平成二十年 八月十六日 定 例 句 会 於 静岡市アイセル21
席 題 「八 月」 永田 のぶ男 選 夏休み帰る故郷父母は亡く 修 市 夏の海泳ぎたいけど浮かばない 修 市 葉月でも俺の頭は枯れすすき 信 一 暑いねェその一言ですれ違い 好 子 八月の恋人を抱く汗を抱く 茂 瑠 北京の空高くあげよう日の丸を 洋 未 甲子園グランドの砂減っていく 洋 未 線香を多めに用意してお盆 さとみ 墓まいり親の年齢はるか越え 洋 未 水の事故山の事故へと繰り返し 好 子 終戦の月が今では海外へ 信 一 八月を一層暑くした五輪 茂 瑠 旧盆を戻らなくなる子供達 信 一 甲子園汗を涙にかぶりつき 信 一 宿題の重さを親がかみしめる 尚 八月がビールの泡に溶けている 弘 真夏でも寒くなるよな世の中に 信 一 八月は妻里帰り神無月 卓まる 八月は今年もやぱり君が代で 三根子 八月の海と初恋青かった 茂 瑠 五 客 ふるさとと母校が踊る甲子園 弘 砂浜で討ち死にされているスイカ 弘 盆休み豆台風が来る田舎 鰹 八月のビールに弱いノドを持つ 茂 瑠 八月に命の重さ問い直す 尚 人 位 葉月です雑草取りに四苦八苦 信 一 地 位 八月の記憶を濡らす黒い雨 鰹 天 位 終戦の日をすいとんにうなされる 弘 軸 吟 八月に靖国の神 雲に告げ のぶ男
宿 題 「 平 」表現自由、字結び可 望月 弘 選 どんぐりが安堵してます平均値 進 お平にその一言で楽になり 好 子 争いを避ける境地に居る平和 政次郎 平和論となえてみてもままならず のぶ子 縄のれん多士済々の平和論 輝 男 公平におかずを配る母の汗 泰 史 平日も休日もない母の像 安 心 平凡な日々を振り込め詐欺が突く 哲 也 平和呆け単細胞の落し穴 平四朗 平日は量販店で暇つぶし 穂々美 底を這う平目は常に上を見る 可 福 ママで金なんて平気でペンが言い 尚 平凡な一生でした花柩 由利子 平凡に生きて汗だけかいている 尚 手の平で転がされてるお人好し きく子 良き妻は加減知ってる平手打ち 卓まる 真っ平と言ったお前が今一緒 信 一 平穏な日々に埋れて倦怠期 進 やりました平均寿命超えました 廣 司 病名を伏せて平気な顔つくり 敏 子 平坦な道も躓く勇み足 千恵子 金持てば平常心が失せてゆく 徳 子 平坦な道にもあった落とし穴 和 枝 平だって品格だけは捨てません 信 一 手の平のたかが皺だよ気にするな 薫 平熱が続く可もなく不可もなく 静 枝 平ちゃらな明日に会いたい高齢者 まさ子 五 客 大特価(平日のみ)と小さな字 鰹 年金を捏ねてのばして不平等 のぶ男 平凡のところどころに非常口 美佐緒 平坦な道へ笑いを備蓄する 野次馬 平凡に飽きると平和崩れだす 二三子 人 位 平静を装うこんなに辛い酒 平四朗 地 位 八月の雲まざまざと見る平和 豊 子 天 位 平静に戻るシオリのページから 茂 瑠 軸 吟 坂のある道を嫌いな乳母車 弘
宿 題 「ごろごろ」 高瀬 輝男 選 片付かぬ瓦礫ごろごろ災害地 敏 子 ゴロゴロと列島走る火の車 修 市 ゴロ寝して人生の意味考える 泰 史 ゴロゴロとしているわりに耳が冴え 卓まる 不器用な箸里いもにからかわれ 獏 沓 喉鳴らす猫になれない温暖化 竹 水 ごろごろと腹の虫泣く会議中 玲 子 冷え過ぎた牛乳ごろり来る雷雨 竹 水 雷鳴が明日の地球を暗示する 野次馬 ごろごろと山車曳く子らに汗の顔 可 福 長イスでごろ寝して見る世界新 鰹 草野球ゴロが余所見をして困る 弘 僕だって好きでごろごろしてません 豊 子 ごろごろもしては居られぬ高期でも 重 雄 目の中で我が子反乱ころがった 洋 未 肩書が取れてごろごろ青畳 敏 子 躓いて賽の河原も石だらけ のぶ男 この程度ならどこにでもある話 豊 子 とりあえず忘れたいので昼寝する 美佐緒 積乱雲乗って雷神やって来る 博 司 食べ合わせ悪かったのか下り腹 二三子 ごろごろの荒れ地が今やニュータウン 薫 休日はトドとアシカが群れる家 野次馬 ごろ寝して手持無沙汰の女房留守 進 五 客 百均で宝を探す夏休み 尚 ママは留守今日はゴロゴロしちゃおうか さとみ 雷も民話になれば耳を立て ぎ ん 里帰り誰はばからずゴロ寝する 二三子 耳そうじイケナイ右手ひざに伸び 鰹 人 位 雷を挑発してる臍ピアス 哲 也 地 位 分別をすれば資源のゴミの山 五 貫 天 位 雷のパワーを銭に替えてみる 安 心 軸 吟 資金あれば転がっている儲け口 輝 男
