平成二十年 六月十七日 定 例 句 会 於 静岡市民文化会館会議室
席 題 「 愛 」 曽根田しげる 選 愛なんてどこに有るのかわからない 三根子 愛のムチ今の子供に通じない 鰹 愛妻が三つ指ついてお出迎え 三根子 愛キャッチ出来ず還暦迎えます 信 一 最愛の人がどんどん遠くなる 三根子 ボロ毛布愛着心がすてきれず 三根子 フラッシュへ渦中の人のVサイン 梨 絵 手を上げて渡るんだよと孫が言い 信 一 恋愛は自由 結婚は制約 由利子 女にも男にもある愛と意地 梨 絵 母性愛ばかり感じる年になる 三根子 本当の愛はいらない色男 由利子 あってもねなくてもいいとねだる妻 卓まる 日溜りに肩寄せあった猫二匹 信 一 永遠に自然を愛し山に伏す 由利子 本当の愛は還暦過ぎてから 由利子 愛あればこそ乗り越えた車椅子 由利子 盲愛に子の脱線が分からない 梨 絵 抱き合って私の愛をお分けする アキラ 定年になった途端に愛はじけ 信 一 勘違いしているうちが愛かもね さとみ 五 客 赤ちゃんは一生分の愛くれた 洋 未 英会話アイラブユーを言いたくて 信 一 妻の愛信じ単身渡る海 輝 男 父さんの山の高さが温かい アキラ 憎しみが積り積って愛情に 信 一 人 位 愛しますあなたでなくて持つ資産 信 一 地 位 玄関を出るとヘンシン愛妻家 弘 天 位 愛のある部屋冷房を強くする 弘 軸 吟 結び目を解いて下さい愛の手で しげる
宿 題 「 小 」表現自由、字結び可 長澤アキラ 選 少数へ肩入れをする天邪鬼 弘 晩酌に妻の小鉢と小言食う 卓まる 趣味の部屋そこは私の小宇宙 千恵子 本当は小心者の口の髭 徳 子 道草も小さい嘘で憎めない 穂々美 小さめのケーキを母は選っている 梨 絵 衝動のもとは小さな嘘だった 泰 史 ポイントにルビを振ってる定年後 政次郎 富士山に比べ小さな愛の家 亀 重 何となく小骨の多い嫌な女 由利子 小気味よい啖呵に拍手湧き起こる 千恵子 お日様と添い寝しているプチトマト 美佐緒 羊水の海に命の小宇宙 進 小うるさくなるさ娘の親だもの 泰 史 スーパーで主役演じている小銭 竹 水 胃カメラが小さい嘘を見逃さぬ 穂々美 五 秀 小数点附近に民の暮し向き 進 弱点を狙って刺しにくる小骨 豊 子 自画像へ小さく描く泣きぼくろ 豊 子 リアクション小さいほうが本音です 五 貫 握り飯だけは小さくしない妻 太 郎
宿 題 「つ、で始まる句」 佐野由利子 選 つり合いのとれた夫婦で温かい 敏 子 鶴千羽放ち病院後にする 薫 ツィギーと云われた足はもう太い 安 心 捕まえた鰻でなくて大なまず のぶ男 連れて来た彼女婆あちゃん眼鏡越 重 雄 積んだまま埃をかぶる参考書 晴 康 つめほうだい袋のばして縦に入れ 洋 未 つまらない映画を誉める評論家 哲 也 ついさっき聞いた名前が出てこない 二三子 通夜の席分子分母が皆揃い 廣 司 摑めないあなたも流しそうめんも 鰹 漬物に母のこだわり思いよせ のぶ子 つれなさの空気を読んだ日の誤算 平四朗 つけで飲み少し払ってツケてくる のぶ男 妻の名をおいと呼びつけ五十年 しげる つまみ食い付けが回ってスリーL 和 枝 妻の尻に敷かれたふりで丸く生き 玲 子 躓いたお陰で明日を摑み取り 弘 つながらぬ会話夫婦の梅雨の入り 博 司 躓いて競うことなど諦める しげる 躓いた道それからの長い冬 アキラ 梅雨晴れ間下校の子らの好奇心 穂々美 つじつまを合わせる為の嘘ひとつ 敏 子 連れ合いと呼び合う仲の良い夫婦 亘 付けのきく暖簾にトンボ来て止まる 徳 子 綱渡りなんとかやっている家計 千恵子 罪深い人を誘うブナの森 太 郎 つぶしたい妻の欲求プチプチと 信 一 つつつっと来て唇を奪われる 弘 ツナギ服僕のブランド半世紀 安 心 五 客 恙し一合を炊き夕焼ける 薫 対の椀割れに気付かぬ旦那だけ 卓まる 妻の眼の届かぬとこで伸ばす羽根 輝 男 ついほろり子役際立つ名演技 進 付き合いも楽じゃないよね諭吉さん 鰹 人 位 通帳の残をみてにが笑い 三根子 地 位 つきも無い金も無いけど子沢山 信 一 天 位 妻いわく嫌いじゃないわウザイだけ 卓まる
