平成二十年 二月十六日 定 例 句 会 於 駒形神社社務所
席 題 「 泡 」 池田 茂瑠 選 川柳のお題まちがえ水の泡 三根子 じっくりとアクの泡とり豆を煮る さとみ 一割ほど泡でごまかす大ジョッキ 尚 発泡酒ちびりバブルを懐かしみ 鰹 どんぶりこ桃が浮いてる泡の河 弘 コップ半分泡のビールを呑んでいた 梨 絵 バブルから貧乏神に居座られ 好 子 税金が喉にとろける発泡酒 尚 良いビールきめの細かい泡光り 洋 未 外人を入れてお風呂は泡だらけ 弘 ありがたい祝辞が泡を消してゆく さとみ 佳 作 火の恋も泡冬山に消えし彼 輝 男 泡風呂も最後になればただの湯か 洋 未 中国の餌だ金魚が泡を吹く 弘 モンローを気取り泡風呂入るトド 鰹 プツプツがホットケーキの返し時 さとみ 秀 句 泡々と吾が薄命の水に浮く 泰 山 ライバルに泡を吹かせた薬指 由利子
宿 題 「 明 」表現自由 加藤 鰹 選 明日の絵をピンクの色に塗りつぶす 由利子 明暗をわける人生嫁ぎ先 俊 枝 おでん市明るい乳房つまみだす 泰 山 明白な事実へ偽の字逃げ回る 平四朗 トゲ残る明るい愛も散り果てて 茂 瑠 明日がある事を信じて消す灯り 敏 子 明言を避けて仲人よく喋り 進 街灯を消して明るい消費国 草 園 明け方の冷気が酔いにまとい付く 香 織 夜あって朝があるから生きられる 和 枝 明日は晴れ洗濯物がよく乾く ぎ ん 明日の事判らないけど汗をかく 泰 史 明日の夢五十ワットのひらめきで 可 福 種明かししたらだあれも居なくなり 薫 ねむれない夜もやさしく明けてくる 三根子 宵の明星母の帰りを待つ子らも しげる 流行歌ギターコードも明星で さとみ ネオン街ひさしぶりだわ子猫ちゃん 洋 未 少しずつ春が明るく近づいて 三根子 明らかに貴男の骨を抜いた跡 のぶ男 此の年もあっという間に明け暮れる 好 子 しがらみの過去脱ぎ捨てて待つ夜明け千恵子 あの角を曲がると明日が見えて来る 博 司 忘れたいことほど鮮明な記憶 由 美 縁日の匂いに光るアセチレン 政次郎 チョコレート明暗分ける選び方 穂々美 明日逢えるサヨナラだから手が軽い 政次郎 色彩がまだ決まらない明日の絵 輝 男 街中が明るくなって増えた闇 哲 也 明るすぎ妻の口調の裏を見る まさえ 明日から浮気しないは嘘だった びん郎 照明があたった途端別人に 弘 本心を吐いたら明日は首が飛ぶ しげる 明るさが影の部分を際立たせ 信 一 隠し事無くて明るい我が家の灯 亀 重 鬼の首捕った処で夜が明ける 獏 沓 五 客 明日はやろう明日になれば気が変る 梨 絵 釈明と詫びが特技と履歴書に 薫 お生まれの欄から消えてゆく明治 さとみ 結婚後明らかになる彼の癖 由 美 明日からやめるタバコが旨すぎる 弘 人 位 明朗でアヒルが並ぶ通知表 尚 地 位 究明をすれば崩れる砂の城 由利子 天 位 手品なら明日の夢がポンと出る 竹 水
宿 題 「も、で始まる句」 佐野 由利子 選 勿体ないがDNAを刺激する 野次馬 勿体無い勿体無いが此のメタボ 好 子 勿体無い勿体無いでゴミ御殿 信 一 戻れない道に答えが横たわる 平四朗 門限は僕が一時で妻三時 哲 也 問題児金の力で処置される 梨 絵 もう一度飛んでみようよ千羽鶴 鰹 もう敵は外より内にある八起き 平四朗 もう少し生きるつもりの医者通い 二三子 ものぐさがゴミと一緒に寝て暮らす 千恵子 もう少し金に成ることしてたらな 好 子 もさもさの髪でうだつがあがらない 徳 子 モンゴルに乗っ取られてる大相撲 安 心 もらい泣きする程純な私です 竹 水 もう一度会いたくなって風になる 弘 もの申す神よあなたも詐欺ですか 哲 也 モカが好きいつもの喫茶君がいる 静 枝 喪が明けて正座くずして本音言い しげる 文句しか言えない口を持ち歩く 尚 縺れ糸ほどけて今朝の茶が旨い 千恵子 もそもそと世論に動き出す政府 五 貫 もうですかあなた再婚早すぎる 博 司 持て余すほどのお金はいりません 野次馬 もめ事を宅急便が置いて行く 洋 未 勿論と太鼓判押す度胸見せ 亘 儲け口手放しません道路族 長 仁 もういいかいいくら待てども出番来ぬ晴 康 もしもしの電話は悪魔かも知れず 亀 重 もう少しがんばってみよう寿の坂 のぶ子 もう懲りた二度と掛けまい仇情 びん郎 もうはまだ貧すれば鈍まだはもう のぶ男 もう一度逢いたい人の訃が届く 敏 子 五 客 モデルかと言われた事もある私 竹 水 もしかして小指を噛んだのはあなた 安 心 モンシロ蝶花に差別をつけないで 輝 男 もりもりと食べる私がまん丸い 三根子 儲けてもタカが知れてる小商い 輝 男 人 位 もう少しそばにおいでと猫を呼ぶ 三根子 地 位 もらい泣きしても化粧はくずさない さとみ 天 位 もう何も言うまい口が風邪を引く 泰 山
