平成二十年 十月十八日 定 例 句 会 於 静岡市アイセル21
席 題 「 血 」 長澤アキラ 選 血の濃さか姉妹の絆強すぎる 由利子 国会にやたらと二世幅利かせ 修 市 吸血鬼俺の年金吸っていく 由利子 血ぐらいはやろうせっかく来た虫だ さとみ 献血の有難さ知る手術室 輝 男 血税を湯水の様に流される 好 子 貧血の振りをしながら抱きついた 信 一 貯金ゼロだけど輸血で賞を受け 輝 男 子がグレて互いの血筋なすり合い 鰹 血の巡り少し悪いが生きるこつ 信 一 五 客 血縁と初めて会ったお葬式 由利子 血の雨はもとはあなたの不倫です 信 一 大出血しても儲かるパチンコ屋 さとみ 血を分けた肉親裂いた拉致悲し 修 市 すぐ怒るママに献血すすめよう さとみ 人 位 血迷うた酔った勢い妻を抱く 信 一 地 位 厨房を投げ出し無血クーデター 弘 天 位 血税をトイレに流す年度末 鰹
宿 題 「じ、で始まる句」 加藤 鰹 選 爺さんと呼ばれうっかり返事した 廣 司 実印の痛さを知った保証人 由利子 じっと目を凝らして肉の厚さなど 薫 持参金見せても魚食いつかず 安 心 次男坊極楽トンボ進化する のぶ男 自慢話子の無い人に控えてる ぎ ん 実力に運も加わり翔んでいる 千恵子 持久力つけて生きぬく平成を 修 市 地酒だようちの米からこしらえた 洋 未 ジーパンの穴が美学になるなんて 輝 男 時効まであと数日を捕えられ 好 子 ジャムを塗るバターナイフでジャムを塗る さとみ ジロジロとみられたわけはごはんつぶ 三根子 焦れったい私からしたプロポーズ 好 子 自信家は目鼻と口が超でかい 安 心 自信作これと思うがすべて没 たかし 自信ある偽装した年顔身体 信 一 邪恋の芽太く豊胸から伸びる 茂 瑠 G8ごとに総理が変わる国 由 美 浄土説く和尚も浄土まだ知らず 廣 司 自慢げな孫の話へ人が退き 好 子 自画自賛してる政策穴だらけ 修 市 自慢気に妻をちょっぴりけなしてる 弘 じっくりと味がしみ込む手前味噌 玲 子 自衛隊いざともなれば後ずさり のぶ男 重箱の隅つつき合う嫁姑 玲 子 充電中です雨音を聞いてます 輝 男 磁力だな吸い付けられる君の笑み 五 貫 自分だけ薄目につくる三杯目 卓まる 弱点は見ないで居ようそれでいい すみと じいちゃんのサーフボードに追い抜かれ アキラ 饒舌な妻にセールス敵わない 二三子 地を這って生きて雑草引き抜かれ 政次郎 時価という寿司は恐くて頼めない 長 仁 自分から求めて出世から降りる 獏 沓 自慢した昨日の嘘に風邪もらう さ き じらされて恋の甘味が渋くなる 竹 水 ジーパンの数がメタボの成長記 哲 也 地金出てやっと阿吽の仲となる 信 一 五 客 時価ばかり食べる彼女に腰が浮き 博 司 自転車のタイヤがへこむ秋盛り 可 福 実話にも少しおまけの匂いする しげる Jポップ聴いて昭和が船を漕ぐ 太 郎 じゃが芋のような人ですあったかい 由利子 人 位 自販機の音だけ響く街に住む アキラ 地 位 時差ボケを一週間も自慢する さとみ 天 位 磁石なら北です僕は君に向く 竹 水