宿 題 「おばけ」 加藤 鰹 選 おばけより恐いこの世の生き仏 修 市 おばけさえ背すじも凍る社会面 きく子 化けて出たこの世の方が怖かった 信 一 ばけて出て得にならなきゃ出てくるな廣 司 化け切れぬ私の尻尾短くて 茂 瑠 ネクタイを固く結んで化け通す ぎ ん 天下る魑魅魍魎は巨額抱く 平四朗 それそこに善人を着たおばけいる 平四朗 化け物に変わる熟女の厚化粧 まつ子 過去帳にのせず彷徨う千の風 晴 康 熱帯夜妖しい人とすれ違う 千代見 何度でも化かされている児の無心 亘 気の小さいおばけ出るのは夜中すぎ びん郎 引き金に手を添えている背後霊 美佐緒 化け物が僕の心をそそのかす 長 仁 ピアス揺れワインに溶かす化けの皮 さ き 国中がおばけ電話に踊らされ さ き 政治家は腹に万のおばけ飼い 修 市 年金をのっぺらぼうに誤魔化され しげる 背に重いおんぶおばけが寝てござる 可 福 偽者の百鬼夜行に夜の乱れ 進 紀香似のおばけだったら抱くだろう 由利子 暑すぎて出忘れましたQ太郎 尚 お菊さんお皿数えた寄席に行く 洋 未 赤旗のビーチ無視する海坊主 太 郎 現代のおばけはきっとまゆ毛無し 安 心 ギンギンのおしゃれなおばけ出る銀座 洋 未 セクハラのおばけが直ぐに触る癖 重 雄 缶ビール誰が飲んだか熱帯夜 卓まる 煙突のおばけで町が売れている 弘 背後霊義母の傘下を出られない まさえ お化けでもいいちちははよ出て参れ 弘 赤信号おばけがおいでおいでする ふく子 スポーツ界おばけ怪獣ほめ言葉 哲 也 この頃はおばけやしきがめずらしい 三根子 化けて行く久方ぶりのクラス会 進 もぎそこね胡瓜おばけになっていた 哲 也 見落としたキューリ翌朝にはおばけ 二三子 国産へ産地の文字が化けている 博 司 おばけには子育て中に世話になり 由 美 いい時代おばけはとても怖かった 薫 五 客 お化け屋敷素顔のままで依頼来る 信 一 妻よりも凄いおばけはまだ出ない 五 貫 おばけより恐いメタボを自覚する 好 子 スーッと来て都合しだいで消える人 俊 枝 化けて出るなんて面倒だから止す 千恵子 人 位 議事堂でおばけ昼寝をして終る のぶ男 地 位 ケータイの覗き見をするろくろ首 由利子 天 位 おはようと起きた貴女はどこの誰 安 心
宿 題 「自 由 吟」 互 選 G嘘ひとつ今もたたんで持ってます 義 子 E寝たふりの耳は大きな吸音機 博 司 Dやましくて余計な事を喋り出す 五 貫 C嫉妬するように鬼百合咲き乱れ ふく子 C五線譜は読めぬが軍歌なら唱う 廣 司 C応対を一新電話鳴りっ放し 竹 水 C記憶にはないが打身の跡がある 由利子 Bかいてみる絵か字か恥か醍醐味か のぶ男 Bつり橋を揺すり未練を振り落とす 豊 子 B宝くじ外れシメサバには当たり 鰹 Aきれいごと並べた議題灰汁がある しげる Aたらればを言わずに今を生きている 二三子 A暑いとは言っちゃいけない原爆忌 哲 也 @野口さんわたし百まであと四年 好 子 @デパートが人人人で夏の陣 尚 @夢の中父が今でも良くほめる 三根子 @大福で丸めこまれるお人好し 洋 未 @バリアフリー息子は同居するつもり 弘 @中国に恐れ靖国無視される 輝 男 @旗色が悪くプライド削ります 茂 瑠 @丑の日は甘い匂いと甘い声 卓まる @独りでは出来ない事も芸のうち 可 福 @パスワードこれかあれかそれのどれか 由 美 @青空という最高のアスリート 太 郎 @濁流に呑まれランプの宿消える 玲 子 @幸せの羽根はおもいっきり伸ばす 和 枝 @使い捨てされて悔しい高齢者 よし子 @駄目駄目と駄目にならない様に生き 政次郎 @単身の赴任惑わす酔芙蓉 進 @自分だけ耐えてきた気の見栄を切りまつ子 @絵葉書に添えて名所のあれやこれ 美佐緒 @山積みのりんごは過去を話さない 野次馬
参加者(順不同)今井卓まる、佐野由利子 曽根田しげる、中田尚、高瀬輝男、加藤鰹 尾崎好子、川村洋未、池田茂瑠、増田信一 小野修市、中野三根子、望月弘、畔柳晴康 金田政次郎、瀧進、鈴木まつ子、大塚徳子 成島静枝、岡村廣司、薗田獏沓、石田竹水 内山敏子、谷口さとみ、井口薫、中矢長仁 川島五貫、毛利由美、山田ぎん、鹿野太郎 安田豊子、西垣博司、林二三子、濱山哲也 竹内さき、滝田玲子、川口亘、小林ふく子 加茂和枝、酒井可福、石上俊枝、伊藤泰史 市川重雄、森田安心、鈴木千代見、中川司 薮ア千恵子、戸田美佐緒、山本野次馬、那 須野正明、芹沢穂々美、川口のぶ子、荒井 敏弘、中安びん郎、中田きく子、萩原まさ 子、提坂まさえ、柳沢平四朗、永田のぶ男
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[132] (2008/10/25(Fri) 14:17:57) |
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