宿 題 「移り気」 高瀬 輝男 選 星空がまたも私をそそのかす 哲 也 札束に欲望動くプロ選手 のぶ男 初恋が新たな愛に消し消され 進 会う度に違う男と居る女性 廣 司 会うたびに違う名刺をくれる彼 さとみ 定まらぬ浮気心が首もたげ きく子 回りずしどれにしようか迷いすぎ 穂々美 趣味多く三日坊主が直らない 三根子 気まぐれが時に反旗を翻す しげる 気まぐれな時計と踊るハイヒール 美佐緒 好奇心三日坊主もいいじゃない 薫 スーパーの安値安値と足が向く 野次馬 楽しみはあれやこれやのバイキング 洋 未 昼飯が食堂街で決まらない 博 司 花ことば悔いを重ねた恋でした 穂々美 移り気の無党派層が風を待つ 太 郎 他人の目気にして答え二つ出す 竹 水 よろめいた陰のモラルが許されず まつ子 ファミコンの腋に淋しく将棋盤 可 福 移り気な私の海が賑やかい さ き プロポーズあじさい色の返事する まさ子 曲線に飽き鋭角に憧れる 美佐緒 入門書増えて決まらぬ趣味一つ 千恵子 フリーター移り気ですねこの世界 和 枝 この人と決めてその他は削除キー 千代見 五 客 気まぐれな移り気妻は苦労する 長 仁 オーダー後隣の皿が美味く見え 俊 枝 義理チョコが新たな恋を期待する 進 リモコンを持てば私もお殿様 五 貫 身を守る為の政治家宗旨替え 廣 司 人 位 今日は百合あしたは薔薇を愛そうか 鰹 地 位 日替わりのメニューの様に相手変え 千恵子 天 位 喪が明けた女に羽が生えてきた 鰹 軸 吟 風向きへ即座に変る主義主張 輝 男
宿 題 「自 由 吟」 互 選 Dスピード社補正下着も作れそう 由 美 Dシナリオになかった恋をしてしまう義 子 C手の平で切った豆腐に角はない 五 貫 B子の背中見つめて親も確かめる 哲 也 B正解を抱いた女の待ち時間 美佐緒 Bシーパンの穴が押してるベビーカー玲 子 Bつまづいた石は己の欲と見栄 信 一 B背水の陣だぞ後期高齢者 廣 司 Aもて余す舌の先から丸められ しげる A石けんで落ちない鬱を持て余す 由利子 Aいのち満開熱燗を追加する アキラ A今日も又母の目線で見てしまう 三根子 A長持ちをエコと呼び変え使います 穂々美 A地下足袋と軍手で老いを寄せつけず漠 沓 A内部告発冷暖房が効き過ぎる 竹 水 A正直な人でお世辞が出てこない よし子 A引越しへ心残りを山と積み 敏 子 @きゅうりまでねじれ国会真似ている 弘 @ほうせん花女ごころの中ではぜ 梨 絵 @久し振り末っ子気分墓参り 政次郎 @愚妻です照れながら言う愛妻家 徳 子 @花の春四季で一番張りがある 亀 重 @結局は取って置きして期限切れ 博 司 @私は誰ここはどこ月曜の朝 さとみ @ネコ缶の値上げニュースになってない 静 枝 @頼まれた馬券が酒に姿変え 可 福 @妥協して後には引けぬ海騒ぐ さ き @不意に来た病魔へ明日の夢消され 輝 男 @蚊が捜す美肌を狙う夏の宵 重 雄 @すり減った言葉繕う余生の灯 平四朗 @お茶受けの噂噛む程味がでる 豊 子 @ワンルームから母ちゃんと飛ぶ寝言 太 郎 @燃費高スルメびっくり大慌て 安 心
参加者(順不同)曽根田しげる、増田信一 今井卓まる、高瀬輝男、堀場梨絵、望月弘 川村洋未、長澤アキラ、瀧進、中野三根子 佐野由利子、加藤鰹、畔柳晴康、成島静枝 谷口さとみ、岡村廣司、薗田獏沓、井口薫 石田竹水、大塚徳子、中矢長仁、内山敏子 柴田亀重、毛利由美、西垣博司、真田義子 川島五貫、鹿野太郎、加茂和枝、滝田玲子 林二三子、竹内さき、安田豊子、濱山哲也 金田政次郎、川口亘、森田安心、市川重雄 鈴木まつ子、芹沢穂々美、鈴木千代見、那 須野正明、馬渕よし子、山本野次馬、永田 のぶ男、川口のぶ子、薮ア千恵子、萩原ま さ子、戸田美佐緒、提坂まさえ、伊藤泰史 石上俊枝、中田きく子、柳沢平四朗
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[127] (2008/08/24(Sat) 14:50:22) |
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