宿 題 「秋の味覚」 曽根田しげる 選 も〜い〜かぃまーだだよーとラフランス 鰹 自然薯の味で夫婦の溝埋める 茂 瑠 松茸をげっぷ出るほど食べたいな 信 一 葡萄狩りしてる皆が空おがむ 修 市 全力で秋を掴んだ姫りんご ふく子 秋の旬ほろにがくする物価高 博 司 松茸を食べた食べたと言いふらし ぎ ん 皮肉かなマツタケ入れるおでん種 穂々美 サンマ焼く路地の奥からくるかおり のぶ子 七輪の秋そのままが煙を出す 可 福 柿ひとつしっかり秋の味を噛む 晴 康 イチジクの甘さがケンカの元となり すみと 秋の味覚柿も私も熟れている 徳 子 栗御飯少しは芋を混ぜてみる 洋 未 ヘソ団子栗のご飯で月を見る 晴 康 狂う世の秋の味覚を夏に知り 重 雄 焼きイモの匂ひに負ける女子高生 すみと 栗をむく二時間ドラマけりがつき まさえ 松茸で全員集合させる父 まさ子 絵手紙に松茸でかく描いて出す 由利子 肝臓も胃の腑も秋を待ち兼ねる 弘 松茸がブランドの傘そっと開け まさえ 秋刀魚にも備長炭と言い聞かす アキラ 落ち鮎の眼を見ぬ様にして食べる 廣 司 京料理もみじに心奪われる 千代見 秋ナスの生姜醤油は至福だな 穂々美 新米の飯ならオカズいらないよ 泰 史 やわらかく柿も女も熟れる秋 茂 瑠 凡人の舌で果実を選ばない 美佐緒 許す気がサンマの骨をスッと抜く 俊 枝 五 客 栗ご飯いつも母ちゃん指に傷 卓まる 松茸を食べたかマイク向けられた 洋 未 旬の秋メタボ気にする喉仏 竹 水 お隣りは松茸家はシメジ茸 可 福 南伊豆伊勢エビ踊る秋を食う 好 子 人 位 いも煮鍋人の笑顔で温まる 俊 枝 地 位 新そばがつるりと喉を楽しませ 千恵子 天 位 新米の湯気に命が背伸びする アキラ 軸 吟 巨峰一つ舌におどらせ秋の味 しげる
宿 題 「演 技」 望月 弘 選 悪役が嵌まりすぎてる演技力 千恵子 名演技だったね妻のしおらしさ 美佐緒 定年になるまで妻のふりをする 由 美 火花散るトップ女優の芸が冴え まつ子 タレントの天然らしいお馬鹿キャラ 静 枝 生きる為演じた過去の語り草 豊 子 欲しいもの手に入る迄の児の仕草 亘 仲の良さを演じています老夫婦 長 仁 善人を真似する演技すぐ疲れ 廣 司 廻る寿司薄い松茸カラ回り たかし 土瓶むしつまむ蓋から秋の贅 敏 子 とろろ汁真白く誘う母の膳 さ き 選挙戦パフォーマンスで勝負する 千恵子 作れない演技造花に似た私 茂 瑠 呆けた真似迫真過ぎて特養へ 信 一 コスモスとピエロの顔で難のがれ 和 枝 言い訳の演技を見抜くすまし顔 竹 水 一身上今日は貧者を演じます 輝 男 演技とも思える書家の筆はこび 二三子 パグを抱く美女の演出隙が無い 哲 也 目いっぱい女まぶして通り抜け 洋 未 さっきした指切り演技かもしれぬ ふく子 強がりを言って空咳一つする アキラ 笑うのも泣くのも生きる為の技 竹 水 白線の中での慎ましい演技 茂 瑠 劇場の外へ出てからわかる意味 まさ子 いい人をとうとうやめる停年日 まさえ オーバーに斬られてやるか孫の太刀 可 福 路地裏を台本通り迷う振り 卓まる お小遣い孫の演技に乗せられる 進 やめておく拍手をくれる人もなし 洋 未 男慣れ演技上手を疑われ 重 雄 生きる為ネオンの街で演技する 博 司 五 客 喪服着て蝋人形になった妻 野次馬 ウーロン茶だけで酔ってる下戸の靴 美佐緒 ゴタゴタが去るまで死んだ振りでいる 鰹 花道でだんまりとなる天下り 政次郎 この頃は女らしさを演技する 三根子 人 位 大粒の涙をすぐに出せる妻 由利子 地 位 ネールアート今日は女でいたいから 野次馬 天 位 母さんにあげよう主演女優賞 アキラ 軸 吟 外面はどこから見ても愛妻家 弘
