静岡川柳たかねバックナンバー
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 平成十九年十一月十七日(土)
  定例句会  於  松 風 寿 司

 
▽席 題 「お寿司に関する川柳」
 中田  尚・選
太巻きにギュッとつまった母の愛  居久美
なつかしい母の味です五目ずし   三根子
子等集う母のちらしに盛り上がる  恵美子
好きなネタ最後に残す戦中派    恵美子
お寿司屋で海苔の産地を討議され  輝 男
遠くから来て寿司ネタとなるまぐろ 輝 男
中日に献上したいたまご焼き     弘
ちらし寿司母の背中が嬉しそう   居久美
シャリネタと国内産で値は安い   のぶ男
廻る寿司そのうち出そうハンバーグ 五 貫
もう逢えぬワサビ多目の別れ寿司  五 貫
カウンター座っていてもカッパ巻き 三根子
回る寿司自分の位置を確かめる   アキラ
亭主留守妻は上寿司出前する     鰹
職人の腕がシラスをまとめ上げ   輝 男
   人  位
秋祭り母の自慢のちらし寿司    由利子
   地  位
ちらしずし里の味覚も混ぜました  茂 瑠
   天  位
かやく寿司喜怒哀楽がのっている  さとみ



▽宿 題「 中 」表現自由 中野三根子・選
人間の真ん中にいて向かい風     薫
中庸の徳を探して右左       可 福
波風を中国産が立てて舞う     千恵子
中の物何かと振ってみる子供    ぎ ん
売り言葉買って中味をすり替える  春 江
中弛み出口が焦るから狭い     茂 瑠
バラ園の中で女が香りだす     獏 沓
中心を外すと見える風の色     アキラ
自信家の写真はいつもまん中で   春 江
道連れの共に濡れてる傘の中    恵美子
真ん中へ父は座れぬ水入らず    平四朗
幸せの中ほどにある注意書き    五 貫
反旗織る機が味方の中にある    茂 瑠
どうやってやせよう今も思案中   居久美
家中を震撼させた白い蟻      由 美
背中でも光る母の眼騙されぬ    平四朗
風呂敷の中身で席が決められた   洋 未
笑顔でも腹の中迄わからない     亘
威張っても夫は五指の中にいる   二三子
ひたむきに生きて女の水中花    梨 絵
中国が波を立てずに待つ五輪    太 郎
饒舌がまん中にいる日向ぼこ    豊 子
中ぶらりん明日の風待つなまけ者  重 雄
五  客
上げ底の中でざわつく下心     千恵子
棺の中お世辞たっぷり聴く弔辞   廣 司
温暖化地球の中は燃えている    可 福
自己暗示中流層に○をつけ      薫
中立の位置でうっかり出る本音   まつ子
人  位
腹の中もう十分に読めている    アキラ
   地  位
真ん中にいて淋しさを抱いている   弘
   天  位
沈んでも浮かんでもいい中ぐらい  五 貫
   


▽宿 題「ひ、で始まる句」佐野由利子・選
秘密なら黙ってなんかいられない  廣 司
日溜りで聞いた話は捨ててくる   しげる
ひと芝居打つ徳利の尻を上げ    草 園
光れるかああ団塊のシンフォニー  泰 山
皮下脂肪手遅れ気味のフィットネス 静 枝
比内鶏味は旨いが贋もある     びん郎
引き受けた後は沈んだ酒になり   博 司
陽の匂い母に匂いのするふとん   恵美子
人の為世のため僕の反戦歌     可 福
久しぶり隣の窓に人の影      しげる
ひょっとことおかめの様な我夫婦  三根子
左団扇汚職まみれの風臭う     平四朗
ひょっとしてあなたが私の王子様  三根子
ひかえめな女性の笑顔がやわらかい 春 江
引き下げた目標だけどまだ高い   長 仁
暇な日がさっぱり無いぞ救急車   廣 司
暇してる同士が語る世情論     野次馬
引き返す勇気にピンチ救われる    進
昼休み少し寝ておく夜のため    長 仁
日々変る妻の小言に合わせ技    信 一
ひとり旅心にふれた人に逢う    敏 子
日向ぼこ老の背中が舟を漕ぐ    敏 子
乾上がったインド洋から来るエール 静 枝
一汗をかいて奇麗な庭になり    俊 坊
久しぶり女の長い立ち話      輝 男
人付き合い誉められ家に落着かず  千恵子
ひょろひょろと親指だけの豆知識  五 貫
ひとりっ子期待で肩が凝っている   弘
ひもじくて尻尾を振れば負けになる 梨 絵
必勝の激に鉢巻き締め直す     泰 史
ひとつまみ塩のかげんで良くもなる 洋 未
ひどすぎる友の友達アルカイダ   徳 子
干上がった河童の皿に雨蛙     玲 子
五  客
ヒステリー起こしてみたい俺だって 信 一
ひやかしのつもりまんまと買わされる玲 子
ひま人がわざわざ持ってくる火種   鰹
日焼けにも野良とハワイの格差あり さとみ
ひまですが医者の資格は持ってます  尚
人  位
一人旅サンキューだけでワシントン のぶ男
地  位
碑の裏へ百を生きると彫っておく  のぶ男
天  位
秘訣など無いさ美貌は生まれつき  竹 水


