中であの日の刻が鳴り止まず 豊 子
地  位
奇跡祈るわたしの乳房付いている  しげる
天  位
消えそうな火種を抱いて老の張り  平四朗
   軸  吟
聞くだけは聞くが都合は無視される 梨 絵


宿 題 折り句「かなや」川路 泰山・選
過去未来流れ流れてヤジロベー    弘
カミさんに何かあったな優しいな  輝 男
カーナビに馴らされ義理を遣り過ごす竹 水
格下げへ泣き酒呑んで八つ当たり  大 鯉
片思い泣けた昔がやるせない    のぶ子
菓子折りの中に躓く闇がある    アキラ
母さんの名古屋帯しめ病む祖母に  重 雄
神の声なんで争いやめさせぬ    正 治
影法師名残りつきない夜想曲    豊 子
影武者になめられているやわな奴  竹 水
限られた中で市政をやらまいか   びん郎
勝つ迄は涙堪えてやってみる    徳 子
各論になってお金で止む話     五 貫
貸し借りもなくて平和な屋台酒   春 江
感謝する何と嬉しい優しさよ    和 枝
かあさんを泣かせた父の焼きもちよ しげる
風吹けど鳴かず飛ばずの痩せ我慢  まつ子
金と欲泣いて笑って闇に消え     進
駆け出しに馴れて気ままの役回り  まつ子
雷が鳴っても揺れる安普請     さとみ
噛み合わぬ心の草を刈っている   満 月
完全介護難病の子にやさしい手   泰 史
核心の眺める北は闇の中      のぶ男
格式も名前も捨ててやはり金     薫
カマキリよ何が苦労で痩せている  輝 男
肩たたき何やら孫の野心見え    敏 子
かりんとう何個食べても止められず 居久美
干瓢を長々と巻き屋台寿し     獏 沓
悲しみを流して越える山幾つ    由利子
肩書きもなんやかんやと役に立ち  由利子
改革に難問ばかり矢が刺さる    しげる
会見の涙はきっとやらせだな    千恵子
彼女との仲を取り持つやらず雨   アキラ
対岸へ温もり欲しい木を植える   しげる
  五  客
カーナビが無いと助手席やかましい 寄 道
カンバンになるまで待って約束よ   鰹
空振りを何回しても止まぬ恋    五 貫
鉤括弧ないしょ話が病んでいる   美佐緒
紙おむつなだめて付けるやさしい手 太 郎
   人  位
過労死もなくて定年やっと来た   穂々美
   地  位
改心の涙婦警のやさしすぎ     梨 絵
天  位
家計簿は泣きごと言わず痩せていく  弘
   軸  吟
感懐の中へ男の矢を秘める     泰 山


宿 題 「 自 由 吟 」 互 選
Eモザイクをかけて泣きたいことばかり
                 アキラ
D屑籠に昨日の僕を捨てている   平四朗
D感動を無くした日から干乾びる  政次郎
D少子化へ挑戦をする鯉のぼり    弘
Cジーパンの穴が未来を覗いてる  しげる
Cそれからを思う女の待ち時間   美佐緒
B惚れ具合化粧の濃さで見分けられ 博 司
B友人は借りを忘れる癖がある   由利子
Bアメリカの毒も呑み込む民主主義 輝 男
A鑑定書付いた番犬働かず     叶志秋
A残り火を燃やしつづけてゆく余生 梨 絵
A羊です机の広さだけ迷う     茂 瑠
A温暖化で崩れ始めた季節感    二三子
A根性を入れた火種が残る胸    満 月
Aエイプリルフールやんわり君を受け止める
                 野次馬
A身の程も知らずこなしている元気 まつ子
A歳時記に想定外の追記増え    静 枝
A受け皿に乗って出鼻を挫かれる  草 園
Aあけびつるどんどん伸びて現住所 徳 子
A菜を間引く指に福祉がふと過る   薫
@婆ふたり話途切れの日向ぼこ    進
@ご安心傷ついたとは言いません  のぶ男
@五欲まだ残る皺です気にしない  春 江
@標準語話す窓辺のシクラメン   義 子
@どう生きたよりどう生きるかだ明日の米
                 五 貫
@冗談の通じぬ人は窮屈だ     廣 司
@煙草入れにされていたミニランドセル
                 由 美
@三分で告知手術は深夜まで     尚
@和解する兆しやさしい風が吹く  しのぶ
@怒鳴るのも解消になる倦怠期   びん郎
@人の輪に居れず入れず押し出され 安 心


 



▽参加者(敬称略)堀場梨絵・曽根田しげる
 佐野由利子・堀内しのぶ・望月弘・加藤鰹
 谷口さとみ・永田のぶ男・長澤アキラ・川
 路泰山・高瀬輝男・川村洋未・中野三根子
 池田茂瑠・石田竹水・望月満月・畔柳晴康
 金田政次郎・瀧進・堀場大鯉・佐藤香織・
 成島静枝・堀井草園・大塚徳子・岡村廣司
 内山敏子・薗田獏沓・鈴木まつ子・井口薫
 御田俊坊・川島五貫・高橋春江・中矢長仁
 西垣博司・山田ぎん・毛利由美・鹿野太郎
 中田尚・芹沢穂々美・安田豊子・森田安心
 伊藤泰史・牧野正治・川口亘・山本野次馬
 加茂和枝・塚本寄道・林二三子・市川重雄
 戸田美佐緒・柏屋叶志秋・薮ア千恵子・中
 安びん郎・柳沢平四朗・川口のぶ子・森下
 居久美・真田義子・中川つかさ・増田信一
 萩原まさ子・山口兄六・提坂まさえ


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[81] (2007/05/26(Fri) 18:27:12)



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