静岡川柳たかねバックナンバー
トップページへ







平成二十年 三月十五日 
    定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「印象吟」下のイラストを見て
  加藤  鰹 選
牛妻の痴漢と放火あなたでしょ  茂 瑠
完全な花粉対策汗をかく     茂 瑠
牛妻の痴漢と放火あなたでしょ   茂 瑠
完全な花粉対策汗をかく      茂 瑠
花粉症かしらマスクがよく似合う  三根子
いつ見れる手術の後の良い男    洋 未
こんな人よく交番で見かけるよ   三根子
証明用これで十年使えるな     さとみ
ヘイおまちなに花粉症だけでさぁ  さとみ
お父さん窒息だけはしないでね   茂 瑠
交番で性善説を塗り替える      弘
あの魔女よ耳輪外しているけれど  茂 瑠
今夜はねニンニク効かせ背を向ける しげる
花粉症お洒落マスクが出かけさせ  好 子
どこ行くのそんなに目立つ姿して  洋 未
完全武装メガネの奥の優しい目   由利子
生きるためたまには無口なる時も  しげる
お返しのホワイトデーにあるピース 好 子
郵便局マスクの客へ目が光り    輝 男
知らん顔うまく出来れば演技賞    弘
一人っ子の風太郎だよ父が好き   梨 絵
挨拶をされたがだれか解らない   茂 瑠
この男マスク取ったら出っ歯です  由利子
売れ出したスターマスクを離さない 輝 男
夜の顔昼間と違う腹の中      のぶ男
歯医者から不審な顔がにゅっと出る  弘
根っからの悪になれないオレの顔  梨 絵
帽子取りゃハゲでマスクを取りゃ出っ歯
                 由利子
女かも知れぬ痴漢に似た身なり   茂 瑠
顔がないそれでもあんたいい男   洋 未
喋り過ぎ大口たたくなれの果て   のぶ男
見つけたよ君からハズレ落ちたネジ さとみ
神経の図太さ花粉受けつけぬ    輝 男
三猿の教え一人で演じ切る     茂 瑠
タッキーか長瀬智也か 鰹です   由利子
 五 客
わざわいの元です口は見せません  輝 男
総入歯保険がきいてグーである   のぶ男
キャーイケメン目と鼻と口隠せばね さとみ
道ならぬ恋ですマスクして出かけ  輝 男
愛語る時にはマスク外してネ    輝 男
 人 位
私にハートと金を出しなされ     尚
 地 位
うっかりと笑えないから武装した  洋 未
 天 位
悟られまい漏らすまいでもバラしたい
                 さとみ


宿 題 「 中 」表現自由
            谷口さとみ 選
中心をずらした位置で見る日本   野次馬
空き部屋が頭の中に増え始め    廣 司
中立という逃げ道で摩擦避け    千恵子
魔女天使合わせ鏡の中に住む    美佐緒
中年のつもりでいようまだ傘寿   廣 司
中流が押し流される物価高     博 司
年度末何処もかしこも工事中    二三子
白黒をつけたがらない中の人    千代見
中心にいないと荒れるいじめっ子   弘
五 秀
中程は空いているのに混む電車    亘
ドングリの中で謀反を起こす人   梨 絵
真中が居心地悪い婿の椅子      進
中立という日和見の臭い旗     平四朗
保育器で大きな夢が育ってる     尚
 軸 吟
これなぁんだ差し出す手から青蛙  さとみ


宿 題 「し、で始まる句」 
           川村 洋未 選
尻尾など切り捨て生きる道選ぶ   輝 男
叱るからますます貝になっていく   弘
知らん振りして居る視線追ってくる しげる
知る権利家の憲法妻にだけ     信 一
「知らないの」カルテが怖い事を言う政次郎
叱られた息子が部屋の掃除する   可 福
信じようコイツはきっと物になる  泰 史
幸せは金に無縁の愛介護      亀 重
霜柱踏めば毀れた過去の音で泣く  豊 子
シール二倍つましい餌へまた走る   薫
死神に順番ですと肩をポン      尚
死んだ振りする私鬼出て困る    さ き
しつけ糸曲がったままで老いるのか 穂々美
しかたない俺が総理になったるか  哲 也
四という字悪くないのに悪者に   千代見
心機一転課長の顔に点を付け    しげる
仕合せを分けてやるからまずは飲め 竹 水
知り合いかい いえ知りません今日からは
                 信 一
舌先であやつられてるいい話    まつ子
塩加減だけでやさしい子に育て    弘
視界また広げ汚れてゆく私     茂 瑠
しみったれそんな貴方にもう飽きた 重 雄
下心抱いて蛇より低く這う     茂 瑠
 五 客
幸せな人だね愚痴をよくこぼす    鰹
死火山を妻がネジまく活火山    のぶ男
新人の大きな靴が威嚇する     哲 也
思考力薄らいできて点火せず    まつ子
知らん顔してりゃ三つも星くれた  さとみ
 人 位
幸せな家だ順番通り逝く      太 郎
 地 位
知らんふりする古傷に触れぬよう  徳 子
 天 位
皺だらけほんとの手相どれなんだ  廣 司