▽宿 題 「 色 」 望月  弘・選
棘を知り薔薇色にする暮らし向き  竹 水
嫁の色に染まり平和に暮らしてる  二三子
十二色ほどで描けるわが暮し     薫
色褪せた想い出古着捨てられず   晴 康
肩車しあわせ色に夕やける     政次郎
お隣りの色が残らぬ脳でよし    満 月
本当の自分の色を出せぬまま    和 枝
高原を秋一色の画布にする     梨 絵
空世辞に色よい返事などあるか   平四朗
失った色にじみ出てくる秋の酒   五 貫
いつの間に敵陣にいたカメレオン   鰹
お茶漬けを色気が欠けた顔で食い  政次郎
少し色混ぜると見えてくる世間   豊 子
暗がりで試されている白い紙    獏 沓
居士信士お寺が墓に色を付け    重 雄
児等の夢カラーボールがよく弾み   進 
バラ色の夢を託してジャンボ買う  敏 子
上辺では分からぬ妻の芯の色    野次馬
お絵描きにピカソも負ける色づかい のぶ子
青いバラ咲いてしまえばただのバラ 五 貫
役人の無色無臭が朱に染まる    のぶ男
赤い色四捨の枠から届かない    茂 瑠
顔色にいつもおびえる部下の顔    尚
色恋は堪能したか枯すすき     長 仁
まだ女両の乳房のピンク色     徳 子
色沙汰がないから翔べる水たまり  豊 子
赤札を妻が根よく値切ってる    廣 司
青空にちぎり絵を貼る山もみじ   安 心
マドンナのヌードを墨で塗り潰す  輝 男
金髪で青い目だけど日本人      鰹
無色です貴方に会ってから染まる  穂々美
腹黒の男が赤い嘘をつく      廣 司
色男気取りが鼻であしらわれ    可 福
祈る背をステンドグラス包み込む  哲 也
五  客
信号の赤へ欠伸を移される     平四朗
夫ある身です桃色薄めよう     茂 瑠
次世代へ青い地球を残したい    玲 子
父母の色で終着駅に立つ      アキラ
下手な詩も玉虫色に磨かねば    梨 絵
人  位
まあまあと玉虫色がしゃしゃり出る 幹 江
   地  位
赤銅色海の男の香を放つ      千恵子
   天  位
アメ色になった大根冬の味      尚
   軸  吟
人生へ塗ったゑのぐが乾涸びる    弘


▽宿 題 「 自 由 吟 」 互 選
H母さんが教えてくれた非常口    薫
E酸欠の町の稼ぎで子を育て    茂 瑠
E完璧の中でゆっくり酸化する   草 園
D水溜りほどの世界で僕は活き   可 福
D怒鳴っても子供の城は崩せない  野次馬
D無い知恵を絞って老後組み立てる 竹 水
C他人には喜劇に見える泣き黒子  しげる
C本当の悩み他人に話せない    由利子
C小手で勝ち負ける時にはいつも面 哲 也
Bその愛をそっくり包むのし袋   穂々美
Bふとメール孫には孫の暮しあり  春 江
Bスパイスをたっぷり効かせ妻の勝ち敏 子
Bコンサートひと時夢の中にいる  二三子
B痛み止め恋にも菊か飲んでみる  洋 未
B万国旗争いばかりして困る    千恵子
B太陽が私の命照らし出す     義 子
A風紋を消してふたりの逃避行   恵美子
Aひとり酒昔の夢に会いたくて   豊 子
A偲ぶ間もないマニュアルの通夜の膳五 貫
A全ボツの爪が静かに伸びてくる  のぶ男
A君がいるだけでハッピーバースデー 鰹
@役者だね人の目をひく駅の鳩   幹 江
@錦絵をまとい静かに山老いる   アキラ
@不思議だな二百食べても千ふえる さとみ
@さようならたかねの花にありがとう徳 子
@早口についてゆけない脳となり  廣 司
@遠蛙だから素敵なシンフォニー   進
@家庭内暴露をされたおままごと  由 美
@あちこちでバレる溜息面よごし  安 心
@老春のメニューをさがす宵の街  梨 絵
@かまきりの姿勢有事に備えてる  獏 沓
@中和剤撒きに仲人やって来る   博 司
@ごめんねでもつれた糸がやわらかく 尚
@イヤリング揺れてあなたのそばに居る
                 三根子
@絆創膏ねじれ議会の馬の足    泰 史
@政治家を叩けば金のほこり出る  玲 子
@もみじ坂茜を染めて共白髪    泰 山
@硝子戸に好きとふた文字かく聖夜 美佐緒
@穀物の一本道を裂くバイオ    太 郎




▽参加者(敬称略)堀場梨絵・曽根田しげる
 川島五貫・高瀬輝男・多田幹江・池田茂瑠
 鈴木恵美子・望月弘・中田尚・森下居久美
 林二三子・加藤鰹・長澤アキラ・永田延男
 柳沢平四朗・佐野由利子・谷口さとみ・中
 野三根子・大塚徳子・堀井草園・畔柳晴康
 金田政次郎・望月満月・内山敏子・瀧進・
 岡村廣司・高橋春江・毛利由美・御田俊坊
 中矢長仁・鹿野太郎・鈴木まつ子・井口薫
 川路泰山・成島静枝・薗田獏沓・酒井可福
 増田信一・西垣博司・安田豊子・石田竹水
 川村洋未・濱山哲也・滝田玲子・山田ぎん
 芹沢穂々美・戸田美佐緒・山本野次馬・川
 口のぶ子・伊藤泰史・加茂和枝・真田義子
 中安びん郎・薮崎千恵子・川口亘・市川重
 雄・森田安心
▽アイセル21の予約が取れなかったため堀
 場梨絵さん経営の「松風寿司」で定例句会
 を開催しました。結果、普段より多くの参
加者があり、お座敷は満員状態。選者初挑
戦の中田尚君の選句&披講も堂々としたも
のでしたよ。句会終了後は美味しいお寿司
とビールで乾杯!「今後は時々ここで句会
をやらせて頂きましょう」と意見が一致。



[105] (2008/01/26(Fri) 08:17:12)



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