宿 題 「自 由 吟」 互 選 D脈ありと徐々に持ち出す隠し玉 千恵子 C仏には詫びて神には願い事 さとみ C自家製の梅干し朝が動き出す 由利子 C生きるため肩の力も抜いてみる 三根子 Bりんご剥くお国なまりの声がする 千代見 B煮え切らぬ気持ちの侭で従いてゆく 獏 沓 B今生きるペン走ったり止まったり ふく子 B若作りしてもBCGの跡 由 美 B届かない返事待ってる秋の月 和 枝 A秋の虫うわさ話を夜明け迄 修 市 Aわたくしは一雨ごとに弱くなる 太 郎 A靴買いに行きます余命歩きたく 博 司 A気負わずに風に任せてゆくひとり 豊 子 A父ちゃんの平和女房の風次第 進 A新しい雲に乗れるか膝に訊く 五 貫 A一匹の蝶閉じ込めている胸の奥 義 子 @百円を使うに苦労する格差 美佐緒 @煮崩れた愛はお玉で掬えない 穂々美 @職業欄主夫と書きたい無職です 薫 @過労死をギネスが憂うみのもんた 静 枝 @絵手紙へ紅葉を描く母の秋 敏 子 @攻めてくる敵も勝利を信じてる 廣 司 @ゆっくりと決めたい力溜めている 徳 子 @その顔が良いね檸檬が歯にしみる 政次郎 @両親のラブコメディーの中にいる 哲 也 @なめくじの涙は乾く暇がない アキラ @荒波がみやみに舵を重くする 安 心 @ミステーク小さいうちに頭下げ すみと @束の間の主役もみじが燃え盛り 輝 男 @店先に手の出ぬ味覚並べられ ぎ ん @価値観の違い食事の席に出る 洋 未 @躓いた小石を空へ蹴り返す 野次馬 @耳ダンボ口はおちょぼで腹メタボ 信 一 @満腹だ許しておこう秋だから しげる @七転び八起き早起きなのは妻 兄 六 @矢面に立たされ踊らされる影 野次馬 @ちょっとだけストレスも入れ旅支度 まさえ
参加者(順不同)飯塚すみと、谷口さとみ 小野修市、高瀬輝男、池田茂瑠、尾崎好子 曽根田しげる、加藤鰹、増田信一、望月弘 中野三根子、森田安心、瀧進、佐野由利子 長澤アキラ、井口薫、市川重雄、畔柳晴康 大塚徳子、中矢長仁、岡村廣司、川島五貫 内山敏子、成島静枝、真田義子、毛利由美 薗田獏沓、鹿野太郎、西垣博司、石田竹水 林二三子、竹内さき、川村洋未、安田豊子 滝田玲子、川口亘、金田政次郎、山田ぎん 加茂和枝、濱山哲也、酒井可福、石上俊枝 伊藤泰史、小林ふく子、恩田たかし、中田 きく子、鈴木まつ子、芹沢穂々美、中川司 鈴木千代見、戸田美佐緒、馬渕よし子、那 須野正明、永田のぶ男、山本野次馬、萩原 まさ子、提坂まさえ、川口のぶ子、中田尚 薮ア千恵子、今井卓まる、柳沢平四朗
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[138] (2008/12/25(Wed) 16:20:31) |
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