宿 題 「隠 す」  望月  弘 選
モザイクの中でアッカンベーをする 野次馬
匿名の投書人間試される      まつ子
内緒事一つ作った千鳥足      千恵子
繕いで隠す手もあり母の知恵    のぶ子
ヘソクリが貯まると何故か顔に出る 獏 沓
黒幕に覆われている永田町     敏 子
偽装した乳房を夫気付かない    野次馬
隠し事小さな胸で破裂する     和 枝
また父の隠した場所に戻す本    由 美
菜の花に隠すゴッホの黄色です   美佐緒
隠し事すると貴方はどもるのよ   長 仁
嫁が来る角を笑顔にとじこめる    尚
お互いに過去を隠してうまく行く  三根子
夫には隠し通した指輪の値     二三子
過去のこと今さら明かす気などない 由 美
いい仲間みんな持ってる隠し味   五 貫
百点は母が見そうなとこに置く   さとみ
匂わないように毒夫を背に隠す   茂 瑠
隠された草履やっぱり犬小屋だ   梨 絵
初恋を隠し切れないクラス会    太 郎
隠しても税務署の目が掘り当てる  竹 水
ヘソクリが貯まると何故か顔に出る 獏 沓
本棚の諭吉が行方不明だぞ      鰹
針千本飲んでも隠す事があり    由利子
湯煙の向うビーナス見え隠れ     進
善人が隠し持ってる不発弾     美佐緒
六ヶ月もう隠せないおろせない   さとみ
夫婦でもやさしいうそを隠し合う  三根子
摘発の墓穴を掘った裏帳簿     平四朗
欠点を隠したつもりが尻尾出す   安 心
見ちゃったよ恥ずかし月も顔隠す  重 雄
生きる為隠し続けた貝の口     由利子
鏡台に隠した紅が怒りだす     穂々美
秘密基地おとこの軍旗だへそくりは 哲 也
物置へ億二桁を隠す欲       好 子
 五 客
親離れし始めた子の秘密基地    二三子
隠れ家をすぐケータイに暴かれる   薫
答弁のしどろもどろが疑われ    輝 男
いつになく饒舌なにか隠してる   静 枝
引き出しの鍵へ思春期閉じこめる  平四朗
人 位
詐欺罪をカルテに隠す整形科    美佐緒
地 位
隠しても夫婦喧嘩を児が喋る    重 雄
 天 位
難病をかくし命の重み知る     のぶ男
 軸 吟
行間に隠されているミステリー    弘
 

宿 題 「自由吟」   互 選
Cリストラがこんな元気を遊ばせる 由利子
C現実に負けないように買う浮輪  美佐緒
Cやわらかくする体操で骨を折る  長 仁
Bおしどりに飽きた女房の大あくび 五 貫
Bカルテだけ大人あつかいしてくれる 尚
B知りたいが封を切ったらお別れね 洋 未
B年月を掛けて大きな器焼く    徳 子
Bぜいたくを割れば出てくる塩むすび太 郎
B春を呼ぶ籠に摘み込む初節句   重 雄
Aおかえりと言ってほしくてちょっと出る
                 さとみ
Aいつだってあと一押しが出おくれる梨 絵
Aイレギュラーしても戻れる家がある野次馬
A昭和史の弁当左手で隠し      弘
A曲がり角返し切れない恩の数   千恵子
A満タンに税が重たい給油口    博 司
A春先におんなじ所痒くなる    静 枝
A和紙の里紙が暮らしを包んでる  二三子
A紅梅の芯にひそんだ嫉妬心    穂々美
@白黒は問わぬ余生のなしくずし  平四朗
@胸の底乾いて蛇も動けない    茂 瑠
@ハプニング空はゆっくり晴れてくる和 枝
@初恋は稔らないのが素敵です   泰 史
@仕合せを揺すると涙が甘くなる  政次郎
@イケメンの医師に熟女が癒される  進
@悔いばかりでも生きていく老いの坂晴 康
@生き残る地球上でのうばい合い  亀 重
@健康な身体悩みも人並みに    可 福
@神様と約束をしてあきらめる   三根子
@空っぽの財布を拾い笑われる   びん郎
@事なかれ主義で妥協をすぐしちゃう廣 司
@ひねっても蛇口は愛語など吐かぬ 輝 男
@ドレスだけ褒めて別れた恋もある のぶ男
@夫への本命チョコは義理っぽい  由 美
@命の灯消さないように消えるまで 竹 水
@なごり雪出番待ってる春帽子   義 子
@納豆の糸だけ粘る余生です    よし子




参加者(順不同)池田茂瑠、曽根田しげる
尾崎好子、望月弘、佐野由利子、川村洋未
中田尚、堀場梨絵、中野三根子、高瀬輝男
谷口さとみ、永田のぶ男、加藤鰹、井口薫
金田政次郎、瀧進、畔柳晴康、柴田亀重、
薗田獏沓、岡村廣司、内山敏子、中矢長仁
大塚徳子、鹿野太郎、毛利由美、石田竹水
成島静枝、増田信一、西垣博司、林二三子
竹内さき、川島五貫、濱山哲也、安田豊子
戸田美佐緒、川口亘、加茂和枝、伊藤泰史
中安びん郎、山本野次馬、薮崎千恵子、提
坂まさえ、鈴木千代見、川口のぶ子、芹沢
穂々美、酒井可福、柳沢平四朗、石上俊枝
萩原まさ子、市川重雄、森田安心







[118] (2008/05/26(Sun) 08:17:12)



2008年6月 虎竹抄 >> << しぞ〜か弁川柳0805月
Copyright © 静岡川柳たかねバックナンバー. All Rights Reserved.