宿 題 「やれやれ」 望月 弘 選 下戸帰る少しは酔った話でも 哲 也 迷信にやれやれ祖母の廻り道 平四朗 どうしよう平均寿命また延びた 泰 山 大任を果し安堵の汗拭う 由利子 ノーギャラへ拒否権使う子の使い 輝 男 軍隊の夢をどうやら見なくなり 廣 司 肩組んでイエローカード出す家電 太 郎 今日も無事やれやれ言える至福劇 香 織 神さまがやれやれ絵馬に呟いた しげる この人も返事を延ばす恐妻家 平四朗 待ちかねたメールひと言肩寒く まさえ パチパチパチ長い祝辞が終わったか 鰹 寝る前にパックしておく明日の顔 まさえ 子の下宿やっと一人になれたのに 梨 絵 小銭ある時にかぎって出ぬ端数 さとみ やれやれが嵩じて出来た水溜り 亘 年季明け親父が脱いだ鉄兜 哲 也 祟りなど信じませんと気にしてる 政次郎 やれやれと月を背負うて立ち上がる 徳 子 母校との絆寄付金だけのもの 廣 司 ワッと来てワッと帰ったお正月 のぶ男 青いけど泳げぬ美女の海だった 茂 瑠 不和会議衆院一決飯にする 政次郎 混み入った話が又もやってくる 千恵子 一応はそれなりにだが片付いた 好 子 申告書ぴったりしないにらみ合い まつ子 フルムーン帰宅のお茶が背伸びする 竹 水 年金がようやく入り白い飯 安 心 モナリザの頬謎解けて薄味に 茂 瑠 本を読み聞かせ寝かせた子が起きる 可 福 肩書きも銭にならないものが増え 輝 男 五 客 人間の弱みを食べる詐欺の口 竹 水 お笑いの裸が受けているテレビ 千恵子 一生を見張られたまま終わりそう 尚 手を上げて電車も止めるおばあちゃん三根子 嫁ぐ子に男の無茶も見せておく 五 貫 人 位 五センチの雪で都会に起きる麻痺 静 枝 地 位 トランクをどっかと置いて鮭茶漬け 鰹 天 位 満杯の風呂につかって目を閉じる 梨 絵
宿 題 「自由吟」 互 選 E北国を勝手に暗くする演歌 太 郎 Dああ愉快妻がごめんと謝った 獏 沓 D丸くいる為のひと言仕舞い込む 二三子 C幸せな人自叙伝を書きたがり 薫 B世界中たった一人にめぐり逢う 三根子 Bおはようで朝の空気をふくらます 泰 山 B誰に似た良い所なら俺だけど 長 仁 B年金で食べて行けますけちだから 廣 司 A元気印過信が歳に突当たる 平四朗 A名の売れた蕎麦屋の客は列も好き さとみ Aかけがいのない人なのにオイと呼ぶ博 司 A足し算で生きてきたから今がある 義 子 A結論を飛び越している口達者 安 心 A本心を宥め妥協の手をあげる 敏 子 Aちょっとだけ恩返しなど真似てみるのぶ男 A神様が呉れた笑顔をお裾分け 竹 水 A裏打ちの知識が骨を組み立てる 五 貫 A人間の社会の中の吹き溜まり 梨 絵 @気どるほど人の見る目が白くなる 泰 史 @新聞の定位置にあるお詫び欄 由 美 @後半はアルカリに変え走りぬく 尚 @まだまだと空は二月の顔でいる 和 枝 @自分から言ってはならぬ高齢者 静 枝 @真に受けて裏切りもある酒と恋 まつ子 @もてぬ奴泣かすロミオとジュリエット 進 @納付税国から礼が届かない 野次馬 @日を違いたった一人のクラス会 びん郎 @進歩する家庭電化の幸で暮れ 亀 重
参加者(順不同)尾崎好子、曽根田しげる、 川路泰山、川村洋未、堀場梨絵、高瀬輝男、 望月弘、谷口さとみ、加藤鰹、中野三根子 佐野由利子、中田尚、池田茂瑠、石田竹水 金田政次郎、瀧進、畔柳晴康、鈴木まつ子 堀井草園、大塚徳子、佐藤香織、岡村廣司 芹沢穂々美、井口薫、成島静枝、薗田獏沓 内山敏子、鹿野太郎、加茂和枝、柴田亀重 真田義子、中矢長仁、増田信一、山田ぎん 川島五貫、西垣博司、川口亘、永田のぶ男 林二三子、毛利由美、伊藤泰史、濱山哲也 酒井可福、石上俊枝、市川重雄、森田安心 薮崎千恵子、山本野次馬、中安びん郎、提 坂まさえ、川口のぶ子、柳沢平四朗
☆アイセル21の会場が取れなかったため 久々に駒形神社の社務所での句会となった。 何だか「ふるさと」に戻って来たような感 覚で皆、口々に「落ち着くねえ」と言って いた。初参加の尾崎好子さんが来て下さっ て参加者一同元気を頂きましたよ。
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[115] (2008/04/26(Fri) 08:17:12) |
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